たきな視点
ある日のリコリコのこと。何やら閉店後ボドゲ会なるものをやっているようです。わたしはDA復帰に関係なさそうなので、参加していません。
「というわけで〜、閉店ボドゲ会、スタート!」
「「「イェーイ!」」」
「締め切り明日って、言ってたっすよね〜?」
「今日の私には関係ないし。」
「よしましょう、仕事の話は。」
「実は自分も勤務中で………」
「刑事さん、ワルだね〜。」
「俺と一緒っすね!」
「そういや、この間いくら勝ったの?」
「15万っすよ!1,000円が15万になりました!牙狼とヴヴヴで大勝ちです!」
「さすがだね〜!」
「じゃあ、順番決めるぞ〜。」
ちなみにクルミと千束さんと翔也さんが混ざっています。店長は司令と電話で裏へ、ミズキさんは街コンというイベント*1に参加しているため不在です。
「ねえ、たきなもやろうよ〜。レジ締めなら私も手伝うからさ〜!」
そして、わたしは千束さんに誘われました。レジ締めは手伝わせる必要ないですね。
「もう終わりました。」
「はやっ。」
「レジ誤差ゼロ、ズレ無しです。」
何故なら終わってるので。
「ってことは、もう暇でしょ!」
「たきなちゃ〜ん、おいでよ〜!こっちこっち〜!」
「どうだ〜、たきな〜?」
「いえ、結構です。」
そして、誘われてもやる気はありません。わたしは仕事を頑張って、本部に戻らなければいけないので。
「おじさん多すぎなのかな………」
「恥ずかしいんでしょ。お年頃。」
「店でやる方がおかしいんだけどな。」
「そうか〜?」
ということで、わたしは帰るために、更衣室に向かいました。
更衣室の前では、
「たきな、混ざってきたらどうだ?」
店長に話しかけられました。
「そうすればDAに戻れますか?」
「それは………」
やっぱり、あれは関係ないのですね。わたしの読み通りでした。さっさと帰って、仕事の事でも考えましょう。
「ねえ、たきな〜♪ゲームやろ♪」
そんな事を思っていると、千束さんにまた誘われました。しつこいですね。さっと着替えて帰りましょう。
「もう帰るので。」
「じゃあ明日は?」
「明日は定休日ですので。」
「そ〜、だから明日も集まって、ゲームするんだけど〜。」
「千束、健康診断と体力測定は済ませたのか?」
「あっ、いや、まだ…………」
その後もしつこく話しかけてきましたが、店長が上手く割り込んでくれて助けてくれました。というか、行ってなかったのですね。確か明日が締め切りのはず。ライセンス更新に必要なので、早く済ませて欲しいものです。
そして、しばらく着替えていると、
「………先生の頼みなら聞いてくれるでしょ〜、楠木さ〜ん!」
千束さんが司令の話をしました。これはもしや………っ⁉︎
「司令と会うのですか⁉︎」
「おい、バカ、服‼︎」
あっ、着替え中でした。忘れてました。完全に着替え終わって………っと!
「司令と会うのですか?わたしも連れていって下さい。お願いします。」
「………分かったよ、たきな。」
「ありがとうございます。」
これでなんとか、会う機会を作れました。あとは説得です。今までの仕事の成果と、今後に役立つ情報を話して………。なんとしても、明日絶対成功させなければ‼︎そう思い、その日は店を後にしました。
次の日のこと。わたしは千束さんと翔也さんと一緒に、DA本部へ向かっていました。翔也さんはたまたまDA本部で働く日が一緒だったので、ついてきています。
「なぁ〜、2人とも!なんで電車?車でよかったんじゃ〜?」
「そしたら翔也、パチンコ屋行くでしょ。」
「そりゃそうだろ!パチ屋を見つけたら入らないのが失礼だからな!」
「やっぱり〜!楠木さんから絶対連れてこい、って言われてるんだよね〜!」
「全くあの人は………っ‼︎面倒な事を言いやがるっ‼︎」
「それが普通ですよ。」
もちろん逃がさないために、一緒に来ています。なんせ、この間もサボったらしいですからね。いい加減に、仕事の日くらいは打たないで欲しいです。
それはさておき、わたしは今司令に伝える文言を考えています。どう言えばあの人は納得してくれるでしょうか?分かりやすく成果を伝えるには………
「そうだ!たきな、飴いる?」
そんな事を思っていると、千束さんが話しかけてきました。飴、ですか………。健康診断前だというのに、この人は呑気ですね。
「結構です。これから健康診断ですよ。」
「1個だけだし〜♪」
「糖分の摂取は、血糖、中性脂肪、肝機能、他の数値に影響を与えます。」
もちろんわたしは必要ないです。今は司令を説得するための文章を考えてますから。
「大丈夫だよ、たきなちゃん。」
そんな事を思っていると、翔也さんが嘘を言ってきました。
「何がです?」
「ミズキはあれだけ酒をがぶ飲みしてても、健康診断問題なしだから!」
「それはあの人が特殊なだけです。」
そりゃ、体質で大丈夫な人もいるでしょう。でもそれは特殊な例です。それか、たまたま若いから問題ないだけで。ミズキさんもいずれ困ることが出てくるでしょう。
しばらくすると、わたしたちはDA本部に着きました。
「じゃあ、しばらくはお別れだね!2人とも、頑張って!」
「はいよ〜!」
「ありがとうございます。」
そして、翔也さんとは別行動になりました。この人はこの人で仕事がありますからね。ちゃんとやってくれる事を祈ります。
千束視点
中に入った後、私はたきなと別れてフキと一緒に健康診断を受けていた。諸々の項目が終わって、休憩所で休んでいると………
「久しぶりだな、千束。」
「司令!お疲れ様です!」
「お疲れ、フキ。」
楠木さんが助手の人と、
「久しぶりだね、千束ちゃんとフキちゃん!」
「お久しぶりです、楢葉さん。」
翔也を連れて戻ってきた。ちなみに翔也は珍しくいつもの無精髭ジャージスタイルじゃなく、珍しく髭を剃って髪を整え、白衣を着ている。こうしていると、チャラいイケメンって感じなんだけどな〜。なんか勿体無い。
「翔也はさっきぶりでしょ〜!あと楠木さん、ど〜も〜!」
「リコリスの義務は果たさないくせに、ライセンスの特権は欲しいんだな。」
「DAの仕事もたまにはやってるじゃないですか〜!」
「千束、司令の前だぞ。」
「俺と一緒だな!」
「先輩はそのたまにもちゃんと来ないんですけどね。」
「そりゃパチンコと仕事だったら、パチンコを優先するさ!」
それと、楠木さんの助手の人と翔也って知り合いだったんだ〜。前にミズキと翔也が言ってた後輩って、もしかしてこの人なのかな?ぱっと見常識人っぽいし、あの2人に振り回されてそう!
それはさておき、本題だ!
「たきな、なんで追い出したんですか?」
「命令違反だ。聞いてるだろ。」
たきなを追い出した理由。あれだけ戻りたがっている子をなんで追い出したのか。翔也みたいに不真面目じゃないのに。初めて会った時から、その事で彼女はずっと張り詰めてる。それをなんとかしてあげたいと、つい思ってしまう。
「でも、仲間を救った!」
「結果、銃の行方は不明だ。商人は殺してはいけなかった。」
「この写真見たでしょ!取引時間間違えてた司令部のせいですぅ〜!楠木さんにだって責任あるでしょ〜!」
「おい、千束‼︎」
たきなが左遷されて、楠木さんたちは呑気にここに残ってる。なんでたきなだけが………っ!それがとても歯がゆい。
「他人の処遇を気にする前に、もっと働いてほしいものだな。遊びでお前にライセンス出してるわけじゃないんだぞ。」
「あ〜、誤魔化した〜!」
「やめろ!」
「だいたい、状況判断が出来なかった現場リーダーにも責任あるんじゃないですかね〜。」
「仕方ないだろ。通信障害で司令部と連絡が………」
「フキ。」
「あっ………!」
そして、フキがとんでもない事を漏らした。DAのシステムが通信障害だと。あり得ない。国の安全のために、全ての電波の中で最も優先されるというのに。
「通信障害〜?ラジアータでモニターされてる作戦中に通信障害なんて、普通じゃないでしょ!」
「ただの技術的トラブルだ。」
「ちょっと楠木さん!ラジアータをクラックされるなんてヤバすぎでしょ!」
「何を言ってるかさっぱりだ。」
そんな簡単なトラブルなわけがない。どう考えてもクラックされてる。楠木さんのはぐらかし方を見るに、確実にクロだ。しかもあの人、どっか行こうとしてるし………
「千束ちゃん!ちょっと楠木さん、この後用事あるって!だから俺に任せて!」
「翔也、頼んだよ。」
「フキちゃん、またあとでね〜!」
「はい!」
とりあえず、今は翔也に任せるしかない。
という事で、翔也は楠木さんやその助手とどこかに行ってしまったのだった。