ライムさんも舞い上がっちゃってますね、コレは
今回結構転スラ知識を書いているんですが、間違った箇所があれば教えて頂けると幸いです
この世界に来て早1週間。
悪魔…いや、精神生命体という類いの種族は、魔素の制御に非常に長けている種族だったらしい。
ナーヴァから課された、「魔素の放出量を抑える」という宿題をあっという間に終わらせ、本格的に世界創生に取り組む事になった。
「しかし、ライムは凄まじい魔素量を有しているね。僕も戦ったら負けるんだろうな」
「まぁ、ナーヴァには負けないだろうね」
「少しは否定してくれないかな」
小言を言うナーヴァはさておき、仕事に取り掛かろう。
世界創生と言っても、生命や大地は既に生み出されている。
私の仕事はこの出来たばかりの不安定な世界の維持、監視。
あとは少しだけ世界の基盤の微調整。
ナーヴァと共に試行錯誤しながら、理想の世界とやらを目指して調整を重ねていた。
*
また、仕事の合間に『助言者』の能力把握と、この世界の基礎知識…法則についての理解にも励んでいた。
改めて代表的な法則と言えば、この世界は「魔素」という特別なもので満たされている、という事だろうか。
用途は主に2つ。
1.魔法の行使
人間や魔物は、個体によって保有できる魔素量には限界があるらしく、使用量に伴い強力な魔法を放てるらしい。
種類も様々で、元素魔法、精霊魔法、神聖魔法…
何れ私もマスターしたいものだ。
エクスプ●ージョンとかも再現出来そうだし。
「『助言者』、私の魔素量って測定出来たりする?」
『―是。測定自体は可能です』
「お、じゃあお願いしてみよっかな」
自分で言うのもなんだけど、結構良い方だと思うんだけど。
『―解。測定不能でした』
…what?
『個体名ライムの保有限界魔素量は∞、と判断しました。
また、『概念之王』にて法則を改変する事が可能なため、魔素を使用せずとも魔法行使を可能とします。
その他にも、『魔素無限供給』も可能とし………』
…うん。次行こうか。
2.精神生命体の肉体維持
この世界での肉体は内側から順に、
魂→星幽体《アストラル・ボディー》→精神体→《スピリチュアル・ボディー》→物質体《マテリアル・ボディー》で形成されているらしい。その中でも物質体を持っていない精神生命体…つまり、精霊、天使、悪魔は魔素で仮初の肉体を構築し、物質世界で一定時間活動が出来るらしい。
『魔素』という単語に聞き覚えがあったが、ルージュ達が欲していたものだったと今更ながら思い出した。
あの応急処置は正解だったみたいだ。良かった。
まぁ、仮初の肉体では結構制約もあるし不便みたいなので、受肉するのが手っ取り早いみたいだ。
別に私はなんだって構わないけど。
また、物質世界の魔物(肉体を既に有している魔物)も、周囲の魔素が減少すると活動に支障が起きるらしい。
下位の魔物なんかは抗えず、消滅してしまう事もあるのだとか。怖いね。
とりあえず、魔物にとって「魔素」は生きる糧なのだ。
*
「よーし、あらかた世界は完成したかなー」
不安定な部分も無くなり、ようやく基盤が完成した。
やっと大きな躍進が出来た気分だ。
私は大きく伸びをする。
「そうだね。もう少し発展したら、僕達も物質世界に降り立ってみようか」
ナーヴァも満足そうに頷いた。
「…ねぇ、ナーヴァはどうしてこの世界を創ろうとしたの?」
少し前から疑問に思っていた事だ。
「…質問の意図は?」
ナーヴァは隣に腰掛けて首を傾げた。
この世界には、多種多様な種族が生息している。
「どうせ世界を創るなら、自分の都合の良いように魔物だけの世界を創れば良かったんじゃないかなって。
この世界を牛耳る悪の帝王とかにでもなれば良かったのに…って」
「うん、何となく言いたい事は分かったんだけど、それと同時にライムの僕に対する印象がおかしいって事も分かった」
人間と魔物は、基本分かり合えない、敵対する種族。
何故わざわざ、共存の世界を目指すのだろうか。
ナーヴァは顎に手を当て、何かを考えている素振りを見せた。
そして導き出した答えは…
「―単純なものだよ。僕が人間を好んでいるから。以上」
「…え?終わり?」
「まぁ、結論はコレで完結しているんじゃないかな」
「もう少し語ってくれない?」
あっさりすぎるだろ。困るんだよ、文字数的にも。
「人間を好む理由としては、面白い種族だからだね。
あそこまで感情的で、儚くて、愚かな生き物は見た事が無い」
「酷い言われようだぜ」
それ、以前まで人間だった私の心に突き刺さってるよ?
クリティカルヒットだよ?
「そんな人間が、魔物と共存したらどうなるのだろうと、好奇心が芽生えてしまってね。
価値観を共有し、互いを受け入れ、支え合っていく様子が見てみたくなったんだ」
それが理想の世界なのだと、ナーヴァは楽しそうに語った。
「…ふふ…あはははははっ!」
思わず笑い出してしまう。
「馬鹿にされているのかな?」
「ごめんごめん、違うって。ただ、相当ぶっ飛んだ発想だなぁと思ってさ。
―けど、私はそういう常識外れな発想、大好きだけどね」
ナーヴァは驚いたのか、少し目を見開いていた。
そんな世界、ただの空想。本来なら夢物語に過ぎない。
だが、私なら不可能を可能に出来る。
「やってやろうじゃん。私達で必ず実現させようよ。その世界、私も見てみたい」
ナーヴァは沈黙の後、ふっ、と微笑んだ。
「…何さ」
「いや…その言動で、遠い昔の知人を思い出してね」
「何の事かさっぱりなんだけど」
「此方の話だよ、気にしないで」
…変なナーヴァ。
あーら今回意外と真面目。
Q.ライムに対する印象を教えて下さい
ナーヴァ 「初対面では殺されかけたけど、反応が面白いからからかいがいがあるよ」
ライム 「ふーん、くたばれ」