気まぐれで原初を育てたら溺愛されました   作:礼夢

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Q.ライムに対する印象を教えてください

ルシア 「…時々とんでもない事をさらっと言ったり、ヴェルダナーヴァ様と平気で危ない実験を始めたりしますけど、私はそういうところ、好きですよ」

ライム 「OK、フォローありがとう」


story14

ここ最近の身内の変化をまとめようか。

まず、私が魔王になった。これは読者の皆さんにとっても周知の事実なのではなかろうか。

ヴェルザは新たに生まれた弟の世話に手を焼いている様子。最近は何かと不機嫌なので、よく労っている。

そして…

ナーヴァとルシアが結婚した。

「ルシアの事幸せにしろよチクショウめ」

「相変わらず口が悪いねぇ」

まぁ、大体予想してたけどね。ラブラブだったもん。

竜と人間の結婚というケースは始めて見るけど、今は多様性の時代らしいしね。

こういうのも良いんじゃないかな、うん。

ルシアは可愛いし、ナーヴァも認めたくないが美形だし。

お似合いだと思うよ。

さらに…

「楽しみだなぁ、2人の子」

ルシアのお腹の中には、2人の子がいる。

もうすぐで生まれるらしい。

「この子の姉のような存在になってくれたら嬉しいです」

と、ルシアは幸せそうに微笑んだ。(可愛い)

「勿論!ほら、ライム姉ちゃんだよー!」

話しかける素振りをしてみた。

「………」

「おいナーヴァ、そんな目で見るなぶっ飛ばすぞ」

「あまりにも理不尽すぎるんだけど」

なんだ?「お姉ちゃんって呼ばれる年齢じゃないだろ」とか思ってやがるのか?良いだろ、別に。

「そして私はロリコンじゃないからな。子供が愛らしく思えるだけだからな!」

「それをロリコンと言うんじゃないかな?」

「何も言い返せないからやめてね?」

…やっぱり、こうしてわいわいやってるこの時間が、私は好きなんだな。

 

*

 

「はぁ…」

私は、丘の上の大木の幹に寄りかかって座った。

ナーヴァとルシアの子は、『解析鑑定』によると、【竜人族】《ドラゴノイド》という、極めて珍しい種族の魔物だった。

流石、ナーヴァとルシアの子と言うべきなのだろうか、あの子は強大な力を秘めている。

例え、あのフィジカルお化けのルシアでも、生命力を根こそぎ奪われてしまう事になるのだろう。衰弱死してしまう可能性が高かった。

…ルシアは、覚悟の上みたいだけど。

(私、みんなの前でちゃんと取り繕えてたかなぁ)

暗い顔を見せたくないばかりに、薄っぺらな笑みを浮かべていたんじゃないだろうか。

「…疲れた」

思考を止めて草場に寝そべっていると、ナーヴァの顔が視界に入ってきた。

「随分お疲れのようだね」

「そう見える?」

ナーヴァは私の隣に腰掛けると、

「数百年も一緒に時を重ねれば、それなりには分かってきたつもりだよ。まだまだ未知数だけどね」

と苦笑した。

なんだ、それ。私が得体の知れない化け物とでも言いたいのか?上等だよ、かかってこい。

…だが、ナーヴァの次の言動は、私が予想もしていないものだった。

「―あの子に、名前を与えようと思っているんだ」

「え、」

ナーヴァの呟きに、思わず間が抜けた声が出る。

…魔物にとって、"名付け"という行為は人間のそれと違い、1種の儀式に等しい。

自身の力を譲渡しなければならなくなり、魔物の強さによってその代償はより大きいものとなる。

その代わり、名を授かった魔物はより強くなり、名付け親との魂の絆がより強固なものとなるのだ。

当然、名付けする側のリスクは大きい。

ナーヴァとルシアの子は、魔素の受け皿があまりにも大きすぎた。

あのナーヴァでも、自身の力どころか、生命力の大半が奪われる事になるだろう。

―だが、ナーヴァの瞳には迷いの色が無かった。

ナーヴァも当然、覚悟はしているはず。

(…なら、私が止めるのは、違うよね)

私は気持ちをグッと堪え、拳を握りしめた。

「…ライムは優しいね」

そんなんじゃないよ。私は。

「…ごめんね。これから全て、託す事になる。

世界の管理も、僕達の子も」

「謝るんだったら、最初からあんな契約してくんなっての」

―『世界を一緒に創ってほしい』、なんて無茶なお願いは、私にとっては充実した時間だった。

謝ってもらう必要なんかない。

私は立ち上がって、ナーヴァに向き直る。

「心配しないでよ。最後まで仕事はやり遂げますともさ。

ナーヴァが愛したこの世界を、ナーヴァの代わりに見届けるよ。

不老の私だからこそ出来る、やりがいのある仕事だしね」

私は約束を果たす。

―今までだってそうしてきた。

ナーヴァは心底安心したように、けれども、どこか呆れたような顔で笑った。

「心配でならないなぁ」

「失礼な」

良い感じの雰囲気になりつつあったのに、全て台無しにしやがったよ、この創造神。

「私だけならまだしも、ヴェルザもいるし!

なんとかなるでしょ、多分!」

ほらね。だんだん弱気になってきちゃったじゃないか。

けれども今度は、ナーヴァも頷いてくれた。

「…そうだね。ライムなら、きっと大丈夫だろう。

ここ数百年、ずっと頼りにさせてもらっていたんだから」

ナーヴァは目を細めて、懐かしむような視線を送ってきた。

「…ライムを見ていると、どうしても昔の知人が頭に浮かぶんだよね。前も話したけどさ」

「だから、それってどういう事なの?」

わけがわからず首を傾げる。

ナーヴァは長い沈黙の後、いつものように無邪気な笑みを浮かべて言った。

「要するに、君が常識を考えない、思考回路がぶっ飛んでるお馬鹿さんってところかな」

「今すぐにでも引導を渡してあげようか?」

「嘘ですごめんなさい」

けれども、怒りは湧いていない。

このくらいの雰囲気が、私とナーヴァには丁度良いものだと分かっているしね。

 

―幸せな日々にも、いつか終わりは訪れるもの。

それでも、最期のその瞬間まで。

ナーヴァ達と過ごせるこの時間を大切にしよう。

 

 

 

 

 




Q.ヴェルダナーヴァに対する印象を教えてください

ライム 「なんだかんだ、話してて楽しい相手だよ。
終始頭おかしい変人だったけど」

ナーヴァ 「珍しく素直になってくれたなと思ったら、最後のひとことは蛇足だったね」
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