「ほぉ、エスパーポケモンのサイコパワーに巻き込まれて、ねぇ」
「まあ、そうなんですよ」
ガラルチャンピオンのダンデと遭遇した後、軽い自己紹介を行い、現在の俺が陥っている状況を説明する。
「それでですね、俺、アローラまで戻りたいんですけど、力を貸してくれませんか?」
「そうだなぁ……」
俺の要望に腕組みしながら深く考え込むダンデ。そして、
「助けてやりたいのはやまやまなんだが、俺も今どこにいるのかよく分かっていなくてな」
「……へ?」
「いや、ここがカンムリ雪原だと言うことはさっきのサトシくんの話で分かったよ?けど、今どこの地方にいるのかがね……」
「たはは……」と困ったような笑いをするダンデ。実際困っているのだろう。「いつもはリザードンが案内してくれるんだが……。今は師匠の所に先に行っててくれって言っちゃったからなぁ」とダンデの現状を話す。
「師匠って……?」
「元ガラルリーグチャンピオンのマスタードだよ。ガラルでは有名なんだぜ?」
そう笑うダンデに俺はついに我慢できなくなりツッコミを入れた。「ここもガラルですけど!?」と。
「……なるほど、ハロンタウンよりも更に南の方は、こんな風に雪が積もる場所だったのか」
「ふむふむ」と顎に手をやり頷くダンデ。確かにここら辺からはガラルリーグに参加するような人はここ何十年も出ていないが、それで良いのかガラルチャンピオンよ。
「しかし、ここがガラルだと言うのなら俺のスマホロトムは問題なく使えるな!」
「それはどう言う意味で?」
そう尋ねれば、ダンデさんはスマホロトムを取り出して俺へと手渡してきた。
「ほら、これを貸すからアローラの家族に連絡を取るといい」
そう言っていい笑顔でサムズアップするダンデさん。しかし……
「あの、すいません。俺、親の電話番号とか知らないです」
「なっ!?……いや、そうか。そうだよな、意外と身近な人の電話番号は覚えていないよな」
「しかし、どうしたものか……」と額を抑えるダンデ。そして、
「……よし!ならとりあえず俺と一緒に師匠のところに行ってみよう!師匠ならきっと何か思い付くはずだ!」
「えっ、いきなり行っても大丈夫なんですか?」
「師匠は懐が広いからな!問題ないはずだ」
そう言って腰の辺りを探るダンデ。暫く探していたが、目当てのものが見当たらないのか、次第にサァーっと顔色が青くなっていく。
「り、リザードンのボールが無いっ!?」
「えっ、えぇーっ!?」
ダンデの叫びがフリーズむらに響き、俺も驚いて一緒になって叫ぶのだった。