「ようこそ!プラターヌポケモン研究所へ!」
研究所内に入った俺たちを迎えたのは、いい笑顔を浮かべるお兄さんだった。
会った事はない。しかしどこか見覚え等ある雰囲気の風貌。もしやと思っていると、お兄さんは膝を曲げて俺たちに視線を合わせるとにこやかに口を開く。
「やあ、君達がサトシくんにセレナちゃんだね?初めまして!私はプラターヌ、このポケモン研究所の所長を務めている博士なんだ!」
その言葉を聞き、予想が当たっていた事に「やっぱりな」と思った。
アニメやゲームなんかで見るより若く、無精髭も生えていないのですぐにピンとは来なかったが、色男っぷりはこの頃から変わっていない様で、後ろでママさんも「あらあらっ」と博士のイケメンフェイスに軽く頰を染めていた。
「こんにちは、プラターヌ博士。今日はよろしくお願いします!」
「お、お願いします!」
「ははっ、礼儀正しい子達だね。では、早速案内させてもらうよ!」
立ち上がり「こちらにおいで」と先導し始めるプラターヌ博士。一度セレナと顔を見合わせると、早速プラターヌ博士の跡を追った。
「さて、まずはここを紹介しよう」
そう言ってプラターヌ博士が押し開けた扉の先には陽の光がガラス張りの天井から降り注ぎ、屋内なのに生い茂る木々を照らし出している光景で、どこからか水の流れる音が聞こえた。
「ここは研究所に併設してある温室だよ。研究に協力してもらっているポケモン達は普段はここで過ごしてもらっているんだ」
博士の言葉にセレナと口を合わせて「へぇ〜!」と相槌を打つ。と茂みが揺れ、そこから小さな影が俺たちの前に躍り出た。
「おや、丁度いい」
そう言って出てきたポケモンを抱き上げると、プラターヌ博士は俺たちの前にそのポケモンを見せた。
「この子の名前はフォッコ。カロス地方での10歳になった子に送る3匹のポケモンのうちの1匹で、ほのおタイプなんだ」
「ふぉこ!」
プラターヌ博士の説明の後、俺たちに挨拶するかの様に一鳴きするフォッコ。
そっとプラターヌ博士が地面に降ろせば、フォッコはててっと軽やかに俺たちの前まで歩いてきてお座り、そして再び「ふぉこ♪」と鳴いた。
その仕草にやられたのか、最初は俺の後ろから恐る恐ると見ていたセレナが顔をパァーッと明るくさせながら「かわいい!」ともうフォッコに夢中になっていた。
「あははっ、そうだろう、可愛いだろう?けどその子はそれだけじゃなくて強いんだよ」
そう言ってぱふぱふとフォッコの頭を撫でるプラターヌ博士。フォッコも気持ち良さそうに目を細めてなされるがままになっている。どうやらプラターヌ博士とはいい関係を築いている様だった。
「この子の他にはケロマツとハリマロンって子がいるんだけど……どうやら今は近くにいないみたいだね」
「見せられなくてごめんね」と謝られるもの、俺としてはフォッコが見れただけで十分有り難かったので問題無い。
そしてセレナも満足そうで「わたし、フォッコにする」と既に将来のパートナーを決めた様だった。
「……それじゃあ、次は僕が何を研究しているのか。それについて話そうか」
そう言って再び研究所内へと向かうプラターヌ博士の後を追いながら、フォッコとはお別れするのだった。