パチンカス・リコイル   作:スピリタス3世

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第4話 いっぺん、話してみる?

  たきな視点

 

 ある日のリコリコのこと。何やら閉店後ボドゲ会なるものをやっているようです。わたしはDA復帰に関係なさそうなので、参加していません。

 

「というわけで〜、閉店ボドゲ会、スタート!」

「「「イェーイ!」」」

「締め切り明日って、言ってたっすよね〜?」

「今日の私には関係ないし。」

「よしましょう、仕事の話は。」

「実は自分も勤務中で………」

「刑事さん、ワルだね〜。」

「俺と一緒っすね!」

「そういや、この間いくら勝ったの?」

「15万っすよ!1,000円が15万になりました!牙狼とヴヴヴで大勝ちです!」

「さすがだね〜!」

「じゃあ、順番決めるぞ〜。」

 

 ちなみにクルミと千束さんと翔也さんが混ざっています。店長は司令と電話で裏へ、ミズキさんは街コンというイベント*1に参加しているため不在です。

 

「ねえ、たきなもやろうよ〜。レジ締めなら私も手伝うからさ〜!」

 

 そして、わたしは千束さんに誘われました。レジ締めは手伝わせる必要ないですね。

 

「もう終わりました。」

「はやっ。」

「レジ誤差ゼロ、ズレ無しです。」

 

 何故なら終わってるので。

 

「ってことは、もう暇でしょ!」

「たきなちゃ〜ん、おいでよ〜!こっちこっち〜!」

「どうだ〜、たきな〜?」

「いえ、結構です。」

 

 そして、誘われてもやる気はありません。わたしは仕事を頑張って、本部に戻らなければいけないので。

 

「おじさん多すぎなのかな………」

「恥ずかしいんでしょ。お年頃。」

「店でやる方がおかしいんだけどな。」

「そうか〜?」

 

 ということで、わたしは帰るために、更衣室に向かいました。

 

 

 

 更衣室の前では、

 

「たきな、混ざってきたらどうだ?」

 

 店長に話しかけられました。

 

「そうすればDAに戻れますか?」

「それは………」

 

 やっぱり、あれは関係ないのですね。わたしの読み通りでした。さっさと帰って、仕事の事でも考えましょう。

 

「ねえ、たきな〜♪ゲームやろ♪」

 

 そんな事を思っていると、千束さんにまた誘われました。しつこいですね。さっと着替えて帰りましょう。

 

「もう帰るので。」

「じゃあ明日は?」

「明日は定休日ですので。」

「そ〜、だから明日も集まって、ゲームするんだけど〜。」

「千束、健康診断と体力測定は済ませたのか?」

「あっ、いや、まだ…………」

 

 その後もしつこく話しかけてきましたが、店長が上手く割り込んでくれて助けてくれました。というか、行ってなかったのですね。確か明日が締め切りのはず。ライセンス更新に必要なので、早く済ませて欲しいものです。

 

 

 

 

 そして、しばらく着替えていると、

 

「………先生の頼みなら聞いてくれるでしょ〜、楠木さ〜ん!」

 

 千束さんが司令の話をしました。これはもしや………っ⁉︎

 

「司令と会うのですか⁉︎」

「おい、バカ、服‼︎」

 

 あっ、着替え中でした。忘れてました。完全に着替え終わって………っと!

 

「司令と会うのですか?わたしも連れていって下さい。お願いします。」

「………分かったよ、たきな。」

「ありがとうございます。」

 

 これでなんとか、会う機会を作れました。あとは説得です。今までの仕事の成果と、今後に役立つ情報を話して………。なんとしても、明日絶対成功させなければ‼︎そう思い、その日は店を後にしました。

 

 

 

 

 次の日のこと。わたしは千束さんと翔也さんと一緒に、DA本部へ向かっていました。翔也さんはたまたまDA本部で働く日が一緒だったので、ついてきています。

 

「なぁ〜、2人とも!なんで電車?車でよかったんじゃ〜?」

「そしたら翔也、パチンコ屋行くでしょ。」

「そりゃそうだろ!パチ屋を見つけたら入らないのが失礼だからな!」

「やっぱり〜!楠木さんから絶対連れてこい、って言われてるんだよね〜!」

「全くあの人は………っ‼︎面倒な事を言いやがるっ‼︎」

「それが普通ですよ。」

 

 もちろん逃がさないために、一緒に来ています。なんせ、この間もサボったらしいですからね。いい加減に、仕事の日くらいは打たないで欲しいです。

 

 

 

 

 それはさておき、わたしは今司令に伝える文言を考えています。どう言えばあの人は納得してくれるでしょうか?分かりやすく成果を伝えるには………

 

「そうだ!たきな、飴いる?」

 

 そんな事を思っていると、千束さんが話しかけてきました。飴、ですか………。健康診断前だというのに、この人は呑気ですね。

 

「結構です。これから健康診断ですよ。」

「1個だけだし〜♪」

「糖分の摂取は、血糖、中性脂肪、肝機能、他の数値に影響を与えます。」

 

 もちろんわたしは必要ないです。今は司令を説得するための文章を考えてますから。

 

「大丈夫だよ、たきなちゃん。」

 

 そんな事を思っていると、翔也さんが嘘を言ってきました。

 

「何がです?」

「ミズキはあれだけ酒をがぶ飲みしてても、健康診断問題なしだから!」

「それはあの人が特殊なだけです。」

 

 そりゃ、体質で大丈夫な人もいるでしょう。でもそれは特殊な例です。それか、たまたま若いから問題ないだけで。ミズキさんもいずれ困ることが出てくるでしょう。

 

 

 

 

 

 しばらくすると、わたしたちはDA本部に着きました。

 

「じゃあ、しばらくはお別れだね!2人とも、頑張って!」

「はいよ〜!」

「ありがとうございます。」

 

 そして、翔也さんとは別行動になりました。この人はこの人で仕事がありますからね。ちゃんとやってくれる事を祈ります。

 

 

 

 

 

 

  千束視点

 

 中に入った後、私はたきなと別れてフキと一緒に健康診断を受けていた。諸々の項目が終わって、休憩所で休んでいると………

 

「久しぶりだな、千束。」

「司令!お疲れ様です!」

「お疲れ、フキ。」

 

 楠木さんが助手の人と、

 

「久しぶりだね、千束ちゃんとフキちゃん!」

「お久しぶりです、楢葉さん。」

 

 翔也を連れて戻ってきた。ちなみに翔也は珍しくいつもの無精髭ジャージスタイルじゃなく、珍しく髭を剃って髪を整え、白衣を着ている。こうしていると、チャラいイケメンって感じなんだけどな〜。なんか勿体無い。

 

「翔也はさっきぶりでしょ〜!あと楠木さん、ど〜も〜!」

「リコリスの義務は果たさないくせに、ライセンスの特権は欲しいんだな。」

「DAの仕事もたまにはやってるじゃないですか〜!」

「千束、司令の前だぞ。」

「俺と一緒だな!」

「先輩はそのたまにもちゃんと来ないんですけどね。」

「そりゃパチンコと仕事だったら、パチンコを優先するさ!」

 

 それと、楠木さんの助手の人と翔也って知り合いだったんだ〜。前にミズキと翔也が言ってた後輩って、もしかしてこの人なのかな?ぱっと見常識人っぽいし、あの2人に振り回されてそう!

 

 

 

 

 それはさておき、本題だ!

 

「たきな、なんで追い出したんですか?」

「命令違反だ。聞いてるだろ。」

 

 たきなを追い出した理由。あれだけ戻りたがっている子をなんで追い出したのか。翔也みたいに不真面目じゃないのに。初めて会った時から、その事で彼女はずっと張り詰めてる。それをなんとかしてあげたいと、つい思ってしまう。

 

「でも、仲間を救った!」

「結果、銃の行方は不明だ。商人は殺してはいけなかった。」

「この写真見たでしょ!取引時間間違えてた司令部のせいですぅ〜!楠木さんにだって責任あるでしょ〜!」

「おい、千束‼︎」

 

 たきなが左遷されて、楠木さんたちは呑気にここに残ってる。なんでたきなだけが………っ!それがとても歯がゆい。

 

「他人の処遇を気にする前に、もっと働いてほしいものだな。遊びでお前にライセンス出してるわけじゃないんだぞ。」

「あ〜、誤魔化した〜!」

「やめろ!」

「だいたい、状況判断が出来なかった現場リーダーにも責任あるんじゃないですかね〜。」

「仕方ないだろ。通信障害で司令部と連絡が………」

「フキ。」

「あっ………!」

 

 そして、フキがとんでもない事を漏らした。DAのシステムが通信障害だと。あり得ない。国の安全のために、全ての電波の中で最も優先されるというのに。

 

「通信障害〜?ラジアータでモニターされてる作戦中に通信障害なんて、普通じゃないでしょ!」

「ただの技術的トラブルだ。」

「ちょっと楠木さん!ラジアータをクラックされるなんてヤバすぎでしょ!」

「何を言ってるかさっぱりだ。」

 

 そんな簡単なトラブルなわけがない。どう考えてもクラックされてる。楠木さんのはぐらかし方を見るに、確実にクロだ。しかもあの人、どっか行こうとしてるし………

 

「千束ちゃん!ちょっと楠木さん、この後用事あるって!だから俺に任せて!」

「翔也、頼んだよ。」

「フキちゃん、またあとでね〜!」

「はい!」

 

 とりあえず、今は翔也に任せるしかない。

 

 という事で、翔也は楠木さんやその助手とどこかに行ってしまったのだった。

*1:
たきなは街コン知らなそうなので、こう表現してます

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