TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします 作:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物))
「あ、ありがとうございました! 一瞬すぎて何やってたのかよく分からなかったですけど」
「いいってことよ」
そういえば思考加速とかしてたわ。思ったより時間経ってなかったのかもね。
『チッ……私の見せ場が……』
「もうキミしばらくここに入ってなさい」
ボクは小さい箱を指差した。
キミにはこの魔王城空間がお似合いだ。
『断固抗議する! 私はキミと共に旅をしたい! 仲間だろ!?』
「たとえ仲間だとしても言う事は聞きなさい。ほら、ダウナーお姉さんに誓いな」
『そんな訳分からない物に誓いたくない!』
「あぁ!? 殺すぞ!?」
『ま、待て待て。ボブも言っていたはずだ。仲間同士、喧嘩はよくない』
ボブって誰だよ。
「あの、喧嘩してるところ申し訳ないんですが、お礼を渡したくて」
「いやいや全然申し訳なくなんかないよ。で? 何くれるんだい?」
「俺たちこれしか持ってないんですけど……」
ボクはひったくるように、彼が渡そうとしてきた物を手に取った。
これは…………なんだこれ。
ダウナーお姉さんの結婚指輪か……?(錯乱)
寝取られじゃねーか!(勝手に脳破壊)
「ダンジョンで拾った指輪です。まだ鑑定はしてないんですが……今渡せそうなのは、これしかなくて」
「フゥン……まァいいよ、キミたちの感謝はしっかりと伝わったからね」
せっかくなのでボクは指輪を嵌めてみた。んー、効果は……
『呪いの確認くらいはしてから装備したまえ。最悪死んでしまうよ』
「ボクが死ぬワケないだろ」
なるほど、こいつぁイイ。精神干渉系の魔法に対する耐性を付与してくれる魔導具っぽいぞ。
一応すでに対策してるとはいえ……こういうのはなんぼあってもええですからね。
そんなこんなでボクたちは冒険者たちを見送り、旅を再開した。
そろそろ目的地に着くだろうしペースは上げていこう。
「さて、喧嘩の続きをしようか」
『アレ終わってなかったのかい?』
「しばらくキミはボクのサポートだけしかやっちゃダメね。分かった? 分かったら『ワン!』って言って」
『ニャー!!』
なんだ、ネコか……
◇◇◇
『そういえば、なんで私たちは転移も浮遊もせずに旅をしているのかな? もっと楽な方法もあるだろうに』
「一応この世界の常識は歩きだからね、慣れておいた方がいいと思ってさ」
『疲れたんだが』
「疲労回復魔法をプレゼントだ」
ちゅっ。ボクは投げキッスをしつつ魔法を発動した。
ダウナーお姉さん奥義の一つである。
『はうっ……!?』
思ったより効き目が強いな?
◇◇◇
「おっと、ようやく見えてきたぞ」
『なぁ、やはり次からはせめて浮遊を解禁しないか? いくらあんな魔法があっても疲れるものは疲れるぞ……特に精神的に』
「ふふふ……この街は広いねェ……いい感じの少年たちがボクを呼んでいるような気がするよ」
『無視しないでくれたまえ。あと誰もキミみたいなお姉さんは呼んでないぞ。呼ばれているのは私のような魔法使いお姉さんだゼナね』
「あ?」
『お?』
『会話中に悪いですが、料理が出来ましたよ』
料理……料理か? まァボクたちの料理スキル的には『料理』ってラインか……
ボクは悪魔ちゃんから手渡された肉串を頬張る。んー……いや、流石に飽きてきた……せめて塩コショウが欲しい。本当に。切実に。
「ゼナ。あの街に塩コショウがある確率は?」
『90%ってところかな。まぁダンジョンの周囲に作られた街だ、色々な物が集まっている……はずさ。推測だがね』
「ククク……根こそぎ買い占めようねぇ」
一生分買っちゃおう。ボクは毎日同じ食事をしていたせいで頭がおかしくなっていた。
「食べ終わったらさっさと寝るよ。睡眠は大事だからね」
『……エル。ちょっと聞きたいことがある』
「
『食べながら話すんじゃない。学校で教わらなかったか?』
もうブーメランの投げ合いみたいになっているが、言っている事は尤もである。ボクは反省した。多分ゼナは反省していないだろう(断定)
『前のドラゴンを倒した時の力はなんだ? 魔力とも違うように見えた』
「アレねぇ……ボクにも分かんないんだよね。ただ、多分最初から使えたんだと思う。ハッキリ意識できるようになったのがあのタイミングってだけ……だと思う」
『なるほどねぇ。何か心当たりは?』
「一つも無いね」
『そうか』
色々探ってはいるんだが、全くもって正体が掴めない。どこから出てきた力なのかも分からない。
魔力と似たような、汎用的な使い方ができるっぽいんだけど……魔法陣的な「理論」は不要だった。
それに加えて、使える時と使えない時があったりもする。
今思えば、多分……あのマネキンみたいな魔物、そして狂夜との戦いの時には無意識的にこの力を使っていた……と、思う。
何がトリガーかって言われると強い敵なんだろうけど、正確な条件は分からない。
「ま、悩むぐらいなら寝た方がいい」
『キミらしい結論だ。だが気に入った、自分の事は自分で調べる方がいいと私も思うさ』
ま、そうだね。最近の社会とか特に個人技の傾向がある……別に協力は不要とまでは思わないけど。
行き詰まったらゼナに頼ってみるさ。
「それじゃあ、おやすみ」
『あぁ、おやすみ』
ん、どうしたんだこっちに近づいて……んむっ。
…………?
…………!?
『少年たちには内緒だよ?』
ボクはそのまま意識を落とした。
◇ダンジョンの街、バルグノクス
「えーっと、まずは宿屋をとって……『おい』なるべくベッドの大きな部屋にして……『聞こえてるかい?』あ、あとなるべく防音もしっかりしたところにして……『おい!!!』……なんだい、突然大声を上げちゃってさ」
『いや、何正気のフリしているんだい? キミめちゃくちゃ気が動転してるだろ』
「そ、そそそそそそそそそそそそそそ」
『せめてもう少し先まで出力してくれ』
「き、急になんだい。ボクのでっかいおっぱいが揉みたいという事かな?」
『エルが壊れちゃった……!』
失礼な。ボクが壊れるワケがないだろう。少なくとも表面上問題なく見せるのは得意だ。うん。ボクは全然大丈夫である。大丈夫? おっぱい揉む?
『叩いたら治るか……?』
「ボクはテレビじゃないぞ」
『あぁよかった、いつものエルだ』
「ところでダウナーお姉さんのキスっていい物だとは思わないか?」
『これは……うーん……ギリギリ通常営業かな……?』
ロア・エネルギー……?