気まぐれで原初を育てたら溺愛されました   作:礼夢

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まおりゅうで特命交流ってやつ追加されたじゃん?
原初達のオリジナル会話聞けるじゃないですか。
最高だよありがとうございます公式様



story17

1人旅に出て、数年が経過した。

計画性なんて皆無。しかも目的も特に無い、気楽な旅。

だが、『助言者』(愛称:先生)と話しながら旅する道中は、それだけで充実したものだった。

…当然、調停者としての仕事もしていますとも。

決して遊んでばかりじゃないよ?

「いやー、今日も平和だねぇ、先生」

なんて気さくに話しかけたその時、

『―吿。近くで魔素の乱れを感知。様子から、戦闘状況だと推測します』

…との報告で、一気にテンションが下がった。

「あのさ。一瞬で私の意見を真正面から否定してくるの、やめてくれない?傷付くんだけど…」

この世界、私に厳しくないかな?

…まぁ、良いや。

気を取り直して、『魔力感知』の探索範囲を広げる。

(…これか。瀕死の魔物に、大勢の荒くれの人間…)

見るからに、人間側が魔物を痛めつけて楽しんでいるみたいだった。なんて趣味が悪いのだろうか。

「どれ、助けに行きますかぁ」

『―了。『空間移動』を発動します』

助けるのに理由なんて必要ない。

私は私らしく、気まぐれで行動させてもらいますか。

 

*

 

「…どれどれ」

近くに転移し、様子を観察してみる。

ボロボロの魔物は、見た事が無い種族だった。

だが、限りなく人間に近しい外見をしている。

(先生、何の種族か分かる?)

『―解。希少種族の【地底人】です。戦闘を好まない種族で、知性に長けています』

なるほどね。って事は、地底人側から手を出した、という可能性はあまり無いと見ていいか。

「なら、私が味方するのは魔物のあの子に決まりだね」

 

*

 

―同時刻

 

〈地底人side〉

「はぁ、はぁ…」

―痛い。苦しい。

生きてみんなの元に戻らなければならなかったのに…

どうやら、不可能みたいだ。 

『姫様、どうかお逃げ下さい!』

『此処は俺達が!』

…せっかく、みんなが命懸けで逃がしてくれたのに。

(…せめて、最後の姫として、誇り高く死のう)

私は決意を固め、武器を強く握った。

「親分、此奴既に虫の息ですぜ」

「あの国は今日から俺達のモノだ!」

私達が何をしたというんだ。

ただ、大人しく、誰にも迷惑をかけないよう隠れて暮らしていただけなのに。

国の資源目当てで攻めて来て、私の仲間達を次々と殺していったこの人間共を、私は心の底から許せなかった。

「お前は死ね!」

「―っ!」

頭上に向かって鋭く振り下ろされる斧。

咄嗟に武器で防御したが、儚く砕けてしまう。

(もう、駄目だ…!)

覚悟をして目を瞑った次の瞬間。

グシャリ、という鈍い音が聞こえた。

「…え?」

恐る恐る目を開くと、其処には可憐な少女が私を庇うようにして立っていた。

そして、無惨な姿になっている人間達。

(もしかして、このお方が助けてくれたの…?)

―私には、そのお方が女神様のように見えた。

 

*

 

〈ライムside〉

…やっちまった☆

少し『重力操作』で地面に押し付けようと思っただけなのだが、勢い余って手加減をミスってしまった。

非常にグロテスクな光景が眼下に広がっている。

『…』

(何その無言の圧!?止めて!)

今後の反省に生かさなければ…と、私は深く心に留めておく事にした。

「あ、貴方様は…?」

地底人が驚いた様子で私を見ている。

華奢な顔立ちだ。

長い金髪に、月の形をした綺麗な髪飾りをつけている。

(ただ…相当重傷だなぁ…)

出血が相当酷い。もう死にかけだろう、コレ。

私は、地底人に向かって手を振りかざした。

「よっ、と」

『完全治癒魔法』を施すと、傷が全て、一瞬にして塞がっていった。効果は抜群みたいだな、よしよし。

「!?」

地底人は更に驚いた様子で、自身の肉体を不思議そうに観察している。

生還は絶望的みたいだったし、今の状況が信じられないのも無理はないかな。

「た、助けて頂きありがとうございます!」

「あー、そんなの良いって」

突如平伏してくる地底人。

ただの気まぐれで助けただけなのだから、そこまで感謝されると後ろめたさがある。

「貴方様の事は、なんとお呼びすれば宜しいでしょうか?」

魔物なら、名前が無くても大抵の意思疎通は出来るはずなんだけどな。まぁ、良いか。

名前を教えれば、少しは緊張が解けるかも…?

「じゃあ、名乗ろうか。私はライム・アナスタシア。

一応魔王をやらせてもらってるよ。宜しくね」

「ま、魔王様!?お目にかかれて光栄で御座います!」

…逆効果じゃねぇか。もっと気楽に話したいのに…

『―吿。地下からも魔力の乱れを確認しました。交戦しているようです』

マジかよ。地下からって事は、きっと目の前の子の仲間の地底人だろうか?

「…ねぇ、もしかして貴方の仲間達も、襲われてる?」

「…」

悔しそうに唇を噛む地底人。

「…我等の国の資源を狙った人間が、攻め込んで来ているのです。私達はただ、穏やかに暮らしていただけなのに…

みんなは、姫である私を最優先で逃がしてくれたのですが、追手がいて…」

「…え?」

ごめん、ちょっと待って?

いや、そりゃ勿論今の状況深刻だなぁ、とか思ったよ?

だけど、それよりも気になるのが…

(…目の前の子って、一国のお姫様なの?)

なんてこった。何で私が助けた魔物は、始まりの悪魔だったり、国の姫だったりと、凄い者ばかりなのだろうか?

最早そういう運命なのか!?おい作者!!

ただでさえ怠惰で動きたがらないくせに、登場人物達には散々苦労かけやがって!

私達を虐めて楽しいか?楽しいのか!?

「無礼を承知でお願いで御座います、魔王ライム様!

どうか我等の国をお救い頂けないでしょうか!」

私がこの小説の作者に文句を述べていたその時、地底人が必死に懇願してくる。

「…いや…全然構わないよ?だけど、私って一応…悪魔なんだよね。

願い事をする場合、対価を支払ってもらわないといけないらしいんだけども…」

つまり、悪魔との契約を交わすには、その願いに見合った報酬を支払わないといけないらしい。

面倒くさいよね。

そもそも、今回は私から首を突っ込んだわけだし、申し訳なくなっちゃうもん。

『概念之王』の権力を使って、このルール失くそうかな?

…そう考えていたのだが。

「―我等の、生涯の忠誠を貴方様に!」

「…!」

…マジか。正直驚いた。魔王の部下になるなんて、容易い覚悟で言える事じゃないだろうに…

真っ直ぐで、迷いがない良い瞳だ。

―この覚悟を無下にするのは、失礼というものだろう。

「これからはライム、で良いよ。固苦しいの正直苦手でさ」

「そ、それでは…?」

地底人は戸惑ったように尋ねた。

「―契約を結ぼうか。貴方のその願い、叶えてあげるよ」

 

 

 

 

 




今回から第2章です。
オリキャラ祭りになりますね。
…それはそうとライムさん?文中に俺に対して悪態吐きすぎじゃない?


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