「へー!宝石とかの鉱山資源が沢山採れるんだ!
燃料も完備されてるし…豊かな国だねぇ」
…と、隣の地底人のお姫様に気さくに話しかけた。
「あ、あの…」
「ん?どしたの?」
しかし、地底人のお姫様は戸惑ったように口籠っている。
「失礼ながら、申し上げます…
何故、そんなに平然としていられるのですか!?」
「え、だって弱すぎて話にならなかったし…」
「圧倒的規格外な発言ですね!?」
私の目の前には、地底人の国を襲撃してきた人間達の山。
全員が既に失神しており、戦闘は不可能、という状態になっていた。
あれだけ苦戦した相手が一瞬にして全滅しているのだ。
お姫様が驚くのも無理はない…のかも。
…流石に全員殺す、というのは面倒臭かったからね。
後で此奴等は遠い異国の地にでも転送してやろう。
…ん?どうやって人間達を倒したのか、だって?
『助言者』に良いアイデアがないか尋ねたら、
『―恐怖心を植えつけ、戦闘続行を不可能にするのが最も効率が良いかと』
という、あまりにも慈悲のない提案が下されたんだよね。
その指示通り、『概念之王』の制御の元、地底人には害の無いように『魔王覇気』を放って…と、行動してみたら、驚くほど難なく倒せたのだ。
…改めて、私の能力、理解出来るように説明するの難しいな。
この小説の作者が投稿初心者ってのが大きい理由だけど。
すまん、頑張って理解してくれ、読者のみんな。
*
「ひ、姫様…!?」
「みんな、よくぞご無事で…!」
一方、地底人達はというと、感動の再会の真っ最中だった。
一族の滅亡の危機だったみたいだし、こうして生還出来た事への喜びは大きいんだろうな。
私が乱入すると、雰囲気をぶち壊してしまうだろうから、ここは大人しく戦後調査に出向こう。
『―是。懸命な判断です』
…もしかしなくても、やっぱり先生って私に厳しいね?
まぁ、良いけどさ。
私の事は、お姫様がみんなに紹介してくれるみたいだし、心置きなく好き勝手出来ると言うもの。
(先生、犠牲者のおおよその人数は?)
『―解。死亡者数は、暫定400人です』
お姫様から聞いた話では、この国の総人口はおよそ1000人。
ざっと、4割が命を落としたみたいだ。
私が助けるのが遅れていたら、被害はもっと甚大なものになっていただろう。
(…蘇生用の魂って、まだ此処に現存してる?)
『―はい。全て残っています』
なら、蘇生も容易いものだね。
莫大な情報量が流れてくるが、演算処理に関しては『助言者』の得意とするところ。記憶も完全に再現した状態で復活させられるだろう。
「えーと、お姫様?」
「は、はい!」
呼びかけると、お姫様は此方に慌てて駆け寄って来る。
「勝手に蘇生させちゃって良いかな?
記憶に関しても問題無く再現出来るけど…」
「……え!?そのような儀式が可能なのですか!?」
うん、些事だよ?
「是非、お願い致します!ありがとうございます…!」
「うむ!良いって事よ」
私は快く頷いた。
*
魂を元に戻している最中、私は疑問に感じた事を先生に聞いてみていた。
(この世界の蘇生って、そんなに高度な技術なの?)
"蘇生"という単語を言っただけで、お姫様は少しフリーズしていたけれど。
『―吿。当たり前です。膨大な魔素量と演算能力を必要とするため、"普通なら"1人の蘇生でさえ困難なものになります』
ヤケに"普通なら"、を誇張しているように聞こえるが、気の所為だと思いたい。
(まぁ、なるほどね?つまり、私がおかしい、と。)
『―そういう事です』
(やっぱ最近、私に対して辛辣だよね?)
『………』
(その沈黙は肯定とみて良いのかな?ねぇ?)
そうこうしている内に、死者の蘇生は完了したのだった。
*
蘇生された者は、みんな自身の体が動いている事をにわかには信じられない、といった様子だった。
みんな泣きながら喜んでいる。
私は全員が蘇生した事を確認すると、今度は国全体へと視野を移した。
「…さて、次は国の復興かな」
建築物も相当破壊されているみたいだし、これは重労働になりそうな予感がするぞ。
正直、現実逃避したいのだが、地底人達は全員、早々に忠誠心MAXになって私の事を主と認識し始めたみたいだし…
その期待には応えてやらなければ。
だが、当然、私1人で出来るわけがないので…
(ねぇ先生。効率良く復興させる手立てってない?)
困った時の『助言者』先生に頼らせてもらおう。
『助言者』は若干呆れたような態度をしつつも、きちんと提案を出してくれた。
『―吿。それならば、名付けをする事をお勧めします』
(名付け?)
『―はい。ネームドモンスターとして進化を遂げるため、身体能力や知力が上昇。
比べ物にならないほど復興の効率は高まるでしょう』
名付け…ナーヴァがミリムにしたヤツか。
自分の魔素を必要分受け渡す事で、種族進化を遂げる、という事だけど。
『―個体名ライムは『魔素無限供給』にて、大気中の魔素を取り込む事が可能なため、命の危険性はありません』
え、何それ。チートすぎて話にならなくない?
死ねるなら死にたかったんだけどな…とか内心の気持ちを押し隠しつつ、私はみんなを呼び集める事にしたのだった。
*
「えーと…始めましてだよね。
私は魔王ライム。一応、これから君達の主になる…らしい」
広場らしき場所にみんなを集め、取りあえず自己紹介だけ済ませておいた。
「話しておきたい事は2つ。
1つは、これから私達が目指す国の方針について。
もう1つは、国の復興について」
…私は今、とても緊張していた。みんなの視線が痛い。
こうして大勢と一気に触れ合う機会なんて、ここ数十年無かったため、私としては非常に辛いのだ。
平常心を保てるように気を引き締めながら、必死で話を進める。
「みんなは、今回の件で、人間の事を恨み、憎んでいるかもしれない。
この中には殺された者もいるだろうし、その気持ちも分かるよ。
けど、みんなには、人間全員がそういう凶悪な者ばかりじゃない、という考えを頭の中に入れておいてほしいんだ」
これに関しては正直反対される事も覚悟しているが、私の気持ちも理解してほしかったので、伝える事にした。
「人間は学び、時には失敗を繰り返して成長する生き物だよ。
私はそんな人間を好ましく思っている。
出来れば、人間と魔物が共存できる国家を、これから形成していきたいと考えているんだ」
―それが、ナーヴァの理想とした世界だからね。
「そのためには、みんなの同意と協力が必要不可欠だから。
どうか、私の考えを受け入れてもらえないかな?」
ワガママだという事は承知している。
夢物語だと、みんなは笑うかもしれない。
…私もぶっちゃけ、そう思っていたし。
けれど…
「ライム様。我々は貴方様の決定が生きる道です。
反対意見などあるはずがありません。
我等はライム様に従いますので」
お姫様が、清々しい笑顔で代表して答えてくれた。
「その通りですね。そして、魔物にとっては弱肉強食が共通の理念です。
今回負けたのは、我等の落ち度ですし」
お姫様に同意するように、この国の戦士長だという者が意見を述べていた。
「…ありがとう。ただ、もしも人間側から手出しをされた、という場合は、正当防衛はきちんとする事。
私にとっては君達が何よりも大切だから。
それだけは約束してほしい。良いね?」
「「「ははっ!!!」」」
意外とすんなり受け入れられたな。
国家の主になった経験は無いから(当たり前なんだが)不安だったけど。
さて、次の議題に移ろうか。
…一応これは、原初メインの小説なんだ。
頼む、信じてくれ。もう少しで出す予定だから
そして文才がほしい。
改めて文章書くの下手すぎる、俺。