ウトガルド城跡から本部へ戻る途中、ディエゴはシルバー・バレットの背で、今後の手順を静かに組み立てていた。
ユミルにはスケアリー・モンスターズを仕込んだ。これでエレン、ベルトルト、アニに続いて四人目となり、残る明確な標的は鎧の巨人を持つライナーだけである。
ただし、今すぐ手を出すのは得策ではなかった。
現在、調査兵団側には自分とミカサだけでなくリヴァイまでいる。さらにエレンは地下牢へ入れられており、兵団から厳重に監視されている。ライナーとベルトルトの立場からすれば、正体を明かして強引にエレンを奪うには最悪に近い状況だった。
もし二人がエレンだけでなく、正体を晒したユミルまで故郷へ連れ帰ろうとしているのなら、動ける機会はそう多くない。
ユミルは負傷している。
ライナー自身もウトガルド城で傷を負っていた。
負傷者は本部へ戻れば優先して治療され、行動範囲もある程度限定される。その一方で、戦闘直後の混乱が完全に収まるまでには時間がかかる。動くなら本部へ戻った直後、まだ誰がどこにいるのか兵団側も完全には把握できていない時間帯が最も都合がいい。
ディエゴは前方を進むライナーとベルトルトの背中を眺めた。
――さて、どうする。
ライナーにはすでに小型の恐竜を一匹忍ばせてある。本人へ直接スケアリー・モンスターズを植え付けたわけではないが、服の内側へ潜り込ませた小さな生物を通じて、大まかな位置を追うことはできる。
今は無理に捕まえる必要はない。
むしろ、逃げようとするなら一度逃がした方がいい。
どこへ向かうのか。
誰を連れていこうとするのか。
そして追い詰められた時、どのような判断をするのか。
そこまで見届けてから狩った方が、得られるものは多かった。
ディエゴはそう判断すると、シルバー・バレットの首筋を軽く撫でた。
◆
朝。
調査兵団本部の地下牢では、鉄格子を挟んでエレンとミカサが話していた。
「だから何度も言ってるだろ。俺はあの時のこと、本当に覚えてねえんだって」
「分かってる」
「分かってる顔じゃないだろ」
「エレンが嘘をついているとは思っていない。ただ、原因が分からないのが問題」
ミカサは椅子へ座ったまま、牢の中にいるエレンを見つめていた。
エレンが自分の意思で恐竜のような異形へ変化したとは考えていない。
だが、本人にその意思も記憶もないという事実は、安心材料であると同時に別の危険を意味している。何らかの外的要因が存在するなら、本人の意思とは無関係に再び同じ現象が起こる可能性があるからだ。
「だからって、いつまでもここに入れとく必要ないだろ」
「それは私もそう思う」
「じゃあ上に言ってくれよ」
「言っている。でも、リヴァイ兵長もエルヴィン団長も慎重になっている」
「チッ……」
エレンが不満そうに壁へ背を預けた時、地下へ続く階段から二人分の足音が聞こえてきた。
ミカサが振り返る。
現れたのはライナーとベルトルトだった。
「よう」
ライナーは普段と変わらない様子で片手を上げた。
「エレン、どうだ?」
「どうだって言われてもな。見ての通りだよ」
エレンは鉄格子を軽く叩く。
ミカサは二人を見ながら、わずかに眉を寄せた。
「警備の兵士は?」
「いないが?」
ライナーが何でもないように答えた。
「いない?」
「ああ。俺たちも下りてくる途中で誰にも会わなかった」
ミカサの目が鋭くなる。
「本当に?」
「心配なら見てくればいいだろ。別に止めやしない」
ライナーの声音にも表情にも、露骨な嘘をついている様子はなかった。
実際、ライナーは嘘をついていない。
地下牢の入口にも、その手前の通路にも、人間の姿をした警備兵など一人も立っていなかった。
ただし、それは偶然ではなかった。
◆
ライナーたちが地下へ向かう少し前、ディエゴはすでに動いていた。
ライナーへ付けた小型恐竜から伝わる位置を追い、彼が地下牢へ近づきつつあることを察した時点で、ディエゴは警備兵たちの配置を確認していた。
地下牢へ続く経路には複数の兵士が立っている。
当然だった。
エレンは現在、正体不明の異常変身を起こした危険人物として扱われている。そこへ誰でも自由に出入りできるような警備を敷くはずがない。
このままでは、ライナーたちが動いたとしても地下牢へ辿り着く前に止められる可能性が高い。
それでは困る。
ディエゴが見たいのは、兵士へ呼び止められて何事もなく引き返すライナーではない。
追い詰められた戦士が、エレンを目の前にして何を選ぶのかである。
「少しだけ、席を外してもらうぞ」
人気の途切れた瞬間を狙い、ディエゴは警備兵へ近づいた。
相手が異変へ気づくより早く、爪を僅かに立ててスケアリー・モンスターズの力を流し込む。
殺す必要はない。
それどころか、傷つける必要すらほとんどなかった。
警備兵たちの身体が人間の輪郭を失い、次々と小型の恐竜へ変わっていく。
ただし、そのまま通路を歩かせれば誰かに発見される。
そこでディエゴは皮膚の色を変化させた。
灰色の石。
薄い汚れ。
壁面を走る細かな亀裂。
恐竜化した警備兵たちの皮膚が周囲の色と模様を再現し、石壁へ身体を密着させる。
少し離れれば、そこに何かがいるとはまず分からない。
近くを通ったところで、注意して凝視しなければ壁の凹凸と区別できないほどだった。
「そこでじっとしていろ。保護色か?」
命令を受けた恐竜たちは、壁へ張りついたまま完全に動きを止めた。
これで地下牢への道から、見かけ上の警備は消えた。
ライナーとベルトルトを助けるためではない。
二人を逃がしたいわけでもなかった。
ただ、途中で邪魔が入れば観察できるものまで見られなくなる。
だから舞台を整えただけである。
そしてライナーたちは、ディエゴが用意した道を、その存在に気づくことすらなく通過した。
◆
ミカサにも、エルヴィンからすでに一つの指示が伝えられていた。
ライナーとベルトルトには疑わしい点がある。
ただし、確証を得るまでは二人の前で極力普段通りに振る舞え。
だからこそ、警備兵が忽然と消えている異常を感じても、ミカサはその場で二人を問い詰めなかった。
「一応、見てくる」
「好きにしろ」
ミカサはエレンを一度見た後、階段へ向かった。
その背中が見えなくなると、エレンは鉄格子越しに二人を見る。
「で、お前らどうしたんだよ? こんな時間に」
ライナーは少しだけ黙った。
その沈黙は長くなかった。
「エレン」
「何だ?」
「数年前、壁を破壊したのは俺たちだ」
あまりにも何でもない調子で告げられたため、エレンは一瞬、言葉の意味を理解できなかった。
「……は?」
「俺は鎧の巨人で、こいつが超大型巨人だ」
ライナーは隣にいるベルトルトへ視線を向ける。
エレンは二人を交互に見た。
その後、何とも言えない顔になる。
「……お前、疲れてるんだよ」
ライナーの表情が一瞬だけ揺れた。
「今日色々ありすぎただろ。ユミルまで巨人になったし、壁の中に巨人がいるとか言い出すし……お前まで変なこと言い始めるなよ」
「……そうだな」
ライナーは僅かに目を伏せた。
「確かに、疲れてるのかもしれない」
そのまま話を終わらせても不思議ではなかった。
だが、次に顔を上げた時、ライナーの目から迷いが消えていた。
「それでも、俺は戦士としてやるべきことをやる」
「ライナー……?」
ベルトルトの顔色が変わった。
それでも、ライナーが本気だと悟った瞬間、その表情にも覚悟が浮かぶ。
「ライナー! やるんだな! 今ここで!」
「ああ」
「僕たちは……故郷に帰れるんだな!」
エレンが鉄格子を掴んだ。
「おい、お前ら何を――」
◆
「それでですね、うちのお父さんが――」
「食いながら喋るんじゃあない」
地下でエレンの人生が大きく動き始めている頃、ディエゴは食堂でサシャと向かい合っていた。
サシャは右手にパン、左手に芋を持ち、交互に頬張りながら故郷での出来事を楽しそうに話している。
「でも、冷めたらもったいないじゃないですか」
「なら食うか喋るかどちらかにしろ。口から芋が飛び出そうじゃあないか」
「飛んでませんよ!」
「危うく飛びそうだったってことだ」
「そんなはしたない真似しませんっ」
そう言いながらも、サシャは楽しそうにはにかんだ。
ディエゴは呆れたようにパンを千切って口へ運ぶ。
表面上は何でもない食事だった。
しかし意識の一部では、ライナーへ潜ませた小型恐竜の位置を追っている。
ライナーは地下へ入った。
ベルトルトも一緒だった。
そして、しばらくその場から動いていない。
警備兵も恐竜化させたまま壁へ張りつかせている以上、途中で兵団へ発見された可能性はない。
――始める気か。
ディエゴの目が僅かに細くなった。
「サシャ」
「はい?」
「もう少しこっちへ来い」
サシャが口を動かしたまま、きょとんとする。
「何でです?」
「いいから。もう少しだ」
サシャは椅子を僅かに動かした。
「これくらいですか?」
「まだ遠い。あと三十センチくらい」
「三十センチ?」
「そうだ」
サシャはますます怪訝そうな顔をしたものの、言われた通り少し近づいた。
「ここですか?」
「もう少し」
「何なんですか、さっきから」
ディエゴは答える代わりに身を乗り出し、サシャの肩へ腕を回した。
「ひゃっ!?」
そのまま自分の方へ抱き寄せる。
突然距離が縮まり、サシャの顔が一瞬で赤くなった。
「ディ、ディエゴ!? あの、これは……!」
「よし。ここがベストだ」
「ベ、ベストって何が――」
言い終えるより早かった。
轟音とともに食堂の床が弾け飛んだ。
「きゃあっ!?」
石材と木片が一斉に吹き上がり、さっきまでサシャが座っていた椅子が真上へ跳ね飛ばされる。
ディエゴはサシャを抱えたまま後方へ飛び退いた。
巨大な腕が床下から突き出している。
続いて、建物そのものを破壊するように鎧に覆われた巨体が姿を現した。
「巨人!?」
サシャが目を見開く。
鎧の巨人だった。
その手の中には人間が握られている。
エレン。
鎧の巨人は周囲を確認することもなく、そのまま建物を突き破って走り出した。
「エレン!」
直後、開いた穴からミカサが飛び出してくる。
顔には明確な焦りと怒りが浮かんでいた。
「ミカサ! い、今のは何ですか!?」
「エレンが、巨人になったライナーに連れ去られ――」
そこまで言ったところで、ミカサの言葉が止まった。
視線がディエゴとサシャへ向いている。
ディエゴはサシャの肩を抱いたまま。
サシャもディエゴへしがみついた状態だった。
抱き合っているような二人を、ミカサは数秒見つめる。
眉間へ、ほんの僅かに皺が寄った。
「……暇そうで羨ましい」
「え?」
サシャが間の抜けた声を出した時には、ミカサはすでに踵を返していた。
「立体機動装置を取ってくる」
そのまま廊下を走っていく。
「へ?」
反射的に叫んだ直後、サシャは自分がまだディエゴへ抱きついていることに気づいた。
「……あ」
さらに、自分の肩にはディエゴの腕が回ったままだ。
「~~~~ッ!」
顔が一気に赤くなる。
サシャは弾かれたように飛び退いた。
「す、すみません! 装備取ってきます!」
「やれやれだ」
サシャが凄まじい勢いで食堂から走り去っていく。
ディエゴは、その背中を見送ることすらしなかった。
そんなことより、頭の中では先ほど一瞬だけ見えた鎧の巨人について分析が始まっている。
全身の大部分を硬質化した皮膚が覆っていた。
通常のブレードで中途半端に斬りつけても意味はないだろう。
ただし完全ではない。
関節部には可動域を確保するための隙間があり、眼球も露出している。頭部にも全体が均一に硬質化しているわけではない部分があった。
完全恐竜化すれば、アニを捕獲した時と同様に頭部の比較的柔らかい部分から内部へ掘り進むことも不可能ではない。
しかし、それは現実的ではなかった。
一度なら事故に見せられる。
二度も戦場から姿を消し、敵の体内へ潜り込んだとなれば、さすがに疑われる。
まして今回は調査兵団の目が多い。
人前で完全恐竜化するわけにもいかなかった。
それなら、やるべきことは決まっている。
鎧そのものを自分が破る必要はない。
ライナーが無防備になった隙をつく。それだけだ。
◆
ライナーたちが地下牢を破壊して逃走した後、壁と同化していた警備兵たちは、ディエゴの遠隔命令によって元の姿へ戻された。
突然人間へ戻された兵士たちは、直前まで何をしていたのかほとんど理解できていない。
記憶も曖昧だった。
自分たちは確かに地下牢を警備していたはずなのに、気づけば通路の壁際に倒れている。
当然、本部内では何が起こったのか分からず、警備体制の混乱がさらに大きくなった。
それもディエゴにとっては都合が良かった。
警備兵本人たちですら説明できないのだから、自分へ疑いが向く可能性は低い。
◆
巨人出現によって、調査兵団本部は一気に混乱へ陥った。
当然の話だ。そもそも本部から突如巨人が「生えてくる」など、誰が想像できるというのか。
その常識があったため、本部内で常時立体機動装置を身につけている者は多くなかった。
だからこそ突然の襲撃への対応は遅れた。
だが、エルヴィンは早かった。
まるでこうなる可能性まで考えていたかのように、動ける兵士を即座に選抜し、十人ほどの追撃部隊をまとめ上げた。
その中にはリヴァイ、ミカサ、そしてディエゴもいる。
「目標はエレンの奪還だ!」
森へ入る前、エルヴィンが短く指示を出した。
「敵が知性巨人である以上、無理に討伐する必要はない! エレンを取り戻すことを最優先とする!」
一行は巨人たちを追った。
小型恐竜が示すライナーの位置を知らないふりをしながら、ディエゴもシルバー・バレットを走らせる。
しばらく進むと、遠くから二体の巨人がぶつかり合う音が聞こえてきた。
「前方!」
兵士の一人が叫ぶ。
木々の隙間から見えたのは、巨人化したエレンと鎧の巨人だった。
エレンは必死に食らいついている。
訓練兵時代にアニから学んだ技術を使い、真正面から殴り合うのではなく、関節を狙って鎧を崩そうとしていた。
だが、状況が悪い。
夜間の奇襲による混乱。
十分な支援もない。
さらに鎧の巨人側にはベルトルトもいる。
エレンが一度ライナーを倒しかけたところへ横槍が入り、再び捕らえられた。
「エレン!」
ミカサが飛び出そうとする。
「待て」
ディエゴが腕を伸ばして制した。
「離して」
「今追えば死ぬぞ」
「エレンが連れていかれる」
「見れば分かる」
ミカサの目が鋭くなる。
「なら、どうして止めるの?」
「単に人数が少ないからだ」
ディエゴは周囲の暗い森を見渡した。
「こっちは十人程度しかいない。全員が万全な装備でもない。この辺りには昼間から巨人が入り込んでいるんだろ?」
「それでも――」
「下手に戦闘を長引かせて巨人を呼び寄せられれば、全員まとめて食われるぞ」
「それだとエレンを見失う」
「逆に考えろ」
ディエゴはライナーたちが消えていった森の奥へ目を向けた。
「オレたちがこの襲撃へまともに対応できなかったのは、突発的だったからだ。だが、それは向こうだって同じじゃあないのか?」
ミカサは黙った。
「あいつらもウトガルド城から戻ったばかりで、ろくに寝てもいない。負傷までしている。それなのにエレンを抱えて、夜通し何十キロも逃げ続けられると思うか?」
「巨人ならできるかもしれない」
「巨人化にも限界がある」
ディエゴは即答した。
「もし何時間でも巨人のまま走り続けられるなら、最初から壁内に何年も潜伏する必要なんてない。それに超大型の方は、あの巨体で森を何時間も走れるタイプじゃあないだろ」
ミカサの表情から、感情とは別の思考が戻り始めた。
「なら……」
「今は離されない程度についていけばいい。あいつらが休む場所までな」
そこへエルヴィンの声が入る。
「私も同意見だ」
全員の視線が団長へ集まった。
「この先、敵が長距離を移動するなら平地を進むより森へ入る可能性が高い。巨人の身体を隠せるうえ、我々の立体機動も木々によって進路を制限される」
エルヴィンは地形を思い浮かべるように前方を見た。
「だが、敵も休息を必要とする。特に人間の姿へ戻れば、負傷と疲労は無視できない。今は位置を見失わないことを最優先とし、夕暮れ時に十分な戦力を揃えて叩く」
ミカサは奥歯を噛んだ。
納得したわけではない。
今すぐエレンを追いかけたい気持ちは消えていない。
それでも、ここで自分だけ飛び出せば敵に追いつけるとは限らず、逆にエレンを取り戻す機会そのものを失う可能性がある。
「……分かりました」
ようやく答える。
エルヴィンは頷いた。
「追跡を続ける。ただし接触はするな」
追撃部隊が再び動き始める。
◆
シルバー・バレットを走らせながら、ディエゴは誰にも見えないところで薄く笑った。
今はこれでいい。
ベルトルトにはすでにスケアリー・モンスターズが入っている。
命令を出せば恐竜化させることもできる。
それを利用してライナーへ襲いかからせるという手段も、もちろん考えていた。
だが、今それをやる意味は薄い。
万が一ライナーを取り逃がせば、人間へ戻って立体機動装置を使われる可能性がある。森の中で立体機動の機動力を発揮されれば、巨体の恐竜に追わせるより面倒になる。
それに、目的はただ捕まえることではない。
試したいことがいくつかあった。
鎧の巨人にスケアリー・モンスターズがどこまで作用するのか。
人間状態で植え付けた力は、巨人化した後にも維持されるのか。
逆に巨人状態へ直接作用させた場合、人間へ戻った後にどこまで影響が残るのか。
アニ、ベルトルト、エレン、ユミルから得た情報は多いが、まだ完全ではない。
ライナーは、その実験相手として申し分なかった。
しかも居場所は分かる。
服へ忍ばせた小型恐竜が生きている限り、森のどこへ逃げ込もうと完全に見失うことはない。
焦る理由などなかった。
狩りは、獲物を見つけた瞬間に飛びかかるものではない。
逃げ道を削り、疲れさせ、自分に最も有利な場所へ追い込んでから仕留めればいい。
ディエゴは暗い森の奥へ目を向ける。
その先には、エレンを連れたライナーとベルトルトがいる。
そして恐らく、ユミルも彼らの目的に含まれている。
ならば、そろそろ役者がもう一度集まる。
その時こそ、ライナーを自分のものにする。
夜の森を駆け抜けながら、ディエゴは次に試す実験の手順を、頭の中でもう一度最初から組み立て始めていた。