TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします 作:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物))
◇湖の街、ウェルタード
「身分を証明するものは?」
「はいはいっ」
ボクはポケットから
そして今度はちゃんと冒険者カードを取り出した。
「……あぁ、最近噂の〝
「ボクが問題を起こすはずないだろう?」
まったく、これだから門番ってやつは……
◇冒険者ギルド
「ヒャッハーッ!!」
「「「ひゅうーっ!!」」」
「ぐっ、おごっ」
ぽろんぽろんぽろんぽろん!!!
やっぱムカつく奴がのたうち回る姿を見るのは気持ちがイイなァ〜〜〜!?!?
もっと掛かってこいよぉ!! ここにか弱いダウナーお姉さんがいるぞぉ!?
「あの人酔ってる……?」
「いや、飲んでない。シラフだと思われるが……」
「怖えな、近づかないようにすっか」
「だな」
◇◇◇
「C級に降格だ、エル=レイヴィア」
「そんなぁ!? ボクは抗議するぞ! 弁護士を呼びたまえ!!」
「知らんわ。お前さんちょっと暴れすぎ。5回も警告貯めたんだ、処分は当然……これに懲りたらちったぁ大人しくするんだな」
うっうっ……異世界モノでランク降格なんて見たことないのに……!!
ボクは復讐を決意した。このギルドマスターにはいつか酷い目に遭ってもらう。
「いや、とばっちりだ!! 警告ほとんどオーヴァで付いてるじゃねぇか!?」
「うー、がるるっ」
「クソが、お前さんのような奴は本当に面倒なんだ……頼むから静かにしていてくれ」
がうっ、がうっ!!!
「ぐるるるる……」
「そんな狼みたいな体勢で居座られても困るんだが……いや本当に面倒だな。お前さんはこれまで見てきた中で一番酷い」
がうぅっ!!!
◇◇◇
「ぐるるるる……お肉食べたい……!」
ボクは飢えていた。なんか食べたい……特に肉……!
タンパク質と脂質が足りない……!
ぐるるるる……これはお腹の音だ。ボクってば2日か3日くらい何も食べてないのである。さっさと食べて飢えを満たそうじゃあないか。食べれるならなんでもいいよ。
エルフって草食なイメージあるけど、ボクには関係ない。いい加減エルフもステレオタイプというものから脱却すべきなのだ。エルフも肉は食べるー!!(プラカードを掲げる)
でもこれはボクが勝手に抱いているイメージである。
よけ考えたら、そもそもこの世界のエルフについては全然知らん。
ボクはショックを受けた。ボクが……ボク自身が一番ステレオタイプに囚われていた……!?
「おっ、アレ美味しそう」
なんだアレ……マンガ肉か?
いいじゃん、せっかくだし食べようや。ああいうの人生で一回は食べてみたいと思ってたんだよね。
「あいよ、1200ゴルだ」
「結構高い……まぁいいけど」
「あんがとさん。ほれ」
ボクは骨の部分を持ってかぶりついた。おっぺぇに肉汁が垂れたわ、熱い!!
でも美味しい。しかし味が薄い。塩こしょうくれねー?
ボク現代日本人だったからさァ、舌がガキなんだよね。好き嫌いしまくりだよ。
ピーマンとか嫌いだし。ナスは好きだけど。
ピーマンって苦くね?
「んっんー、ごちそうさま」
ぺろり、と舌なめずりをする。可愛いでしょー?
ボクはこういう小さな仕草にも気を配るタイプのダウナーお姉さんなのである。千里の道も一歩から、って言うじゃん? いやこれあんま関係ないか。
「オススメの店とかない? ボクお腹空いててさァ」
「はっはっは! 姉ちゃん栄養全部胸にいってんのかぁ? そりゃあ腹も空くだろうな」
「なんか最近さらに大きくなった気がするんだよねぇ。で、オススメの店は?」
この世界の奴らセクハラという概念が無くて困るね。まぁ悪意ないならいいけどさァ……元の世界だったら即刻処刑されていたところだ。なんか世界観違くね?
「一応こっちも食べ物で売ってるからなぁ……ただまぁ、姉ちゃん美人だから教えてやるよ。あの路地あるだろ? あそこ通って抜けた先、右の方に店があるんだ。小さな白い看板が目標な? ちっとばかし値は張るが、味は保証するぜ」
「ありがとう屋台のおじさん……ッ!」
「いいってことよ」
◇◇◇
「おい姉ちゃん、ちと付き合———ぐぺぇっ!?」
◇◇◇
路地裏を通ったってことは、つまりチンピラと一回エンカウントしたってことである。
この世界の路地裏は確定エンカだからね。金策にはもってこいである。
まれに金ピカに光るチンピラが出てくることがあるのだが、そいつはたくさんお小遣いを落とす……ただし逃げ足が早い。
そろそろボクも何をいっているのか分からなくなってきたところで、言われていた白い看板を発見した。ここで合ってるよね?
「えーっと、本日のお料理は……っと」
中々イイじゃあないの。この世界にしてはしっかりボクのニーズを満たしている店だ。
確かに値段はちょっち高いけど、まぁ金は貰ったので問題ない。
「ちわちわ」
「いらっしゃい! 食事かい!? 泊まりかい!?」
「食事だよぉ。気に入ったら泊まるね?」
「そんなら適当な席座って!」
おばちゃんがせかせかと動きながらボクに話しかけてきた。中々客の多い、良い店である……が、人手は足りなそうだね。
そんなこんなでそこそこ待った末に料理が運ばれてきた。
お腹空いてたからとりまぜーんぶ頼んじゃったけど、まァボクはたくさん食べる子だからね。このぐらいぺろりだぜ。
「はむっ、んぐっ、むしゃりむしゃむしゃぁっ!もぐもぐもぐっ!!」
「ガキかよ」
「あーん? このないすばでーなお姉さんにそんな口を聞くのはいったい誰かなァ?」
後ろから聞こえてきた声に思わず振り返れば、そこには『ザ・主人公』と言った容姿の男の子がいた。
待てよ。見たことあるぞこいつ……そうだ! 思い出した!
「クラウスくん!!」
「シュンです!!!」
間違えた!!! ゴメンね!!!
そういえばそんな名前だった気がする。クラウスって誰だよ……
「久しぶりですね。俺はつい先日B級に上がりました」
「そうだね。ボクはついさっきC級に下がったよ」
「???」
いやぁ……分かるぜその気持ち。ボクもそうだった。
下がるなんておかしいよな。何もしてないっていうのにさァ。
「よく考えたら素行から考えて普通ですね」
「あはははは、どうやらキミはボクの曲を聞きたいらしいねェ」
ぽろん、と軽く鳴らしてみせる。シュンくんは軽く後ずさった。
どうやらボクの噂は結構広く浸透していたらしい。
評価付与してくれるとマジで嬉しいってダウナーお姉さんが言ってました