めざせ、ポケモンマスター!   作:瓶詰め蜂蜜

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湖畔の友達

 初日にイワークの騒動があったが、オーキド博士のポケモンサマーキャンプはその後は無事に終わった。

 父親に叱られたからか、ツヨシくんもキャンプ中はおとなしくなっていて、特に問題は起きず、俺も仲良くなったセレナと共にマサラの森のポケモンを観察したりして過ごした。

 最初は人見知りだったピチューも、親代わりのガルーラも居たからか、すぐに俺に慣れてくれ、今では仲良しである。

 

 しかし、キャンプ最終日。カロスに帰るセレナが「帰りたくない〜!」と泣き出してしまい、セレナのお母さんもほとほと困ってしまう事になった。

 なんとか泣き止まそうと、大人達が総出で慰めるも効果が無かった為に、俺もそれに参加した。

 そしてそこで、「お互い立派なトレーナーに成長して、再会しよう!」と約束すると、セレナも涙ぐんだままだったが強く「……ゔん゛っ」と頷いてくれた。

 何故かママさんが「あらあら」なんて言っていたのが疑問だが、まあおそらく俺には関係ない事だろう。うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ポケモンサマーキャンプが終わって数日後、俺はマサラの森の奥の方にある湖へと友達に会いに訪れていた。

 

『……まったく、危ない目にあっていたのなら、私を呼べば良かったろうに』

「いやぁ……面目無い」

 

 サマーキャンプのイワーク騒動の事を話すと、呆れた様に溜息を吐く友達。身体は今の俺よりも大きい為、吐かれた息で目の前にいた俺の髪が強くはためく。

 

「けどよ、あそこにはセレナが居たし、下手に呼べばお前がここにいる事がバレるだろ?ス(・)イ(・)ク(・)ン(・)」

 

 俺の言葉に、スイクンは目を細め『どうせ、後付けの理由だろうが……』と俺の考えを読んできた。

 

 

 

 

 

 スイクンとの出会いは、俺がマサラの森に通い始めてすぐの頃だった。初めて見る、野生のポケモン達に興奮して、ついつい奥まで進んでしまい、気付けば湖の側まで来ていた。

 前世でもなかなか見ない、自然豊かな湖畔。その光景に思わず見惚れていると、近くで苦しそうな声が聞こえてきたので、そちらへ向かうと前右足を怪我したスイクンが倒れていたのだ。

 その時の俺は伝説のポケモンを目撃したとか、そう言った興奮がなく、ただ「治療しないと」とだけ思って、駆け寄ったのだ。

 最初は威嚇していたスイクンだったけど、必死に呼びかけたら触るのを許してくれたので、森で遊ぶのに備えて持ち歩いていた救急セットを使って治療し、それから毎日経過を見に来て行くにつれて仲良くなったのだ。

 

 そして今では、この湖に遊びに来ては話をしたり、マサラの森に棲む仲の良い野生のポケモン達の力も借りて、怪我の治ったスイクンを相手に模擬戦をしてトレーナーの実力を磨いたりとしているのだ。

 

『しかし、ピチューか……』

「どうしたんだ、スイクン?」

『いや、私の知る限りこの森にピチューやその進化にあたるピカチュウ等のポケモンは棲んでいないからな。少し不思議に思ったのさ』

 

 そう呟くスイクンに、「そう言えばそうだな」とオーキド博士の出したレポートにあるマサラの森の生息ポケモン一覧を思い返しながら頷く。

 『おそらく、何某かのトレーナーに捨てられたのだろう』なんてスイクンは言うが、ピチューは人気が高く、野生では滅多に見ないレアポケモンである。捨てられたとは俺には思えなかった。

 

「……まあ、暗い話なんて考えているよりも体動かそうぜ!」

『やれやれ……。それで、今日は誰と共に戦う?』

「そうだなぁ……。よし、バタフリー!キミに決めた!」

「ふりー!」

 

 立ち上がり、近くの花の蜜を吸っていた野生のバタフリーを呼び、スイクンから少し離れる。

 

「行くぜ、バタフリー。今日こそは一撃お見舞いだ!」

「ふーりー!」

『そう簡単に当たってはやらないさ。……こい!』

 

 スイクンの言葉を合図にして、俺はバタフリーに指示を飛ばすのだった。




なお、今日も負けました。
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