とても嬉しいです!
期待に添えるように頑張っていきます…!
〈???side〉
目の前に並ぶ、7つの悪魔の卵。
いずれ、古の悪魔と呼ばれ、魔界に王として君臨する事になるであろう者たち。
ーそのためには、強く生き抜くための試練を課さねばならぬだろうと考えた。
(久しぶりにアイツを頼ってみるか)
古き友の居る世界へと繋げる『転移魔法』の魔法術式を構築する。
手加減を知らないような者だったので、やりすぎないかだけが心残りではあったが…
ー時が来たら迎えに来る。それまでたくましく生きていてほしい。
[世界の創造主]はそう思案し、卵を転送した。
〈ライムside〉
「…ま、こんなもんかな?」
薬草の調合を終え、一息吐く。
私は[ライム=アナスタシア]。元上流階級の貴族の出で、ひょんな事がきっかけで何故か『超能力』が使えるようになったものだ。
私が宿している『超能力』の力は、分かりやすく説明すればチート、と評価されるものだ。
思った事をほぼ何でも実現させられる。
例えば、その気になれば銀河を消滅させたり、この世の生物を一瞬で塵にしたり、生物の思考を操作して崇めさせたり…etc。
明らかに『超能力』の枠組みから外れている。
もしこんな奴と敵対する事になったら、私は全力で思考放棄して逃げに徹するか、神を呪うだろう。
…少し話がズレたかな?まぁともかく。
こんな力、別に世界征服とかに利用するために手に入れたわけじゃないのだ。
この力を手に入れる前の私は、圧倒的な落ちこぼれだった。
無力で誇れる事も何もない。上流階級の出だからと、周りから寄せられる期待と重いプレッシャーで押しつぶされそうになっていた。
(ほんのちょっとで良いから、力がほしいなぁ…)
と、そう何気なく願った結果が、今の末路。
「…どこが"ちょっと"!?」
思わず口に出してしまった。運命のイタズラなのだろうか?
それにしても限度ってものがあるだろうよ。
…で、そんな力の影響の1つ、『不老不死』によって現在推定2億歳。
力に目覚めた16歳の見た目のまま、成長は止まってしまった。
…2億年も生きているとなると、暇で暇で仕方ないのだ。
ー魔法を使ってみたい?
(ひゅーっとやってひょい、で出来る)
ー世界1周してみたい?
(なんなら別次元の空間ツアーも出来ますが)
ー宇宙を見たい?
(ひとっ飛び☆)
…と、子供の夢や可能性を真正面から打ち砕いているみたいで申し訳ないのだが、どれも既に体験済みなため、面白いイベントが滅多に発生しない。
超能力者という事を悟られないよう、人と関わるのもなるべく避けているつもりだし、(いざとなれば記憶改変できるけど)地味に研究等の活動をしていた。
そう、私は通称[斉●楠雄精神]を大切にしているのだ。
「…ありゃ、この薬草、もう少しで切れそうだな」
壺の中身を見て呟く。次の調合で必要なんだけど。
この森にもまだ群生してた…と思う。多分。
*
『探知』能力を使用し、この森を一気に観測する。
この森一帯をスキャンし、情報を習得する、と言えばイメージが付きやすいだろうか。
「おー、あったあった。数年前の記憶すら頼りにならないからちょっと不安だったけど…」
『空間移動』で目的地へ移動し、お目当ての薬草を一括して採取する。
その後、手ぶらで行動出来るように『空間収納』…亜空間へと収納した。分かりやすく言えば[四次元ポケット]だ。
腐る事なく、いつでも好きな時に取り出せる優れた能力だ。
「…さーてと」
私は家とは真反対の方角に歩き出した。
先程スキャンした際に、妙な気配を感じ取ったからだ。
せっかくだし、確認くらいはしておこう。
*
「…ん、これかな?」
草木の影に、見慣れない籠が置いてあった。
(何が入ってるんだろう?)
ちょっとした好奇心から、近寄って籠の中を覗いてみる。
「…卵?」
赤、白、黒、緑、黄、紫、青。どう考えても異質な色の卵が7つ入っていた。
両手サイズくらいの大きさ。野鳥の卵とは考えられなかったので、試しに『解析』を行った。
すると、想像もしていなかった結果に驚く事になる。
「種族…【悪魔】…!?」
おかしい、と思った。別に初めて見た、といったわけでは無い。
"この世界"には魔獣や竜等は生息しているが、天使や悪魔、所謂【精霊種】に分類されるのは存在していないからだ。
ーという事は…
「別世界から堕とされた、と考えるのが妥当かな?」
卵の状態から察するに、自主的にこの世界にやって来たわけでは無さそうだし。
急いで辺りの生態反応を確認するも、【精霊種】に該当するものは他には居ないみたいだ。
(どーしよっかな…)
このまま見過ごすには気が引ける。
此処が、人間の出入りが限りなく低い森だからと言って、見つかったら何をされるのか分からない。
それかもしくは、この悪魔達が人間の町に危害を加えてしまう可能性もある。
私が保護する、というのが1番得策かもしれない。
(私個人としても興味ある、というのも本音だしね)
私はしゃがみ込んで、卵達と目線(?)を揃える。
「…ねぇ、私と一緒に来ない?特に何も無いけど…面倒くらいなら見てあげられるから」
言語が理解出来るかは怪しいけど…一応許可を取りたい。
カラン
「…お」
卵がそれぞれ揺れ始めた。…いや、どういう感情?分からんて。
(えーと…了承の意、と捉えて良いのかな?)
「私はライム。宜しくね、悪魔さん達」
ーこうして、私の気まぐれにより、悪魔達との共同生活を始める事になったのだ。
不定期投稿にはなりますが、これからも宜しくお願いします…