「俺が……ゲットを?」
ぼんやりと手にしたモンスタボールを見つめながら呟く。「ああ」と頷くダンデに「でも俺はまだ免許を持っていません」と言うが、「知っている。だが、これは君がつけるべきケジメだ」と強く言い返されてしまう。
「じぇるぷ……?」
自分の事について話されているのがなんと無く分かったのかゆったりとした様子でウツロイドが近付いて来た。
俺は手にしたモンスターボールを力強く握り締めながらウツロイドへ話し掛ける。
「なあ、ウツロイド。お前は俺と一緒に来たいか?」
「べの……?べのめのん!」
不思議そうに体を揺らした後、「もちろんだ!」と力強く傘を頷かせるウツロイド。その姿を見て俺は少しホッとして嬉しくなりながら、手にしたモンスターボールをウツロイドへ差し出す。
「俺と共に来てくれるなら、このモンスターボールに入ってくれ」
「べのっ!」
俺の言葉を聞き、ウツロイドはすぐさまモンスターボールのボタンを触手で押し、開いたモンスターボールから放たれる赤い光線に包まれる。
モンスターボールの中に飲み込まれ、ユラユラと揺れた後、カチッと音と共にモンスターボールから星の様な光が飛んだ。
「ポケモン初ゲットおめでとうサトシくん。これでその子は君のポケモンだ」
俺に近付き肩を優しくトントンと叩きながら笑うダンデを、俺は呆然としながら見返す。
ヒョイとウツロイドが入ったボールを拾い上げ、ダンデは笑いながら俺に手渡してきた。
そこで漸く、ジワジワとポケモンをゲットしたと言う実感が湧いて来て、早速モンスターボールからウツロイドを出す。
「べのー」
嬉しそうに絡みついてくるウツロイドに笑い掛けながら、俺はふと前世のアニメでよく聞いた、サトシくんの代名詞であるとある台詞を思い出した。
今のサトシくんは俺だ。けれど、俺には彼の様な凄まじいポケモントレーナーになれる自信は正直に言って無い。
けれど、この世界で長く生きたポケモン達と触れ合い、こうして俺の手でポケモンをゲットした。
俺がこの世界のサトシくんだ。もしかしたらアニメや映画でサトシくんが出会って来たポケモン達に俺も出会うのかもしれない。そう考えるとなんだかワクワクとし始めた。
改めてウツロイドを見ながら考える。
ポケモンマスター。アニメでサトシくんが掲げていた夢。結局アニメの中では明言されなかったそれが、ふと頭に過ったのだ。
今まで特に将来のことも考えずに生きて来たが、せっかく転生したのがサトシくんなのだ。勿体無い事をした。
ポケモンマスターを目指してみるのも悪く無い。なんて思うと、どうせなら願掛けも兼ねて、思い出したあの台詞を口にしても良いかもしれない。いや、してやろうか。
そう思い至り、ウツロイドをゲットしたモンスターボールを力強く握り直しウツロイドへと向けて笑いながら言った。
「ウツロイド、ゲットだぜ!」
はい。うちの転生サトシくんの最初のポケモンはウツロイドでした。
因みに、この世界ではレベルは強さの目安なのでゲームとは設定があれこれ違います。何レベルで進化も、大体このレベルの強さになったら進化するよーといった目安扱いになるので、例の毒親な悪の組織首領のサザンドラみたいなゲームで見たら改造扱いになりそうなポケモンも沢山います。ここで取り敢えず言っときます。
サトシくんの手持ち
ウツロイド(色違い)Lv.22