プラターヌ博士に先導されて、研究所の3階へエレベーターを使い移動すると、そこには大きな本棚が壁一面を埋め尽くしているのが目に入った。
「すごい……」
俺の横でセレナも圧倒された様で、そんな言葉をこぼす。と、「あったあった」とデスクの引き出しから何かを取り出したプラターヌ博士が何かを企んでいそうな笑みを浮かべながら近付いてきた。
「さて、これが何か分かるかな?」
そう言って差し出されたプラターヌ博士の掌の上には、遺伝子を思わせるような螺旋状の模様が中に浮かんでいる、七色に光る不思議な石だった。
「あら、何かしらこれ」
「綺麗な石ねぇ……」
俺とセレナの後ろから覗き込んできたママさん達も分からないらしく、不思議そうな声を出す。
が、俺は前世の記憶からすぐにあたりを付けられた。
「これ、キーストーンですか?」
「きいすとおん?」
隣で不思議そうに首を傾げるセレナ。しかし、自慢げに石を見せていたプラターヌ博士は驚いた顔をして俺を凝視していた。
「驚いたな……。まさかサトシくんがキーストーンを知っているなんて」
「これでもオーキド博士の研究所には結構勉強しに行っているので」
そう答えれば、「ああ、オーキド博士の所ならこれについての論文とかありそうだね」と納得したのかそれ以上の追求をされなかった。
しかし、俺の答えだけじゃ満足しなかったのか、ママさんに後ろから肩を掴まれて「ねぇ、キーストーンってなに?」と質問される。
プラターヌ博士が答えるのかと思いチラリと見れば、「君が答えてみたまえ」と言わんばかりにニッコリと笑いかけられたので、俺が説明する事にした。
「まあ、俺もそこまで詳しく無いんだけれども……。キーストーンはポケモンの進化を超えた進化、“メガシンカ”に必要となるもので、トレーナーが持つのがキーストーンなんだよ。トレーナーが持つキーストーン、ポケモンが持つそのポケモンに対応したメガストーン。……例えばギャラドスならギャラドスナイト。みたいな感じでね。そして、ポケモンとトレーナーの間で結ばれた深い絆。この3つが揃った時、初めてメガシンカを可能とするんだよ」
「……で、合ってるよね?」とプラターヌ博士を見やれば、「凄いね、大雑把ではあるがおおよその要点は踏まえられているね」とお褒めの言葉を頂いた。
「サトシ凄いわねぇ」
「私もメガシンカの事知らなかったわ」
後ろでママさんとサキさんからも褒められ、少し恥ずかしくなる。照れ隠しに「たまたま知ってただけだし」と謙遜していると、プラターヌ博士が「いや、本当に凄いよ」と更に褒めてきた。
「メガシンカの伝承自体はかなり昔から存在するけれど、キーストーンやメガストーンの希少性やメガシンカを使いこなす事の難しさからまだ一般的には広まっていなくてね、今でも研究があまり進んでいなくて、対応したメガストーンが判明しているのが、ルカリオ、サーナイト、アブソルの3種だけなんだよ」
マジすか。それなら5歳児が知っていたら驚かれるわ。