TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします 作:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物))
シリアスなのをやるつもりの回、ですが……
なんと……?
今回に限り……?
いつも通りのノリ……ッ!
Ep.20 Cynical Laugh
「COTOC……を……見つけ……ハッ!?」
よく分からない夢を見ていた羽鳴メイだったが、アラームの音で目を覚ます。
彼女はすぐさまシャワーを浴び、髪を乾かし、メイド服を着て、ご飯を食べ、掃除をして、あと主のベッドに埋もれた後、そのまま主のパソコンへと向き合った。
「新しいメッセージが届いてる……え? 彼に会うための三つのステップ……?」
メールのタイトルは『【超簡単!】彼に会うための三つのステップ【信じる者は救われる】』というものだった。比喩などではなく、そのままこのタイトルだったのである。
普通の人間だったら即スパム認定からの無視か鉄板の流れだが……彼女の場合は違った。
「これで……助けられる……!?」
◆◆◆
「クソご主人様、あえて申し上げます。助けてください」
「ま、また何をやったんだい……?」
「こんな表示が出てきました。は、早く払わないと……」
「メイちゃん」
「なんでしょうか」
「疑うってこと……覚えよっか」
「……? はい、分かりました」
「絶対分かってないなこれ……」
◆◆◆
メイの脳内に過去の記憶が蘇る。疑うことを覚えろと言っていたが、なぜ今更になってこんなことを思い出したんだろうか。彼女はそう考え、この記憶を脳内の隅っこに置いた。
「するべきことは単純、そして簡単……すぐに会うことができます……!?」
まるで『なんでも信じてしまう人』をターゲットにしたかのような、あからさまな文章。
もちろん彼女は理想のターゲットである。
「まずは……真実が記録されたメモリーを探す……?」
ファースト・ステップ、まず最初にやるべきこと……それは真実を知ることと、そうメッセージには記されていた。
メッセージには『それ』の座標、そして『手に入れたなら、すぐにそれをこちらに送信しろ』といった内容の文章も添付されている。
さらには……『絶対に誰にもバレてはいけない』という内容も。
「深月市……ここは……廃ビル?」
示されていた場所を検索してみれば、どうやらそこには廃ビルしか残されていないらしかった。
「まぁ……とりあえず行ってみないと、ですね」
◇◇◇
メイド服の上に真っ黒のコート、サングラス、マスク、帽子のフル装備と化したメイが目的地に到着する。かえって目立つ格好だという事実には、ついぞ気づくことはなかった。
「はえー、しっかり廃ビルですね……本当に、ここにクソご主人様を見つける手がかりがあるんでしょうか」
疑う心を持ちつつも、実際には内心ドキドキと期待が止まらなかった。
もはや走っているのではないか、というぐらいの速度で早歩きした彼女は、指定された場所へと辿り着く。
「ここで……この大きい機械を開けると……わぁ、ほんとにあった」
すでに壊れているであろう、おそらく電気的な何かを操作するための機械……それの蓋を開けてみれば、そこには通路が隠されていた。
いったい何故メッセージの送信者は知っているのか、そもそも知っているのに何故来ないのか、等……多くの疑問点は浮かぶはずだが、彼女は何も考えずにその間通路を進んでいく。
「けほっ、けほっ……」
埃が舞い、咳き込む。1分ほど階段を降りたり通路を進んだり、さらなる隠し扉を開けたりした先……彼女はようやく辿り着いた。
「うわ、何ここ。秘密結社的な?」
大量のパソコン、モニター、そして地面に敷かれた高級そうなカーペット……さらにはダーツの的が壁にかかっていたり、その他にも巨大なソファ、振り子時計、知らない人の肖像画、地球儀、怪しげな石板、絶対に現代では不要だろうタイプライター、剥製などなど……
まともな人間が見れば、流石にテンプレすぎて疑うほどの隠し部屋だったが……
彼女は『本当にこういうのってあるんだ……!』と内心で思うだけだった。
「えーっと、ここにあるパソコンからデータを持ってくればいいんでしたっけ」
彼女は持ってきたUSBメモリをそこにあったパソコンへと挿入し、そして電源を入れる。
「パスワードは……“Secret7CTC7Secret”」
バカみたいなパスワードだったが、羽鳴メイは何も疑問に思わずそれを入力する。
このパスワードも、例のメールに書いてあったものである。
ログインに成功したが、彼女が最初に目にしたのはまたしても奇妙な壁紙だった。
主のパソコンも……なぜかこの壁紙になっていた。虹色の六芒星が中央に配置された、ステンドグラスのような壁紙である。
多少は疑問を浮かべた彼女だったが……やはりそんなことはどうでもいい。すぐさま中にあるフォルダを確認し始めた。
幸いにも、目的のものはすぐに見つかった。配置場所もメールに記されていたのだから当然である。
「このフォルダを……コピー……うん?」
が、奇妙なものも見つけた。
そこにあるはずのフォルダ以外にも……複数のフォルダが存在していたのだ。
それも、すべて同じ名前のものが。
「こわぁ……消しとこ」
しかし彼女は何も考えずにそれらすべてを削除した。もし大切なものだったら、とかは一切考えない。
だが……やはりこれも、結果的には正しい行動なのかもしれない。
「よし、コピー完了。あとはこっちに挿して……よし、送信完了」
送信先は主のメールアドレス。例のメッセージもここから送られてきている。
最初に彼女が主のパソコンで発見した暗号……そこに書かれていた内容は、主のメールアドレスに向けて特定のメッセージを送信すること、である。
それに従い指定のメッセージを送って……そこから数日後が、今だ。
「次は……?」
再び前のメッセージを確認する。
次にやるべきことは何だったか、それを確認するためにメールアプリを開こうとして……とあるネットニュースが目に入った。
「動物が突然、街中に現れる……?」
あまりにも荒唐無稽な内容、そしてやけに目を惹く写真だったために彼女はそれをクリックした。
そこには某県の街中に突如イノシシのような動物が『無から』現れた、といった内容が書かれていた。
それを見て、彼女は……
「フッ……そんなことある訳ないですねw」
冷笑した。
うおw
そんな荒唐無稽なことある訳ないですねw
現実見てくださいw
(羽鳴メイ書き文字)
NEXT——————> Chapter 3:S級冒険者、エル=レイヴィア
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