どうか作者に文句を呟いてあげてください。
白氷宮のお茶会はとても充実したものだった。
「ん〜!美味しい〜!」
「「本当ですか!?」」
ミザリーとレインの手作りお菓子の美味しさに感激する。
私は重度の甘党だからね。
お菓子を食べなきゃやってらんないタイプだったし。
すると、ギィが話を切り出した。
「ライム、次は俺から質問しても良いか?」
「ん?」
質問?どんなのだ?
「―何故、この世界に召喚されたんだ?」
「あー…」
…確かに、気になるのは当然か。
急な話だったのもあるけど、あの時の私はナーヴァの目的も分からないまま気楽に召喚されちゃったし。
みんなに全然説明出来てなかったもんな。
「……今からちゃんと説明するんだけど…その、スケール大きい話だから、頑張って着いてきてね?」
「嫌な予感しかしないんだが」
*
とまぁ、私はこの数百年間での出来事を大まかに説明した。
ナーヴァとの出会い、そして、「世界の創生の手伝い」を頼まれた事とか、『調停者』としての管理を任された事とか。
そしてその最中に、人間の魂を会得して覚醒魔王に進化してしまった事とかを話した。
ギィは案の定、膨大な情報量に頭を抱えていたけども。
―国王になった事はまだ話さない。
きっと、「属性てんこ盛りすぎるだろ、正気か?」とか蔑んだ目で見られるに違いないから。
(…それにしても、本当、波乱万丈な人生だな)
先生の助言無しじゃきっと途中で挫折していただろう。
ここまでよく頑張ったな、私…
「へぇ、あの戦の結末は、噂には聞いていたが、まさかその所業を犯したのがライムだったとはな。
どんな物好きだよ、とか思ったもんだ」
「物好きなのはそっちもでしょ?同じような経緯で魔王になってるくせに。
それに、ナーヴァに喧嘩吹っかけたのってギィなんだよね?
私、全然知らなかったんだけど」
この疑問に答えたのは他でもないヴェルザだ。
「ああ、その事については、兄様はライムにだけはぐらかしていたわね。なんか誤魔化されたりしなかった?」
……心当たりは………無いわけじゃないな。
*
〜〜およそ百年前〜〜
およそ百年前のある日。
私はナーヴァに文句を言っている最中だった。
「ねぇ、ナーヴァ。視察の最中だったからあえて言わなかったけど、何回か爆発音入ってたよね?あれは何なの?」
先程、ナーヴァと通信をしながら、指定された場所に直接出向いていたのだが、会話の途中に何度も何度も爆発音が入ってきたのに対して、正直ウンザリしたのだ。
ナーヴァはいつもの笑みを浮かべると、呑気に答えた。
「ああ。
「いや、止めろよ。何で呑気に傍観してるの?」
ナーヴァは反省するでもなく、ただへらへらとするのみ。
「躾をするのはヴェルザードの方が得意としているからね。
僕が出る幕ではないだろうと思って」
「いや、せめて通信する時は離れるくらいしてくれない?頭割れそうだったんだけど」
―確かに、そんな会話があったのだ。
*
〜〜そして、現在〜〜
私は内心で舌打ちをする。
「……まさか、あんなにさらっと嘘を吐くとはね。
彼奴、やっぱり邪神だろ」
すると、ヴェルザが驚きの真相を突きつけてくる。
「いや、私と弟が喧嘩していたのは本当なのよ。
ただ、付け加えなければいけないのは、兄様もギィと"交戦しながら通信をしていた"という事ね」
「…………は??」
ごめん、やっぱり邪神って言ったの訂正する。
ただの化け物だよ。
「……ナーヴァはともかく、ギィは何であの
特に理由は無いと思うんだけど。
ギィは溜め息を吐きながら、語り始めた。
「まぁ、此方にも思う所があったんだよ。
ライムが召喚された直後の事なんだが…」
「あ、また過去回想に飛ばされる感じかな?」
「ライム、そういうメタい発言は慎みましょうか」
*
〈ギィside〉
創造主からの提案、というものは、以下のようなものだった。
『本来なら記憶を消してから此方の世界に転送する手筈だったが、今回は特別に消さないでやる。
また、再会が出来るように補助を行う。
…しかし、時が来るまでは魔界で封印する事にする』
「補助だぁ…?」
ライムがどの世界に飛ばされたかも分からねぇのに、どうやって補助をするんだよ。
俺が文句を言ってやろうとしたその時だった。
「……もしかしたらライムは、元の我等の世界に飛ばされたのかもしれませんね」
隣に居たノワールがそう呟いた。
「はぁ?ライムが俺達の世界に?」
そんな事在り得るのかよ?と問うてみるが、ノワールは「あくまでも可能性ですけれど」と平然と答え、俺を真っ直ぐに見据えて言った。
「ここは素直に提案を受けるべきでしょう、ギィ。
この誘いを断れば、ライムとの再会は極めて困難になるでしょうから。封印される意図は分かりませんが…ここは、創造主とライムを信じるべきです」
…封印されるという条件があっても尚、この提案にはそれ相応の価値がある、という事か。
(…全く、勝手に方針決めちまいやがって…)
「……はぁ、お前等も異論は無いな?」
「当たり前だ!」
ジョーヌの賛同の後、続々とブラン達が肯定の頷きを見せる。
「…分かったよ。それじゃあ…」
『―吿。転送を開始しますか?―YES/NO』
(((―YES)))
*
〈ライムside〉
へぇ、そんな事があったんだ。
ノワールは相変わらず、恐ろしいほどに頭が冴えてるな…
「―で、封印が解かれた後真っ先に、俺はヴェルダナーヴァを探したんだよ。
提案をしたのが彼奴と分かった以上、せめて文句の1つくらいは言ってやろうと思ってな」
そこで、ギィの主張は終わった。
(………ナーヴァの野郎、重要な事を何も説明しないで逝きやがって………)
本当、彼奴には振り回されてばっかりだよ。
今、私の中でのナーヴァの株が大暴落してるよ。
「…私も、召喚された後、此処がギィ達の元の世界だって事を知らされたんだけどね。
世界の調停をしてる時も、あの
捜索の最中、ルナ達に出会ってしまって、自国の建設に力を注いでしまったのもあるし。
「遂には兄様の事をクソボケと呼ぶのに迷いがなくなってしまったわね…」
ヴェルザは隣で笑みを溢している。
「…さて、一先ず、ここまでの経緯は説明し終えたかしら。
今度はライム、貴方の国の発展ぶりを聞きたいのだけど」
………うん?
―ちょ、ちょっと急に何を言い出すんですか、ヴェルザさん!?ここまで頑張って隠し通してたのに!
「………あ"?」
ほら!ギィの顔が一気に険しくなっちゃったよ!
「お前、国って…どういう事だよ」
…私は正直に、[アナスタシア]の事を明かした。
「いや…たまたま助けた魔物が、とある国のお姫様だったみたいでして。そんで流れで、私がその魔物達の主になってしまいまして…」
「…お前、世界の調停者と、魔王と国王を全部兼業してんのか!?属性てんこ盛りすぎるだろ、正気か!?」
「ほぼ予想通りのセリフを返された!」
―結局この後、ギィからのお説教が待ち受けていたのでしたとさ。
劇場版編(紅蓮の絆、蒼海の涙)も書きたいなとは思ったけど、ライムが介入する事により環境が崩壊しそうなので、断念しました。
(まずリムルを登場させてから言え)