「さぁ皆!ここが、USJだ!」
「はぁ…はぁ…動悸が…その名前は…いいのかな13号…?」
「大丈夫だから、落ち着いてくれ。許可は取ってる。たぶん。」
ハァー…やっぱ怖いよ、こういうの。著作権系の攻撃は、俺ちゃんには効果抜群なんだよ。俺ちゃんはあのクソネズミに札束で殴られた身。アタシはディズニーの都合のいい女!
「じゃあ、生徒も集まったことだし、行きますか。」
「ハーイ、デップー行きま~す。」
さ~て、生徒ちゃん達は、俺ちゃんにどんな活躍を見せてくれるかな~?
ズオォォ……
ん?なにこの穴。空間に開く、ストレンジチックなポータル。そこから、悪人顔の連中がぞろぞろと出てきた。13号が俺ちゃんより一歩前に出る。ヤダ惚れちゃう。
「…デッドプール、生徒を頼みます。」
「ありがと13号。でもゴメンね。」
俺ちゃん自慢のデザートイーグルをぶっ放す。12発で12人倒した。like a ホークアイだ。俺ちゃん、こっちの方が得意なの。ヴィランたちがポータルから逃げていく。
「ななな何してるんですデッドプール!?」
「ほぇ?生徒を守ってる。」
ポータルから黒い煙を纏った男と、体中に手が付いた男が現れる。俺ちゃんも弾丸を放つが、やっぱり銃が効かない。真後ろにポータルが開き、俺ちゃんが撃った弾が身体を貫く。
「グェ…ア~、クソ!…アンタ、中々のヘビースモーカーだねぇ?」
「…この国に…初手で銃火器を使ってくるヒーローがいるとは…思っていませんでした…」
「てめぇ…いかれてんのか?!ヒーローがそんなもん使っていいと思ってんのか?!」
「あらら君達、俺ちゃんの映画見たことないの?親が厳しかったのかな?」
「黙れ!行けお前ら!銃持ってるってことは、個性に自信が無い証拠だ!一斉に叩け!」
煙男が俺ちゃんや生徒を囲む。俺ちゃん煙プレイなんて生まれてこの方やったことないよ。視界が晴れると、俺ちゃんは平地に落とされた。分断されたか。ワープ系能力者ね。ナイトクローラーよりは優秀っぽい。味方は俺一人、周りにはヴィラン達。
「この人数だ!それに見たところ弾切れだろう!?大人しく投降しろ!」
「いやー、生徒が見てなくて良かったよ。」
「なんだと!?」
俺ちゃんはゆっくりと、ヴィブラ二ウム製の刀を抜き、構えを取る。
「さぁ皆、パンツはちゃんと履いてるか?ここから先は…R指定だ。」
「殺せ!」
向かってくるヴィランを刀で一閃し、首が宙に舞う。奴らの動きが一瞬止まる。俺ちゃんにそれは命取りよ?体をひねりながら刀を振り、胴を切り裂く。
「喰らえ!」
四方から雷、炎、針、岩が飛んでくる。吹き飛ばされ、壁面に叩きつけられる。コイツら、一人ひとりがだいぶ強い能力者だ。そりゃそうだ。子供の頃からこんな力があれば、男の子ってやつはひけらかしたくなるもんだ。男子ってホントバカ!
「やったか!?」
「それホントに言う奴いるんだ~?あぁ…イテテ…」
「何?!グアアッ!」
ナイフを首に向かって投げ、壁の後ろに隠れる。油断しちゃダメでしょ?全く。ここは戦場なんだから。そんなことを考えている奴から死んでくよ?
「気をつけろ!回復系の個性持ちだ!」
「全員で叩け!」
そうそう。せっかく大所帯なんだから、数的有利を活かさないと。でも、こっちがそういうの予想してるってことを、忘れちゃいけないよ。
ヴィラン達が横から回り込み、正面を取られる。壁を乗り越えてきたのか、上にも何人かいるようだ。背後は壁。逃げ場なし。いいよ君達、その調子。
「合図したら全員でやるぞ…」
「行くぞ…」
相手が聞こえる距離にいるのに、口で伝達は素人でしょ。まあ俺ちゃんめっちゃ喋るけどね。
「かかれ―――――!」
「ホントにいいのかな?それで…?」
「ッ!?それは…」
俺ちゃんは、両手をチラつかせる。その十本の指先には、手りゅう弾のピンが一本ずつ引っかかっていた。
「に…逃げろ―――――――!!」
「お前たちは…もう死んでいる…」
ドガアアァ―――――――ン!
爆発音を聞きつけ、A組の生徒たちが集まってくる。その時、がれきの中から、何か声がするのに気付いた。
「耳郎!なんか微妙に声するんだけど、聞いてくんね?!」
「分かった!」
「…なぁ…なぁ…おーい…」
「え?!デッドプール先生!?」
「…下の方に…俺の身体埋まってから…出してくれない…?」
「え?」
皆でがれきをどけ、パーツを見つけていく。
「爆豪!そこなんかない?」
「うるせぇ!分かっとるわ…ん?…うおわぁ!頭だ!死ね!」
「ふぅ、サンキュー不良少年。くっつけてくれたら、俺ちゃん勝手に元に戻るからさ。」
全員でパーツをくっつけ、デッドプールの身体が元に戻る。
「ありがとね皆。それで、全員無事かい?状況は?」
全員、少し神妙な面持ちになる。俺ちゃんのおふざけは、今は要らないみたいだね。空気が読めるヒーロー、デッドプール。
「飯田君が、ヒーローへの救援に行ってくれました。今はヴィラン達に、相澤先生と、13号先生が対応しています。ただ…」
「ただ?」
三人の生徒が、一歩前に出て話し出す。確か…オタクっぽい子が緑谷君。頭にゴールデン…ではなく、パープルボールが付いてる峰田君。女の子に言っちゃ悪いが、トードみたいな女の子が梅雨ちゃんだ。
「謎の男が居たんです…ヴィランに襲われていたので、助けようと思ったら、いきなりこっちに攻撃を仕掛けてきて…」
「一体何なのかしら。行動はヴィランなのに、仲間じゃない…」
「オイラ見たんだ…」
パープルボールボーイが震えている。それほど怖い男だったのだろうか。俺ちゃんからすれば、ウェポンXIが目の前に出てくることが、一番恐ろしいけどね。
「アイツ、ヴィランを操ってやがった!お前らも見ただろ!アイツがヴィランに杖をかざして、青い光が当たった瞬間、ヴィランがアイツの言うことを聞くようになったんだ!」
洗脳…?はっ、まさかね。ただでさえストレンジとヒロアカでこんがらがってるんだ。うん、まさかね。
ドカァン!
なんだなんだ?フォックスの復讐か?!空を見ると、真っ黒な体の、いかにもヴィランって感じのやつが吹き飛んでいった。
「あ~らら。フォックスよ安らかに。」
「きっとオールマイトだ!行きましょう先生!」
「オッケー。あと、先生っての、もっかい言ってくれない?」
USJの入り口まで来ると、オールマイトとヒーローたちが、ヴィランと戦っていた。いいぞ~やれ!全年齢対象の戦い方ってやつを見せてくれ!
「シット!君達!目を覚ましてくれ!」
…ん?なんか様子がおかしくないか?オールマイトが、ヒーローとヴィランと戦っている…?クソ映画の予感はまだしないけど、だいぶ雲行きが怪しくなってきたぞ…?
「ミッドナイト!スナイプ!ハウンド!ブラド!正気に、戻ってくれえええええイェェェェェ!!」
「無駄だマイク!個性の影響じゃない!俺が『見て』も戻らない!」
待て待て待~て?個性じゃない洗脳?まさか…あの?!スパイダーマン最新作に出ちゃってる?!ブランドニューデイしちゃってるあの?!セイディー・シンクっちゃってるあの?!
「おいおいマジかよクソ!やってくれたよ作者!さぁ来い!ジーン・グレ…」
「跪け。」
「え?」
荘厳な杖。アメリカのクワガタムシって感じのド派手な角が生えた兜。間違いない。彼は…
「さぁ跪け!」
「ウッソだろまじかクソ!!初期のロキかよ!!?」
「こいつめ!くらえ!」
「待て13号!コイツは…」
13号が、ロキに向かって走り出す。だが、ブラドキングの『操血』により、動きを止められてしまう。
「ブ…ブラド…なんで…」
「フフッ…この杖の力さ。まぁ、人間の知能では、理解しがたい事象だろうがなぁ。」
「あぁーダメダメ、よせよせよせ…」
13号の目が黒く染まり、オールマイトに向かってブラックホールを出す。
「だぁーチクショウ!だから言ったのに!」
「貴様…皆を元に戻せ!」
オールマイトは操られたヒーローを抑え込み、ロキに向かって叫ぶ。
「おかしなことを言うな…誰も口にしないが人間は本来、服従することに喜びを覚えるのだ。自由なんて言葉に惑わされ、お前たちは人生の真の喜びを…」
「黙れヴィラン!」
自信満々そうな顔をしていたロキはちょっとびっくりしたのか、肩をすくめた。
「貴様の言葉は、自分の心を守るために、取り繕ったものに過ぎない!その為に貴様は、人を傷つけ、いたぶり、踏みつけるのか!」
「…黙れ…黙れ人間風情が!」
ロキが杖を振り、青いエネルギー波が、オールマイトを吹き飛ばす。さっきまで脳無と戦っていたのだ。むしろ、マッスルフォームを保っているのが奇跡のようなものだ。抑えられていたヒーローたちや、イレイザーたちと戦っていたヴィランが、ロキの周りに集まる。
「僕らも加勢を…」
「生徒は下がっていろ!」
イレイザーが生徒の前に飛び出し、個性を封じる。しかし、コイツはどうも参ったね。
「この私に口答えなど!私は裏切りの神、ロキ!人間如きが、私を諭そうなど、片腹痛いぞ!」
そう叫ぶと、周りに黒い煙が立ち上る。あのワープが使える奴も、ロキに操られたようだ。だが、いくら操られているとはいえ…俺ちゃんの大切なオールマイトに手を出したな…お前らは俺ちゃん直々に…葬ってやろう!
デザートイーグルを構え、銃を撃つ。だが、倒れるのは周りのヴィランばかりで、ロキは弾丸をその身体で弾き飛ばせるようだ。一応ウルヴィーにも効いた弾なんだけど…へこむなぁ…
「ふん、貴様らの力など、取るに足らないものだ。それに、私には計画があるのだよ…」
こいつ、結構ノリがいいから、聞いたら普通に教えてくれるんじゃないか?
「お、おいお前!一体何をしでかす気だぁ!?」
足をガクガクさせ、いかにもビビってます感丸出しでいく。どうだ!俺ちゃんの渾身のビビり芸は!
「ふっ。ただの人間には分からん、崇高な計画だ。」
よっしゃ食いついた!やっぱコイツ、人間相手だと油断しまくるからちょろいな。
ロキは天井に空いた穴を指さし、高らかに言う。
「先ほど吹き飛んだ化け物…この煙を出す男から聞いたが、何体も保管されているらしいじゃないか。私はこれより、保管場所を襲撃し、能力者の軍隊を作る。そして…この星の人類を滅ぼしてやるのだ!フハーッハッハッハッ!」
「それは…だいぶマズくない?」