TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします 作:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物))
Ep.1 TS転生自称ダウナーお姉さん爆誕
ボクが目を覚ました時、周囲の光景はまったく知らないものへと変貌していた。
一面が木に包まれ、さっきまで自分が寝転んでいた部屋の要素はカケラも見当たらない。
な、なにーっ!!
こ、これは……!?
今まで読んでいたエロライトノベルは!?
「なんてふざけている場合では———あれ、なんか声が変……」
そう思いつつ、下を見る。
そこには存在しないはずのモノがあった。
でっかいでっかい。すっごいでっかい。ばるんばるんって擬音が聞こえてきそう。
「これは……なるほど。TS転生……転移? ま、どっちでもいいか」
どうやらボクは異世界へとやってきてしまったらしい。
まぁまだ異世界だと確定した訳ではないんだけど、多分そうだろう。そもそも姿が変わってる時点でかなりファンタジーだ。
「うーん……こういう時はまず何をすればいいんだろうか」
やっぱ『ステータス!!!!!!』って言ってみるとか?
「ステータス!!!!!!!」
何も起こらなかった。クソが、恥ずかしい思いしただけじゃないか。
じゃあ次は……魔法が使えるか試してみる?
「んー……形式はよく分からないけど、ひとまずこれで。“ファイアーボール”」
指先を立てて、その先に魔力的な何かを集めるようなイメージをしてみた。
お? なんか上手くいきそう……と思ったのも束の間、指先にはサッカーボールくらいの大きさの炎が発生した。
ひゅう! これでボクも魔法使いだ!
テンションが上がったボクは上空へと火の玉を打ち上げた。それはある程度まっすぐ上に飛んだ後、その場で大きな爆発を起こす。
お、おぉ……これ正面とかに撃ってたら大惨事になってたかも。
「無詠唱でもやれるのかなぁ……あ、できた」
水の玉を生成するイメージを組み上げたところ、指先にはさっきと同じサイズの水が出現した。こりゃあいいね。顔洗う水には少なくとも困らない。
「じゃあ光魔法とかってのは……」
できますねぇ!?
手元にポワポワした謎の光が浮かび上がった。これ光っていうのか? なんか違うような気もするが……まぁいいや。
やばい。楽しくなってきたぞ。
その後もボクは魔法の検証を続け……いつの間にか日が沈みかけていた。
◇◇◇
その男は別の街からこの街、オーヴァへとやってきた冒険者であった。
冒険者ランクはB……一般的には腕利きの冒険者とされるラインにまで到達している。
そんな彼だったが、この日は魔物との戦闘がやけに多く発生してしまい、想定よりも進むことができなかった。
そのため、急遽もう1日の野営をすることとなったのである。
「この辺りにすっかな……ん?」
野営地を決めたその時、彼は気づく。
やけに明るい場所があるような……?と。
危険かもしれない。そう考えた彼は愛用の剣を手に持ち、ゆっくりとその場所へと歩み寄る。
そして、そこで何やら魔法の練習をしている女性を発見した。
ほんの少しの下心を持ちつつ、彼はその女性へと話しかけた。
「あー、あんた。もしかして冒険者か? せっかくだ、一緒に野営しねぇか? ほら、一応俺ぁB級冒険者でな……自慢じゃないがら結構頼りになると思うぜ?」
その言葉を聞いた女性はぐりん、と顔を男の方へと向ける。
ちょっと怖かった。
「冒険者? いいや、違うね……」
「冒険者じゃねぇのか? なら尚更だ。俺が護衛を……」
「ボクは——————ダウナーお姉さんだ」
男は話しかけたことを後悔した。
◇◇◇
……んー、もしかしてバッドコミュニケーションだったか?
いや、まぁいいさ。ボクはこれからダウナーお姉さんとして生きていく。
大学デビューってあるだろ? それと似たようなモノだ。異世界デビューってやつだね。
さて、今後はどう生きていこうか。やっぱりファンタジー世界のダウナーお姉さんといえば吟遊詩人とかかな……?
リュートとかライアーみたいなのってこの世界にもあったりするんだろうか。
まずはお金貯めてそういうのを買うところからだな。
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ダウナーお姉さんとの約束だぞ!
で、結局転移なのか転生なのかどっちなんだい?