えーっと・・・
一言、言わせて欲しい。
「これどういう事っすか!?何すかこのギャラリー!?」
なんか遠巻きに「僕は関係ありませんよー」みたいな顔して口笛吹いてそうな顔してた八木さんに詰め寄る。
取材班と一歩に押し切られ、鴨川ジムでスパーをする事になったのはいい。
いや、まったくよく無いんだが飲み込んだ。
青木村さんとか練習生達はまだいいよ!
なんで藤井さんとか伊達さんがいるんだよ!
「いやほら・・・ね?」
「何が、ね?っすか!俺なんも聞いてないんですけど!?この中で公開スパーってどんな地獄ですか・・・!」
鼻息荒く問い詰めてたら後ろから肩を叩かれた
「まぁまぁ、落ち着つけよぉ」
「一番文句言いたいのはあんたですよ!なんで居るの!?」
伊達さんのすまし顔に、全身全霊の右ストレートを叩きつけたいぜ・・・
「気にすんなよ!こんな面白そうな事無視できねぇだろ!」
と、がはははははっと笑って背中をバシバシ叩かれるけど、気にするなって無理だろ!
「少し事情もあるんだけれど、纏めるとね」
八木さんが説明してくれる
「君も聞いただろうけど、他の取材を受けた面々・・・特にヴォルグ選手・千堂選手」
ん?千堂は聞いてたけれどヴォルグもか?
「輸入ボクサーであるヴォルグ選手の事情は、わかるよね」
・・・わかりたくないけれど、わかる。
「商品価値って話ですよね」
「そう。噛ませ犬とは言わないけれど、評価の低い選手に勝った所で価値は低い。勝って当たり前、なんて前評判の選手といくらアタっても」
元がアマチュアチャンピオンの選手だ、そうなるだろう。でもなぁ
「幕ノ内君は、全1ラウンドKOの選手だ。ハードパンチャーとしての話題性は勿論、その人柄も注目されていてね。順調に行けば年内にA級だって行ける。対戦相手として、箔を付けるための相手として申し分ない」
「それらの話と、俺がこんな公開処刑される話に何の関係が!?」
「・・・君は知らなかったみたいだが、関係者には話が広まって居てね」
また嫌な予感しかしない・・・聞きたくないんだが!
「スパーを承諾してジムに来たんだから聞いてるんだろう?他のフェザー級の選手たちにアピールするためだよ。君が幕ノ内君の始まりの師匠で、若き破壊神と呼ばれるニューウェイブで、さらに伊達さんの・・・」
伊達さん?伊達さんと話した事って言ったら後進育成の話を少ししたけれど。山田君の事とか。
なんだっけな、確か・・・
『昔の一歩はもっと挙動不審だったよ!』とか・・・これじゃないな。
「だからね、君とのスパーの映像で、幕ノ内君の・・・」
あと何の話をしてたっけ。
ああ、俺の練習風景の感想とかの話をしてたな。
ひたすら基礎を練習してたとかどうのこうのと、それは事実だからいいんだけど。
俺個人としてはそんな話より山田君の根性がすげぇ!って話をしたかったよ。
ゲロ道とか言われはしたけれど、ゲロ吐きながらも走って走って走りぬいた根性がすげぇよ、とうんうん頷いてたら。
「うん、だからよろしく頼むね」
はい?なんか話が進んでる!?
・・・あれよあれよという間に、リングの上で一歩と向き合う事になってしまった。
ヤる覚悟は決めてたからいいけどさぁ・・・
「梅沢君、よろしくね」
「・・・おう」
お互いコーナーに行き、しばし黙る。
一拍呼吸を置き、そういえば拳を合わせるのは初めてか?と感慨深い気持ちになりながら。
リング中央まで行き、お互い右拳をチョンっと触れあい・・・弾かれるように後方に飛んだ後
ヤるからには全力でやってヤラぁ!
全力で開き直ってピーカブースタイルで頭を揺らしながら突進してくる一歩に、同じく前進しながら全力の『偽・弾丸』をぶちこんだ
さて、俺に出来る技は
『偽・弾丸』『偽・飛燕』の遠・中距離用。
近距離だと形になったのはスリークォーターからの右ショートアッパー・・・スマッシュだ。
デビッド・イーグルの『ワン・ツー』はこの短時間じゃ無理だった。
ていうか同じ軌道を描くってどうやるんだよ!
故に俺は『偽・弾丸』の威力を初撃で植え付け、避ける事に集中した相手がダッキングで懐に潜り込んできた所を狙い撃つための武器としてスマッシュを選んだ。
伊達さんとのスパーも、日頃の練習も見てたお前なら『偽・弾丸』をまともに受けちゃやばいって考えて・・・
加速した思考、それを自覚する前に。一歩の顔を見て気がつく。
(こいつ・・・そんな駆け引き考えてねぇ、前進・制圧・練習通り!って覚悟決めた顔してやがる・・・なんで俺相手なのにそんな顔すんの!?)
アンケートのやり方がわからない・・・!
コレとは別に、色々修正して最初っから書き直している分と、このまま続ける分があるんですが・・・
感想欄ででも、どちらを希望するか教えて頂けると幸いです