めざせ、ポケモンマスター!   作:瓶詰め蜂蜜

8 / 10
冬到来

 全勝してしまった。

 スイクンとやっていたノリで『でんこうせっか』を移動手段にしてスピードに緩急をつけながら相手のポケモンに近づけさせて、『かみつく』で仕留めるを繰り返すだけで無双してしまった。

 

 ……まあ、仲良くなりすぎて忘れかけてたけど俺の修行相手をして指導をしてくれてたスイクンはこの世界では伝説と呼ばれている存在だったわ。そりゃ基礎経験が他の子達と俺とでは違うわな。

 自信満々にポッポを繰り出してきたシゲルくんからは睨まれ、ビードルで頑張ってたリーフからは熱い眼差しを向けられて……。

 前世のアニメで見ていた様な激しい技の応酬ができなくて残念だったが、それは将来の楽しみに取っておくことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 つい先日、オーキド博士の孫のナナミさんがマサラタウンに帰ってきた。

 ナナミさんは俺達より7歳も年上で、去年11歳の若さでカントーグランドフェスティバルを優勝したポケモンコーディネーターである。

 ナナミさんがまだマサラタウンにいた頃は俺もツヨシくんに虐められる前で、たまにオーキド研究所に遊びに行った時にお世話になっていて、久しぶりに会えば抱きしめてもらえた。うーむ、美少女に抱きしめられるとは、役得役得。

 

 その後、ナナミさんにポケモンコンテストについて話を聞けば、なるほど。ただバトルをしているだけじゃ知れない話をたくさん聞けた。

 特に、ポロックづくりを教えて貰えたのが一番の収穫で、自分でポケモンのご飯を作れる様になれれば旅に出た後、色々と助かるだろう。

 そのお礼と言ってはなんだが、ナナミさんが持っていたイーブイに関しての情報として、進化の石を使用する以外にも“なつき度”で進化出来るかどうか変わるのも居るって話をすると、ナナミさん以上にそのお祖父さんのオーキド博士が食いついてきた。

 どうやらこの世界ではまだ、なつき進化は判明していなかった様だった。「どこでそれを知った!」としつこく聞かれたので、「マサラの森で仲良くなったイーブイが突然進化したらエーフィになった」と言う嘘の話をしたら、勢い良く研究しに去って行った。

 因みに、この2年半後にオーキド博士が新しく出した論文には新たなイーブイの進化先として『エーフィ』と『ブラッキー』の名前が追加されていた。どうやらまだニンフィアは見つかっていない様だ。

 

 そんな感じで、スクールや研究所でポケモンについて学んだり、マサラの森でスイクンを相手に更なるバトル技術を身につけようと研究したり、スイクンに“波導”について教えられ、それを使う修行を開始したりと過ごして半年経ち、冬になった。

 

「サトシ!これ見て!」

「どうしたの、ママ……」

 

 スクールが冬の長期休暇になって3日目。寝起きの俺の前に駆け寄ってきたママさんが何やら紙を俺へと見せつけてきた。

 

「えーっと……『コガネ発ミアレ行き。ポケジャル航空』?これって」

「なんと、今年の冬はサキさんのご厚意で、カロスに行きまーす!」

「……ええっ!?」

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