MetalGear Aoharu revengeance 作:ダイトウカブト
「......私のミスでした。」
列車の中、向かいに誰かいる。
外の景色は真っ暗、わずかな電灯が車内を照らす。
「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。」
(黒いドレスの女性の後ろ姿)
(割れた白いタブレット)
「...結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るなんて...」
「...今更図々しいですが、お願いします。」
「先生。」
「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。」
「何も思い出せなくても、あなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから。」
「ですから、大事なのは経験ではなく、選択。」
「あなたにしかできない選択の数々。」
(楽しそうにする少女たちの映像)
(暗がりにいる男の姿)
「責任を負う者について、話したことがありましたね。」
「あの時の私には分かりませんでしたが...今なら理解できます。」
「大人としての責任と責務。そしてその延長線上にあった、あなたの選択。」
「それが意味する心延えも。」
列車が急減速するような揺れを感じた。
「ですから、先生。」
「私が信じられる大人である、あなたになら。」
「この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を...」
「そこへ繋がる選択肢は......きっと見つかるはずです。」
ドンドンドン!
何者かが列車のドアを激しく叩く。
「だから先生、どうか......」
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連邦生徒会室 ロビー
「...い!」
「......先生、起きてください!」
"......?"
「少々待っていてくださいと言いましたのに、お疲れだったみたいですね。なかなか起きないほど熟睡されるとは。」
「もう一度、あらためて今の状況をお伝えします。」
「私は七神リン、学園都市キヴォトスの連邦生徒会所属の幹部です。」
リン「そしてあなたはおそらく、私たちがここに呼び出した先生...のようですが。
...ああ。推測形でお話したのは、私も先生がここに来た経緯を詳しく知らないからです。」
「こんな状況になってしまったこと、遺憾に思います。でも今はとりあえず、私についてきてください。
どうしても先生にやってもらわなくてはいけない事があります。」
「...学園都市の命運をかけた大事なこと...ということにしておきましょう。」
リンに連れられ、エレベーターで上階に向かう。キヴォトスの街並みと空に浮かぶ巨大なヘイローが美しく輝いていた。
ユウカ「ちょっと待って!代行!見つけた!待ってたわよ、連邦生徒会長を連れてきて!
...うん?隣の大人の方は?」
ハスミ「首席行政官、お待ちしておりました。」
チナツ「連邦生徒会長に会いに来ました。風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています。」
4人の女子生徒が詰め寄ってくる。
リン「ああ...面倒な人たちに捕まってしまいましたね。」
「こんにちは、各学園からわざわざここまで訪問してくださった生徒会、風紀委員会、その他時間を持て余している皆さん。」
「連邦生徒会長は今、席におりません。正直に言いますと、行方不明になりました。」
「「「「!?」」」」
生徒たちは皆驚愕に目を見開いた。
リン「結論から言うとサンクトゥムタワーの最終管理者がいなくなったため、連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。」
「認証を迂回できる方法を探しておりましたが、先程までそのような方法は見つかっていませんでした。」
「この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです。」
ハスミ「この方が?」
"私が?"
リン「はい。こちらの先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です。」
「...先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げたある部活の顧問としてこちらに来られました。」
「連邦捜査部S.C.H.A.L.E(シャーレ)。
単なる部活ではなく一種の超法規的機関。
連邦組織のためキヴォトスの全ての生徒を制限なく加入させることができ、各学園の自治区で制約なしに戦闘活動を行うことも可能です。」
「シャーレの部室はここから約30km離れた外郭地区にあり、連邦生徒会長の命令でそこの地下に"とある物"を持ち込んでいます。」
「モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど...」
モモカ「外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?」
「矯正局から脱走した生徒が騒ぎを起こしたの。戦場になってるよ。」
「巡航戦車までどっかから手に入れたらしいよ?
最近雇った警備会社が応戦してるけど、なんでこんな集中攻撃してるのかな。」
「あ、お昼のデリバリーが来たから切るね〜。」
リン「...」
"大丈夫?"
ユウカ「な、なんでこっちを見てるの?」
リン「ちょうどここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので、私は心強いです。」
D.U.外郭
サイボーグ兵「RPG!」
ドカァーン!!!
不良「あそこのロケランから撃て!」
タタタタッ!!
サイボーグ兵A「9時方向にエネミー4!」
サイボーグ兵B「テリュウダンヲナゲルゾ!」
チュドーン!!
ユウカ「何で私たちが戦わなくちゃいけないのよーっ!!」
チナツ「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、あの部室を確保しなければならないので。」
ハスミ「先生は銃弾一つでも危険です。私たちが戦う際は、安全な場所にいてください。」
"私が指揮を執るよ。"
ユウカ「えっ!?戦術指揮を?まぁ、先生ですし...」
スズミ「0時方向に不良の集団!」
"みんな、行くよ!"
「「「「了解!」」」」
"ユウカは電磁シールドを張って3m前進して!"
"スズミは閃光弾を2時方向に!"
"ハスミは鶏の看板を落として!"
不良「目が、目があぁー!!」
「どわぁぁ!!?」
ズガァーン!!!
サイボーグ兵「なんだ、増援か!?」
「って、火宮さん!早瀬さんも!?」
淡い茶色の外装の、顔を装甲で隠した男性の兵士がこちらに反応する。
ユウカ「デスペラード社、連絡にあったシャーレ部室の警備会社の方ですね。」
チナツ「シャーレの"先生"を護送しています!援護を求めます!」
サイボーグ兵「わかりました、本部に連絡を...」
ギャリギャリギャリ!
キャタピラが地面を爆走する音が近づいてくる。
ハスミ「あれはクルセイダー1型!私の学園の制式戦車と同じ型です!」
ユウカ「不法に流通されたものに違いないわ!PMCに流れたのを不良が買い入れたのかも...」
「つまりガラクタ!壊しても構わないわ!」
ハスミ「目標捕捉...!」
M1917エンフィールド"インペイルメント"の狙いを定め、サイボーグ兵士がロケットランチャーを構える。
サイボーグ兵「熱々ピザのお届けだ!RPG!」
バキュゥン!!ドガァーン!!!
弾丸が戦車の装甲を貫通し、続く爆発が内部に達する。戦車の砲塔が吹っ飛び、爆炎に包まれ動かなくなった。
スズミ「クリア!急ぎましょう!」
サイボーグ兵「HQ、こちら南方Aブロック!シャーレの先生が向かっている!援護してやってくれ!」
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シャーレ地下
狐面の少女が白いタブレット端末を持って首を傾げていた。
ワカモ「うーん...これが何なのか、全く分かりませんわね。これでは壊そうにも...」
「裏口警備の反応が消えたから来てみれば...とんだ大物だな。」
タブレット端末を持つワカモ、その背後からサンダウナーの人斬り鋏が挟み込もうと交差する。
ワカモは姿勢を地面すれすれに低くしてハサミを回避、振り向かず後方へ狙撃銃"真紅の災厄"を発砲。
「甘いな。」
チュドーン!!
腰の盾が前方に展開され、爆発反応を起こす。
至近距離で爆風を喰らったワカモは跳ねるように距離を取る。
「あらあら、壊しがいのあるカラダ...」
「災厄の狐、お前の残虐性を見せてみろ。」
サンダウナーのフェイスガードが面頬のように展開される。
サンダウナーは6枚の盾を前方に展開、ワカモに向かって突進。ワカモは上に飛び跳ね、背部を撃ち抜く。
バン!!
「俺の保身は完璧だ。」
盾が素早く背部に回りこみ、弾丸を吹き飛ばす。
振り向きざまに人斬り鋏を振るう。
「パワーはありますが...」
ワカモは銃剣を取り外して挟ませ、サンダウナーの腕を左手で掴み固定。頭部に銃口を向けて発砲した。
「大振りすぎ、読みやすすぎです。」
バン!!
「ふぉぉっ!!」
サンダウナーが大きくのけ反り、さらに巨体が蹴り飛ばされる。
「オートマタに比べて頑丈なようですが、この程度ですか...無法者の大男、少しは期待していたのですのに、がっかりです。」
「設備を壊さないように戦うのは苦労するな。」
マスティフ「グォッ!」
ガシッ
「あら?」
背後から忍び寄ったゴリラ型無人機マスティフがワカモの左足を掴み、床に叩きつけた。
ドゴォン!!
「乙女の脚に触るものじゃありませんよ。」
動じず、銃剣を装着してマスティフの脚を切断、頭部を撃ち抜いて機能停止させる。
「そちらが敵地に出向いているのだ、卑怯とは言うまいな?」
「ええ、何百と徒党を組もうと、全て壊すだけですから。」
そのときドアが開き、二人の目線が集中する。
"えーっと..."
"こんにちは、シャーレの先生です。"
白い制服の優男が出てきた。
「ほう、お前が先生か...」
「あらあら...あららら...」
ワカモ「し、し...」
サンダウナー「死?」
ワカモ「失礼いたしましたー!!」
ワカモの面から覗く頬が紅潮し、凄まじい速さで部屋から出て行った。
「は?」
"...?"
(......おあずけかよぉーッ!!!)
サンダウナーは心の中で叫んだ。
リン「お待たせしました。...何かありましたか?」
"ううん、大丈夫。"
「大事ない。」
サンダウナーは納刀し、臨戦態勢を解いた。
リン「サンダウナーさん、防衛してくださってありがとうございました。」
「気にするな、貰ったカネに見合う仕事はする。」
リン「これより先生に、連邦生徒会の機密事項をお話します。サンダウナーさんは席を外していただけないでしょうか?」
「...ふむ。わかった。俺は女狐が来ないか見張っておく。」
リン「女狐?」
「気にするな。」
数分後...
サイボーグ兵「報告!サンクトゥムタワーが復旧しました!」
「あの若造、やり遂げたか。」
「サイボーグと仔月光はシャーレ周辺の不良どもを捕縛しろ。月光とラプターは全機撤収、マスティフはシャーレ周辺を引き続き警備。」
「さて...これからさらに忙しくなるぞ。」
サンダウナーの口元には邪悪な笑みが浮かんでいた。
サイボーグ兵士とその装備にはSOPが搭載されています。
SOP:Sons Of the Patriot
ナノマシンを体内に注入する戦術管理システム
五感や損傷などを共有したり、無線的コミュニケーションを使ったりできる。
武器にIDが設定されていて、使用者のIDが一致することで初めて使用でき、一致しなければ武装がロックされて使えなくなる。
(サイボーグ達の山刀は振動することで切れ味を上げる機能「高周波」が使えなくなる。)
また、感情にも作用し、殺人への抵抗感や恐怖を抑制する。
勿論、ハッキングされたら大変なことになる。