めざせ、ポケモンマスター!   作:瓶詰め蜂蜜

5 / 5
出会い②

「ぐううう……」

「がるぅ……」

 

 睨み合ったままのイワークとガルーラ。が、気圧されたのかふいと視線を逸らし、イワークは森の奥へと消えていった。

 イワークの姿が見えなくなると、俺はホッとして力が抜けてしまい、「だあっ」と勢いよくへたり込んでしまった。

 

「がるぅっ?」

 

 ぐるりと振り返って俺たちを心配そうに見下ろすガルーラに「助けてくれて、ありがとうな」と感謝を言いつつも、俺の視線はそのお腹に釘付けだった。いや、正確にはそこに入っているポケモンに、だ。

 

 ピチュー。この世界では十数年前に発見された、とあるポケモンの進化前に当たるこねずみポケモン。

 本来ガルーラとは共生していないはずだが、何らかの理由で共に暮らしているのだろう。一緒に入っている子ガルーラとは仲が良さそうだった。

 

「か、かわいい……」

 

 イワークが去ってリラックスしたのか、仲良く袋の中で戯れ会い始めた子ガルーラとピチューを見て、そうポツリと呟く女の子。

 確かに可愛いが、俺が釘付けになった理由はそうでは無い。何故だか分からないのだが、このピチューに対して、とてつもないシンパシーを感じるのだ。陳腐な言い方になるが、運命としか言いようがない、それを。

 

「なあ、ピチュー」

「ぴっ?」

 

 脅かさないように、優しい声を意識して呼びかけると、不思議そうに此方に振り返るピチュー。ゆっくりと右手を差し出しながら俺はピチューに「俺と友達にならないか?」と呼びかける。

 

「もちろん、ガルーラ達も」

「がるっ?」

 

 視線を上げてガルーラにも呼びかける。すると、ガルーラは少し驚いた様子を見せた後、嬉しそうに俺へと手を伸ばしてくれた。

 

「っ!いいのか?」

「がるぅっ」

 

 伸ばした俺の手を取り、握手してくれたガルーラ。それを見て袋の中の子ガルーラも嬉しそうに「がるっ、がるっ」と鳴いて、俺に笑いかけてくれた。

 

「……」

 

 そして、その姿を見たからか、ひょこっと這い出ると、「ぴちゅ」と座り込んだ俺の膝にぴとりと触れた。

 ピチューは人見知りの激しいポケモンと聞いているのに、こうして触れ合ってくれたのは、きっと親代わりのガルーラと兄弟の子ガルーラが俺を認めてくれたからだろう。

 

「これから仲良くしてくれよ、ガルーラ、ピチュー」

 

 俺はそう言って3匹に笑いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガルーラとピチューと笑って別れた後、何でか俯いたままの女の子の手を取りながら森の中を歩いて、キャンプ場に戻る途中。「あの……」と呼びかけられたので振り向くと、俯いていた顔を上げた女の子が俺を見つめていた。

 

「えっと……、どうした?」

「あの、その……。な、名前!名前教えて!」

「うおっ!?」

 

 ウロチョロと視線を彷徨わせた後、必死な様子で大きな声を出す女の子。ちょっとその勢いに面食らうも、「さ、サトシだけど」と何とか答える。

 

「さ、サトシって言うんだ……」

 

 ……何だか俺の名前を呟きながら「えへへ……」とか笑ってるんですけど、この子。前世含めて彼女いた事ない俺にはすこーし刺激が強いんですけど。

 なんて、思いながらも、自分の世界にトリップしちゃってる女の子を放置出来ないので、手を繋いだまま先導を続けていると、

 

「ああっ!居たぁーっ!」

 

 と近くの茂みから出て来た、葉っぱまみれでボサボサの白衣のお兄さんが俺達を指差して叫んできたので、二人揃って肩をビクッと跳ねさせる。

 

「良かったぁ……。よし、2人とも。お兄さんと一緒にキャンプ場に戻ろう」

 

 「着いて来てね」と言って手招きするお兄さん。手を繋ぐ女の子と見合った後、お兄さんの後を着いて行くことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後の話になるが、キャンプ場に戻った俺たちを待っていたのはオーキド博士とそれぞれの母親からのお説教だった。

 心配させたのも事実なので、真摯に受け止めていたが、はたから俺を見て嘲笑していたツヨシくんの姿を見つけて、例のイワークの話をすれば、厳格らしいツヨシくんのお父さんが俺たちに事実確認をして来た。

 その結末はツヨシくんの頭にどでかいタンコブが出来ていたことからも簡単に分かるものである。

 

 そして、俺が助けた女の子。母親も含めてお互いに自己紹介しなおした時に驚いた。

 なにせ、女の子の名前は“セレナ”。朧げになってしまった記憶でも残っている、XYの女の子主人公のデフォルトネームである。そして、アニメではサトシくんと共にカロスを旅した仲間の少女の名前。

 まさか、こんな所で出会うとは思わなかったが、もじもじとしているセレナを見て、考えても仕方ないと思いなおすのだった。




転生サートシくんが運命を感じたピチュー。多分知ってる人は分かるでしょう。
後、バタフリーエフェクトでセレナちゃんとの出会い方も変わりました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

超次元じゃなきゃ生きられない!(作者:みかんフレーク)(原作:イナズマイレブン)

この混沌とした中学サッカー界を制覇するためにやることはただ一つ。▼俺たち自身が超次元になることだ。


総合評価:28/評価:-.--/連載:6話/更新日時:2026年09月22日(火) 20:30 小説情報

遊戯王DMT―転生したら城之内だった件―(作者:Laginera)(原作:遊戯王)

表紙: ▼【挿絵表示】▼(ChatGPTで作成しました)▼事故で死んで生き返ったオレがいたのは遊戯王の世界だった。▼だがよりによってオレが転生したのは一般人なのに毎度カードゲームで死にかける「城之内克也」だった!▼このままだとバトルシティでラーに魂ごと焼かれてしまう!▼そもそもカードゲームがそこまで好きでもないのにデュエルモンスターの世界に転生するというのが…


総合評価:1052/評価:7.22/連載:43話/更新日時:2026年09月27日(日) 21:55 小説情報

よくある巻き込まれ転生……ってアルセウスじゃねぇか!!〜転生したらダンデとソニアの同期だったのでソニアちゃんとイチャイチャします編〜(作者:五十嵐まな)(原作:ポケットモンスター)

現代を生きる普通のSEの優(まさる)は乗っていたバスが事故に遭って死んでしまう。▼真っ暗な空間に現れた光に「巻き込んじゃったから続きを用意するね」と告げられ、転生させられる。▼母に「マサル」と呼ばれ、生まれも育ちも「ハロンタウン」、剣盾主人公かと思っていたら、ブラッシータウンで「ソニア」と出会う事に。▼つまり無敵のダンデと同期じゃねぇか!あー解散解散。▼ダン…


総合評価:493/評価:7.7/未完:10話/更新日時:2026年09月13日(日) 06:39 小説情報

転生サトシの旅路(作者:ナノブ)(原作:ポケットモンスター)

これは、アニポケのサトシが一生を終えた記憶と、アニポケを見ていた人の記憶両方を持った転生者サトシが、波導と呼ばれるチートを駆使して行く旅路を記したもの。▼サトシ至上主義が書くポケモン小説です。▼作者はポケモンライト勢であり、にわかです。


総合評価:4089/評価:9.17/連載:36話/更新日時:2026年06月27日(土) 18:00 小説情報

逆行サトシの大冒険(作者:鉄壁拡散)(原作:ポケットモンスター)

サトシとその仲間達はそれぞれの夢に向かって歩みを進めたが、寿命には勝てず一生を終えてしまう。▼だがある日、サトシは気が付くと前世の記憶を持って逆行していた。▼サトシ「俺は今度こそポケモンマスターになるぜ!ピカチュウ、君に決めた!」▼ピカチュウ「ピッカ!」


総合評価:358/評価:7.2/連載:29話/更新日時:2026年09月27日(日) 00:43 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>