「それではこれより、神を自称するヴィラン、ロキの捕獲作戦。その概要を説明します。」
「いよっ!待ってました!」
「この落ち着きが無いのはなんだ…」
「あ、デップーです。」
あの後、ロキは黒霧というヴィランの力で、洗脳した人たちを連れてまんまと逃げだした。会議室に集まったのは、オールマイト、プレゼントマイク、イレイザーヘッド。そして、外部から要請したヒーローたち。有名どころは、エッジショットやヨロイムシャ。そして俺ちゃん。あと校長…彼もネズミって言ったら怒るのかな。いや、逆にアライグマって呼んでみようか。
「皆さん、集まってもらったのは他でもありません。先日、わが校の所有地である、USJが襲撃されました。」
オールマイトがホワイトボードにロキの似顔絵を描く。あらカワイイ。ギャップ萌えって奴?そういうことして、女の子のことオトしてるんでしょう。今、彼はマッスルフォームを解除している。このヒーロー達には見せていいんだな。ちょっと妬けるな。
「襲撃した首謀者とみられる男は、死柄木弔。捕らえたヴィランは、チンピラや半グレがほとんど。死柄木は、自分たちのことをヴィラン連合と名乗っていたようです。」
「ですがそこに、我々にとっても、彼らにとっても、未知の敵が現れた…」
「えぇ、それがこの男、ロキです。彼のことは、デッドプールがよく知っているとのことです。デッドプール、説明を。」
「はいは~い。どうも、俺ちゃんデッドプール。気楽にデップーって呼んでね!好きなことは、悪党の眉間をぶち抜くこと。で、え~と何の話だったっけ?」
「…ロキの話だよ…デッドプール…」
「あ、そうそう、ありがとオールマイト。それで、ロキ。アイツはアスガルドっていう神様のいる土地から来た、裏切りの神。マインドストーン…あの杖を持ってるってことは、今んとこのアイツの目的は、地球を征服することだろうね~。」
「さっきから気になっているんだが、その神ってのは…?」
「まさか、自称じゃなく、本当の神だとでもいうのか?」
「まぁ、正確には養子だけど、そうなるね。まぁ、今のアイツが出来ることと言ったら、まず一つ、洗脳。これは杖にさえ気を付けていれば大丈夫。二つ目が杖を使ったエネルギー弾。これも、車が一撃で炎に包まれる程度のモンだし、まぁ頑張れ。三つ目は、アイツの身体はめちゃ硬い。攻撃が通用するのは……オールマイトくらいだね。残念だけど。」
皆の顔には、俺ちゃんのお調子が通用しなさそうな真剣さが浮かんでいた。つまんないなぁ。せっかく異世界のヒーローと話せるのに。
「チームの人数が少ないのは、洗脳による共倒れを防ぐためか…」
「触れたら洗脳され、離れていたらエネルギー波。本体はオールマイトクラスじゃないと通用しない防御力…」
「それに加えて奴の傀儡となったヴィランやヒーロー、脳無…今回の敵、かなり厄介ではないか?」
『リ〇ク!3!2!1!GO!ハットリャア!セイヤァ!』
「ふんふふんふふ~ん……え、あ、俺ちゃん?」
暇すぎてスマ〇ラ始めちゃったけど、流石に音は消した方が良かったね。皆めっちゃ見てる。
「…あ~、ゴホン、とにかく!我々のやるべき事は三つです。一つ!洗脳された人々の救助!二つ!脳無の軍団を確保すること!そして三つめは…ロキを捕らえること!」
「おぉ!」
「あいよ~…ダァ―クソ!だからカ〇ヤ使いは嫌いなんだ!」
くそ!くそ!くそ!なんで俺の計画がここまで壊されるんだ…!オールマイトを殺すために連合を組織したのに、メンバーの大半があのよく分からん杖使いに操られた…黒霧が俺だけでもと逃がしてくれたが…アイツも帰ってこねぇ…かと思ったら、アイツが本拠地を襲撃して、脳無を根こそぎ奪って行っただと?!
「…ふざけんなああぁぁ!」
死柄木は、破壊された本拠地で一人わめき続けている。そこで、一台のパソコンの画面が光った。AFOの通信だ。
「え~と…弔…一応聞くけど…ウソだよね?ドクターから聞いたんだけど…いくらなんでもさぁ…黒霧も脳無も奪われたってさ…」
「全部本当だよ先生…」
「…えぇ…スゥ―…そう、か…じゃ…どうしよう…Lolとか…やる?」
「…やる。」
ロキは上機嫌だった。自身の思惑通り…少々違うが、万事思い通りに進んでいた。自身の力を知らしめし、軍隊を率い、人間どもを滅ぼす。計画は順調に進んでいる。脳無という物言わぬ兵器。奴ら操るのは簡単だった。意思を持たない者の方が、支配しやすいのだ。跪く能力者の軍団に囲まれ、ロキは笑顔を抑えられなかった。
「ふふふ…喜べ人類。この私が、直々に滅ぼしてやるからな…覚悟せよ!」
「……なんて言ってるんだろうな~。」
「…そうなのかい?」
「ま、たぶんそうでしょ。」
「彼とは…どういう関係なんだい?」
オールマイトがコーヒー缶を差し出してくれる。確かに、今の俺ちゃん、完全にオフモードだからマスク以外完全に私服だからね。まだ4月?5月くらいだから、ちょっと肌寒いかな?
「ありがとオールマイト。これは体で返すよ。まあ、ざっくり言えば、視聴者と演者って感じ?」
「演者…あ、あと、体で返すのはホントにやめてね。」
「そう?日本人ってのは奥手だね~。まぁ、アイツのことは知ってる。俺がいた世界では、結構昔にもアイツが地球を攻めてきたんだ。」
「そうなのかい?!その時は、どうなったんだい?!」
「そん時はアベンジャーズっていう、地球最強のヒーロー集団が倒してくれたんだよ。」
「へ~!それはすごいな!君もそうなのかい?」
「い…いや~?俺ちゃんは基本ソロだからね…あ、でもでも!俺ちゃん率いる、X-Forceっていう、精鋭揃いのチームがあるんだ!」
「ほう、そっちもすごいな!メンバーはどうしてるんだい?」
「…グスッ…俺ちゃん以外…もう…」
「そうか…」
「グスッ…あぁ、必ず、ロキを止めよう!」
「おぉ!仲間たちのためにも、彼の手から平和を取り戻そう!!」
…なんか騙してるみたいな気分になってきた。いや、別に嘘はついてないんだけどさ。
ー会議より三日後・N市上空ー
「ママー。あれなにー?」
「え?うん、なんだろうねー。」
空にポツリと浮かんでいる黒い点。それが、徐々に広がり、都市に巨大な影を落とす。その黒の内部より、脳無が飛び降りる。一体の飛行の個性を持つ脳無の背上には、金の兜を被り、緑色の外套を纏ったロキが居た。
「フフ…人類よ。私に従え…!」
ヒーローたちの通信端末に連絡が入る。デッドプールとオールマイトも、現場に急行する。生徒は学校で保護している。これで彼らも、気兼ねなく戦えるというわけだ。
「黒いモヤの内部に、ロキ及び、脳無を目視で確認!連絡した所定の位置についてください!」
「よし…皆さん準備を…作戦を開始します!」
「オッケー!ジャパンジャーズの力、見せてやろうぜ!」
「それなんだい?!」