MetalGear Aoharu revengeance 作:ダイトウカブト
対策委員会 教室
外壁が崩れ、段ボールを貼って塞いだ部屋で、一同は地図を見ていた。
"ホシノが捕えられている基地は...ここ。"
先生の指は、砂漠の一角を差した。
衛星画像によると、巨大かつ堅牢な軍事基地が築かれていた。
「メタルギアRAY改を動かすための電力が足りん、せいぜい3分が限界だろう。」
シロコ「対策委員会だけじゃ攻め落とせない。」
"ということで、援軍を連れてきたよ。"
まず入ってきたのは、戦意十分な便利屋68。
アル「前の戦いでは力になれなかったけど、
今回は私たち便利屋68にドンと任せなさい!」
ムツキ「みんな真面目に頑張ってるのに、それを踏みにじるなんて許せないよね!」
カヨコ「協力したら奉仕活動免除って言われてからアルちゃんとムツキはやる気出したよね...」
ハルカ「やります、やらせてください!」
次に入ってきたのは、万魔殿の2人。
マコト「キキッ、我がゲヘナ学園の戦力も貸してやろう!トリニティの羽つきどもとは違う事を見せてやる!」
イロハ「ま、そーいうことなんで。
今日もよろしくおねがいします。」
その後ろからゲヘナ風紀委員会。
ヒナ「私たち風紀委員会も協力するわ。
せめてもの罪滅ぼし...ってことでいいわ。」
チナツ「前回の汚名返上とさせてください。」
アコ『ハァ...仕方ないですね〜!?』
ホログラムが教室に表示される。
ユウカ『微力ながら、ミレニアムのセミナーも支援します。先生に苦労ばかりかけられませんから。』
ハレ『ヴェリタスの小鈎ハレ、特技は俗に言うハッキング。会計に手伝えって言われた。』
校庭からも声が聞こえる。
カムシン「砂漠の嵐、カムシン様もいるぜ!」
サイボーグ兵「我ら」
万魔殿生徒「ゲヘナ・デスペラード連合部隊も」
風紀委員「いるぞ!!!」
校舎上空は、ヘリコプターが中継をしていた。
シノン「クロノスニュースの川流シノンです!生徒拉致と学園自治区への侵攻が疑われるカイザーPMCに対して、ゲヘナ学園・アビドス高校・デスペラード社の連合軍が攻め入ろうとしています!」
シノン「なんと、アビドス生徒会の副会長を拉致して、アビドス高校の土地を接収しようとしたそうです!」
シノン「現在アビドス高校のグラウンドに集まった多数の戦力の中には、デスペラード社の新型巨大ロボットも...」
ノノミ「テレビ局まで出てきちゃいました♢」
「こうなったらカイザーはPMCを見捨て、我関せずの姿勢を崩さん。だが、PMCのみに注力できるようになる。」
「さて先生、朝礼...演説を頼む。」
グラウンドの朝礼台に先生が立つ。
生徒たちがざわつく。
万魔殿生徒「あれがシャーレの先生...」
風紀委員「童顔のイケメンだね。」
セリカ(喋らないわね...ああ、そういう。)
サイボーグ兵「...。」
先生は壇上に上がったが、何も喋らない。
次第に私語が小さくなっていく。
"皆が静かになるまで40秒かかりました!"
"...一度言ってみたかったんだよね。"
"部活、そして学校と企業の垣根を越えて集まってくれた皆に感謝します。"
"何の罪も無い生徒がカイザーPMCによって捕らえられました。許しがたい行為です。"
"想像してほしい。
もしも、君たちの姉妹や友人、先輩後輩が悪い人に捕まってしまったら。もう二度と会えなくなってしまったら。"
"私たちは、彼らを許してはいけない!
私たちの絆を断ち切ろうとした者を、
人生を破滅させようとした者を!!"
"そして今、彼らは一人の生徒の人生を弄んでいる!彼女を助けるため、みんなの力を貸してほしい!"
サイボーグ兵「「「おおぉぉぉーーっ!!!」」」
万魔殿・風紀生徒「「「「おぉーーっ!!」」」」
"よし...みんな、行こう!!"
カイザーPMC基地
カイザー兵「北部から例の大型兵器の接近を確認しました!」
カイザー兵「西部から戦車隊と歩兵部隊を確認!」
カイザー兵「南西から、無人機の群れが押し寄せてきます!」
理事「なぜ我々が兵力で負けているのだ!
集められる兵力を全て防衛に回せ!
対デカグラマトン大隊もだ!」
迫撃砲が狙いを定める。
カイザー砲兵「後方部隊ロックオン。」
カイザー砲兵師団長「目標、シャーレの先生。撃ち方よーい...撃て!」
カイザー砲兵「発射!」
ドォン!!!
先生に砲弾が直撃する。
ズドン!!!
カイザー砲兵「目標に命中。結果を報告...
目標はホログラム、損害無しです!」
基地南西、無人機の群れに交じって走る装甲車の中。
サンダウナーの手にはスマホが握られ、精巧なホログラムを投影していた。
ユウカ『これで量産が効くのはすごいですね。』
「機能は投影のみ、利便性に安全性や耐久性もろもろをカットして、近くで見たら分かる程度の画質しか表示できんがな。」
「だが、サイボーグやオートマタには効果てきめんだ。そしてコレもな。」
恐竜型無人機<ラプター>の群れが基地に迫る。
カイザー兵「報告にあった恐竜です!」
カイザー隊長「奴の放つEMPは射程が短い!
近づかれる前に機関銃で片付けろ!」
ラプターは自身の周囲数mにEMPを発生させ、オートマタなどの機械類を無力化できる。
しかし溜めが必要な上に射程も短めで、銃持ちのカイザー兵へ届きにくい。
ラプター改「ギャアイ!!」
疾走するラプターが、前方へEMPの波を発生させる。
カイザー隊長「なにっレレジギガガガガガ!?」
さらに月光と装甲車が続いて突っ込んでくる。
月光「モォォ!」
カイザー兵「なあぁぁかあぁぁ!!??」
基地北部
メタルギアRAY改が右腕のヒートブレードで兵やドローンをまとめて薙ぎ払う。
カイザー機兵「とっととくたばれ鉄屑がぁ!!」
大型無人機<ゴリアテ>が大砲を撃ちまくる。
メタルギアRAY改も、全てのミサイルを発射。さらにプラズマ砲とヒートブレード、
巨体での踏みつけや長い尾での薙ぎ払いと連続攻撃を放ち、最後には基地中心部に突撃。
司令部の外壁に大穴を開け、その後電池切れになった。
ゴリアテ兵「目標、沈黙......
クソッ、被害がデカ過ぎるんだよ!」
基地 北西部
"RAYの反応が消えた。巻き添えを喰らう心配が無くなったから、私たちも行くよ。"
段ボールが歩いている。
セリカ「こんなので本当にバレないの!?」
シロコ「サンダウナーが言ってた伝説の工作員は、こうやって敵地に潜入した。敵が混乱してる中で私たちを見つけられるはずない。」
アヤネ「周囲に敵反応はありません。進みましょう。」
段ボールが3つ歩いていく。
ノノミ「ゲヘナの皆さんが西側で気を引いている隙に、敵の本丸に忍び込みましょう♢」
ノノミは銃身が長いため、ドラム缶の中に入っている。
基地 西部
イロハ「蹴散らしますよ、虎丸!」
戦車がドリフトし、回転しながらカイザー兵たちを撥ね飛ばしていく。
ヒナ「後詰めは任せて。」
マシンガンの掃射で、残った敵を掃除する。
ゲヘナ生徒とサイボーグ兵が2方向から攻め、カイザーはどんどん後退していく。
カイザー兵「なんで俺たちのホームなのに追い詰められてるんだ!?」
サイボーグ兵「品質が違うんだよ!!」
カムシン「潰れろ!」
カムシンの振り下ろしたジェットアックスが、ゴリアテを真っ二つに切り捨てる。
カイザー兵「た、退避!退避だぁ!」
PMCの兵士たちは、戦力を減らしながら奥へ奥へと追い込まれた。
カイザー基地 中心部 司令室
司令室の壁にはRAYが開けた大穴が広がっていた。
理事「ええい、奴らはまだ食い止められんのか!?」
カイザー指揮官「西と南から同時に攻められ、戦力を集中できていません。」
理事「先生め...ゲヘナを味方につけるなど......
ん?この段ボールは何だ?」
理事の足元に段ボールがあった。
段ボール「死んでくださーいっ!!」
理事「なんだ貴様ああぁぁぁ!!??」
段ボールを脱ぎ捨てたハルカの体には、爆弾が大量にくっついていた。
ムツキ「ポチッとな。」
司令室は爆発で跡形もなく吹っ飛んだ。
ハルカ「アルさまー、こっちは完了でーす!!」
ムツキ「ええ、ホントに意識あるんだ...
おじさまにボコられてから硬くなったって言ってたけど、ここまでとは......」
アル「周囲にまだ生き残りがいるわ。
カヨコ課長、サイレンサー無しでお願い。」
カヨコ「3カウント。」
カヨコの拳銃が爆音を放ち、オートマタたちを怯ませる。
アル「ここは私たちに任せて先に行きなさい!」
段ボール「わかった。そっちも無事で。」
段ボール4箱とドラム缶が脇を通り抜けていった。
アビドス本校跡地 地下実験室
ホシノが怪しげな装置に繋がれていた。
ホシノ(対策委員会のみんな...ユメ先輩......)
ホシノ(私は......)
部屋の外からかすかに音が聞こえる。
「侵入者め、ここは通さグワアァァ!!??」
「これで最後ね...」
"この部屋のはず...電子ロックだ。"
『そのコネクタを差し込んで。
......うん。解錠したよ。』
扉が開かれる。
ホシノ(夢でもいいから、もう一度だけ...)
「「「「ホシノ先輩!!!」」」」
ホシノ「...え?」
セリカ「おかえりなさい、ホシノ先輩!」
ノノミ「あら、先を越されてしまいました☆」
シロコ「ん、いつまで寝ぼけてるの。」
アヤネ「さあ、高校に戻りましょう!」
"助けに来たよ、ホシノ。"
先生が装置を外す。
ホシノ「...そうかぁ。みんなが。」
ホシノの口元が緩む。
ホシノ「うへ。...ただいま。」
ハルカ「アル様、報告したいことが...」
アル「...司令室に理事がいないですって?」
理事「先生ィィィ!!!」
先生の背後から理事が殴りかかる。
ホシノ(なっ...シロコちゃん!!)
シロコ(間に合わない!!!)
アロナ『シールド展開...電力不足!?』
鋼鉄の拳が、先生の頭を砕かんと迫る。
しかし拳が先生へ届くことはなかった。
「泣き喚け!」
壁を貫いて飛び出し、理事へ斬りかかる。
理事の両肩が斬り捨てられ、腰が両断される。
理事「ギャアアア!!??」
"サンダウナーさん!?"
「遅れてすまんな。こちらは片付いたから加勢しに来た。」
「まぁ、もう終わったようだが...まさか不覚をとった訳ではあるまい?」
ホシノ「あ...ま、まぁそうだよね〜。
いくらなんでもあんな攻撃一つ防げないほど、私たちは弱くないよ〜。」
シロコ「...ん。私たちは強い...から。」
"そ、そうだよね。あはは〜..."
『遠くからクラフトチャンバーに接続したから電力を多く使っただけですもん...』
外に出ると、夕焼けが砂漠を赤く照らす幻想的な光景が広がっていた。
"わぁ、綺麗だ。"
ホシノ「...そうだねぇ。」
「ああ、美しい...」
7人の影が、陽が沈むのを眺めていた。
3日後...
ワイドショー司会「はい、とゆーわけでまずはアビドス高校副生徒会長監禁事件の振り返りをしていきましょう。
カイザーコーポレーション傘下のカイザーPMCが、アビドス高校副生徒会長の小鳥遊ホシノさんに第三者を介して接触。
小鳥遊さんがカイザーPMCに就職するかわりに、学校が抱える借金の大部分を肩代わりするという契約を結ばせる。
しかし、契約するとホシノさんを監禁。
リーダーのいなくなったアビドス高校を攻撃し、接収しようとした...いやー酷い話です。
しかもこの借金相手であるカイザーローンは、アビドス高校を攻撃するよう犯罪組織へ送金。
アビドス高校のために生徒たちが支払ったお金が学校を壊すために使われていたことが、ヴァルキューレの調査で明らかになりました。」
司会「今日のコメンテーターの
アビドス副生徒会長 小鳥遊ホシノさん、
この件についてどうお思いですか?」
ホシノ「まったくひどい話だよね〜。私たちの努力をなんだと思ってるのか。
それにしても、どうしてそこまでアビドスを追い出そうとしてたのかな?
職業訓練学校を建てるとか言ってたみたいだけど、それだと理由として弱いよね。」
司会「カイザーがなぜアビドスの土地を欲しがったのか。これは現在調査中で、カイザー本社は沈黙しています。
が、土地の買取は数年前から継続的に、建設部門であるカイザーコンストラクションが行っており、グループ内で少なくとも3部門がアビドスに関わっていたことはわかっています。」
司会「話を戻しますね。そしてアビドスの復興を目指す有志生徒たちを支援していたのが、連邦捜査部シャーレの先生。
先生は、民間軍事警備会社のデスペラード社、ミレニアムの生徒会組織セミナー、ゲヘナの生徒会組織の万魔殿に協力を要請。
小鳥遊さんが監禁されていたカイザーPMCの基地に攻め入った...
その時の映像がこちらです。」
スクリーンに映し出されたのは、
メタルギアRAY改がゴリアテを真っ二つにし、ビームで歩兵を蹴散らす映像だった。
次に映し出されたのは、イロハの操縦する戦車とヒナがともに戦っている映像。
司会「デスペラード社の投入した無人機と、
ゲヘナの風紀委員会、そして万魔殿の戦車。
これらが今回の戦闘で大きな役割を果たしました。
デスペラード社の投入した今回の大型無人機は新型とのこと。
随分と重装備ですが、一般への販売はされるのですか?
コメンテーターのデスペラード社社長
サンダウナーさん、お願いします。」
「この無人機は<メタルギアRAY改>、
量産性を確保しながら火力を積みこむ事を目標とした試作機です。
この機体は過剰火力になりやすく、周囲への被害が発生しやすいため、一般への販売や貸出は行わない予定です。」
ホシノ(サンダウナーって敬語で話せるんだ...)
司会「最後に、アビドス高校へ協力したゲヘナ万魔殿はコメントを発表。
『ゲヘナ学園は生徒の自由を尊重する。
その理念は他校の生徒に対しても同様である。
生徒の自由を侵害する者はゲヘナの敵である。』
かなり強気な姿勢ですね〜。
コメンテーターのお二人はこの声明に対して、どのような意見をお持ちでしょうか?」
ホシノ「うへ〜。私のことを助け出してくれた後輩ちゃんたちには深く感謝してるし、
もし逆の立場でも私はなんとしても助ける。
卑怯な奴らに、私たちの青春を荒らされるのはもう絶対にごめんだ...と思ってるよ〜。」
「我が社の警備は、平和を維持することを目的に運用しています。
無実の生徒を脅かす輩を許さない、これが我々デスペラード社のスタンスです。
社名通り、型破りに行きますがね。」
司会「ありがとうございます。
まだまだ謎が残されたこの事件、我々クロノスも動向を皆さんにお伝えします。
今日のコメンテーターは
アビドス副生徒会長の小鳥遊ホシノさんと、
デスペラード社長のサンダウナーさんでした。
本日はありがとうございました。」
シャーレ部室
"さて...他の業務にも取り組まないと!"
リン「随分好き勝手やってくれましたね?」
"ひっ...リンちゃん、ちょっと顔怖いよ..."
リン「誰がリンちゃんですかぁぁぁ!!!
アビドスに勝手に行ったと思えば、
現地の生徒たちの顧問になる!
カイザーと戦闘する!!
あげくはゲヘナも出てくる!!!
ほら、書類が4000枚溜まってますよ!!!」
先生は窓の外を見た。
"わぁ、綺麗な夕焼け..."
アビドス対策委員会編 完
次話は人物まとめ