MetalGear Aoharu revengeance 作:ダイトウカブト
神々に作られた女性、パンドラによって蓋が開かれ、世界は災厄と恐怖に満ちた。
サンダウナーとアルの情報共有が始まろうとしていた。
「隠れてる二人!出てこい!!」
「「「「!」」」」
隣接する建物の窓から二人の生徒が着地する。
カヨコ「...いつから気づいてた?」
「紫のが飛び出したあたりから。」
ムツキ「完璧に気配を消して高所を取ったはずなんだけどな〜。」
「目線にはもう少し気を配れ、陸八魔。」
「ええっ!?」
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「風紀委員長の空崎ヒナ...か。」
「空崎ヒナがいなければ風紀委員会も倒せるんだけどね〜。」
「随分と戦力に自身があるようだな。」
「この4人だけでずっと戦ってるからね〜。」
「...他の従業員はどれくらい居るんだ?」
「これで全員。」
「ほお。やるじゃないか。」
「...もっとすごい人を知ってるみたいだね。」
「剣一本で
「...なんですってぇー!?」
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「世話になったな、便利屋68。」
「いいのよ。あと、これも。」
アルはサンダウナーに名刺を差し出した。
「職に困ったら来なさい。悪いようにはしないわ。」
「
「さらばだ。」
「ええ、達者で。サンダウナー。」
便利屋68と別れて十数分後、サンダウナーは適当な廃屋に侵入した。
「...どうだ。ここなら気兼ねなく話せるだろう。」
「心遣いありがとうございます。」
黒い靄が集まったかと思うと、真黒な体に白いヒビ割れの人物が現れた。目と口のように割れた箇所から煙状の光が漏れ出している様は、この存在が尋常なものでないことを物語る。
「私は黒服と。この名が気に入っていまして...」
「此度は私から贈り物を渡すために参りました。」
黒服と名乗った存在は、黒いスマートフォンを差し出す。
「こちらは"パンドラの壺"というオーパーツです。私が発見し保管していましたが、外部からの操作や干渉を一切受けつけませんでした。」
「しかし先程、あなたの顔写真と位置情報をスクリーンに映し出したので、調査をしに参った次第です。」
「気取られるのは想定外でしたが...」
サンダウナーがパンドラの壺を手に取ると、認証機能が作動した。
『生体認証完了。ようこそ、ボス』
『ゲストを確認。VR同期を行います。』
サンダウナーと黒服の意識はそこで途絶えた。
「...見覚えがあるな。」
「ここは一体...!?」
目覚めた時に彼らが目にしたのは、荒れ果てた廃屋ではなかった。
鉄板とコンクリートで構成された広大なガレージだ。
(ここはワールド・マーシャルの地下格納庫か...?しかし何故...)
『ここはパンドラの壺が構築したVR空間です。現実では1秒も経過しておらず、お二人は廃屋に今も突っ立っています。』
ガレージの中央、2人掛けの革張り椅子が二脚、ガラスの机を挟んで向かい合っている。
そこに、白いローブを着てフードを目深に被った少女が佇んでいた。
『どうぞお掛けください。この状況について説明いたします。』
(害意は今のところ感じられない、か...)
サンダウナーは言葉に従って椅子に座り、黒服もやや窮屈そうに座った。
『私はパンドラの壺を管理するAI、ホープ。
ボスであるサンダウナー様に当機の機能を説明するため、
そしてゲストの黒服様はボスへ当機の所有権を譲渡していただきたく、今回お招きしました。』
ホープと名乗った少女は、数枚の資料を机に広げる。
『当機は亜次元収納機能、兵器の製造、限定的なテクストへの干渉を主機能としています。
収納機能はいわゆる「4次元ポケット」です。
そして、サンダウナー様の記憶を読み取って任意の兵器を製造する機能。こちらは現在、当機の性能不足により制限がかけられています。
最後にテクスト干渉機能。こちらは、外部の持つテクストを増幅させることで当機を改変します。
簡潔に申し上げると、知名度が高くなれば当機の性能が向上し、生産できる兵器の量と質が増えます。』
黒服「.........なんと。」
黒服のヒビから漏れ出す光が少し多くなった。
サンダウナー(最後の部分しかよく分からなかったが...兵器の製造だと?生産ラインもないのにそんなことができるはずが...)
『実際にやって見せましょう。』
ホープがパチンと指を鳴らすとその背後に、巨体に長い脚を持った無人兵器"月光"が現れる。
「モォォ」
サンダウナーの足元で、黒い球体に3本の腕が生えた小型無人機"仔月光"が拍手をしている。
「アーイアーイ」
ライフルと山刀を持った2体の"サイボーグ兵・量産型"がホープの横を固める。
「お、サンダウナー様じゃないッスか。」
「ボス、お元気でなにより。」
『これらの兵器たちを現実に転送すれば、貴方の命令に従ってどんなことでもします。』
サンダウナーは少し考えた後、ホープに問いかけた。
「...それで、お前は何を望む?」
『ボスの望みが私の望み、サイボーグとAIという違いはあれど、本質は変わりません。』
ホープの口角が上がる。
サンダウナーも笑い返した。
「そうか...なら受け入れよう。」
「クックック...仲間外れは寂しいですねぇ...」
「ああ、黒服。このパンドラの壺の対価に何を望む?まさかカネとは言うまい。」
「このパンドラの壺で得た戦闘データと動作記録...それらをいただけたら、他は何も要りません。」
「構わん。研究者だったとはな。」
「ええ、そんな所です...我々の組織"ゲマトリア"内で情報を共有しても?」
「良いが、漏洩には注意しろよ。」
「言われるまでもありませんね。」
ガラスの机に紙が2枚置かれた。
『それでは両者、契約書にサインを。』
二人は文章に目を通し、それぞれサンダウナーと黒服、と署名した。
『契約成立いたしました。サンダウナー様はパンドラの壺の所有権を、黒服様はボスに対し情報を要求する権利を得られました。』
『お二人を現実に送還します。』
目の前に広がるのは荒れ果て朽ちた廃屋。
その中に、2人の男、2人の兵士、仔月光と、
「この広さで月光出すのはちょっと...」
「動けねぇっス...」
「何故ここで出したのか理解できない。何故?」
「アーイ」
「一旦、月光は収納するぞ...」
「モォ–」
パンドラが壺の蓋を再び閉めた時、その中には唯一、「希望」が残ったとされる。