What happened in the story ?   作:斬【Zan】

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何か勢いのまま初めてしまった。 後悔半分くらいカナ?

ま、続く所までやってみます。

オリ主最強でご都合主義が展開します。苦手な方はリターンバックして下さい。
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Muv-Luv 編 第01話

・・・・・・気がついたら真っ白だった・・・・・・・・・。

 

自分でも何を言っているのかわからない・・・・・・・・・。

 

かろうじて自我は保っていられたが、それだけだった・・・・・・・・・。

 

 

 

此処が何処は分からないが、自分が誰か・・・・・・は分かる。

うん、記憶喪失とかじゃない。

 

ここで自我を保つためにも自己紹介しても良いのだが、言いたくはない。

・・・それはとても個人的に大事なことだから、言わなくてはいけない場合を

除いたら絶対に口にしたくはない。

 

まぁ、理由だけを述べておこうと思う。自己紹介するのは別に良い。

特に困った内容を述べるとか、そういう事はない。

だが、自分の名前にコンプレックスを持っているから・・・、とだけ言っておく。

 

まったく、あのクソおやじとクソジジイは碌なことをしない・・・・・・。

あ、いや、何でも無い。

うん、特に自己紹介したいとは思っていない、とだけ言っておく・・・。

 

 

・・・だが、現状とても暇な状況だ。

先ほどまで俺は一体何をしていたのだろう・・・・・・?

 

特にすることもなかったので、改めて記憶の縁を丁寧に思い起こそうとした。

 

今の俺の身体、と言うか着ている服装は、いつもの部屋着だ。

と言うことは、先ほどまで自室に居たってことだろうな・・・。うん、間違いない。

 

それ程頭は良くはないが、地元の中学・高校に行って、一浪中だ。

まぁ、私立の三流大学に行っても良かったのだが、先のことを考えると

もうちょっとマシな大学に行きたかったので、浪人する事にした。

 

それと得意科目は理系よりも文系なので、浪人するほうが今時珍しいとは思うが、

昨今の不況の煽りと特にしたいこともないので、時間稼ぎのつもりもあったからだ。

 

・・・で? それから思い出すことは・・・・・・??

 

・・・あ? 俺の性格?

 

んなもん、どこぞの超捻くれた職業ボッチと同じく、内向的な性格で

中高とも6年間帰宅部だったよ?

 

まぁ、”自宅警備員”に就職したいとは思ったが、料理とか出来なから

専業主夫は無理だと思う。

 

ただ外面は良いけれど、俺の独り言は結構ひどいらしい・・・(汗;)。

・・・無自覚だが結構毒をまき散らしているらしく、小学校高学年で

「近寄りたくない」と幼なじみの女の子に言われた時は結構凹んだ。

 

・・・黒歴史だ。 できれば、忘れてくれ・・・。

 

・・・えーーっと・・・。 ああ、そうそう。

 

特徴と言って良いかわからないが、結構”ビビリ君”です、はい。

 

スプラッターとか超苦手。 動物の虐待とかにも興味ありません。

と言うか、蛙とか鮒の解剖も実習は他の子に任せました。

 

だって可哀想だろ? 子猫の首を跳ねるとか、病んでいる人のニュースを聞くと

胸糞悪くなるよ。

 

うん、”猫は正義だ”って、黒い某あくまで執事さんも言っていたし、それは正しい。

 

うん。猫は良い。 猫に構っている雪ノンもかわい・・ゲフンゲフン・・・。

 

だがしかし。

 

そう、何故か最近になって、とあるゲームの影響か、俺の性格が凶暴になっている

みたいなんだ。

 

・・・『とあるゲーム』。

 

発売日前から期待していた新作ソフトであり、発売日が一回延期になった事で

物に八つ当たりしたくなるほど焦がれたゲーム。

 

そのタイトル名を「Watch Dogs(以降WDと表記する)」と言う。

 

最初にクリアーした時は結構ボロボロだったけど、ストーリ性、いや内容とか

ゲームの持つ雰囲気とかが兎に角ハマった。

 

で、どんどんやっている内に、”ワンマンアーミー”的なスゴさに憧れを持ち始め、

どんどん引きこまれていった。

 

どうやらその影響か、内にこもっていた性格が凶暴化しているらしく、

最近は自衛隊に進むのもありかもとか、馬鹿なことを考え始めている。

 

・・・・・・いかんな。 クールに成れ。クールに成るんだ・・・。

 

 

・・・そう。 確かゲームを10回はクリアして、内容的にもヤリコミ度が

アップしていったっけ・・・。

 

最初のうちは、おとなしくスタンドアローンでプレーしていたが、

PS4環境なのでインターネットに繋げて他のプレーヤーとネットで

対戦していたんだっけ・・・・・・。

 

・・・うん。 そんでハッキングプレーをドンドン受けていて、

追いかけたり追いかけられたり撃ち合いをしたり、ゲーム内の命がけの

隠れんぼをしていたりしていたんだ。

 

・・・ああ、そう言えば、最近俺にしつこく挑戦するプレーヤーが居たっけ?

 

・・・あーー、確かハンドルネームが「Atena」だったっけ?

宛名? いや違った、多分ギリシャ神話に出てくる女神アテナから

取ったんだろうな・・・。

 

でも、綴りが間違っているんだよな、これ。

 

うん、残念っ(ジャカジャン)!!【正確には「Athena」が正しい】

 

・・・・・・ぅん?? そう言えば・・・・・・・・・。

 

うん、確か昨日もWDで「Atena」とプレーしていた様な・・・・・・??

 

あーー?? そうだった。確かに「Atena」とハッキングプレーしていたよ。

彼女を尾行して、バックドアを仕掛けてハッキングしていて、もうちょっとで

「Atena」に見つかりそうになっていて、公園の中の図書館みたいなカフェの様な

所で、隠れんぼしていたんだっけ?

 

で、屋根の上に上がれたんでそこに隠れていたら、丁度真下に「Atena」がやって来て、

俺の位置が屋根の上に居るってことがバレたんだ、うん。

 

だから、「Atena」が屋根の上に上がろうとして登り口の方に行った所で、

俺は屋根の上から下りて上下の位置を変えてやったんだ。

マンマと宛が外れた「Atena」は全く明後日の方向に探しに行って、

そこでタイム・アップ。 つまり、ゲーム・オーバーとなった。

 

思わず俺はテレビの前でガッツポーズをしていたんだっけ?

”ヤフー”とか言いながら、勝鬨を上げたな、うん。

・・・・・・あれ? その時何か聞いたような・・・・・・??

 

確か・・・

 

「あーーっ、腹が立つーーーっ!! 文句の一つも言ってやらないと気が済まないっ!!」

 

って頭の中に声が響いて、周りを見渡したんだけれど誰も居なくって

空耳だと思ったんだよな・・・・・・。

 

その後も

 

「次にゲーム・オーバーしたら、こっちに転送させるから覚悟しなさいっ!!」

 

とか聞こえていたんだけれど、俺はそんな特殊な能力とか持っていないから、

ファンタジーに付き合うのは止めにして、無かった事にしてそのままゲームを

続けていたんだっけ??

 

うーーん、それから・・・・・・・・・??

 

あっ、その後に別の人からハッキングを受けたんで、探している内に相手が車に乗って

逃亡したんだよ。

 

んで、俺も車を調達して追いかけていたんだけれど、ハッキングした奴のトラップに

引っかかって、スチーム・パイプでやられて・・・・・・・・・。

 

多分、死亡したんだよな・・・・・・アレは・・・・・・。

って事は、ゲーム・オーバーとなって、・・・えっと・・・・・・??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ふぅ。 やっと寸前の事を思い起こせたみたいね・・・・・・。」

 

・・・・・・アレ?! 俺の後ろ(?)から声が聞こえる・・・・・・??

 

何もない空間だった筈・・・・・・。 何で後ろから声が・・・・・・??

 

「そんなの決まっているでしょ・・・!

 何たって、私が展開した招集空間の中なんだから・・・・・・。」

 

・・・?? 今、何て言ったんだ?!

招集・・・だと? と、言うことは・・・・・・・・・。

 

「・・・フッ。 ようやっとご対面ってか? えっ?!『Atena』さんよ。」

 

「ええ、そうよ。 『Never Under』さん。

 随分、私をコケにしてくれたわね。 ゲームといい、ハンドルネームといい、

 一切の慈悲もなく尽くっ!

 ええっ、そうよっ!! 本当に尽くよっ!!」

 

「・・・い・いや、だって、そう言うゲームじゃん。

 (や・やべぇ・・・・・・。まさか本当に神様相手に色々ご無礼していた

  なんて・・・・・・。

  此処は一つ、さっさと謝って、大目に見てもらった方が得じゃんっ。)

 

 まぁ、ハンドルネームについて、あれこれ言ったのは、まさか本人さんが

 居るなんて思わんでしょ、普通・・・。」

 

「だって、だって・・・!

 キリトきゅんが、あの女に『本名を晒すほうが悪い』って言うから、

 ワザとああ言う設定にしたのよ。

 

 私も色々な呼び名を持っているけれど、本人だからこそ本名を

 イジる方が良いと思ったんだモンッ!!」

 

「(・・・・・・き・キリトきゅんって、アンタ・・・・・・汗;)

 い・いや、まぁ、そうですか。

 じゃ、クレーム確かに承りました、って事で・・・・・・。

 

 そ・その、色々と理不尽を行い、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。

 ご免なさいっ!!

 

 って事で、謝罪します。

 だから、俺を元の世界に戻して下さいっ!!」

 

「えっ・・・・・・・・・?

 む・無理ですよ、今更・・・・・・。

 だって、あなたの人生をあなたのゲーム中の主人公の【エイデン・ピアース】と

 同調させちゃいましたから・・・・・・。

 

 だから、ゲーム・オーバーはあなたの死と同義であったので、現世での制約が

 無くなって、私の招集空間に転送できたんですもん。

 

 うんっ! 完璧ですね! さすが私。エッヘンッ!!」

 

それを聞いた俺は絶望した。

文字通り『What the Fuck!(WTF!)』 と呟いてOrg を決め込もうかとした時だ。

 

「Atena」さんの頭上の遥か上の方から、ドップラー効果と共にそれは落雷した。

うん、文字通りの”落雷”だった。

 

「ーーー・・・・・・そんな訳あるかァーーーッ!!」

 

ズドォォーーンと言う落雷と共に、辺り一面イオン臭の嫌な匂いが立ち込める中、

煙が晴れると、そこには見知らぬ老人が一人立っていた。

 

手には何も持っていないが、握りこぶしがプルプルと震えていた。

 

彼の目の前には、先程不遜な態度を誇っていた「Atena」さんが顔面を地面にこすりつけて、

湯気を立てて突っ伏していた。

 

俺は唖然としてその光景を眺めることしか出来なかったが、すかさず「Atena」さんが

復活し、その老人に対して抗議の声を張り上げた。

 

「と・突然何するんですかぁーー! こ・このクソおやじぃーーーっ!!」

 

「バカッモーーン! このクソ娘がぁーーッ!

 ゲームに現を抜かすのはまだ良いとして、あろうことか現世の人間を不用意に

 殺害するとは何事だーーっ!!

 

 おかげで輪廻を監督している他の神から直接クレームが来て、ワシが大変な目に

 あっとるんだぞッ!!

 反省をしろっ、反省をっ!!」

 

ヘーーイ、とやる気のない声を出して不貞腐れている女神の「Atena」さん。

 

後ろ姿しか見えないが、両肩を震わせて激怒している老人は、ひょっとしなくても

アノ御方しかいない・・・・・・。

 

でも、神様の世界でも暇をつぶすのにTV ゲームは良いんだ・・・(汗;)。

まぁ、人間界の女性と不倫とか平気でするからなぁ、この老人は・・・。

 

その度に老人の奥様から折檻を受けて大変な目にあっているらしいから、

俺からしたら此処もツッコミどころなんだが・・・・・・。

 

いや、今はそんなことよりも、俺のことを直訴しよう。

このままアノ世なんて洒落になっていない。

 

「あ・あのぉーー、お取り込み中のところ申し訳ありませんが・・・。」

 

「・・・おお。 この度はウチのバカ娘が本当に済まない事をした。

 だが先程、ウチのバカ娘のAthena も申しておったように、其の方を現世に

 戻すことは叶わぬのじゃ。

 

 そこで相談なのじゃが、察しの良いお主ならば気づいておるかも知れぬが、

 例のアレでなんとか今回の件を了承してもらいたいのじゃ。

 ・・・・・・どうじゃろうか?」

 

・・・うぁーー・・・・・・。 言葉を省いて『例のアレ』とか言葉に出さないよ、

こちらの御方・・・・・・。

 

えっと、これって、結構ヤバイ展開じゃないかな?

騙し討ちみたいなオチじゃないだろうな・・・・・・。

 

何か確認する方向に持っていかないと、俺だけが損するんじゃ・・・・・・??

 

「・・・ねぇねぇ、クソオヤジィーー。

 『例のアレ』って何の事ぉーー??」

 

「・・・チッ

 (余計なツッコミを入れんじゃねぇ!

  はぁ、言質を取られるな、こりゃ・・・)。

 

 『例のアレ』とは、所謂『神様転生』の事を指し、SF 小説やライトノベルなどの

 作品から設定を取り出した架空の”有ったかも知れない”外史世界の中で転生を繰り返し、

 その間に輪廻転生の準備が整ったら元の輪廻に魂を浄化して戻す事を示しておる。

 

 大体お前も神族の端くれならば、『神様転生』位は聞いたことがあるじゃろ!」

 

「ぁあーー。アルアルぅ〜〜。

 何だ、そう言う事なら最初からそう言えば良いのにぃーー。

 勿体ぶっちゃってさ。ふーーん、だ。」

 

・・・・・・”この御方”とか一応気遣っていたのだが、こいつも”クソじじい”で

十分だ!!

 

舌打ち! 「チッ」って、舌打ちしやがったよっ!! このクソじじいっ!!

 

やっぱり、『例のアレ』とか言葉で誤魔化して、神様転生させる気が全くなかったな。

まぁ、その点「Atena」さんのツッコミのおかげで、九死に一生を得たぜッ!

全くもう・・・・・・。

 

まぁ、そうと決まれば(?)、こんなアホなやり取りはさっさと済まさせよう・・・。

 

「・・・・・・解りました。 些か不本意ですが、こうなっては仕方ありません。

 それで当然でしょうが、特典付きでの転生、と言う事で宜しいのでしょうか?」

 

「ま・まぁ、そうじゃな。 コヤツの性でこの様な仕儀となってしまったので仕方がないし、

 特典と言っても1つか2つまで位で十分じゃろう?」

 

「・・・・・・そうはおっしゃいますが、飛ばされる転生先世界にもよると思います。

 『ドラえもん』などの世界なら特典は要りませんが、いきなり『進撃の巨人』とかだと、

 特典がないと生き残れません。

 また、転生回数の設定やらーー・・・・・・(云々 云々)・・・・・・。」

 

 

 

Side : 「Atena」

 

 

ウチのお父ちゃんと、いけ好かないゲームプレーヤーの「Never Under」が

転生の設定について協議しているのを、私は黙ってみていた・・・。

 

と言うよりも、話の内容について興味が持てなかったので無視していたのだけれど、

恐らくこの後に待っているだろう折檻のことを考えると、ちょっと鬱が入ってきた。

 

あっ、勿論折檻するのは”ウチのお父ちゃん”のゼウスじゃなくて、

”ウチのお母ちゃん”のヘラーである事は言うまでもない事実なのよね、

これが・・・。

 

あの人、”超”がつくほどの”どS”だから、折檻が半端無いのよね・・・。

ある性癖の人には『ご褒美』でも、私にはそんな性癖無いから迷惑なだけだし、

ホント困る。 ハァ・・・、憂鬱だわ・・・。

 

でも、神様転生か・・・・・・。 確か伝え聞いたところだと、特典なしで

転生した場合、何かの物語の設定の外史と呼ばれる世界を大凡9,000回から

10,000回くらい繰り返す、って聞いたことがある。

 

勿論、こんなに多くの転生を繰り返すのは、単に『魂の浄化』が目的だからだが、

それにしても『魂の浄化』って時間がかかるのね・・・。

 

一方特典がある場合だと、外史世界の基本設定部分を変更しつつ、普通じゃ

考えられない試練を与え続けて、でもしかし、反対に転生者の転生する回数を

減らせることができる、って聞いたことがあるわね。

 

まぁ、私達が居る神界の『輪廻転生』システムの受け皿の準備が整ったら、

規定回数をクリアしていなくても有無を言わさずに魂の回収を行って、

輪廻を実行させるらしいけれど、でもそれって、ある意味強引・・・だよね?

 

まぁ、それはそれとして、件のアイツは特典付きの転生をする訳だから後者と

成るわけで・・・・・・。

 

このままお仕置きを受けるってのもツマンナイから、この人間について行って、

そのままバックレておきましょう。 うん、ソレが良いわね。

 

ま、”おかあちゃん”からのお仕置きはクソおやじにお任せって事で(笑)。

 

ついでに私からのプレゼントをあんニャロに叩きつけてやるっ!!

『何が平和な転生を』よ。 復讐も兼ねて望み通りになんかさせてやるものかっ!!

絶対泣かしちゃっるッ!! イシシシッ・・・・・・。

 

そんじゃ そういう事で、仕込み仕込みっと・・・・・・。

 

 

「Atena」 : Side Out

 

 

 

「・・・・・・んじゃ、そう言う事で頼んますっ!」

 

「・・・分かった。

 だが、お主に関する設定変更は以降は無いものとして理解せよ!

 つまり、これ以上の加護は与えん!

 

 まぁ、普通に考えれば、与えた能力を駆使すれば約束の時までは無事に過ごす

 ことも可能であろう・・・。

 後はお主の心がけ次第ということぢゃなっ!!」

 

うーーん、お約束のセリフなだなぁ・・・・・・(笑)。

この爺さんも案外ノリノリだったってか?

 

あれっ?! そう言えば神様特典の話に夢中で、「Atena」さんの事を

すっかり忘れていたけれど、いつの間にか居なくなっているな・・・。

さては・・・、逃げたなっ。

 

ま、良いや。

既に賽は投げられた。後は逝くのみ・・・・・・。

 

そう思っていたのだが、パターンと言うか”お約束”を言うと、釘バットか

落とし穴で、レッツラ・ゴーのパターンかな?

 

そこまで予想していた俺だったが、後者だったらしく良い笑顔のクソおやじは

俺に手を降り始めた。

そう思っていたら案の定、足元に穴が広がり俺はそのまま落下していくのだった。

 

「・・・・・・こんな所の”お約束”は要らねぇーーーっ!!」

 

俺の声が暗い穴の中で響いている。

多分上の方では、ドップラー効果宜しくこの声を聞いているはずだった・・・・・・。

 

 

俺が落ちてきた穴も、既に空の彼方なのだが、周りはすっかり真っ暗闇だ。

俺が思うに、次の瞬間目を見開ければ、既に転生後で行動可能状態・・・

・・・の筈なのだが、相変わらず真っ暗闇の中だった・・・・・・。

 

うーーん、・・・・・・何故だか未だに転生途中・・・・・・って事なのか・・・??

 

そんな事を思いながら暫くそのまま、・・・落ちている・・・・・・んだよな、これ?

そう思っていたら、背中でゴソゴソ動くものが有った・・・。

 

「・・・・・・えっ?! な・何だ・・・・・・??」

 

そう思っていたら突然、俺の右肩に何かが乗っかってきた。

それで、よくよく乗っかってきたソレを見てみると、

・・・生・・・・・・首・・・? だった・・・・・・。

 

「・・・どぅお・ぉおぉぉぉぉわゎゎゎわわわぁぁぁ〜〜ッ!!」

「あーーーーっ、ははぁはぁぁぁぁぁーーーーーー!!」

 

その生首も一緒に、大声を上げて俺を脅してきた。

 

「・・・・・・・・・キュう・・・・・・」

 

俺はそのまま意識を失ったのだった・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

次に目を覚ました俺は、廃墟の中に居た・・・・・・。

いきなり何を言っているのか・・・(ry・・・・・・)。

 

キンクリは置いておいて、周りをキョロキョロと眺めていると、どうやら此処は

日本の様だ・・・・・・。

 

・・・だけれども。そう、だけれども何か様子がおかしい・・・。

 

昼の日中で町の中、それも住宅地の中に居ると言うのに、周辺から人の気配が

感じられない・・・。

ついでに言うと、周りの家々からも、おおよそ人間が居るように感じなかった・・・。

 

一言で言うならば”ゴーストタウン”だ。

それも、地震とか自然災害があった後の様な雰囲気だった。

それに、死臭の様な嫌な臭いも風に乗って漂っている様に感じる。

 

殺人現場でも近くにあるかの様な雰囲気と言えば良いのかも知れない。

 

俺は咄嗟に準戦闘態勢を取った・・・・・・?

あれ? 何でそんな態勢を取るんだ、俺?

 

 

よしっ、此処は一つクールになろう・・・・・・。

 

そもそも俺がゼウスに頼んだ神様特典は、それ程影響の高い物じゃない。

特典を使って、転生先は比較的穏やかな外史のみの世界に限定指定した。

寧ろそれのために特典を使ったと言っても良い。

 

そもそも俺は”ビビリ君”だ。

だからハッキリ言うと「ドラえもん」の世界の外史にしてくれ、と言った。

 

あの世界ならほとんど世界の危機とか死亡率の高い世の中に成り難い。

いや、確かに主人公であるのび太とドラえもんの近くに近寄ったりしたら

巻き込まれるかもだが、遠目からドラえもんを眺めることが出来るだけで俺は十分に

満たされる。

 

猫は良い。ドラえもんも良い。 それで十分なんだ。

 

後は、その世界で一人で暮らせるような環境整備を依頼した。

俺自身が努力して幸せをつかむ様に対応すれば良い。 俺はMobの一人で良いんだ。

 

あと切実に願ったのは、俺の本名を変えて欲しいと言ったくらいだ。

本当に俺は自分の本名にコンプレックスを持っている。 だから、これを変えてくれる

だけでも、十分に幸せだと述べたら、ゼウスは同情して俺の願いを引き受けてくれた。

 

だから、今居る所が日本国内である事は、違和感を感じない。

 

あーー、正確に言うと突然町中に居ること自体は変に思うが、まぁ、可能性の

問題として”アリ”だと判断した。

 

続いて俺は、転生後の変更をお願いしていた自分の名前を思い出してみた。

 

「・・・俺の今の名前は、・・・『エイデン・ピアース』だ。

 えっ?! な・何で??」

 

『エイデン・ピアース』はゲームの主人公の名前だ。

それこそ俺がエイデンのキャラで「Atena」さんを散々イジメたのだから、

その関係か? 何かの呪いか?

 

<ピンポ〜〜ン! 正解で〜〜す!!>

 

おわっ?! な・何事だっ?! いきなり頭の中に声が響いてきた。

いや待てっ!! この声は聞いた覚えがあるっ! この声は「Atena」さんだっ!!

 

<またまた正〜〜解!! そうです。私が貴方の守護天使の「Atena」さんですっ!!>

 

・・・・・・えっ?! 守護天使?! あれっ?! お・俺そんなの頼んでいないよ?!?

 

<うんっ、私も頼まれていないよ。 寧ろ自主的に付いて来ちゃった。>

 

ーーー・・・・・・えーーっと、それって、ひょっとして「お仕置きが嫌だったから、

逃げてきた」って言わないの?

 

<う〜〜ん。 そうとも言う、かな?>

 

そうとしか言わんわっ!!

 

改めて自分の今の容姿と言うか、来ている服をチェックしてみると、

ゲームで最初に着ていたコスチュームをした、俺、エイデン・ピアースが居た。

 

それとついでに持ち物もチェックしてみたら、武器の類いは全く持っていなくて

スマホが一つに財布の中にはドル紙幣と硬貨を所持していた。

 

因みに金額は、$11,111.11 だった。

11セントって、何で持っている? 日本国内で役に立つのか、このお金は?

$1を円に換金したら幾らなんだろう? 一応1万ドル持っているから、

$1=100円だったら、100万円は持っているってことだよな??

 

外見上、30過ぎの良い年した大人のエイデンが財布と睨めっ子しているのだが、

これって傍から見ると見っともない構図だよな・・・。

中身の俺自身は18歳なんだけれど・・・・・・(汗;)。

 

改めて、スマホの表示を消して画面がブラックの状態で、反射を利用して自分の顔を

見てみると、ゲームそのままの『エイデン・ピアース』の顔がそこにあった・・・。

マジですか・・・?

 

・・・とか思っていたら、突然スマホに電話がかかってきた。

・・・誰からだろう・・・?

ディスプレイの番号は見たことのない番号だった。

恐る恐る通話ボタンを押した・・・・・・。

 

「・・・はい、ピアース。」

 

「・・・・・・おお、正常に転生できたようだな。 ワシだ。ゼウスだ。」

 

「ああ、ゼウス様でしたか。 見覚えのない番号だったので、焦りましたよ。」

 

「うむ。 それで早速なのじゃが、「Athena」はそちらに付いて行ったのかな?」

 

「・・・・・・ええ。どうやらその様です。

 話は変わりますが、今居る場所が思っていた所とはかけ離れている様に思うのですが、

 ひょっとして、「Atena」さんがくっ付いて来た事に関係しています?」

 

「・・・うむ。 お主に「Athena」が守護天使とかの役目を引き受けたとしたら、

 ”余分な加護”が付いている扱いになり、お主が設定していた転生先には程遠く

 なるのぅ・・・・・・。」

 

やっぱり、ソレが原因か・・・・・・・・・(怒)。

 

「・・・・・・ああ、「Atena」さんから伝言があるみたいなので、

 そのままお伝えしますと・・・・・・、

 『はぁーい、パパリン元気ぃーー? 私は元気よぉー。

 この人が正常な輪廻転生を行うまでの間、私が責任を持って守護天使しますから、

 私へのお仕置き、代わりに宜しくーー!

 あっ、ついでにお母様にも宜しく言っておいてねぇ〜〜。

 でぃは、ばいば〜〜い!!』 ・・・・・・だそうです。

 

 えっと、ゼウス様、ご愁傷さまです・・・・・・(汗;)。」

 

「・・・・・・・・・

 (ワシ、カミさんからギルティ確実なの(涙)? クッスン)。

 まぁ、そういうわけでピアースよ。 どうやらワシが設定した転生特典が

 リセットされているみたいで、詳細は設定を変更した「Athena」から指南を

 受けてくれ。 あとついでに「Athena」の事よろしく頼む。

 では、な・・・・・・。」

 

哀愁漂う枯れた爺さんの声がスマホから消えた。

 

 

えっと、今の状況って、どうなったの? 改めて俺は「Atena」さんに質問をした。

 

「・・・何か俺が希望した転生になっていないんですけれど、「Atena」さん設定を

 どう変えたの?」

 

<それはですね、ハッキリ言えば「Watch Dogs」そのまんまです。

 今の状態はゲーム初期設定で武器なしの設定です。 貴方のやりたい様に、

 できるクエストをクリアして経験値を積んで、貴方が取得したスキルをグレード

 アップしていって下さい。

 

「・・・ちょい待ち、「Atena」さん。

 WD そのものと言う件はわかったけれど、プレイ背景として、ctOS が

 配備されているの?」

 

<んとですね、ゲームの流れと同じと言いたかったわけです。

 詳しく言うと、習得予定のスキルは基本チート仕様です。

 あらゆるゲームでプレイされている要素がランダムで表示されます。

 それで、その中から習得した能力は、貴方の能力として固定されます。

 

 この固定設定は、次の転生が行われるまで有効です。

 勿論チート仕様ですので、ピンキリであっても、トンデモ機能が付いていると思って

 おいて下さい。

 

 それと、『ご都合主義上等!!』で行きますから、そこんとこヨロシク!! です!!

 

・・・俺は頭を抱えたくなった。

と言うのも、ゼウスに能力の申請をする際に一瞬でも頭を過った能力と全く同じだったからだ。

だが、俺はその能力を望まなかった。

 

何故か? それは言わずもがなな事ながら、「平穏無事な転生」を望んだからだ。

何事も安全第一は重要である。

でも現状は「安全は最終的に自分で確保」が、デフォとなっているらしい。

 

ここまで考えていた俺だったが、ウッカリ落ち込むということは

今はするべきではない事に気がついた。

 

今俺が居る、この町中の交差点も安全地帯とは言い切れないからだ。

俺は徐ろに移動を開始した。

何処に行くとも無しなので、普通に歩いているだけだが立ち止まっているよりも

遥かにマシに思えたからだ。

 

「(・・・・・・参ったな・・・。 これじゃうっかり行動するのはかなり危険じゃ

 ないのか?)

 あーー、「Atena」さん。 それで今俺が居るこの世界は、一体どこ・・・・・・?」

 

しっかり前を向いていないで歩いていたので、「Atena」さんに話しかけ最後までセリフを

言う直前に、俺は曲がり角で人とぶつかってしまった。

 

ぶつかった人は俺よりも身長が若干低いみたいだ。

俺は被害を全く受けていないので、微動だにしなかったが、向こうは二歩ほど後ろに下がった。

 

俺は咄嗟に”すまない”と言った。

だが、日本語で思っていたのだが何故か英語で「・・・Sorry.」と言っていた。

 

言葉についての対応も、バイリンガル対応できないのは頭が痛い・・・・・・。

勿論エイデン・ピアースが英語以外を話せたとしても不思議じゃないが、

ゲーム作品中の彼は英語一辺倒だったので、望み薄だな・・・・・・。

 

それと、俺がぶつかった人間も、いきなり英語で話されるとは思っていなかったらしく、

日本語で凄く慌てている雰囲気がわかった。

少ししかめ面をしていたが、よくよく相手を見てみると、ソレは少年(?)、

いや、青年(?)というか、真っ白い制服のようなものを着ている男子学生さんだった。

 

俺が外国人だと分かって、何とか慌ててコミュニケーションを取ろうとしている

らしいのはわかったが、俺的には学生さんが話す内容は全て分かっていた。

 

だが、このやり取りとして、俺が分かっている風な態度を取ったとしても、

この後の対応が面倒だと思ったので、両肩を少し上げて、如何にも”何を言っているか

分かりません。お手上げです。”的なゼスチャーをしたところ、学生さんは意気消沈して

しまった。

 

まぁ、思惑通りの展開となったので、俺は言葉少な気に「・・・・bye.・・」と言い残し、

その場を去った。

すると学生さんは、元通り”仕方がないなぁ”みたいな雰囲気で、俺とは反対方向に

去っていった。

 

俺は目の前の安全を確認した後、振り返り学生さんに気づかれないように後をつけた。

俺以外の人間が居たことにも驚いたが、何より他の人間がいる所まで案内をして欲しいと

考えたので、学生さんをリリースすることにしたのだった。

 

彼との距離を十分に開けながら、俺はこの後の展開のことについて考えることにした。

 

「(・・・・・・ふむ。 他に人間がいっぱいいる所まで彼には道案内人に

 なってもらおう・・・・・・。

 だけれども、どこかであの学生さんを見た記憶があるんだが・・・・・・、

 ハテ? アイドルか何かだったっけ??)」

 

俺は確かに口に出していなかった。 だが、俺の疑問に「Atena」さんが答えてくれた。

 

<ピアースさん。 彼がこの外史世界の主人公の『白銀 武』君ですよ。>

 

俺は慌てた。 それもその筈。 誰からも答えが帰ってくるとは思っていなかったからだ。

しかしそれ以上に、俺は大声を出さずに尾行を続けた。

そんな自分を褒めてやりたい。

 

「(・・・何で「Atena」さんの声がいきなり聞こえた?

 ・・・もしかして、いや多分・・・・・・・・・。)」

 

<そうですよ。

 私は貴方の中に居ますから、貴方の思考の全ては筒抜けなんですねぇ、これが。

 

「(・・・My God! WTF!よりも厄介だ・・・・・・。

 何でそんな設定にしんたんだ?

 

 それと、この際だから「Atena」さんが守護天使として付いている事について

 特典とか機能とかの説明してくれます?)」

 

<ハァーーイ! 待ってましたその言葉!

 では僭越ながら、簡単に”守護天使による加護”についてお知らせします。

 

 まぁ、ぶっちゃけ、天使の守護を受けると、呪いとか一発死などのクリティカル・ヒット等を

 食らわなくなります。

 とは言え、死ぬ時は死んじゃいますので、そうなったらゴメンなさい。

 

 それと私の加護を受けていても呪いとかで死んじゃうパターンだと、

 私よりも上位の眷属(神・悪魔)からの攻撃は、全く効力がありませんので

 そこにも注意が必要ですね。

 

 そうですねぇ、守護天使として役に立つという意味で、この他の能力としては、

 先ほどのクリティカル・ヒットや呪い等からの保護。毒やら病気にかかり難く成る。

 ついでに、精神攻撃や精神汚染は受け付けない。

 もう一つついでに魔法攻撃には耐性が付く。 ・・・等が上げられます。

 まぁ、ヘイト攻撃が中心となっている、かな?

 

「(・・・・・・ふーん。確かに役に立つなぁ・・・・・・。

 それって、”直視の魔眼”とか”写輪眼”とかにも効力があるの?)」

 

<ハイッ!! そっち関係にも対応できますっ!!>

 

「(・・・それは凄いなぁ。

 どちらも対応難しいから、”一発死”が避けられるってところは、

 ポイント高いや。)」

 

<・・・ああ、でも注意点が一つ。

 今回は対応できますが、転生特典と同じで発動したりしなかったりしますので、

 その点了承願いますね。

 今回は初回ということで私も覚醒していますけど、覚醒していなかった時に

 ヘイト攻撃受けたら、そのまま通してしまうので、効果がありませんから。

 

「(な・何ぃーー?! 何でそんな『上げて落とす』みたいな説明をするっ?!

 ワザとか?ワザとなのかぁ〜〜!!)」

 

<いやぁ〜〜、ホント申し訳ない。

 あっ、別に狙っていないから。天然だから、諦めて・・・。

 

 では続いて、WDのゲームとの違いについて案内しますね。

 

 先ほども説明しました様に、この後の対応の進め方については、WDのゲームと

 同じなのはそのままです。

 

 でも、この世界にはctOSが施設されていないこともあり、ハッキングツールを

 用いての情報収集と操作は行えないんです。

 

 また、ゲーム内ではスマホ・アプリとしてハッキングツールがインストールされて

 いましたが、今回の神様転生以降の展開としてスマホを携帯しないままでも

 ツールが使えないと不便と成る可能性がある為、それらの操作は頭の中で行われます。

 

 例えば、通りすがりの方から銀行口座預金から幾らかのお金を頂戴していましたが、

 これらの操作が貴方の思考だけで行うことが出来ます。

 

 ただ、ターゲットが”お金”だったので、そうすることが出来ましたが、今回からは

 全ての目標に対して、特定条件のモノを拝借することが出来ます。

 具体的に言うと金銭とか身体能力だったり才能だったり、兎に角そういう普段から修練を

 通じてでないと得られないような得難いものを集めて、自分にフィードバックする事が

 できます。

 

 まぁ、体力が欲しければ体力のみの収集となるので、必ずしも思っている能力が

 直ぐに揃う訳ではないですが・・・・・・。

 

 それとストーリー性についてですが、WDの時はゲームが進むに連れてシナリオが

 展開されましたが、この世界の場合は、あくまで主人公が他に居ますので、

 そちらの時系列に沿って展開されます。

 

 勿論、貴方がそのストーリに沿って主人公の補佐を行うのであれば、その流れに

 乗ることは可能ですが、ゲームと同じく自由度が高いのも事実です。

 ですから、貴方が別行動を取ってアナザー・ブレイクする事も可能であると申しておきます。

 

 ただくれぐれも主人公は貴方ではないと言う自覚だけは持って置いて下さい。

 

「(・・・・・・なるほど。 だが、先ほどの『白銀 武』君が主役なのはわかったが、

 何の物語の主役なのだ?

 もし俺が想定範囲外を開拓してしまったら、彼はそちらの物語に引っ張られ、

 本来の物語から脱線するのではないのか?)」

 

<はい。その可能性は大です。

 ただ、この世界も外史世界のため、貴方による干渉で世界が滅茶苦茶となっても、

 本編の方には影響が出ませんので、自由に行動してくれて大丈夫です。>

 

「(・・・・・・外史世界のメリットとデメリット、みたいな内容だな・・・。

 いや、俺の方にもウェートがある分、そちらの方が余程重要に思えるが・・・。

 

 まぁ何にせよ、外史世界だと割り切ったほうが俺には得だ、って事だな。)」

 

<はい。そう言う事ですね。

 では続いて、守護天使特典として、次の3つを進呈します。

 あっ、これは神様転生する間中ずっと続きますので、遠慮無く活用してくださいね。

 

 では、まず一つ目。

 あらゆる乗り物に対して、エキスパート属性が付加されます。乗り物なら何でも構いません。

 それこそ暴れ馬とかチーターとか、果ては廃車寸前のポンコツ車とか

 大破判定を受けた壊れかけの戦車でも、乗れるもの全てです。

 その機動は貴方の思い通りのモノとなり、大凡他を寄せ付けません。

 

 あーー、言葉にすると「何人たりとも俺の前を走らせないっ!!」になるのかな?

 何処かのレーサーみたいなセリフですね(笑)。

 

 続いて二つ目。

 これはゲームでもやっていた”工作作業”です。

 部品とか適当に採取しておいて、後でルアーとか遠隔爆弾とかセンサー爆弾を

 作っていましたが、これの延長線上に位置する能力です。

 

 ゲームでは出てきませんでしたが、お手製のオリジナル拳銃を作ったり、その拳銃を

 カスタマイズしてライフルなどを作ることも可能です。

 ひょっとすると、既成品よりも高性能のモノを作ることもできるかもです。

 

 最後に三つ目。

 取得する最初の弾は収集する必要がありますが、一度取得した弾は弾切れを

 起こしません。 所謂”無限の弾丸”と命名しておきます。

 だから所持する弾丸は最低でも一発は持っていないと無限属性が付きませんので、

 そこだけは注意して下さい。多少嵩張るかも知れませんが、そこは工夫して下さい。

 

 特典は以上ですが、もう一つおまけです。

 

 実は先の三つの特典は、とある特殊能力を取得すると発展させることが出来ます。

 その特殊能力とは、ズバリ「Extra スキル」です。

 でも、このExtra スキルは取得するのがとてもシビアとなっていますので、

 ガンガン経験値を貯めて早い時期に取得するように心がけて下さい。

 

 あっ、ついでに言っておきますと、このExtra スキルは転生する度にリセットされます

 ので、その点もご注意下さい。

 

「(・・・・・・何と言うか・・・・・・。

 ああっ、色々と突っ込みたいところだけれどもっ! 先に重要項目だけ質問させてくれっ!!

 神様転生中の間、継続して使えるのは先ほどの守護天使特典の3つのみと言う事か?)」

 

<えっと、WD内で設定されていたスキルも神様転生中は継続して使えます。

 ただ、今の時点では何も取得していないので、これから基本スキルは習得して

 もらう必要があります。

 

 それと言い忘れていましたが、基本スキルについては取得しやすいように、

 各項目1SPのみで取得できます。

 本日の日付は、現地時間で2001年10月22日ですが、これより1ヶ月間のみの

 スペシャルサービスです。 あっ、もちろん今回限りですよ。

 

「(・・・・・・うーー。 分かった。

 じゃ、WD内の全スキルを基本スキルとして、早急に基本スキルの取得が必須であると。

 それプラス守護天使特典も、神様転生中はずっと使える、と。

 最後に、基本スキルなどが取得がしやすいように、今日から一ヶ月間は各項目が

 1SPで済む、と。

 

 初回特典としての処置である、と。 以上が今の俺に与えられた加護って事で良いのか?)」

 

<ピンポ〜〜ンです。 他に聞きたいことは?>

 

「(あるっ!!

 特典とかサービスとか色々と俺にとってはお得情報が揃っているのだが、これの裏は何だ?!

 何か俺に気の毒だからとかの同情を感じるのは、気のせいか?!)」

 

<おーー、鋭い!

 まー、ぶっちゃけ、敬語をヤメて本音を言うと、ウチのお父ちゃんのゼウスの設定を

 蹴飛ばして転生させたことで、当初の設定よりも過酷な設定になってしまったのよね。

 

 まぁ、最初に感じたのは「ざまぁwww・・・」とは思ったんだけれど、

 この世界設定を第三者的俯瞰視点で検定みたら、ちょっと能力を付加したくらいじゃ

 到底吊り合わない未来しか予知できない結果が見えて、ちょっと申し訳ない気持ちになったのね。

 

 どれだけ酷いかと言うと、流石の私も”これは無いわ〜〜”って、引くくらいに環境が

 悪化しちゃってて、これくらい条件を良くしないと凄く辛い転生にしかならないと思ったの。

 

 ・・・で、苦労するのはアンタなんだけれど、復讐することが絡んでいたとしても、

 今回はやり過ぎました、ご免なさい。

 

「(・・・・・・・・・やっぱ、そんなオチか。何が”やり過ぎました”ぢゃ、

 こりゃ〜っ!!

 

 おめぇは俺の命をゲームキャラに同調させて殺したんだぞっ!!

 神様と思って、『さん』付けで呼んだりして俺なりに気を使っていたが、

 今後はアテナで十分だっ!!

 

 本当はもっと文句もいいたいが、至せり尽くせり感をかんじるから、これ以上は言わない!

 それでチャラだ!)」

 

<・・・・・・ありがと。 意外に気風が良いんだね。>

 

 

 

 

「(・・・・・・気持ちを切り替えていこうか・・・。

 さてと、白銀君を尾行して暫く経つが、まだ人の多い所には着かないのかな?)」

 

アテナとの話し合いがある程度済んで、俺は前方20mくらい先を進んでいる

白銀君を見ている。

 

・・・それにしても、あの学生さん。何処かで見た記憶があるんだけれど、

何処でだったかなぁ・・・・・・??

 

「(・・・なぁアテナ? 白銀君が主役となる物語のタイトルは何か教えてくれない?)」

 

<・・・うーーん。 教えるのは良いんだけれど、文句とか言わない?・・・>

 

「(・・・俺がそれを聞いたら、暴れたり文句とか言う様な物語なのか?

 と言うことは・・・・・・、何だろう? 酷いバッドエンドとかで有名なのかな?

 それとも完結していないライトノベルとかかな?)」

 

「うーーん」と思いつつ、白銀君の顔を思い出してみた。

また彼の情報タグがWDの仕様によって、俺の視界に入ってきているので、

これを吟味してみた。

 

画面には彼の顔写真の横に本名とその下に簡単なプロフィールが表示されている。

それを見てみると、『白陵大学付属柊学園3年B組』と表示が有った。

 

白陵大学・・・? 柊学園・・・?? 聞いたことのない学校だよな。

 

しかも男子学生なのに白地の冬服だ。 これも珍しいよな。

学生服で白地の男子学生冬服って、帝国海軍の士官服に似ているよな・・・?

 

海軍士官服・・・・・・?? 帝国・・・・・・?? ぅん?何か・・・・・・??

あれ・・・・・・・・・日米共同開発・・・・・・?? 戦術・・・・・・・・・機??

 

あっ!! 思い出したっ!!

 

「(マブラヴだっ!! この廃墟っ!! ってことは、アンリミか?オルタか?

 今、前方の方にいる白銀君は、かなり重要な分水嶺に立っているんじゃないか?!)」

 

そうだ!アレって確か、俺が高校に在学中に、PCゲームからPS4に移植された作品として、

ゲーム仲間から一時話題に登ったんだっけ。

 

俺はアクション性が全く無かったからこのゲームをやらなかったけれど、

確か友人の何人かは、女性キャラにハマった奴が居たよ、うん。

 

一押しはメインヒロインの御剣冥夜と鑑純夏に集中するんだけれど、サブヒロイン達にも

人気があった。

少女達だと榊千鶴、彩峰慧、鎧衣美琴、珠瀬壬姫、

ちょっとアダルトだと香月夕呼、神宮司まりも、イリーナ・ピアティフにもファンは居た。

 

ダメ押しは若本さんのオルタでの演説だ! アレは俺もYou Tube で視聴した。

うん! アレは燃えた! アレで燃えない奴は男ぢゃ無いッ!!

 

ああ、因みに俺は、神宮司まりもが一押しなんだよな。

あの酒癖が無ければ彼女にしたいNo.1 だよね。

犬属性だけれども、「まぁちゃん」は良い物を持っているよね。

 

マブラヴはエクストラであれば、問題はない。

社会的に戦争がない平和ボケした日本社会だからだ。

 

だが、アンリミテッドとかオルタネイティブの場合は、日本は第二次大戦後も戦時中態勢の

帝国社会だった。

しかも何故か、”政威大将軍”と言う国務全権代行をもつ摂政が存在している世界だ。

俺が元いた世界とは180度世界観が異なっている点にも問題がある。

 

まぁ、日本帝国の事は置いておくとして、俺の先をもう50mほど進んでいる呑気そうな

高3の少年が、学園(実際は国連軍横浜基地)の前に到着した時に判明する。

 

もし、彼が正門前から学校を見上げて、巨大なパラボナアンテナを見て大笑いするか、

正門前の桜並木を見て敬礼を行うかによって、見分けることができる。

 

それと通常なら50mも離れての尾行は行えないが、既に住宅地跡を抜け、

辺り一面荒野のように何も建築物のない状態と成り、身を隠す場所すらない状態だった。

 

この状態で尾行などしたら、彼が振り向きでもしたら一発でバレる。

 

だから流石に最後の遮蔽物である壁であったものの影から白銀君を観察しているのだ。

 

 

そして彼の目的地は、大凡だが近いと思われる。

と言うのも、小高い丘のようなところを迷いなく進んでいるからだ。

 

「(・・・いよいよ、国連軍横浜基地の正面ゲート近くまで辿り着いたな。

 さて、ここからがこの世界の分水嶺だ・・・。)」

 

遠目からでしか無いのだが、件の少年は花が散って枝だけになっている桜並木を迷わず進みつつ、

正面ゲートにたどり着く中腹の辺りで立ち止まり、腹を抱えて笑っている様な声を上げた。

 

俺はその様を見ていて、落胆の息を落とした。

 

「(・・・・・・桜並木を見ようともしなかったと言うことは、2周目じゃない・・か。

 1周目と言うことは、この後正面ゲートの門番とトラブるってことだな。)」

 

この時俺はこの後どうしようか迷った。

それは、1周目の白銀少年と共に横浜基地の守衛と事を起こし、一緒に捕まるか?

と一瞬迷った。

 

だが、現状の俺はWD的な能力を持っている。

 

基礎スキルなどはまだ持っていないから、本格的には活躍できそうにないが、

仮に白銀君と一緒に捕まったとして、先の展望を自己シミュレーションを繰り返して検討しても

碌な事になりそうにない。

 

良くて衛士訓練候補生として、まぁーちゃんに鍛えてもらうって事になるが、

悪くすると一般兵士扱いで前線送りになるのがオチだ。

 

未来の事柄を朧気ながら知っている俺が、あの中に紛れて過ごすのは無駄が多いのでは

ないかと判断を下した。

 

何より、あの中には『社 霞』が居るので、何かに感づかれると厄介だと思った。

 

むしろ、後方の基地として基地の人員の意識が弛んでいる事を鑑みると、此処は一発脅しなどを

仕掛ける方が横浜基地のためだと思い直した。

 

基本方針が固まったら、後は行動に移すだけだ。

 

しかし、取り敢えず白銀少年が正面ゲートの守衛と事を起こし、彼らに捕まるかまでを

確認することにする。

 

俺は白銀少年の後を慎重に尾行し、正面ゲートでやりとりしている人間たちに

俺が見つからないように坂の死角に身を隠しつつ、事の成り行きを見守っていた。

 

すると、案の定というか、白銀少年は難なく守衛の二人の門番に取り押さえられ、

一悶着した後、5分ほどすると建物の中から4人ほどの人間に連れられて

基地の中に消えて行った。

 

まぁ、ここまでは想定通りとなった。

 

 

 

次に俺は、一応基地周辺をぐるりと一周を目指すことにした。

 

詳細な地形などの地図のデータは、閲覧することが出来なかったので、

地形データだけでも記憶することにした。

勿論先にアテナには、周辺地図について聞いてみたが、俺が自分で体験するなどしないと、

今のところはそれらの情報を閲覧することが出来ないと言われたので、その様に行動した。

 

恐らくだが、横浜基地なども拠点の一つとして考えられるので、作戦行動を起こすにしても

まずは情報の収集は必須だと考えたからだ。

 

しかし、ぐるりと一周するとは言え、スペースシャトルなどの離発着場がある基地なのだから、

簡単にはその外周を回ると言う事は下手をすると1日がかりとなってしまう。

 

まだ昼には早いとは思うが、今の俺には拠点となる生活空間がないので、

宿の手配なども自分で行う必要がある。

その為、調査のための時間はある程度の制限が掛かるのは仕方がないことだろう。

 

取り敢えず、校舎の様な建物や、港方向が眺められる丘など、大凡基地のフェンスが

超えれそうな死角となりそうなポイントを探すことを中心として、それらしいポイントを

見つけておいた。

 

最後にもう一度正面ゲート付近の守衛室方向に戻り、守衛達の意識から横浜基地の

電話番号等の情報を収集した。

それらを行ってから一旦横浜基地を離れることにした。

 

 

小高い丘の方から、港が見えたのでそちらに向かうと、横浜基地以外にも人間が

居ることが分かった。

 

WD的能力を発揮するのには、人間の中から情報を収集するのが手っ取り早い。

早速俺は周辺住人やら、軍関係者などの人間を元にして知りたいと思われる情報を

収集する事にした。

 

俺が居る所の港は、やはり横浜港・・・ではなかった。

 

一応、民間関係者用の小さな港だったが、隣の大きめの港は国連横浜基地専用の

港だったりした。

 

当然ながら横浜港ほど大きくもないが、魚介類などを扱う港ではないにも関わらず、

俺が思っていたよりも賑わっていた。

 

早朝なら港の市場などが開いているのも分かるのだが、それ以外にも荷揚げを行い

物流の移動を行う業務も行っていた。

 

その為、収集したい情報は1時間も掛からずに集めることが出来た。

 

一応社会情勢や、大手の会社などの情報を収集できたのは僥倖だと思う。

俺が今から行動を起こそうと思っているプランに沿っていた。

 

 

俺が次に移動したのは、横浜駅に近い所に残っている商社だった。

この商社は資本が米国に本社がある会社であるため、日米安保条約を一方的に

破棄した米国であっても民間の会社までが直ぐに撤退することは考えにくかった。

 

俺は米国から輸入される穀物など扱う商社を探し、その会社の人間を

使役しようと考えた。目標はもちろん、国連横浜基地。

それも基地司令部宛にFAXを送信しようとしている。

 

文面については後で紹介するとして、先に俺のメッセージを送信する為の手段を

手繰り寄せようとしている。

 

次の目標として、俺に使役される人間を選別する。

探す要素は次の3要素に絞る。第一に「妻帯者持ちで相手国に派遣されている米国人。」

第二に「現地(日本)で浮気している男性。」最後に「”事務業”のアルバイト経験者」だ。

 

目的の商社の近くで見張ること小一時間。

時間的に12時を挟んだので昼休憩を交互に取っているらしく、そこそこの人の出入りがあった。

 

WD的要素を駆使することで、先ほどの3条件に見合う人間を探していると、

第二条件までの合致者が5人は居た。

・・・まぁ、派遣期間が長ければ浮気の一つもするのが男というものだろう。

 

だが、第3項目である”事務業”というのは暗語である。

探したいのはCIA 局員を探したかったのだ。

 

商社の人間が全てスパイ・・・と言うことは無い。

まぁ、現地情報を収集し商社本社に報告する事はあるが、その行為全てがスパイだと

言い切ることは難しい。

そう言う人を探したいのではなくて、非常勤であってもスパイ行為が行える人を探したかった。

 

で、結果を言うと、5人目の人間が捜査条件を3つとも満たしていた。

氏名をトーマス・ウィルキンソンと言う。

 

役職で言うと営業部専務らしく、奴の上役は現地社長しか居ないというお偉いさんだった。

ベトナム戦役を経て日本に来たらしい。だが、本人感情で言う所の東洋人はあまり

好きじゃないらしい。

白人至上主義者ではないが、どうもベトナムで何かやらかしてトラウマを持っている

みたいに感じた。

 

俺としては脛に傷を持つやつほど狙い目があるし扱いやすい。

ついでに、スパイとしてのノウハウと生き残ってきた腕前などの経験値も、

俺の能力としてフィードバックさせてもらった。

WD的基本スキルと合わせて、潜入捜査などに役立てることが出来そうだ。

 

早速俺はウィルキンソンの弱点となる情報を本人の思考から収集した。

続いて、取得したばかりのウィルキンソンの潜入捜査スキルを駆使し、

商社内部に潜入し、ウィルキンソンが勤務するフロアの便所(大)の方に身を隠した。

 

ウィルキンソン自身は直接の関わりはないが、第5計画の現地要員の配置位置などを

管理するファイルにはアクセスした経験があるらしく、オルタネイティブ計画の概要と

結果についても情報を得ていた。

 

であれば、第5計画からの回覧が今朝方あったのと合わせてネタにし、

少々のスパイスを効かせて例のFAXを送信してやることができそうだ。

 

他にも米国からの要員が日本にて寝泊まりする時に使う定宿の情報を収集し、

最後に奴がトイレにやって来るのをじっと待つことにした。

 

それから10分ほどしただろうか? やっとウィルキンソンが用を足しにやって来た。

(大)なら接触のタイミングが微妙になってしまうのだが、やはり(小)の方に用が

あったみたいで、用事を行っているタイミングを見計らって俺は(大)のところから、

奴の隣の(小)に行った。

 

ウィルキンソンは、俺が後ろの(大)から(小)に来たことに少々不信感を持って

小首を傾げていたが、特に気にした風でもなく用便を続けていた。

 

俺は、『エイデン・ピアース』とは異なる口調で問いかけるために、

二拍置いて奴に話しかけた。

 

 

「・・・トーマス・ウィルキンソンさんですか?」

 

「ッ!! そ・そうだが、君はいったい・・・・・・。」

 

「まぁ、いつもと異なるアプローチで驚かれるのも仕方がありませんが、

 ちょっと別件で用がありまして・・・。

 

 ああ、失礼。 私は『シカゴの番犬』。

 ・・・ハハッ、変なコード・ネームでしょう? 丸で何処かのネットのハンドル・

 ネームみたいですよね?」

 

「・・・・・・おいっ、君っ!!」

 

「ああ、ご心配なく。 この周辺には誰もいませんので、大丈夫ですよ。

 ところで、私には2つの任務がありまして、そのどれもが貴方に関すること

 なのですよ。」

 

「・・・わ・私に? い・一体何を言っているんだね、君は?」

 

「・・・・・・ふぅ。

 一つ目は、・・・・・・これはどう言って良いのかわからないのですが、ズバリ言いますと、

 貴方の奥方からの浮気調査です。

 

 貴方自身は定期的に帰国していますが、どうやら現地妻の存在に気付かれたらしく、

 私のアルバイト先に調査依頼がありました。

 まぁ、それだけでしたら私がここまでくる必要も無かったのですが、もう一つの案件で、

 あなたに依頼がありまして、こうして突発的にアプローチした、という訳です。」

 

「・・・・・・?? わ・私の浮気調査だと・・・・・・??

 何をバカバカしい・・・。 そんな事は妻も了承済みの事だ。

 多少、私が浮気しようが本国の妻には一切関係はない!! 言いがかりも甚だしい!!」

 

「・・・ええ。そうでしょうね。 まぁ、浮気調査云々は本当に建前ですよ。

 

 本当のところは、貴方のお相手の『タエコ』・・・でしたっけ? 彼女との子供のことに

 ついてですね。

 

 どうされるおつもりですか?

 本国に帰還される際に、タエコ達と別れ貴方だけ本国に帰国されるというのであれば

 何も問題はありません。

 

 ただ、仏心を出されて近い将来に於いて現地退職をされ、そのまま日本の沖縄辺りにでも

 移住されるとの情報が出ておりまして、そうなった時に本国の奥様からの伝言では、

 『許すつもりはない』と言付かっております。

 

 まぁ、貴方の家庭の事情に首を突っ込むつもりはありませんので、その件については

 貴方で対応をお願いしますが、最悪の場合奥様は裁判沙汰も辞さないとのことでした。

 

 まぁ、私の今回の役目は、メッセンジャーだとお思い下さい。」

 

「・・・・・・クソッ!! ど・どうやって、この情報を掴んだんだっ!!

 な・何で沖縄の家の話を、ジェニファーが知っていたんだ?!」

 

「・・・・・・さぁ? 腕利きのエージェントの妻と言うのも、『腕利きだった』と

 言う事でしょうネ。

 

 まぁ、職場結婚の弊害? と言えば宜しいのでしょうか?」

 

「クッ・・・・・・。 で、もう一つの依頼とは・・・?」

 

「・・・ああ、そうでした。

 もう一つの依頼とは、第五計画についてなのですが、ご存知で?」

 

「・・・ああ、知っている。

 あれがどうかしたのか?」

 

「いえいえ。第五計画は順調ですよ。

 しかし、日帝が招致した第四計画の方への揺さぶりの一環として、嫌がらせのための

 工作を依頼しに来ました。」

 

「・・・・・・またか。 先日もあの後方の基地に要員を派遣したばかりなのだゾ!

 早々何度も要員を手配するのは、いい加減にしたらどうなのだ?」

 

「それは・・・。 私は中継ぎみたいなものですから、そう言われても対応できません。

 しかし今回の依頼は、FAXを送信するだけと言う内容ですから、

 費用などは余りかからないと思いますよ。」

 

「何・・・?? FAXのみだと? どう言うつもりだ?」

 

「さぁ? ただ私も小耳に挟んだことですが、どうやら第四計画の方ですが、

 今年末までに何らかの成果が得られない場合は打ち切りを発表するとの情報がありまして、

 その前段階として恣意行動を行うそうで、そのためのネタFAXだそうです。」

 

「・・・・・・ほぅ、それは初耳だ。

 そうか、第四計画もいよいよ年貢の納めどきか。 横浜の魔女の顔が見ものだな・・・。」

 

「・・・ええ、そうですね。

 文面は状況報告を行う風を装って下さい。ただ注意としていつも使っている

 暗号のフォーマットは使わないで平文に近いメッセージ形式にして下さい。

 

 それと、発信はこの商社から発して欲しいそうです。」

 

「・・・どうして本国から発信しないんだ?」

 

「どうやら他にも筋書きがあるらしいみたいですね。

 私に潜入ミッションの依頼が来ていますから・・・。

 

 送信する時間は今夜23:50で。内容的には横浜基地の要員の態勢不十分のため、

 基地を監視しているエージェントを潜入させる旨を、基地司令部宛にFAXして下さい。

 

 まぁ、私は捕まるつもりもありませんので、ある程度の深度に潜入し、そこから帰還を

 行います。

 私を取り逃がした場合は、それもネタにして本国から第四計画にトドメを刺す、

 と言う流れにしたいそうです。

 

 その為に、ウィルキンソンさんに依頼しに来たんです。」

 

「・・・そうか? それにしても、随分と手間ひまかける手順が不可思議だ。

 私はいつもの通りに言われたままを行うが、お前の方は装備など本当に大丈夫なのか?」

 

「それについては、潜入途中で『現地調達』を言い使っています。

 まぁ、いつもの通りですよ。 突発的な事象ってヤツですね。 

 

 ・・・何でしたっけ? 日本にも似たような言葉があるって聞いたんですが・・・?」

 

「ああ。 『死んで屍拾うものなし』の事か?

 じゃ、もしお前が捕まっても・・・・・・。」

 

「ええ。 本国は一切感知しないでしょうね。 もちろん第五計画も白を切りますよ。

 

 まぁ、その分ギャラは良かったんで、思い残すこともないんですが・・・。

 もし逃げ切ったら、択捉・アラスカを経由して帰国予定なんですが、

 まぁ希望的観測ですよね。」

 

「・・・・・・そうか。 ・・・頑張ってくれ。先に言われた通りのFAXは送信しておく。

 それと、FAX送信がバレても、私は送信依頼しか受けていない事を述べるだけに

 するからな。 では、・・・・・・幸運を祈る!」

 

「ありがとうございます。 では、今夜0時にオペレーション開始します。

 ああ、そうそう。FAXの送り主の名前の欄に、私のコードネームを入れておいて

 下さい。」

 

「お前のコードネーム・・・・・・。確か『Watchdogs of Chicago(シカゴの番犬)』で

 良かったか?」

 

「はい。それでお願いします。

 ところで、何でも聞いたところだと、横浜基地にも『番犬』の二つ名を持つ衛士が

 居るって聞いたんですが、何かご存知ですか?」

 

「・・・・・・多分そいつは、『狂犬(Mad Dog)』の事だろうな。

 日帝が大陸派遣を行っていた時、とある部隊に居た衛士がそう呼ばれていたと聞いた。

 

 押し寄せるBETA の大群から撤退するにあたり、殿を努めて狂犬のごとく

 立ち向かって一歩も引かなかったそうだ。

 

 その苛烈さから、日帝では彼女のことをそう呼んだらしい。」

 

「・・・へぇ、ソイツ女なんですか?

 どんなブルドック顔してんですかね?」

 

「・・・・・・さぁな。 私もそこまでは知らんよ。興味もないしな。

 用事は以上で終わりか? 私は業務に戻るぞ。」

 

「ええ。よろしくお願いします。 では、これで。」

 

こうしてウィルキンソンは急いでトイレから出て行った。

 

おれも今夜に向けて潜入ミッションの準備にとりかかろうか・・・・・・。

 

 

 

夕方ウィルキンソンとの会合を終えた俺は、早速CIA局員が定宿とする小さなホテルに

チェックインした。

前金で2日分の宿泊費を収め、同時に500ドル分を日帝円に換金し、多少の買い物を行った。

 

潜入調査に必要なものとして、小道具となりそうな道具を色々と調達した後、

昼間白銀少年が捕まった正面ゲート前の所にやって来た俺は、午前0時を待っていた。

 

恐らくウィルキンソンは、約束通りにFAXを送信してくれたと思うが、

正面ゲート付近の警備は相変わらずザルの様に緩い雰囲気を醸し出していた。

 

一応後日のことを考えると、潜入に当たり基地要員を死亡させるのはまずいので、

ノックダウンを主にミッションを行うことにする。

 

まぁ、多少の怪我に留まるのなら、拳銃を使うのは吝かではない。

 

「・・・・・・Mission Start・・・.」

 

定刻を過ぎたので、俺はアクションを開始した。

 

今回のミッションは、片道切符にならないようにすることが第一目標。

エスケープの確保を優先しつつ、基地内のサーバにバックドアを仕掛けることを

第二目標とする。

 

ついでに、わざわざ今日を襲撃に選んだのは、白銀少年が拘束されたからに他ならない。

だから、少年との関連性を匂わすためにも、できれば白銀少年が拘束されているだろう

独房フロアに到達するのを第3目標とする。

 

正面ゲート前の守衛は昼間のそれとは面子が異なっていた。

まぁ、当然ながら交代したのだろう。

その為、何か別の情報を持っているかもと思い、守衛から見えないポイントを確保しつつ、

様々な情報を習得してみた。

その甲斐あってか、基地内外の監視カメラの位置を把握する事が出来た。

 

早速俺は、基地の外にある監視カメラの方に趣き、そのカメラの死角からアクセスを開始した。

カメラ設置場所から見える範囲の基地の大きさを確認する事ができた。

 

そこから横浜基地を3つに分けることが出来た。

最初に、正面ゲート付近などの比較的事務系の機能が集中している建屋と戦術機用の建屋。

最後にスペースシャトル離発着場に分かれており、カメラの設置は基地全体にわたっている

ものの、俺が認識できるのは最初の事務系の建屋のみだった。

 

まぁ、今回はこちらの方を中心に攻めてみよう。

まだ詳細はわからないが多分第二目標は達成できないかもしれないな。

第三目標に到達できるように頑張ってみようか。

 

仮に、第三目標である白銀少年を見つけても、彼には合わないで通りすぎよう。

俺の記憶では独房に入れられても面会に来たのは夕呼さんのみだった筈だから、

余計な要素を加味する訳にも行かないと思った。

 

では、事務系の建屋内に設置されている監視カメラを探し、そこから情報の収集と

侵入経路を確保してみよう・・・・・・。

 

 

 

「・・・・・・フゥ。」

 

俺は事務系建屋に侵入して、見張りなどテイクダウンし、侵入を続けている。

現状は、通路脇の死角位置に休憩を行い、先ほど侵入した事務受付から入手した

情報を元に次の経路を検討している。

 

ここで、ふとWDのスキル欄が目に止まったので、ミッションをスタートする前に数個の

スキルを開放したが、その他のスキルも開放できないか画面を頭の中で開いてみた。

 

WDのスキル総数は52種類あり、それを取得する為のSPの総合計は136SPが必要だ。

 

だが、守護天使特典により、全種類を52SPで取得することが出来る筈なので、

ソレを目指しているのだが先にテイクダウンを行うに辺り、優先的にSPポイントを

使用することを行っている。

 

「(・・・・・・今の調子でやっとこれだけか・・・。

 まだまだExtra スキル獲得までには程遠いな・・・。)

 やれやれ、もっと頑張ろうかね・・・・・・。」

 

アテナご推薦であるExtra スキル。 内容的にはどの様なものか詳細が不明だが、

彼女が勧めるからには相当お得なのだろう・・・。

いや、お得でなければ納得できない。今ですらランダムに変わるスキルの中で

欲しいと思われるスキルが10個はあった。

 

だが、様々な行動を起こすことで+50とかの単位の経験値が稼ぐことができ、

それらの積み重ねがある程度のレベルを超えると、やっと1SPと言うポイントに変わる。

因みに具体的数値にすると、経験値1,000ポイントで、やっと1SPが取得できた。

 

基本スキルや他のスキルなども、このSPで取得する事ができた。

 

基本スキルの取得を優先させ、且つ、一ヶ月の間だけ各スキルが1SPで取得できるので

いまさら10SPが減ろうと1,000SPもするExtra スキルの取得には微々たる

弊害にしかならない。

 

基本スキルを優先して取得する方針に変わりはないが、それでも此処は効率よくスキルを

取得しつつ、攻略を錬るほうが良いだろう。

 

しかしそれは兔も角、まだ俺はこの基地に取っては脅威に思われていない様な

感じがする・・・。

 

それと言うのも、セキュリティの低い区画しか侵入を果たしていないからだろうが、

まだ侵入者に気づいていないらしい。

 

普通見張りがテイクダウンして応答がない事に違和感を持たないのはどうかと思うのだが、

本当に気づいていないのか、反対にこっちが不安に感じてしまう。

 

「(・・・でも、白銀少年が居る区画にも行けていないから、もうちょっと粘る

 必要があるか・・・・・・。)」

 

そう思い、事務案内の所で入手した基地見取り図から、思い切って地下2階までの

侵入を試みた。

 

俺の予想では、兵士の居住区画が地下3〜5階辺りにあると踏んでいるので、

あまり下がり過ぎると俺が捕まる可能性があるので、その点を注意して

進む必要があった。

 

そうして地下2階に、独房区画を発見した。

 

一応ここには看守代わりの監視員が存在するので、Not Kill 対応でテイクダウンする

ことにした。

 

念の為、監視員の情報から警報装置的な存在を確認して、それに近い順から

優先順位の通りにテイクダウンを取ったところ、当初の目的を達成することが出来た。

また俺は、当初の予定通りに白銀少年に気づかれずに、先に進んだ。

 

「(・・・よしっ! 第三目標クリア!)」

 

そう息巻いて、更に地下ニ階から地下三階・地下四階を目指そうとした時、

俺の第六感が危険信号を上げた。

 

何とも言われぬ恐怖を感じ、地下四階の階層に降りることを躊躇わせた。

何事かと思い、監視カメラなどを駆使し、地下階層の情報を探っていると、

地下四階のとある部分を中心に監視をしている一団を見つけることが出来た。

 

「(・・・・・・何だ?見たこと無い服装をしている連中が居る・・・。

 ッ!! ヤバイッ! カメラの視線に気づかれたッ?!)」

 

俺は身に危険を感じ、咄嗟に地下三階から撤退を試みる。

だが、侵入した所に戻るのは、見回りをしている他の奴と出くわすことが考えられ、

地下二階まで戻り事務建屋から戦術機格納エリアの方に進路を変えた。

 

 

基地全体に警報などは鳴っていないが、確実に警備の層が厚くなったのと、

地下4層からの変な服の一団、ひょっとするとアレが帝国斯衛軍なのか? が

追ってくる気配を感じている。

 

もし帝国斯衛軍だとすると、月詠真那中尉率いる第19独立警護小隊に追われている

可能性が高い。 マナマナは兎も角、3バカの相手は辛い・・・。

 

横浜基地の連中よりも帝国斯衛軍に捕まるほうが余程酷いことにしかならないので、

此処は何としてもやり過ごす必要がある。

俺は戦術機の整備区画に入り込み、整備兵の目を盗みつつ死角に潜み追手の目を

くらますことにした。

その直後、俺を追っていたと思われる白っぽい服の二人が走りすぎて行くのを見て、

一応やり過ごしに成功した。

 

続いて俺が隠れたのは、整備兵達の事務所だった。中には宿直の整備兵が3人ほどいたが、

全てタイミング良くノックダウンすることが出来た。

気絶した一人を窓辺に置いて、廊下からのカモフラージュに使った。

 

直ぐに此処を出ても良かったのだが、小道具類や資料などを物色することにした。

この世界に来て戦術機は乗れるとは思うが、関連する書籍は一向に目を通して

いなかったので、珍しさから数冊の整備マニュアルを手に取った。

 

斜め読みの要領で、整備マニュアルの中で機体の特徴とその整備ポイントを見ていると、

3・4冊目のマニュアルに撃震のOS整備マニュアルが載っていた。

 

何気なくロジックを見てみると、どこの産業用ロボットの制御プログラムだ? と

言うような内容に、俺は溜息をもらしてしまった。

 

また、同じ整備マニュアルの近くの引き出しには、整備の際に使うプログラム

インストール用DVDを見つけたので、最新バージョンの一つ手前のバージョンの

DVDをコピーすることにした。

 

都合合計で4枚をコピーし終えた俺は、工具などを物色した後、戦術機側整備ドアを

開けてキャットウォークに出た。

 

ガランと広い戦術機格納庫。 現在この格納庫に格納されている戦術機は

2機しかいない。

 

どれもF−4J撃震と呼ばれる、日帝がライセンス生産している戦術機だ。

人の気配に注意しつつ俺はそのうちの一機の撃震に乗り込んだ。

 

しかし、乗り込んだは良いが、整備不良で動かなかったら、

今の俺は全くの袋小路に居るのと同じだ。

 

メインエンジンは始動させずにメンテナンスモードから機体のチェックを行った。

すると幸いなことに整備は完了した後で、明日にでも元の部隊に戻される

状態だったのが判明した。

 

後は、跳躍ユニットと兵装を装備すれば、前線で戦っている機体と同じ状態だ。

 

先ほど入手したDVDの中身を、前日宿屋に宿泊した際に買っておいたUSBケーブルを

通じてスマホにコピーする作業を行いつつ、この後の脱出について考えをまとめる。

 

「(・・・まぁ、最悪戦術機で逃亡と言う手段は確保できたが、それは悪手だな。

 2段の囮を使った脱出が俺のスタイルだし、そっちの方がスマートだ。)」

 

2つの仕込みのウチ、一つは当然この撃震を使う。

後は、戦術機での逃亡がしやすいように、基地のレーダーを撹乱させる必要がある。

だが、現状俺はctOSを使用できないので、シャットダウンコマンドが使用できない。

 

であれば、順序を逆にして、レーダー撹乱を行ってから戦術機格納庫で騒動を起こす。

その間に逃亡すると言うプランを立てた。

・・・だが、本当にこれで足りるのだろうか?

 

「(・・・・・・俺だったら、3つまでは警戒のレベルを下げないな・・・。

 では、どうするか? 幾ら何でも夜明けを待つのは更に下策だろうし・・・。

 いや、まてよ・・・。)」

 

下手に動くと足がつくので、騒動が起きたところとはあまり関連がない所に潜むのが良いだろう。

と言うことは、この戦術機格納庫で騒動が起き、此処に近い所の更衣室か便所に一旦潜み、

訓練生区画などの軍関係以外の所を経由して、例の校舎裏のようなフェンスの継ぎ目から脱出。

と言うルートはどうだろう? いや、もう一手間掛けたほうが良いだろう。

裏の裏を描く、と言う事だ。

 

「よし・・・。」

 

方針が決まったので、仕込みに移ることにする。

 

まずは、戦術機コックピットから通信系統をたぐり、基地のCP(コマンドポスト

オフィサー)への周波数を確認する。

続いて、もう一機の撃震の稼動状態をチェックし、コントロール状況を調べる。

 

騒ぎを起こすための撃震として、リモコン爆弾からリモコンのみ取り出し、

スイッチが入ったら撃震をオートで行動するようにプログラミングを加えておく。

 

最後に座席下に設置されている衛士標準装備品のナイフ・簡易食料・飲料水等が

パッケージされたサバイバルキットを持ちだした。

 

それらが終わったら、再度整備室の方に戻り、他の要員が入ってこない様に気をつけつつ、

基地内部配線の見取り図を確認し、整備室から一番近いレーダー関連の配線板の位置を確認する。

 

最後に整備室内部にある戦術機固定アンカーの解除スイッチと戦術機格納庫扉の開閉スイッチを

探し出し、ここにもリモコンだけをセットし、どちらも遠隔で操作できるようにセットした。

 

配線板の方に移動した俺は、工作部品の中から低周波を発生させるジャミング装置をカスタマイズし、

基地レーダーと司令部に通じる配線の途中に設置した。

恐らく冗長回路が在るはずだが、メインで使っている配線が不具合を起こしたら誰か見に来るだろう

から、そこを狙うように細工する。

爆薬を抜いて配電盤に蓋をしたら、センサー爆弾(爆薬抜き)をセットし、

『此処に何かしかけていますよ』的な嫌がらせを残しておく。

 

続いて周辺に気をつけながら、衛士用更衣室に行き、俺のサイズに合うスペアの

99式衛士強化装備を探し、標準装備のヘッドセットと99式気密装甲兜(きみつそうこうとう)、

それと拳銃も含めて、装備一式を頂戴しておいた。

 

最後にロッカーの扉に『シカゴの番犬参上!!』と目立つ様に日本語でメッセージを残し、衛士用更衣室を

出て更衣室近くに在るトイレに移動した。

潜むところは(大)の方ではなく、用具入れにして、脱出作戦を開始した。

 

 

・・・丁度時刻は午前2時・・・。

”草木も眠る丑三つ時”と言う夜中に、俺は脱出作戦を開始した。

 

まず最初に整備室の戦術機固定アンカーを解除し、戦術機自身のオートバランサーが

効いた状態にする。もうこの辺りで非常警報が鳴り響き、周りが騒然としだした。

 

続いて格納扉開閉スイッチを操作し、格納庫扉を開けた。

それから囮に使う撃震のメインエンジンに火を入れさせ、プログラム通りに行動を開始させた。

 

今居るトイレの近くに衛士達が集まり飛び出していく様子が良くわかった。

辺りの目が格納庫付近に集中しているので、この隙に俺は事務建屋方向に移動した。

 

警報が鳴り止まないまま周りが騒然としている区画を抜け、何とか他の人に見つからないように

隠れつつ進み、ひたすら屋上目指した。

すると、訓練兵が普段使っていると思われる教室のようなところを抜けてきたので、

ここから一気に正門近くの茂みに行くために、反転して階下を目指し事務棟裏に出た辺りで、

身を隠しつつ正門方向に移動を続けた。

 

先ほど起こした騒動はから15分が経過した。

俺は正門近くの駐車場に隠れているが、それでも周囲に警戒する人間が増えてきだした。

 

最後のダメ出しとして、俺は潜んでいる車の影を移動し、パワーがありそうな一台の車の

ハンドルにリモコン操作できる部品を取り付け、正面ゲートを潜らせる事にした。

当然無人の車は、ゲートを通る前にタイヤをパンクさせるための非常線ワイヤーのストッパーを

出されることでタイヤがパンクし、正門ゲートをくぐり抜けた辺りで停車する。

この隙に門を警備する警備員の視線が車に集中する僅かな間に、俺は背後から手薄になった

正面ゲートの要員をテイクダウンし、横浜基地から逃亡するプランを立てた。

 

そして、その様に実行すると、嘘みたいに俺の思惑通りに事が運んだ。

 

ただ、正面玄関を突破する際に、配置していた人数が一個小隊居たのは誤算だったが、

何とか増援を呼ばれる前に全員をノックダウンできたので、そのまま逃亡することにした。

 

勿論パンクしていても、守護天使特典の加護のおかげで、俺が乗れば思い通りに

運転できたのは言うまでもない事だ。

 

狙っていなかったが、先に車を基地の外に出しておいて正解だった。

 

俺はそのまま深夜の町中を疾走し、闇夜に溶け込むが如く逃亡することにした。

目指す新たな先入先は、移民などが多く住む部落とした。

当面はここでほとぼりが覚めるまで居ることになるだろう。

 

こうして俺の潜入ミッションは成功に終わった。

 

 

 

リザルト報告:

 経験値取得

 

  内訳

    国連横浜基地潜入ミッション トータル:30,000ポイント

     第一目標:達成  15,000ポイント

     第二目標:未達成    0ポイント

     第三目標:達成  15,000ポイント

     完了時ボーナス(5,000ポイント):なし

 

    体力向上(通行人・基地軍人より少量取得) 約2,600ポイント

    社会常識(通行人) 約2,400ポイント

    スパイ行動一式(トーマス・ウィルキンソンより取得) 1,000ポイント

    瞬発能力(基地衛士より少量取得) 約2,200ポイント

    判断能力(基地衛士より少量取得) 約2,100ポイント

    射撃能力(基地軍人より少量取得) 約2,5000ポイント

    胆力(基地軍人より少量取得) 約2,600ポイント

    動体視力(基地衛士より少量取得) 約2,700ポイント

    三次元空間能力(基地衛士より少量取得) 約2,900ポイント

    対人会話能力(通行人・基地軍人より少量取得) 約2,600ポイント

    危険察知能力(基地軍人より少量取得) 約2,500ポイント

 

    小計 トータル: 約26,000 ポイント(端数切り捨て)

 

   総合計 56,000 ポイント 取得 (56 SP 相当)

 

  取得能力内訳

   基本スキル(全52種類・消費ー52SP)

   集中能力 Level 1 取得

   並行処理能力 Level 1 取得

   絶対的時間感覚能力 Level 1 取得

   絶対的距離感覚能力 Level 1 取得

 

 

   残高SPポイント 計 0 SP(Extra スキル取得まで後1,000 SP)

 

 




取り敢えず、第一話をお送りしました。

次話も準備中ですが、ストックがあと一つくらいしかありません。
だから、ドン亀更新となります。 気が向いたら更新します。

では、また。
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