TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします 作:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物))
◇冒険者ギルド
「ボクまたなんかやっちゃいましたかぁぁぁぁ????????」
「クソが……なんでお前が倒してんだよ……」
なんかシュンくんに依頼されてた魔物、ボクが倒してたっぽいんだよね。ほらアレ、前にちょっと強い魔物倒したって話したじゃん? アレがシュンくんに討伐をお願いしてた魔物だったらしい。
つーワケで、だ。
「ボクに……報酬の400万ゴルを寄越しな」
「しれっと釣り上げてんじゃねぇよ。シュンの野郎に捜査費渡すことになってっから……200が限度だ」
「いーや250だね」
「220」
「240」
「30」
「35」
「わーった、それで手を打とう」
「分かってんじゃん……」
ボクはギルドマスターと握手した。ところでさァ……
「ほら、あるだろ……まだ?」
「なんだ。ランクか?」
「分かってんじゃん」
「まぁ降格は取り消してやろう」
「チラチラ……」
「声に出しながら見るんじゃない」
「ほらぁ、結構凄い魔物倒してたって話じゃぁん? だからさァ」
「レベル的には、シュンの倒した最下級のドラゴンよりは少し上と設定されていた……仕方ねぇ。ポイントに加算くらいはしてやるよ」
よっしゃキタァ!
早くAまで上げてくれよなぁ?
「つーかよ、お前例の魔物どう倒したんだよ。教えてもらえると助かる。あいつぁ硬え速ぇ強ぇの三拍子揃ってたんだ、どうやった? B級が数人、一瞬で殺されてるレベルだってのに」
「んー……まァいいけど」
◆◆◆
「おい魔族くん、なんかヤバそうなのいるんだけど。アレ何?」
『アレは……オークロード……のように見えますが、何か変ですねぇ』
「なんかマネキンみたいな質感してるんだけど……魔王軍の新兵器だったりしないよね」
『そんな訳ないでしょう。魔王様にああいった魔物を創る趣味はありません』
ふーむ、古代都市産の魔物ってとこか? あるいは暴走してる機械とか。まぁなんでもいいさ、ボクがやろう。
そんなことを口走りながら前に出た時、マネキンロードの頭のあたりから……赤いレーザーが、こちらの心臓に向けて放たれた。
クソが、どう見ても魔物じゃねぇぞコイツ。機械的な何かだ。
『———』
なにかノイズのような音が聞こえたかと思えば、それは急加速してこちらに向けて拳を振りかぶっていた。
こっちの世界じゃあフィジカルAIが既に完成しているらしい。技術の進歩歪すぎんだよここはよォ〜〜〜ッ!!!
ボクは本気で拳を強化し、そのまま敵を殴り飛ばす。
うおかっった。なんだこれ、あっちもヤバいくらい強化してるぞ。これが古代の技術か……? それならパクらせてもらおう。
「なるほど、分散させるってのが肝ね」
『エルさん、来ますよ』
「どうせ役に立たないんだから、実況してないで箱に避難してなさい!!!」
『はい』
魔族くんはいそいそと両手足を折り畳んで箱へと入っていった。ボクが言うのもなんだが、器用だね……っと。
ガン!!と金属同士がぶつかったような音が腕から響き渡る。さっきよりは軽いな、やっぱこっちも改善したのが効いてるか?
『———“アストラルドライブ”起動』
「なにっ」
ここに来て、マネキンロードくんは更なる加速を行った。
青白い光を纏い、まるで無敵モードに入ったかのようにボクの周辺を動き回る。
ならばボクも加速だ。
魔法陣というものは、魔法の発動時に一瞬だけ現世にも出現する。
お相手さんはしっかりと無駄な刻印やらダミー回路やらを魔法陣に刻み込んでいるようだが……そこは既にボクも到達している場所だ。
解読魔法により、脳内で敵の発動した魔法陣のコア部分を無理やり抜き出す。
演算魔法によって高速で予想結果を組み立てる。
あっちに勝つにはもっとスピードがあると尚イイねェ。
ということで改造魔法を用いて出力をブチ上げる。
セーフティ部分?
フッ……くだらねェ……
こんなん取り去ってやるぜ。
ついでに出力は100倍だ……ッ!
あ、一応認知機能あたりは追いつけるように補助魔法掛けて……ヨシ!
「クックック……“エル=レイヴィアドライブ”起動だッ!!! あがっ」
何も見えない。なんか痛い。何かにぶつかった……?
マズいな、停止!
「……フゥ。危ねぇ危ねぇ、死ぬとこだっぜ……ここはどこカナ?」
見たことのない光景が周囲に広まっていた。木の種類的には……まだそんなに離れてない、はず。
「仕方ない。テレポートを試そう」
これ使った時だけエグい量の魔力持ってかれるからねえ……あんまり使いたくなかったけど仕方ない。
◇◇◇
「やぁ」
『うわ、びっくりした。どこから出てきてるんですか』
「まぁいいじゃん、それよりさァ……ボクが多分轢いた例の魔物ってどこ?」
『アレです』
「アレが……?」
目の前には、灰色の肉片……肉片……?が周囲に散らばった光景があった。
血まで変な色をしている。なんだこの血……気持ちわりぃ……
「うへー、これ機械じゃなかったんだ……生物?にしては色々変だけど」
『私もこのような魔物は見たことがありませんね』
「博識な
『おだてても魔王軍の情報は売りませんよ』
「ちぇっ」
まぁ実は夜の間に脳を魔法でくちゅくちゅして色々抜き出してるってコトは黙っておこう。実はそれだけじゃなくて段々ダウナーお姉さんが好きになってくるように改造したことも黙っておこう。
『……? どうしましたか?』
「いやァ、なんでもないよぉ?」
『そうですか』
あと実は(以下略)
◆◆◆
「ってな感じでェ……」
ボクはこの話を、ところどころぼかしながらも、なるべく正確にギルマスに語ってあげた。
「ふむ……華麗な演奏に涙した魔物が涙を流しながら天に召した、と……なめんじゃねぇぞ、こらぁっ!!」
ギルマスは机を真っ二つにブチ割りながら怒り狂った。あれーーーーッ!?
ボクまたなんかやっちゃいましたかぁぁぁぁ????????(2回目)
「ボクはなるべく正確に話したんだけどなァ!? あの魔物はさぞ幸せそうな顔で上の方に浮かんでいったんだけどなァ!?」
「国の防衛に関わる話だっつったよなぁ!?」
「そんな話ボク聞いてないですぅー!」
「あぁ!? じゃあやっぱ嘘じゃねぇか!!」
「嘘じゃないですぅ」
「この調子じゃ倒したってのも嘘だろ!!」
「それは本当だよ!! ほら、魔石あるよ!」
「
「あっやべ」
◇◇◇
「えー、この度は、国の安全保障に関わる依頼に関連する事象において、真実と異なる情報を故意に伝えてしまったことを、心より謝罪します」
「絶対心込めてねぇ……つーかなんでお前そんな語彙があるんだ。まさかどっかの貴族だったんじゃねぇだろうな……?」
「ふふふ……どうだろうね?」
「まぁいい、とりあえず座れや」
「おや? まさかボクに指名の依頼カナ?」
「いや……違うが、お前にとっても良い話だ。ここは湖が近い街だってのは知ってると思うが……」
と、ボクたち2人が話していたその時……突然外の方から地響きのような、落雷のような……とにかく大きな、揺れるような音がした。
地震……とかではなさそうかな。
「……確認するぞ」
「ボクも暇だから着いてくよぉ」
「着いてくんじゃねぇと言いたいところだが、今回はお前が居てくれて助かった、という事態になるかもしれん……行くぞ」
「しゅっぱつしんこー!」
「はぁ……」
◇◇◇
「なんだ、何が起きた?」
「なんか外でやべー魔物が大量に出たらしい」
「方角は?」
「あっち」
「数は?」
「まだ見てないから知らん。だが酷い量らしい……監視塔のやつ曰く、この街の全冒険者、全兵士が総出で戦わなきゃマズいかもってレベルだそうだ」
「チッ……なんでこんな急に……S級案件か?」
「まぁ、そうだろうな」
「クソが……依頼も間に合わねぇ……!」
ギルマスくんがその辺に残っていた怠惰な冒険者に聞き取りをする中、ボクは“フライ”の魔法を行使して空に浮かび上がる。
おうおう、数千体のマネキンロードがいやがりますなぁ。
しかももうそろそろ街に辿り着くぞ、このペースじゃ。
バカじゃねーの、アレ1匹でそこそこ強かったんだぞ。
国が滅びちゃうよぉ〜〜( ; ; )(無力な民)
———だがしかし、ダウナーお姉さんに不可能はない。
「ねぇねぇギルマスくぅぅぅん……ボクという希望の方舟に乗ってみないかなァ……? 今なら切符1枚たったの20……いや、30億ゴルでいいよぉ?」
「……勝算は?」
「100%と断言してあげよう。ボクに任せたまえ」
「……2億が限度だ、それに後払い。国に掛け合うから時間もかかる」
「ふふふ……まァそれでいいよ。じゃあこの契約書にサインして」
「は? 今?」
「当たり前だろう?」
ボクは人間が好きだけど1ミリも信用してないからね。
つーワケでこれにサインを……
「……おい、聞いてない話が大量に書かれてるんだが!? このタイミングでそういう勝負仕掛けるんじゃねぇ!! 街の存亡掛かってんだぞ!?」
「ボクのお金もかかってるんたけど!?!?」
「釣り合ってねぇよ!!!」