TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします   作:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物))

2 / 5
Chapter 1:始まりの街、オーヴァ
Ep.2 (……? 何言ってんだ……コイツ……?)


 

「はっはっは、ところでキミの名前はなんというのかな?」

「えっ、えー……あー、クラウスだ」

「クラウスくんね、覚えたよ」

 

 まぁ人の名前覚えるの苦手なんで、すぐ忘れる可能性は高いけど。

 

 

「……あんたの名前は?」

「ボクは……」

 

 と、ここでボクは迷った。

 

 ボクの本名は嶺亜(れいあ) 得 (エル)というのだが……どう名乗るのがいいだろうか。

 せっかくだし新しい名前を名乗ってもいいんだが、しかし元の名前も個人的にはなかなか気に入っているのだ。

 唯一無二って感じがするじゃん?

 

 

 悩んだ末に、ボクは結論を出した。

 

 

「エルだよ。エル=レイヴィアさ」

「エルさんか……分かった、とりあえず一晩よろしく頼む」

「あぁ、任せるといい———このダウナーお姉さんに、ね」

「……あぁ、分かった。ところであんたは……1人でいるってことは、冒険者……か?」

「ボクはダウナーお姉さ———「そういうのじゃねぇ。冒険者なのかそうじゃないのかって聞いてんだ」……冒険者じゃないよ」

「そうか。なら夜は俺が見張っとくが……もし出来るんだったら、ある程度はあんたにも見張りをやってほしい。万が一の戦闘は俺が受け持つ」

「いいよ」

 

 徹夜は得意だ。三徹までならいける。

 

 

「半分経ったら起こしてくれたまえ」

「お、おう……分かった。ところでもうメシは食ったのか?」

「え? あー、んー……」

 

 よく考えたら半日くらい何も食べてないな。魔法で作れたりとかは……ダメだ、できない。

 

 まぁ1日くらいなら食べなくても……いや、それもダメだ。今この世界の通貨とか持ってないし、常識も仕事もない。

 そんな状況で遠慮なんかしてたら死まで一直線だろう。

 

 

「……何か持ってたら分けてくれると助かるよ。お恥ずかしながら食料は持ってなくてね」

「あんたどうやってここまで来たんだ? はぁ、まぁいい。これしかねぇけど悪く思うなよ」

 

 ひょい、とクラ……クラ……クラアス?から何かが放り投げられた。

 これは……アレだな、携帯食料ってやつ。

 

 

「いただこうか」

「なんでそんなキメ顔なんだよあんた」

「もぐもぐっ、もぐっ……!」

「リスかよ……」

 

 リスもこの世界にいるんだなぁ、とか思いながら携帯食料をモグモグする。結構おいしい。ナッツみたいな味……?

 

 

「食い終わったか? なら薪集めるぞ。手伝え」

「なんかボクの扱いが雑になってないかい?」

「気のせいだろ」

「ほんとかなぁ……まぁいいよ、そういうのは得意分野さ。“ウィンド”」

 

 魔法の名前は適当。

 風を操り、近辺にある木の枝やらなんやらを浮かせつつこちらへと持ってくる。

 結構練習したからね、このくらいはできるよ。

 

 

「ほぉ。中々腕の良い魔法使いらしいな。どっかのお抱えか? いや、それならこんなとこに1人でいるのはおかしいか……」

「ボクは吟遊詩人だよ。でも今はちょっとお金が無いから、冒険者にでもなってみようかなって、ね?」

「ははは! 吟遊詩人が一人旅してたのか!? さてはあんた、相当ヤバい奴だな?」

「そんな。ボクはただのダウナーお姉さんだよ」

「さっきからあんた何言ってんだ?」

 

 ダウナーお姉さんを理解できないクライスさんを無視して、ボクは集めた薪に魔法で火を点ける。

 

 

「2属性使えるのか。そりゃあすげぇ」

「どうも」

 

 なるほど。どうやら私は結構才能があるらしい。

 常識とか知らんし……一応色々聞いておくか?

 

 

「ボク吟遊詩人だからさ、魔法使いについてよく知らないんだけど……一般的な魔法使いってどういう感じなのかな?」

「あんたさては常識ねぇな? 仕方ねぇ、俺が教えてやる」

 

 ありがとうクラウスさん……あなたは優しい冒険者だ。感動した!

 

 

「魔法使いってのはな、まず基礎を魔法学院で学ぶんだ。つっても学ばないで魔法が使える奴もいる。あんたは多分それだろ?」

「そうだねぇ」

「で、3年間学んだ後は冒険者になったり国や街に仕えたり、魔法師団になったり……まぁ色々だ。で、大体の魔法使いは属性を1つしか扱えねぇ。2属性ってなると使える奴は2割程度。それ以上となるとA級冒険者とかってレベルになってくる」

 

 クラエスさんは博識だなぁ……見た目な粗暴な冒険者(ギルドで因縁つけてきそう)って感じだけど、喋り方とかからして実は良いとこの子だったり?

 

 

「全属性使える奴もいるにはいるが、そいつはS級……ってこれは流石に知ってるか」

「知らないけど」

「おぉう、これはとんでもねぇ箱入り娘かイカレ野郎の2択か?」

「野郎じゃなくてダウナーお姉さんね」

「だからダウナーお姉さんってなんだよ」

 

 その後もクラオスさんはボクにこの世界の常識を話してくれた。

 この先にはオーヴァとかいう街があり、そこには冒険者が多く滞在しているのだとか。

 

 冒険者になるための手順とかも教えてもらえた。マジで優しいぜクラアスさん……!

 

 そんなこんなで夜は明け———

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

「やぁ、おはよう」

「うわぁビックリした!? やめろ覗き込むの!!」

「ごめんごめん」

 

 ダウナーお姉さんのご尊顔だぞ、崇めよ。

 さてさて、夜も明けたことだし……ひとまずそのオーヴァとかいう街に行ってみようじゃあないか。

 

 

「……あんた結構強そうだし、護衛いらねぇよな?」

「目的地は同じなんだから、一緒に行った方が効率的だろう? あと……ほら、アレだよ。アレ」

「はぁぁぁ……」

 

 ひょい、とまたしても携帯食料が渡される。モグモグ……

 

 

「あんた結構肝座ってんな。B級冒険者って言ったら怖がられることが多いんだが……」

「ダウナーお姉さんは無敵なのさ、クライスくん」

「クラウスな」

 

 そうだったっけ……?

 まぁひとまずオーヴァまでは頼んだよクラエスくん。

 

 




よかったら評価付与ヨロシク!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。