気まぐれで原初を育てたら溺愛されました   作:礼夢

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ある方から、とても嬉しい感想を頂きました。
(その方はカレラ推しらしいです。拍手喝采)

アドバイス、誤字報告等も大変ありがたいので、作者に何かしら呟いてくれると嬉しいです


story19

次の議題―それは、国の復興について。

「よしっ!それじゃあ、国の復興を効率良く行うため、そして私達の軍事力の強化のために。

みんなに名付けをしようと考えているんだけど、どうかな?」

…その瞬間、一気に周りがザワつく。

(え、そんなに驚く事なの?)

『―吿。名付けという行為は、"普通は"そう簡単に行えるものではありません。

気楽に名付けをする者は命知らず、とさえ言われる程に、名付け側からすると危険な儀式となります』

出たよ、["普通は"誇張]。

良いもんね、どうせ私は普通になんかなれないんだし。

「私達にとってはとても喜ばしい事ですが…本当に宜しいのですか?ライム様の身に危険が…」

「大丈夫だよ、心配しなくても。私に名付けされたくない、っていう者は、遠慮せず言ってね?」

…とは言ってみるものの、拒否しに来る気配が無いな。

当たり前と言われればそうだけど。

自らの進化の機会を逃す、というのは、弱小種族の地底人からすれば生死に関わる重大な決断だし。

(さーて…心配なのはネタだなぁ)

ルージュ達の時もそうだったが、私にはネーミングセンスが無い。みんなが気に入ってくれれば良いんだけど…

 

*

 

私の前に一直線に、国民の列が出来ていた。

目の前に来た者に、星座の名前とか、数字とか五十音順とか、色々なネタを駆使して名付けていったけれど、これは意外と重労働だった。

魔素の負担は感じないが、精神の負担が凄い。

決めた。暫く名付けするのは控える事にしよう。

(てか、1000人も居ると、自分が付けた名前とはいえ、覚えられないんじゃないかなぁ…)

なんて不安を抱えていると、先生がちゃっかりと豆知識を教えてくれた。

『―吿。"魂の回廊"の繋がりがあるため、忘れる事はありません。魂に深く刻まれるためです』

へぇ、便利な機能だなぁ。大事な事を忘れがちな私にとっては非常に助かる措置といえよう。

 

*

 

そして、遂に最後。

この国でも上層部らしき4名だ。

その中にはお姫様もいた。

「さてと、なんて名前を付けようかな…」

ふと、お姫様の飾りが月の形をしていた事を思い出す。

この国の戦士長の、熱血そうな男性には『マーズ』。

冷静沈着なクール系男性には『マーキュリー』。

穏やかで知的な雰囲気の男性には『ジュピター』。

そして、お姫様には『ルナ』と名付けた。

火星、水星、木星、月。惑星の名前を付けてみたのだが、見た目にも非常にマッチしている。

我ながら気に入ったよ。

「この4名を、『宿星四護(アストラル・キーパー)』…所謂四天王に任命します。

この国の発展に、大きく貢献してくれると助かるよ。

これから宜しくね、みんな」

「「「はっ!!」」」

4名は私の前で、忠誠を誓ってくれた。

私は満足気に頷いたが、内心では疲労困憊だった。

(はぁ〜…ようやく終わったよぉ…)

名付け地獄が終わった事に対する喜びと達成感が凄い。

ルージュ達は完全に"色"で判断してたし、7人だったからそこまで苦労することが無かったしね。

ふと視野を広げてみれば、名付けをされて感無量だとばかりに泣いて喜んでいる者もいた。

(…まぁ、あの笑顔が見れただけで、苦労したかいはあったかな)

なんて、私は苦笑いしながらその様子を眺めるのだった。

 

*

 

―翌日。

国民は、【地底人】から進化を遂げ、【地帝躯(タイタン)】になっていた。

体力、知力、能力、魔素量が大幅に上昇。

それに、元々黒かった強膜部分…

分かりやすく説明すると、瞳の白目の所だ。

そこが黒色から白色へと変わり、更に人間らしい見た目にもなっていた。

(…名付けパワーってすげぇや)

いつの間にか我が国は建設ラッシュに突入しているし。

想像以上に国の復興が早く進んでいる光景を目の当たりにすると、唖然とするしかなかった。

ちなみに、この国の名前は、私の家系名をとって、[アナスタシア]に決まったらしい。

…なんて事をしてくれてんだ?私はそんなの聞いていないぞ。

思ったより恥ずかしいからやめてほしかった…

トヨタとかニトリの社長も、きっと同じ思いをしたんだろうな。

 

―この日、歴史に新たな国名が刻まれる事になった。

幻の大国、[アナスタシア]。誕生の瞬間である。

 

*

 

さてと。四天王にも役職を与えないとな。

(※カッコつけて『宿星四護』なんてそれっぽいネーム付けちゃったけど、四天王の方が分かりやすいし、話すときはそっちでいかせてもらう)

国を収める王的な立場になったとはいえ、全てを1人で統治しよう、なんては考えていない。

むしろ楽したいし(本音)。

これから、四天王にはそれぞれの役割を全うしてもらいたい。

 

「マーズは、戦士長だったんだもんね。じゃあ引き続き、軍事部門を任せても良いかな?」

「承知致しました」

マーズは、進化を遂げた現在、この国で私の次に強い。

魔素量も豊富だし、腕っぷしもかなり良いとの噂。

これ以上の適任者は居ないだろう。

「ここから派生して、警備部門とかも立ち上げる予定だし。

頑張ろうな、マーズ!」

「お任せ下さい!ライム様のご期待に必ず応えてみせます」

頼もしい戦士長だぜ。

私とマーズはグータッチを交わした。

思ったより気さくなヤツだ。

すぐ仲良くなれそうだな。

 

マーキュリーは、隠密活動が得意だったとの事。

なら、適任な役職は…

「諜報部門、任せても良いかな?」

調停者の私としても、居てくれると非常に助かる役職。

自分の実力をきちんと見定める事が出来ていて、なおかつ慎重な性格。

マーキュリーに是非とも任せたい仕事だった。

「承知。国の内部から、外界の情報まで。

俺があらゆる管轄を受け持ちましょう」

「な、なんと頼もしいんだ…」

どうしよう、あまりにも優秀な人材すぎて、私の方が頭が上がらないよ。

「でも、無理はしない事。OK?」

「はっ」

 

ジュピターには、政治の部門を任せてみようと思う。

王国随一の知恵者だと、ルナからの推薦があったし。

国の平穏を保つためにも、何かしらの決まり事だったり法律なんかも考えたいものだ。

「これからの国の統治には、君の存在が必要不可欠だよ!

頼りにしてるからね!」

「お任せを、我が主」

本当、優秀な奴等だ。

ジュピターとはそのうち、研究部門にも花を咲かせられたら本望なんだけどな。

 

ルナは、私の秘書的立場を名乗り出た。

正直に言うと、非常に助かる。

私は基本的に計画性皆無、スケジュール完全無視の気まぐれ生活を送ってきていたのでね。

私は調停者の仕事もあるし、ルナには手伝ってもらう事も多くなりそうだ。

ちなみに、ルナは姫の立場を降りたらしい。

国王の血族だったらしいのだが、今後は私に仕えると決めた以上、姫という肩書きは無用だ、と判断したらしい。

覚悟が凄いよ、ルナさん…

 

「私はみんなが生活しやすい国を創りたい。

だけど、みんなが平和に楽しく過ごすためには、私達も全力で楽しめる環境じゃなければいけない。

これから沢山忙しくなるだろうけど、理想の国を目指して、頑張っていこう!」

「「「はっ!!」」」

 

―調停者に、魔王に国王。

肩書きのよくばりハッピーセットで、明らかにキャパオーバーかもしれないけど、その肩書きに相応しい私で在り続けられるように頑張りたい。

どうせ、無限にある命だ。

楽しそうな事には、とことん手をつけていこうじゃないか。

(頼りにしてるよ、先生!)

『―了』

 

こうして、私の魔王生活が急変していく事になったのだった。

 

 

 




転スラのOPでは、第三期1クール目、第四期2クール目のものがお気に入りです。
え?なんでかって?
推しがカッコいいかr(((

暇だったんで1日2話投稿。
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