パチンカス・リコイル   作:スピリタス3世

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第7話 魚群を呼ぶ方法

  たきな視点

 

 わたしと千束が水族館へ入ろうとした時、翔也さんにばったり会いました。

 

「あれ、千束ちゃんとたきなちゃんじゃん!もしかして、そこの魚群見に行くの?」

「その言い方やめんか〜い!水族館だ、水族館!」

「お〜!いいじゃんいいじゃん!」

「せっかくだし、翔也も来る?パチンコ無いけど。」

 

 そして、千束が翔也さんを誘いました。まあ、この人は来ないでしょう。どうせパチンコ屋以外は行かなそうですし。

 

「おっ、いいぜ!」

 

 そんな事を思ってたら、意外な返事が返ってきました。翔也さんも行くという。

 

「やった〜!よしっ、じゃあ3人でゴー!」

「オー!」

「意外ですね。パチンコ打ちたいから断ると思ったのですが。」

「水族館は魚群がいっぱいいるから、実質パチンコ・海物語さ!」

「頭大丈夫ですか?」

 

 この人やっぱ頭おかしいですね。パチンコ屋じゃないのにパチンコを想起させる。もうダメみたいです。

 

 

 

 

 中に入ると、そこにはいっぱいの魚がいました。

 

「お〜、1番と3番と5番だ〜!」

 

 そして、翔也さんが魚を番号で呼び始めました。

 

「なんですか、それ?」

「これ?パチンコでは魚の種類ごとに番号が振られていてね〜!」

「たきな、気にしないで。翔也は世界がパチンコに見えてるから!」

「だとしたら病気です。」

「もちろんだぜ!」

「誇らしげに返事するところじゃないですよ。」

 

 頭のおかしいパチンカスはさておき、ここには色々な魚がいますね。淡水魚から深海魚まで、まるで水の中を泳いでいるかのようです。

 

「おっ、タツノオトシゴじゃん!」

「うわっ、なにこれ!」

「魚の一種さ!」

「マジか、魚だったのかコイツ………」

「この姿になった合理的な理由があるのでしょうか?」

「合理、理由………?」

「それは俺も知らん!」

 

 にしても、このタツノオトシゴというヤツは独特な形をしていますね。とても魚とは思えません。どういう進化を辿ったらこうなったのか、あとで調べてみましょう!

 

「おっ、チンアナゴもいるじゃん!」

 

 そんな事を思っていると、翔也さんが砂から生えてる、白く細い生き物を指差しました。こんな生き物もいるんですね。

 

「これも魚なんでしょうか………」

「そうだな!」

「チンアナゴ〜♪」

 

 そそて、千束がチンアナゴの真似をし始めました。恥ずかしいです。あと、目立つ行動はやめてほしいです。

 

「何してるんですか?人が見てますよ。」

「大丈夫〜!」

「やめてください。目立ちますよ。わたしたちリコリスですし……」

「制服着てない間はリコリスじゃありませ〜ん!それに、」

「それに…………?」

 

 そして、千束が指を差した先には………

 

「おっ、魚群来た!リーチの光景が頭に浮かんできたぜ!」

 

 もっと悪目立ちをしている翔也さんがいました。

 

「あれよりはマシでしょ。」

「そうですね。」

「ちょっと2人とも〜!聞こえてるぞ〜!」

 

 確かに、自販機の下で小銭を漁ってパチンコの軍資金を得ている人と比べたら、全然マシでしたね。

 

「聞こえてるならやめてください。」

「いや〜、パチンコの事が頭に思い浮かぶと、つい身体が動いちゃうんだよな〜。」

「病気じゃないですか。自分で薬作ったらどうです?」

「別に悪いと思ってないから全然オッケー!なんせ俺たちは………」

「「やりたい事最優先!」」

「だからな!」

「ハモらないで下さい。」

 

 この2人、ホント自由人ですよね。というか、リコリコは全体的に自由人多めですよね。ミズキさんやクルミとか。フキさんが来たら、胃に穴が空くんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 しばらく雑談しながら館内を歩いていると、わたしはふと、とある事が気になりました。

 

「そういや、千束はなんでDAを抜けたんです?」

 

 千束がリコリコに来た理由、というかリコリコが出来た理由です。ミズキさんみたく、本部に何らかの嫌気が差したのでしょうか?

 

「パチンコだっけ?」

「それはお前だ!私はやりたい事がいっぱいあったからね〜。」

「でも、殺さないだけならDAでも出来たのでは?」

「あ〜、、、」

 

 この人の実力なら、DAでも自由にやっていけそうです。というか、性格も含めて自由にやりそうなのですが………

 

「人探し、かな。」

 

 すると、千束の口からは意外な答えが出てきました。

 

「会いたい人がいるんだよね?」

「うん。大事な、大事な人。知ってる、これ?」

 

 そして、千束はそう言って、服の中に隠していたネックレスのフクロウマークを見せてくれました。なんでしょうか、これは?

 

「いや、知りません。」

「アラン機関って言ってね〜。何らかの才能がある人にお金を支援して育てる、謎の機関なんだよ〜。これはそのネックレス。」

 

 アラン機関………確かに調べてみると、そういうのがヒットしました。でも、実在するかは怪しく、とても謎が多そうです。

 

「ちなみに、なんの才能なんですか?」

「え〜、グラビアかな〜♪」

「違うと思います。」

「実は、私も分かんないんだよね〜。」

 

 更には、支援された本人すらその才能が分からないという。でも、何らかの支援はされたし、それを本人も知っている。本当に謎ですね。果たして見つかるのでしょうか?

 

「スロットじゃね?目がいいから、目押しとか得意でしょ!」

「違うと思います。」

 

 流石に、そんなものに金をドブに捨てる連中ではないと思います。

 

「そうだ、千束ちゃん!18歳になったらさ、俺の金でディスクアップ打ってみない?」

「ディスクアップ?何それ?」

「DJとダンスがリミックスした、イケイケのスロットさ!ぐるぐる回るリールから特定の図柄を目で見て止めるの!得意でしょ!」

「お〜、ダンスにDJ〜?なんか面白そう!」

「よしっ、決まり!たきなちゃんも狙い撃ちが得意だから、特定の図柄を狙い撃ちして………」

「私は結構です。」

「そうか、パチンコ派か!」

「何がどうしたらそういう結論に行き着くのですか?」

 

 違いますよね?アラン機関はパチンカス養成所ではありませんよね?これでもし、翔也さんを支援していたら………

 

「ちなみに、翔也さんは支援されてないんですよね?」

「残念ながらな。俺にはパチンコの才能があると思うのに!」

「あったら負けてないでしょう。」

「お〜、たきな、いいツッコミ!2人で漫才コンビ組んだら?」

「それは嫌です。」

「どっちかと言ったら千束ちゃんとたきなちゃんのコンビでは?」

 

 流石に違いましたか。まあ、この人の場合は薬の天才ってことで支援されていそうでしたが。それが無いということは、よっぽどの人じゃないと支援しないということでしょう。

 

「ということで〜、私は人探しをしていま〜す!」

「俺もしていま〜す!誰か金銭的支援、してくれないかな〜?」

「翔也さんは諦めてください。千束は………会えそうですか?」

「さあ?この世に居ないかもしれないし。ただありがとうって、言いたいだけなんだけど。」

 

 そして、千束の寂しそうな顔。この人にも、辛いことがあるのですね。なんでしょうか。励ましたいというか、力になりたいと思ってしまうのは変でしょうか?

 

 そう思ったわたしは、水槽の前に出て…………

 

「さかな〜!///」

 

 魚の真似をしました。

 

「おお〜、魚か〜!チンアナゴ〜♪」

 

 すると、千束が真似してくれました。

 

「ヘイヘ〜イ‼︎」

 

 翔也さんは………誰の真似ですか?なんでマッチョがしそうなポーズをしてるんですか?

 

 まあいいでしょう。楽しくなったので!

 

「千束。」

「な〜に〜、たきな?」

「それ、隠さない方がいいですよ。めっちゃ可愛いので。」

「あ〜、コイツ〜!」

「俺も可愛いかな?」

「それはないです。」

「え〜!」

 

 その後、わたしたちは3人で水族館を楽しみましたとさ!

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