TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします   作:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物))

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Ep.27 ロア・エネルギー

 

「あ、ありがとうございました! 一瞬すぎて何やってたのかよく分からなかったですけど」

「いいってことよ」

 

 そういえば思考加速とかしてたわ。思ったより時間経ってなかったのかもね。

 

 

『チッ……私の見せ場が……』

「もうキミしばらくここに入ってなさい」

 

 ボクは小さい箱を指差した。

 キミにはこの魔王城空間がお似合いだ。

 

 

『断固抗議する! 私はキミと共に旅をしたい! 仲間だろ!?』

「たとえ仲間だとしても言う事は聞きなさい。ほら、ダウナーお姉さんに誓いな」

『そんな訳分からない物に誓いたくない!』

「あぁ!? 殺すぞ!?」

『ま、待て待て。ボブも言っていたはずだ。仲間同士、喧嘩はよくない』

 

 ボブって誰だよ。

 

 

「あの、喧嘩してるところ申し訳ないんですが、お礼を渡したくて」

「いやいや全然申し訳なくなんかないよ。で? 何くれるんだい?」

「俺たちこれしか持ってないんですけど……」

 

 ボクはひったくるように、彼が渡そうとしてきた物を手に取った。

 これは…………なんだこれ。

 

 ダウナーお姉さんの結婚指輪か……?(錯乱)

 寝取られじゃねーか!(勝手に脳破壊)

 

 

「ダンジョンで拾った指輪です。まだ鑑定はしてないんですが……今渡せそうなのは、これしかなくて」

「フゥン……まァいいよ、キミたちの感謝はしっかりと伝わったからね」

 

 せっかくなのでボクは指輪を嵌めてみた。んー、効果は……

 

 

『呪いの確認くらいはしてから装備したまえ。最悪死んでしまうよ』

「ボクが死ぬワケないだろ」

 

 なるほど、こいつぁイイ。精神干渉系の魔法に対する耐性を付与してくれる魔導具っぽいぞ。

 一応すでに対策してるとはいえ……こういうのはなんぼあってもええですからね。

 

 

 そんなこんなでボクたちは冒険者たちを見送り、旅を再開した。

 そろそろ目的地に着くだろうしペースは上げていこう。

 

 

「さて、喧嘩の続きをしようか」

『アレ終わってなかったのかい?』

「しばらくキミはボクのサポートだけしかやっちゃダメね。分かった? 分かったら『ワン!』って言って」

『ニャー!!』

 

 なんだ、ネコか……

 

 

 

◇◇◇

 

 

『そういえば、なんで私たちは転移も浮遊もせずに旅をしているのかな? もっと楽な方法もあるだろうに』

「一応この世界の常識は歩きだからね、慣れておいた方がいいと思ってさ」

『疲れたんだが』

「疲労回復魔法をプレゼントだ」

 

 ちゅっ。ボクは投げキッスをしつつ魔法を発動した。

 ダウナーお姉さん奥義の一つである。

 

 

『はうっ……!?』

 

 思ったより効き目が強いな?

 

 

 

◇◇◇

 

 

「おっと、ようやく見えてきたぞ」

『なぁ、やはり次からはせめて浮遊を解禁しないか? いくらあんな魔法があっても疲れるものは疲れるぞ……特に精神的に』

「ふふふ……この街は広いねェ……いい感じの少年たちがボクを呼んでいるような気がするよ」

『無視しないでくれたまえ。あと誰もキミみたいなお姉さんは呼んでないぞ。呼ばれているのは私のような魔法使いお姉さんだゼナね』

「あ?」

『お?』

『会話中に悪いですが、料理が出来ましたよ』

 

 料理……料理か? まァボクたちの料理スキル的には『料理』ってラインか……

 

 

 ボクは悪魔ちゃんから手渡された肉串を頬張る。んー……いや、流石に飽きてきた……せめて塩コショウが欲しい。本当に。切実に。

 

 

「ゼナ。あの街に塩コショウがある確率は?」

『90%ってところかな。まぁダンジョンの周囲に作られた街だ、色々な物が集まっている……はずさ。推測だがね』

「ククク……根こそぎ買い占めようねぇ」

 

 一生分買っちゃおう。ボクは毎日同じ食事をしていたせいで頭がおかしくなっていた。

 

 

「食べ終わったらさっさと寝るよ。睡眠は大事だからね」

『……エル。ちょっと聞きたいことがある』

「ひゃひ(何)?」

『食べながら話すんじゃない。学校で教わらなかったか?』

 

 もうブーメランの投げ合いみたいになっているが、言っている事は尤もである。ボクは反省した。多分ゼナは反省していないだろう(断定)

 

 

『前のドラゴンを倒した時の力はなんだ? 魔力とも違うように見えた』

「アレねぇ……ボクにも分かんないんだよね。ただ、多分最初から使えたんだと思う。ハッキリ意識できるようになったのがあのタイミングってだけ……だと思う」

『なるほどねぇ。何か心当たりは?』

「一つも無いね」

『そうか』

 

 色々探ってはいるんだが、全くもって正体が掴めない。どこから出てきた力なのかも分からない。

 魔力と似たような、汎用的な使い方ができるっぽいんだけど……魔法陣的な「理論」は不要だった。

 それに加えて、使える時と使えない時があったりもする。

 

 今思えば、多分……あのマネキンみたいな魔物、そして狂夜との戦いの時には無意識的にこの力を使っていた……と、思う。

 

 何がトリガーかって言われると強い敵なんだろうけど、正確な条件は分からない。

 

 

「ま、悩むぐらいなら寝た方がいい」

『キミらしい結論だ。だが気に入った、自分の事は自分で調べる方がいいと私も思うさ』

 

 ま、そうだね。最近の社会とか特に個人技の傾向がある……別に協力は不要とまでは思わないけど。

 行き詰まったらゼナに頼ってみるさ。

 

 

「それじゃあ、おやすみ」

『あぁ、おやすみ』

 

 ん、どうしたんだこっちに近づいて……んむっ。

 

 …………?

 

 …………!?

 

 

『少年たちには内緒だよ?』

 

 ボクはそのまま意識を落とした。

 

 

 

 

 

◇ダンジョンの街、バルグノクス

 

 

「えーっと、まずは宿屋をとって……『おい』なるべくベッドの大きな部屋にして……『聞こえてるかい?』あ、あとなるべく防音もしっかりしたところにして……『おい!!!』……なんだい、突然大声を上げちゃってさ」

『いや、何正気のフリしているんだい? キミめちゃくちゃ気が動転してるだろ』

「そ、そそそそそそそそそそそそそそ」

『せめてもう少し先まで出力してくれ』

「き、急になんだい。ボクのでっかいおっぱいが揉みたいという事かな?」

『エルが壊れちゃった……!』

 

 失礼な。ボクが壊れるワケがないだろう。少なくとも表面上問題なく見せるのは得意だ。うん。ボクは全然大丈夫である。大丈夫? おっぱい揉む?

 

 

『叩いたら治るか……?』

「ボクはテレビじゃないぞ」

『あぁよかった、いつものエルだ』

「ところでダウナーお姉さんのキスっていい物だとは思わないか?」

『これは……うーん……ギリギリ通常営業かな……?』

 

 




ロア・エネルギー……?
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