TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします   作:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物))

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Ep.14 『魔族2』ではより多くの魔族が登場

 

『ククク……お前があの……〝呪いの戦慄(カース・メロディ)〟とか呼ばれているエルフか?』

「いや……人違いじゃないかな」

『胸が異様なほどにデカいと聞いている。お前だろう?』

「それ、セクハラです。若い子に嫌われちゃうぞー?」

『セクハラとはなんだ……? まぁいい、しらばっくれても無駄だ。お前がソルベルを殺したことは分かっている』

「ソルベルって誰?」

 

 ボク(+箱に入った魔族くん)は空で浮かびながら、もう1人の魔族と対峙していた。

 いや、実際対峙してるのはボク1人だね。

 

 しかしアレだな、魔族って結構遠くの方に住んでるんじゃなかったっけ? 魔族領みたいなさぁ。

 なんでこんなところに……っていってもまぁ、大体の予想はつくか。

 

 

『一応聞いておこう、我らの仲間になる気はないか?』

「ないよ? なぜならボクは最強無敵ダウナーお姉さんだからね」

『何を言っている?』

「なんならボクの下僕になるってのはどうかなァ!? クァーッハッハァ!!」

『チッ、下等生物風情が……なら死ぬがいい!!』

 

 ぼうっ、と黒い炎の球がボクに放たれた。

 が、それよりもボクが竪琴を鳴らす方が早い。

 

 ぽろん、その音と共に炎は軌道を変化させ、逆に魔族2の元へと向かう。

 “ミラー”という魔法だ。ボクが前に読んだ『魔法理論』ってのにこの魔法について書かれてたんで、それをそのまま使った形になる。

 微妙に自分用にカスタマイズはしたけど、それくらい。あの本を書いた奴はボクに匹敵する頭を持っているようだ。

 

 

『フン……はぁぁぁっ!!』

 

 さらに魔族は大量の炎弾を放つが、それをボクはすべて跳ね返していく。

 おいおい、ミラー対策用の改造魔法陣用意してないのかなぁ?

 もしかして魔法初心者ですかぁ????

 

 

『なんだお前は……なんだその魔法の使い方はぁぁぁッ!!!』

 

 さらに魔族2の魔法が加速し、そして彼自身がこちらへと同時に襲いかかってきた。

 肉弾戦は得意分野だぜェ?

 ダウナーお姉さんキックを喰らうがイイ!

 

 

『ごっ……!?』

 

 めりめりめり、と魔族の腹が凹む。あっちも固めてはいたようだが、そんなもの既に対策済みである。

 この世界における戦闘の基本は『相手の魔法に対するアンチ効果を持つ魔法』を瞬時に組み立て、使う……というのがボクの推測だ。

 これは身体強化も例外ではない……が、意外にもこれはあんまり実戦で使われていないのかもしれない。

 

 つまりボクみたいな天才にのみ許された戦い方というワケだ。いやぁ……照れるね(自己完結)

 

 

『がっ……!?』

「試したいものがあるんだ。実験台になってくれたまえ」

『な……にを……!』

 

 “隷属”という魔法があるらしい。詳しい魔法陣の構成なんかは書いていなかったが、対策用魔法については少し触れられていた。

 そこさえ分かるなら簡単だ、後はリバースエンジニアリング……なんか違うかな? まぁいいや、ともかくそれで隷属魔法を完成させた。

 

 簡単な魔法……炎とか水とかはフィーリングで使えちゃうんだけど、ある程度高度なやつは理論から組み立てていかないと不発したり効果が低かったりするからね。

 詠唱すると補助が入る(?)らしいんだけど……ボクは無詠唱がいい。なぜならそっちの方がカッコイイからである。

 なんならそういうキャラが大技で詠唱した時はさらにカッコイイ。分かるだろう? ほら……具体名とかはあんま思い浮かばないけど、ねぇ?

 

 

「〜♪」

『グ……ギィ……ガァァァッ!?!?』

 

 ぽろんぽろん、ぽんぽろろん。

 

 今頃魔族2くんの頭には本物の『呪いの旋律』が頭に響いていることだろう。

 そんな苦しがるような仕組みは入れてないはずなんだけど……まぁこれは何かしら見落としがあったのかもね。でも最終的な結果が良ければ良いのさ。

 

 

「か〜ぜ〜のぉ、なるせ〜かいでぇぇ」

『頭が壊れる……ッ!! 黙れェ!!』

 

 なんとなくオリジナル曲(最近作曲した)を歌っていたら魔族2くんが叫び出した。そんなにボクの歌が心地いいのか……じゃあもっと聴かせてあげよう!!

 

 とか思っていたのだが、ぷつりと魔族2くんの意識が途切れ、そのまま落下していった。

 あんまりにも急だったため、ボクは落下した彼を捕まえることができずそのまま地面に全身を打たせてしまったが……まぁ魔族は頑丈(図書館にあった『魔族について』より)らしいので問題ない。

 

 

 ボクは地上に降りて魔族2くんの元へ駆け寄る。

 まったく、ちょうど街を見つけたタイミングで襲いかかってこないで欲しいよね。

 魔族くんもそう思うだろ?

 

 

『……! ……!』

 

 箱の防音機能強化したから何言ってるか分かんねぇや。あ、もちろん空気は通してるから問題ない。防音は魔法でどうにかしているってコトだよ。

 でも魔族ってそもそも空気必要なのか……? 成り立ちから違うっぽいし、実は大気中の魔力だけで生きていけたり……って思ったけど、そういえば『魔法理論』によれば空気中に魔力は無いらしいよね。

 でもちょっとボクは信じていない。なんとなーくだけどありそうな肌感覚があるのだ。エルフの勘……いや、ダウナーお姉さんの勘である。

 

 まぁ元の世界でもめちゃくちゃ間違ってる教科書とか専門書とかってあるからね。そういうこともあり得る、と考えておこう。

 

 

「お、みーっけ」

 

 なんか……なんだろう。頭から真っ直ぐ地面に突き刺さってる感じ……?

 こんな綺麗に突き刺さることあるんだ……と思いつつもボクは魔族2を野菜を引っこ抜く要領で引き抜いた。

 

 目が虚だ。どうやら成功したらしい。

 

 

「キミの名前は?」

『ガル「あー待って。どうせ覚えられないからやっぱ言わないでいいよ」……了解しました」

『……! ……!』

 

 ガタガタと箱が震えている。なんでだろう。

 

 ……あぁ、魔族の仲間が増えて嬉しいってことかな。それなら早く一緒の箱に入れてあげないと……(使命感)

 

 でもこいつデカいんだよなぁ。つーかわざわざ魔族を持っていく理由ってあるのか?

 魔族1くんもなんとなーく意味深な発言しながら連れてきたけど、実のところ予定などは何も無い。ただなんとなくで確保しただけである。

 いやねぇ? 人殺すのって基本的に無駄じゃない?

 だからなるべくリサイクルしたいワケ。

 

 

 しかし……

 

 

「うーん……でも、ペット捨てるのって良くないし……」

『……! ……!』

 

 ははは、そんなに箱をガタガタ震えさせてどうしたんだい魔族1くん。

 そんなに仲間が増えるのが待ちきれないのかな?

 

 いや、よし。それならこの子も連れていってあげよう。

 ボクはとても優しいのである。

 

 

 でも流石に一個の箱に突っ込むのは……あぁいや、待て待て。待て。

 空間拡張魔法とかで箱を改造すれば……いや高度すぎる。でもやれるだろう。なぜならボクは天才お姉さんだから。

 

 食糧は……まぁもう一日中くらいは食べないでも問題ない。それまでに完成しなかったら捨てるってことで……

 

 

『……! ……!』

「あー、うーん……なるほど? 配列崩して……いやそのやり方だと身体がめっちゃ引き伸ばされるか……? 単純に空間だけに付与を……ってなると箱を動かしたら拡張空間だけその場に残る。箱自体に仕掛ける前提で何か良い案は……」

 

 ふふふ、魔法の検証は楽しいなァ。

 何日でも使えちゃうぜ。

 




あんまりサイコすぎると感情移入できないからね……ちゃんと人間らしい優しさはありますよ、えぇ。
なんなら普通より慈愛の心は持っています。誓って殺しはやってません。殺しはね。
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