What happened in the story ? 作:斬【Zan】
かなり待たせてしまいました。大変申し訳有りませんでした。
妄想がひとり歩きしてプロット纏まりません。修正大変でした。
本筋に合うように調整調整で、8日かかりました。
ダイジェストー
イノベーター能力は人間や辞めますかー1歩手前?
白銀君が冥夜タンハァハァと同衾疑惑?
ノーマルスーツ・モドキ作ってみた件について
チート炸裂『魔女の大釜』を作りましょう
です。
ご都合主義です、キンクリ的に、よろー、です。
では、第11話です。 どぞ。
2001年11月16日 7時13分
国連軍横浜基地内 地下5階 士官:エイデン・ピアース中佐 私室
あれから俺は、深夜1時まで作業を続けた。
22号ハイヴ・コアから収集してきた情報を元に解析を進め、詳細情報を細分化する事ができたのだが、
目標とするのは、あまりチート仕様に成らない程度に資料を纏めることだ。
分析した情報を目標とするように仕向ける為のストーリーを考えつつ、如何に実現できるかの計画に
ある程度のまとめが行えたので、翌日の作業に遅れてもいけないので睡眠を取った。
連日バタバタしていたので、甲21号ハイヴ陥落後に取った、”お昼寝”以来のグッスリした睡眠だった。
・・・本音を言うと、少々寝足りない感は否めないが、これ以上寝ていると今度は起きれなく成るので、
目覚めてからさっさと起きることにした。 まぁ、6時間少々と言った所か。
起きて直に、メールのチェックをする為にPC前で操作しようとしたが、どうやらソレらしき電子データは
俺のPCには届いていないことが瞬時に分かった。
・・・・・・と言うのも、俺のPCのディスプレイは、俺がキーボードに手を触れる前に勝手に画面の表示が
行われ必要とされる情報が、俺が見る前に後から表示されていたからだ。
何を言っているのかというと、傍から見ているとハッキングされて遠隔操作でもされているのかと
驚くだろうが、実はこれは、昨日取得した”イノベーター能力”の一環で起こる現象だった。
この能力のお陰で、昨日は情報の解析が進むこと進むこと・・・・・・。
思考するだけで、遠隔に在る電子機器は全て操作できるので、改めてその場に居なくても情報を
収集することが出来る。
WD的な活動を含めると、ちょっとしたエレクトロニック・テロなら瞬時にできる気がしている。
『人間辞めますか?!』の一歩手前、みたいな?
話を戻して、伊隅大尉からの訓練レポート等を探してみたが、希望する情報は届いていなかった。
まだ送信されていないらしく、基地内のネットワークを通じて大尉の個人PCにアクセスすると、それらの
情報を見つけることが出来たが、まだ昨日の宿題事項と本日以降のヴァルキリーズ中隊の訓練予定に
ついて、未処理情報が残っている事が分かった。
それらの情報を元に、手元のメモに気になるポイントを書き写しておいて、こちらでも整理しておいた。
訓練予定表の情報は伊隅大尉にしか分からないので、そこは飛ばして、各個人事の訓練情報について
分析をしてみた所、207b訓練分隊以外の隊員たちの戦術機操縦については、見事にベテランと新米の
差が現れている。
特に先任少尉と新米少尉の差があから様に酷く、かなりの差があると言って良い。
この部分の訓練計画について、一度伊隅大尉と詰める必要を感じた。 ・・・白銀君はその点だけで
言えば、客観的に言って中尉連中とほぼ同格・先任少尉以上である。
ホント主人公補正って、半端ネェ。
まぁ、そこは兎も角として、戦術機以外の所もチェックしてみると、全体的にスタミナが足りない。
『死の8分間』を目安にして戦う傾向が多いと言う事もあり、これ以上で戦える衛士がほとんど育たない
現状だとしても、そのしわ寄せで目安として50時間や100時間と言った戦闘は行えない。
衛士の男女比でも最近は女性が比率を多く占める傾向があるので、長期戦戦闘には向かないのかも
しれないが、国外の戦術機機甲部隊隊員はザラに50時間とか100時間耐久を行う部隊が多い。
また、年齢層も若年層を使う傾向にある。 ソビエト連邦などは実際にそれで戦線を保たせている。
この点も問題として上げられる。 若年層を使用することによる体力低下とスタミナ不足。
もし、第五世代機がリリースできれば、此等の問題に加え、戦闘センスを磨く必要も出てくる。
そう言う意味でも日本の斯衛軍よろしく、武芸百般に重きを置く戦闘集団を別に抱え込む必要が
出てくるのかも知れない。 その意味で御剣少尉を任官させる事ができたのは、我々にとっては僥倖と
言えるかも知れない。
・・・これらの問題点をメモにとって、軽く対応策の下書きを終え時計を見ると、8時3分前なのでPXに
行って朝食を取ることにした。
「・・・ごちそうさまでした。」
PXにて朝食を頂いた俺は、サッサと食べ終えていた。
今日のメニューはA定食であり、所謂”焼き魚定食”というものだった。
ここ最近、衛士用携帯食料しか食べていなかったので、まともな食事は大変有難かった。
食堂の端で、人目が無いことを良いことに「何でも無限」を使って、2つに増やして二食を完食したのは
言うまでもない。 ・・・だって、普通の欧米人って、日本人の2倍位は食べれるから。
いや、嘘です。 俺だけかも知れません。 誰かに突っみ入れられる前に食器を戻して、サッサと退散を
しようとしたら、ヴァルキリーズ中隊の面々がやって来た。 彼らも今から朝食らしい。
「・・・あっ、中佐! おはようございます!」
それぞれが思い思いの朝食を持ちつつ、俺に敬礼をしてきたので、俺もそれに答礼で答えた。
「おはよう、諸君。 昨日はゆっくりと休めたかね?」
ハイッ! と元気に答える面々と、苦虫を潰したかの様な数名に別れた。 勿論後者は白銀君以下数名だ。
それについては、突っ込みを入れても良いのだが、誰しも早くに食事を取りたいだろうし、この後は任務が
当然待っているので、俺はさっさと退散することにした。 ・・・と、その前に・・・・・・、
「伊隅大尉。 中隊の訓練予定表を朝食の後で良いので、メールで提出しておくように。」
「ハッ! 了解しましたっ!!」
伊隅大尉からの返事を聞いた俺は、さっさとPXを後にした。
Side : 白銀 武
はぁ〜〜、もう最悪だ・・・・・・。
昨日から任官したことを忘れていて、そのままウッカリ自室に戻りそうになっていたのを、
冥夜に諭され、大部屋の方で就寝した。 疲れていたから、女だらけの大部屋に気づかずだったが、
ここまでは良い。 ・・・いやホントは良くないけど、伊隅大尉から当面生活を共にすると注意されていた
から、一人だけハブにならずに済んだから、・・・まぁ良いことにする。
何より冥夜には、俺のウッカリをフォローしてくれたのだから、文句を言うのは筋違いだった。
で、寝て起きた。 ・・・・・・寝ていた寝床が問題だったが・・・・・・。
今でも良く分からない。 何でそこが冥夜の寝床だったのか、がだ。
俺、そんなに人恋しくて誰かの寝床に潜り込むって事はしないはずなのだが、どうしてこうなった?
・・・あっ、そう言えば、向こうの世界に居た時、始めて冥夜を見たのも俺のベッドの中だったな。
とか現実逃避して懐かしい記憶を思い出していると、あの時と同じ場面が今朝も拝めた。
冥夜があの時と同じく目覚めて俺を見た。その仕草などあの時と同じだったので、滅茶苦茶懐かし
かったが、あの時と異なるのは、今寝床を共にしている冥夜は、俺と同じく焦っている。
向こうもどうして俺が此処に居るのか分からず、2人揃って冥夜の寝床の中で固まってしまった。
・・・・・・ソレは次の瞬間だった。
「御剣、何時まで寝ているっ?! さっさと起きんかっ!!」
元気よく掛け布団をひっぺがす、部屋長の速瀬中尉。 でも、冥夜の寝床には彼女と俺が居た。
「・・・何だ白銀。 貴様もそこに居たのか?! 2人同時に起こせて、手間が省けたぞ!!」
・・・台詞は格好良いんだが、中尉の顔は悪人がニヤけている顔だった。
さぞかし”犯人は私です”とでも言っている顔をしていた。
だが、証拠もないのでそう言えず、俺と冥夜は単にバツの悪い顔をするしか無かった。
・・・・・・当然ながら俺も冥夜も衣服に乱れはなかったので、○○○していないのは、お互い確認済みだ。
だがそう言ってもおれず、俺達は寝床を飛び起き、ヴァルキリーズ中隊は朝の鍛錬を開始する。
そして今、鍛錬とその他諸々が終わってやっと朝食となった。
他の皆は余り疲れていないらしいが、俺は軽く疲労感が出てきている。 昨日中佐が言っていたように
どうやら俺は基本的に体力とスタミナとその他が圧倒的に足りていないのが自覚できた。
・・・・・・唯一、自慢できそうなのはシミュレーターによる戦術機操縦くらいだ。
多分、今の俺のスタミナで実機に乗って、昨日のような模擬戦をしたら、中佐に瞬殺される自信はある。
前途多難な事を考えつつ、朝食をトレーに乗せて席を探していると、中隊の皆がピアース中佐を見かけた。
俺は勿論、皆が一斉に敬礼をする。
「おはよう諸君。 昨日はゆっくりと休めたかね?」
答礼を返しつつ、その様に俺達に朝の挨拶をしてくれた。
一昨日も朝起こしてくれたのも、この人なんだよな。
普段は余りやさしくはないが、夜遅くまでシミュレーター訓練をしていた時など、残って訓練している人間に
気遣いなどが出来る人なので、そう言う意味ではあまり怖くない。
・・・・・・あーー、でも、速瀬中尉とか宗像中尉、柏木とかは釘を刺されたことがあるみたいだし、
何より昨日の模擬戦で、ケチョンケチョンにヤラれていたから、苦手とか言っていたな。
俺も注意しておこう。
何より俺は体力が付いていないから、この先中隊として落ちこぼれると、この中佐なら俺如きを簡単に
部隊から放逐するだろう。
こっちの夕呼先生は使えない人間とか興味のない人間に容赦が無さそうだから、そうならない様に
俺も頑張らないと・・・・・・。
・・・・・・取り敢えず腹の虫が鳴っているので、メシ食べて任務に備えよう・・・・・・。
Side Out : 白銀 武
自室に戻る前に、一度基地内にある資料室にやって来た俺は、ここで資料の貸出手続きを行った。
電子化されている情報であれば、イノベーター能力を駆使することで検索など情報を取り出せるのだが、
紙ベースで書かれている詳細情報については、その限りではないので、昨夜取りまとめた情報の
補完の為に、此処にやって来たのだ。
昨日は霞に頼んで戦術機用デーモンプログラムやその仕様書一式を取り寄せてもらったのだが、
神宮司軍曹の思考情報処理について、もう少し効率的に処理が行えるようなネタとして、この世界の
宇宙服、とりわけ船外活用から、月面での戦闘にまで行える様式のモノの資料を取り寄せる事にした。
この世界の宇宙服の究極は、現在の所、衛士強化装備らしい。
あの装備にヘルメット代わりに『99式気密装甲兜(きみつそうこうとう)』と言う装備が有り、
これを装備すれば宇宙空間でも作業が行えるそうだ。
だがしかし、俺のセンス的に言うと、衛士強化装備自体が嫌だ。
身体のラインがモロに出るし、何より全身を覆う皮膜が薄く感じて心もとない。
あんな裸同然で宇宙に放り出されると思うと寒気がするので、これを払拭するためにもノーマルスーツに
変更してやる。 ・・・少なくとも、宇宙戦艦ヤマト2199基準の簡易型宇宙服が理想だ。
その為の仕様書を取り寄せるために、資料室に寄ったのだった。
「・・・・・・フムフム・・・、 おおっ、こ・これは、ハーディマンの資料だ。
何なに・・・『宇宙服のまま装着し・・・走行車両では不可能な3次元機動が可能となった』だと?
89式機械化歩兵装甲の元になったと言うのに、月面戦闘ではそんな事をやっていたのか?
と言う事は、この辺りの資料も必要だな。 それと、肝心の宇宙服に関する部分と・・・・・・。
あっ、ついでにNCAF−X1初期資料から、空間戦闘機動用プログラムと関連部品のリストも回収
しておこう・・・。 これが揃えば、”アウター6”を完成することが出来るだろうし、第七世代以降の
戦闘起動補正を加えれば、”アウター7”と”アウター8”が揃うことになる・・・・・・。」
アレコレ資料棚を探しまわり、昨日の霞同様、台車1台に一杯の資料をかき集めた。
ただ此等の資料を持ち出したりはしない。
何せ俺には”完全記憶能力”があるので、一回読み取れば全ての情報を記憶できるというハイスペックを
誇っている。 そして、既に電子化されているデータは習得済なので、それ以外の情報の収集を行った。
俺は閲覧用の机の上に集めた資料を次々に読み込み、全ての資料を読み終わると、1030辺りになって
いた。
「(・・・しまった。 いくら夢中になっていたとはいえ、少々時間をかけすぎた。)」
一人猛省をしつつ、俺は持ち出した資料を元の棚に戻して、基地内ネットワークを通じて自分宛ての
メールを確認したら、既にメールは0950辺りにSend Serverを通じて通信されていた。
俺は資料室内にて、伊隅大尉から提出された訓練スケジュールを確認した後、その脚で現在訓練を
行っている場所に向かい移動を開始した。
やはり、先ほどメモした以外に特に代わり映えのない内容が提出されているので、朝食前に行った
懸念事項をこの後打ち合わせる為に、訓練場に急ぐ事にした。
本日も訓練場にて訓練を行う実行部隊員達。
その中に伊隅ヴァルキリーズ中隊の姿も有り、彼女らは新人が合流したのに合わせて、基本的な兵士
訓練を行っている。
白銀君を除く第207訓練小隊だった面々は、体力的には一般兵士と同じぐらいに体力がついており、
古参の面子からの訓練にもついていけているのだが、どうしても足を引っ張るのは白銀君であり、
それが中隊としてのペースダウンになっていた。
しかし、予め伊隅大尉や他の面子にも、新人の未熟さを伝えていたので、それほど厳しく接していない
のだが、その性か今ひとつピリッとしていない。
気の緩みは大ケガの元なので、そこあたりをどう教導したものか悩んでいるみたいに見えた。
そこへ俺がやって来た。 俺から声を掛ける前に、伊隅大尉は中隊を集合させ、俺からの指示を待った。
「ピアース中佐に対して、全員敬礼っ!!」
息を乱している者は一人もおらず、見事な敬礼をしているので、答礼を返して説明を始めた。
一定の伝達事項後、ヴァルキリーズ中隊は訓練を再開したので、俺は伊隅大尉を呼び寄せ、追加の
訓練指導を行った。 主に伝える内容としては、俺が今朝方感じた懸念事項だ。
戦術機機甲中隊と言う事もあり、一般的な歩兵と比べるとどうしても体力やスタミナ面での衰えは
否めないのが現状と言えるので、中隊全体としてスタミナ面を強化するように伝えた。
更に白銀君については、特別メニューで肉体面とスタミナ面の両方を鍛えるように伝え、歩兵における
最大重量物を装備での行軍訓練を実施させ、重量物を持ったままでも任務が行える様に対応させる
旨を指導した。
「・・・特に重武装装備の上での行軍訓練は、一見地味に見えるがあれで中々にスタミナは勿論、精神的
にもストレスが溜まりやすい。 この両面を鍛えないといけない、と言う事と今計画の教導任務に
あたっては、下手をすると中隊の皆よりも体力のある下士官が多くなるだろう。
そのフォローを行うためにも、中隊の皆のモチベーションを持っていく必要を感じるが、大尉は
どう感じる?」
「・・・なるほど、確かに・・・。
単に肉体の強化を行うようにスケジュールを計画しましたが、再検討が必要というわけですね。」
「そうだ。 特に教導の心構えについては、その手のプロを後で手配しようと思っている。
まだ調整中なので現状何も言えないが、兎に角そこに行き着くためにも、最低限度の錬成を行って
おいてくれ。」
「ハッ、了解しましたっ!!」
「・・・・・・あっ、今思い出した。
大尉や中尉連中は大丈夫だと思っているが、今更訓練兵用の衛士強化装備に対しては、忌避感は
持っていないだろうな?」
「・・・はぁ?! あ・あの、一体何を・・・・・・??」
「・・・昨日の実弾演習にて、賭けで負けた方のペナルティについて、思い出したのだ。
戦術機関連の訓練に於いては、衛士強化装備着用となるが、全員訓練兵用のそれに変わるから、
準備をしておくように。 男も女も関係なく、装備を変更するのでその心構えを伝えておいてくれ。」
「・・・・・・えっ、正気ですか?
と言いますか、男性用の衛士強化装備は通常の強化装備しか無かったはずですので、変更など
できませんが・・・?」
「そうだったな。 分かった、白銀少尉の分の装備は私で準備する。
他の女性用は、大尉の方で手配を完了しておいてくれ。」
「・・・あ・あの、中佐? どうしても、訓練兵用の衛士強化装備でないといけませんか?」
「そうだ。
単に賭けの罰としてでは無く真面目な話で言うならば、教導の対象者が衛士であれば何も問題ない。
だが、一般兵からの転向については、衛士強化装備自体に慣れていない為、その場で教導役の人間が
照れたり性的に怯む態度を取ると、教導どころではなくなる。
折角白銀少尉を混ぜているのだから、異性からの視線に対しても女性隊員達は耐性を付ける
必要性があるのだ。 そう言う意味で再度貴官等には、訓練兵用衛士強化装備を着用してもらう。
分かったか、伊隅大尉?」
「・・・・・・りょうかいしました・・・。」
「・・・何かイヤイヤに聞こえるが正直な話、性的に暴行を受ける受けないの話となると、国連軍は
比較的恋愛については自由と言うスタンスなので、泣き寝入りした場合は相手を告訴できない可能性
があり、その点も注意が必要だ。
・・・・・・それと、無いとは思うが、教導を受ける対象者が極度の同性愛者であった場合、その手法は
相手の方が何枚も上手(うわて)であるため、巧妙な技工で告訴させない方法を取る場合も考えられる。
この場合、男性よりも女性の方が技工が巧妙となっているので、こちら側で対処が遅れる場合も有り、
そうなっては教導官がソッチに目覚める事も考えられるので、その点も十分留意が必要だろう。」
「・・・そうなっては、私ではお手上げです。
もっと同性で頼れる教導官に相談しても宜しいでしょうか?」
「・・・ぅん。 多分、神宮司軍曹の事を言っているのだな? 分かった。その件については、後で軍曹に
伝えておくので、彼女と相談して方針を固めておいてくれ。
訓練スケジュール等の修正も行ってから、一緒に相談するほうが効率が良いだろう。
軍曹には、そのように伝えておく。」
「ありがとうございます。 宜しくお願いします、中佐。」
まだ訓練は始まったばかりだが、この辺りから基本方針は固めておいたほうが良いだろうから、
大尉と2人でその様に決めたのだった。
2001年11月16日 11時35分
国連軍横浜基地内 地下5階 士官:エイデン・ピアース中佐 私室
伊隅ヴァルキリーズ中隊に訓練の方針とスケジュール変更について伝達を終えた俺は、その足でPXに
寄って、簡単な食事を購入し昼食を食べながら1300での打ち合わせ資料を作成ようと自室に戻って
来た。
早速先ほど資料室で参照した情報を元にして、衛士強化装備に代わるノーマルスーツの様な宇宙服の
開発を始めることにした。
設計資料を元にして、「何でも工作」能力を用いて現物を用意するのだが、試着対象者が神宮司軍曹で
あるため、彼女のサイズを参考にして各パーツを組み立てている。
素材とパーツごとの形式から接合部分などを考慮して、必要となる機能・機構を盛り込みつつ、
簡易式ではない一般の宇宙船外用服を作成した。 それでも総重量は100kgを超えるものとなり、
1G環境下では一人で着込むことは出来ない物となった。 着れても動きまわるには相当の訓練が必要
となるだろう。 一応仮称として、以降この服を『宇宙服(ユニバ)』と呼称しよう。
続いて、衛士強化装備を参照として、宇宙服の下に着込む下着(アンダーウェア)を開発した。
こちらも船外活動用宇宙服の下着を参照としたもので、こちらのものであれば一人でも着る事は出来る
物となった。
「・・・・・・一応、宇宙用の服一式は完成・・・っと。 神宮司軍曹を参考にしたから、女性用・・・と言うよりも
Sサイズの宇宙服って感じだな・・・・・・。」
続いて、下着(アンダーウェア)と宇宙服のペアを考え、衛士強化装備以上宇宙服(ユニバ)未満の
ノーマルスーツ、もしくはヤマト2199版乗組員制服(女性用)クラスの設計を始めた。
「(下着の方の機能をもう少し充実させて、宇宙服(ユニバ)の機能を落とそう。
そうする事で、全体的にスタイリッシュ性を持たせて、しかし保護強化出来る部分を増強していけば、
ヤマト2199版は無理でもノーマルスーツに近くは出来るはず・・・・・・。)」
試行錯誤とイノベーター能力を駆使し、仮想空間上でシミュレートを繰り返す事で、何とか短時間で
理想とする『一人で着込むことの出来る宇宙服』の雛形(ノーマルスーツ・モドキ)を作ることが出来た。
また、ついでに白銀君用の訓練兵用衛士強化装備(肌透過率20%強版)を作成して、一緒に持っていく
事にした。
簡単に昼食を取りつつ、完成した雛形のノーマルスーツ・モドキの機構にグレイ6による精神伝達を加え、
思考情報処理におけるアシストがし易い様にした。
つまり、ノーマルスーツ・モドキ自体が操縦者への情報を伝えたり感じたり出来るようにして、機体情報を
操縦者に情報を伝えやすくして、且つ、それらを意識させないようにした。
で、昨日香月博士から渡された高性能CPUを用いての情報処理については、ノーマルスーツ・モドキ用
ヘルメットに内蔵し、機体から齎される情報処理をノーマルスーツ・モドキ側でできる仕様に変更した。
「多分ノーマルスーツ・モドキを使えば、昨日よりは確実に情報の伝達が出来るはずだ・・・。」
時計を見てみると、12時50分近くになっていたので、俺は作成した試作品と関連資料を持って、
90番格納庫に急ぐのだった。
2001年11月16日 13時05分
国連軍横浜基地内 地下22階 90番格納庫 撃震モドキ・ハンガー
「・・・遅れて申し訳ない。 色々と準備するものが増えてね・・・・・・。」
定刻を少々過ぎて、俺は撃震モドキのハンガー前に集合していた香月博士と霞、神宮司軍曹に
声を掛けた。
「・・・にしても、また大荷物ね?
一体何を持ってきたの?」
「ああ。 昨日の反省点を踏まえて、思考情報処理の一環で神宮司軍曹に思考情報による操縦の
試験を行っただろ? で、それをもう少し進ませるために、思考情報による補佐の役割をする
ツール、と言うか宇宙服というかを用意した。」
「「・・・宇宙服?」」
博士と軍曹が顔を見合わせながら、同時に返事した。
「ああ。 宇宙服さ。
俺は予てから、衛士の標準装備である”99式衛士強化装備”と言うものに不信感を持っていてね。
いや、機能的なものについては不信感は持っていないけれど、外見というかその出で立ちが、な・・・。」
俺が言葉を濁すと、後は博士が感想を述べてくれた。
「・・・ああ、なるほどね。 確かに衛士強化装備は宇宙服にも活用はできるとは聞いているけれど、
私でもアレを進んで着たいとは思わないわ。 確かに船外活動向けの宇宙服のほうが遥かにマシね。」
対して、この中の女性では回数的に着ている数が多い軍曹は反対意見を述べた。
「し、しかし、香月博士。 99式衛士強化装備も着馴れれば、それほど悪くは・・・・・・。」
「あーー、ハイハイ。 そこら辺で置いておいて、ちょっとこちらの話を進めようか? 神宮司軍曹。
で、だ。 今回思考情報処理を行うにあたって、昨日の結果から、もう少しシステム的に改良を加えた
形式を考えてみた。
パイロットがシートに座って処理させようとしても、信号が弱いのかもう少し処理形式が高い方が
良い様に思って、装備を見なおしてみた。 その結果の宇宙服と言う事さ。 ここまでは良いかな?」
ここまでの説明で、博士も軍曹も一応は納得してくれたので、続きを解説し始めた。
「・・・それで、用意した此等の宇宙服なのだが、こっちの船外活動用宇宙服を仮称で『宇宙服(ユニバ)』
と呼ぶことにする。 それで、宇宙服の下着(アンダーウェア)がこちらとなる。
一応下着併用なので、裸の上に下着(アンダーウェア)、その上に宇宙服(ユニバ)となる。」
「ふぅーーん、色々と考えているわね・・・。
まりも、この宇宙服と衛士強化装備と比べて、今の時点でどの位変更点があるの?」
「・・・・・・えーーっと、この下着(アンダーウェア)の方の仕様は、衛士強化装備のそれと比べると、
素材や厚さについて差分があるけれど、着用形式にはあまり変更点は無いと思うわ。
でも、本当にBDUの下の下着の様なイメージしか無いから、汎用性は高いんじゃないかしら?
宇宙服(ユニバ)の方は、船外活動用というだけあって、従来通りの宇宙服ね。」
「まぁ、その辺りはハーディマン等の既存の資料を参考にしたから、差分が大きい所はないと思うよ。
一応サイズ的には、神宮司軍曹を対象イメージとして作成したから、アンダーウェアもユニバも
軍曹であれば、着れるはずだ。 だが、宇宙服(ユニバ)は1G環境下では一人では着れない仕様だから
軍曹が今此処で着ることは、誰かの補助なしでは無理だけれどな。」
俺は他意なく仕様についての説明をしたのだが、博士はこれをネタにして軍曹をからかいだした。
「へぇ〜〜。 良かったわね、まりも。 気になる異性から服をプレゼントしてもらっちゃって。
早速着てみたら・・・。」
「ちょ・ちょっとっ!! 何変なこと言ってんのっ! 夕呼っ!!
そ・それにピアース中佐に対して、何失礼なこと言っているのよっ!!」
・・・・・・あーー、ウゼェ・・・・・・。 この2人は俺をダシにして勝手にジャレだした。
話し・・・続けたいんだが、どうしたら・・・?
あれ? 霞がノーマルスーツ・モドキ用のヘルメットをいじっている。
そうだ。アレのかぶり方がちょっと特殊な所があるから、霞にノーマルスーツ用のヘルメットを被せてみよう。
それで早速、霞のそばに寄って被り方をレクチャーした。
霞のカチューシャを外して、髪を頭の後ろで纏める感じとして、しかし、項(うなじ)部分は首部分との
接続部で髪が残っていると邪魔となるので項(うなじ)は空けるようにしておくようにアドバイスした。
「・・・で、ここで後頭部のアジャストを押し込んで、首部分の接続部分を接続位置に持ってきて・・・、
そうそう。うまいぞ霞。 顔の部分とか、視界の部分で窮屈な所とか無いか?
これでノーマルスーツを着ていたら、首部分を繋げたら宇宙空間に出れるぞ。」
「ピアースさん、この視界、狭いと思います。
他の皆さんの顔が見れません。」
「ああ、そこは大丈夫だよ。 他のメンバーとの感応については、頭の中に情報が入ってくるから、
直視していなくても大丈夫だから。 寧ろバイザーに映る情報は、その他の戦況情報が主だから。
そんで、次の情報として、コックピット壁に表示されるのが3次情報として表示される。
ちょっと情報量が多いカモだが、馴れれば必要情報をコントロールできるさ。
寧ろ、F1レーサーのヘルメットと同じと考えて良いのさ。
要は感じることで機体をコントロールできる様にするので、コックピットシートに座った後は激しく
動いたりしなくなるだろうな。」
でも、宇宙服(ユニバ)のそれと比べると一回り小さいノーマルスーツ用のヘルメットだが、
今の霞の頭部には、それでも大きかったらしく首の座り具合が良くないらしく、支えていないとフラフラ
していた。 その様子を見ていた博士と軍曹は、こちらの説明が気になり俺達に合流した。
「・・・・・・博士。 思考情報処理についての説明、続けても良いだろうか?」
「・・・ええ、ごめんなさい。 私もちょっと、はしゃぎ過ぎちゃったわね・・・・・・。」
で、霞がかぶっているノーマルスーツ用の説明に入るのだが、基本コンセプトはこちらの方が次世代の
衛士強化装備となる旨の説明を行い、これ用の下着(アンダーウェア)とノーマルスーツの組み合わせを
説明した。
宇宙服(ユニバ)と比べると、こちらの方がスタイリッシュであり、機動面でも優れていることが分かるので、
できればこれの試着を依頼すると、軍曹はヘルメット以外を一式持って着替えてくると言い始めた。
だが俺は此処である提案を行った。
「・・・あー、できればこの90番格納庫内で着替えをお願いしたいんだが、頼めないかな、軍曹?」
「えっ?! こここ・此処ですか?」
「ああ、下着(アンダーウェア)との着た感じの詳細が知りたいのと、その調整に更衣室を往復するのは
効率が悪いだろう。 だから着替えるのはコックピットの中で頼みたい。
で、違和感とか微調整の方を此処で行って欲しいのだが、頼めないか?」
「・・・ああ、コックピットで着替えですね? 分かりました、そうします。」
アンダーウェア一式を軍曹に渡し、一応着替えるための手順書も渡しておいた。
その間、俺と博士と霞は端末から昨日採取した記録映像から解析途中のデータを呼び出し、
ディメンション・フィールドについての解析結果について話を進めた。
「・・・昨日採取した記録映像の詳細を解析してみたんだが、グレイ11の展開している空間について
調査した所、奇妙なことに先にグレイ6による任意の空間に領域が設定されている事に気がついた。
つまり、グレイ11を展開するにあたっては、展開する空間を指定する物質をグレイ6を使って、用意して
からの様なんだ。 この映像がそうだ。」
「・・・・・・ふーーん、なるほどね。 つまり任意の空間を先に指定することで作業する領域を設定できると。
・・・しかし、その仮定で行くと、何でG弾等は任意の範囲を指定できなかったのかしら?」
「・・・いや、任意の範囲って、誰の意思・思考の事を言っているんだ?
それこそグレイ11による任意の斥力場崩壊の範囲など、その量の多さで領域を広げることも出来る
だろうから、そこに設定を求めるのは違うような気がする。
今俺がテーマにしたいのは、特定の領域を設定することで、そこを足がかりとしてグレイ11で特定空間
に特異空間を作り出している点を取り上げたい。
その特定の領域に、恐らく思考情報と言うものが関与している節が見られると思う。
どうしてそのトピックスをワザワザ上げたかと言うと、昨日計測した神宮司軍曹の思考波と似た波形が
この映像からも検出されたからだ。 当然この映像の主体はあ号目標で在ることは間違いがない、
つまり、BETA側からの意思・思考がこの映像から読み取れた事を指している。
此等から類推するに、我々の意思もグレイ6を介して特定領域を設定できれば、グレイ11を用いて
特定の空間を形勢する事が可能かもしれない、と言う仮説が建てられる。
この仮説に対して、博士の見解が聞きたい。」
「・・・・・・私の見解を述べる前に誤解を解いておきたいのは、G弾に至る前に発足したHI−MAERF計画、
つまり、XG−70シリーズの開発が上手く行かなかったことについて、よ。
当然それらの力場形勢については、研究されていたでしょうに何故それらが形成されなかったのか、
そこが分からないのよね。 まさかグレイ6を見落としていた、なんてお粗末は考えにくいし・・・。」
「いいや、見落としていたんだろうさ。
誰もグレイ物質がどの様な効果をもたらしているのかについては、未研究だったろうから、思考情報も
意思情報すら発想になかったんじゃないかな?」
「・・・・・・フゥ、 ・・・・・・ま・良いわ・・・。
で、この現象の仮説について、私の見解だったわね?
確かに仮説としては面白そうだけれど、余りにも出鱈目すぎないかしら?
プロトコルとかそう言う定義すら無茶苦茶なのよ? 仮説としてはぶっ飛びすぎていないかしら?」
「まぁ、その点についてはそうかもしれないが、俺から言わせると『因果律量子理論』もぶっ飛んでいる
説だと思うけどなぁ・・・・・・。」
「でも、私はその理論で論じることが出来るわよ。
言うに事欠いて私に喧嘩売るなんて、良い度胸しているんじゃないの、ピアース?」
「・・・分かりました。 そこまで言うのなら、実際に実験で証明するしか手がないって事だな。
軍曹の方のテストが終わったら、その状態で軍曹に特定空間に意思情報を表示してもらい、
撃震モドキで使用しているエンジン・コアから何かのエネルギーを放出して、特異な空間を形勢
してもらおう。 そう言う空間を形成できれば、俺の仮説が実証される事になる。
それでどうかな?」
「ふーーん。 まぁ、出来るというのならお手並み拝見。
・・・・・・確かに、現象が現れれば、私も文句は言えないものね・・・。」
そんな遣り取りが一段落した後、神宮司軍曹が下着(アンダーウェア)を着てコックピット・ブロックから
ひょっこり出てきた。
いつも衛士強化装備を着こなしているはずなのだが、何故か若干恥ずかしそうにしてこちらに来た。
「あ・あの、着てみました・・・・・・けど、何か変じゃないですか?
何か落ち着かないというか、変な感じがするんですが・・・・・・。」
「ああ、ご苦労様。 いや? 見た感じ的に特に変とかは無いが、軍曹は着ていて着心地が悪いとか
あるのかな? ちょっと、あちこちチェックするから、暫くそのままで、立っていてくれるか?」
畑のカカシ宜しく、両足を肩幅に広げ、両手を広げて突っ立つ軍曹の周りを着心地などを確かめて、
特に異常のないことを確認できた俺は、ノーマルスーツ・モドキを手渡し、宇宙服を着るように進めた。
感じとしては、作業用つなぎ服を着こむ感じとなる。
宇宙服(ユニバ)よりは軽量化されているが、それでもヘルメットを含めた総重量軽く10kgになるので、
ゆっくりとした動作で、最初はブーツを履く所から始まる。
「アンダーウェアでもそうでしたが、最初は足先からなんですね?」
「ああ。 ブーツ部分を後から履く様にする方式も考えたんだが、アジャストさせる手順が厄介でね。
中々本当のブーツを履く様な手軽さが実現できなかったから、最初からつなげておくことにしたんだ。
アンダーウェアの方は、ハイソックスを履くような感じがしたと思うけど、女性の方が衣類の種類が
多いから違和感無いと思うよ。 反対に俺みたいな男性は余りその方面での耐性がないだろうから
違和感が多いと思う。」
「(クスッ)ええ、そうでしょうね。 ・・・アンダーウェアでは『靴下(ハイ・ソックス)』感覚でしたが、
ノーマルスーツの方はブーツなんですね?
衛士強化装備の様に、ヒールが高くないので、履き易いですが・・・・・・。」
「ああ。 それは、第五世代機以降は89式機械化歩兵装甲の様な追加装備は付けないからな。
単純に”操縦者”を意識しているから、ハイヒールとか必要ないだろ? しかもハイヒールは女性のみ
の標準装備で男性はヒール無いからな。
・・・・・・で、足回りどうかな? 突っかかるとか、靴のサイズが合わないで、足の付け心地が悪いとか
無いか? 無ければそのまま引き上げて、膝のアジャストを合わせてくれるか?」
「・・・はい、特に窮屈とか、靴サイズ合わないとか無いです。
続いて膝のアジャスト合わせます。 ・・・こうかな? そのまま一気に着込んでも良いですか?
んしょっと・・・・・・。」
「あっ、軍曹、袖を通したらハンドグローブもしてくれ。 それやってから、ノーマルスーツ用の腕アタッチ
メントをして・・・、そうそう。 両方嵌めたか? 両方のアジャストもOKだな?
では、前ファスナーを閉じて首元も閉じるっと。
でここで、左腕の操作パネルで機密チェックを掛けるんだ。 ここでのチェックで閉まっていない部分を
知らせるから、再度チェックをして、装備確認する。
よしっ、特に問題無さそうだな。 で、ヘルメットをするんだが、髪を後ろでまとめておいてくれ。
それができたら、メットに頭を突っ込んで、自分の額をメットの額当てに当てる感じで。
・・・・・・そうそう。 そんな感じで、大体入ったな? では、首部分のアジャストをはめる前に、
後頭部のアジャストを押し込んで、首部分の接続部分を接続位置に持ってきて、そこから首部分の
アジャストを嵌めてくれ・・・・・・。」
「・・・えっと、髪の毛のヴォリュームが・・・・・・(汗)。 んっと、何とか入りましたかね?
それで、後頭部の・・・・・・あ? これかな? ・・・を押しこむっと、・・・・・・あっ、首部分のアジャスト
が合った感じになりました。 で、これを、こうやって本体とつなぐ・・・・・・、 んっと、で・できました。」
まぁ何とかノーマルスーツ・モドキを着込む事ができたので、その状態で着心地を確認したが、問題は
なさそうだった。 ノーマルスーツの着心地を確かめるため、いろいろな準備体操を簡単に行っても
問題がなかったのだから、大丈夫であることを確認できた。
外見だけで言うならば、Zガンダム(全体的なフォルム&腕パーツ)とレコンギスタガンダム(ノーマル
スーツと下着(アンダーウェア))とガンダムシード(ヘルメットフォルム)を掛けた様な宇宙服だった。
では昨日のテストの引き続きで、撃震モドキに搭乗して、メンテナンスモードからの機体状況の情報確認
と、できれば部分稼働が出来るかのテストを実施した。
結果を述べると、何の問題もなく成功した。 軍曹自身、動かそうと思った通りに動くことができたり、
寧ろその動作に違和感を覚えなかった、との事だった。
此等の遣り取りについて、博士から正しく情報の受け渡しが行えているか、博士と霞とで検証するとの
事だったので、俺は博士に一任することにした。
基本となる戦術機の稼働テストが終わったので、俺は軍曹との打ち合わせを行った。
一応ノーマルスーツ・モドキを着たままだったが、ヘルメットのみ外して、軍曹はノーマルスーツの
ファスナーを半分ほど開け、ラフな感じに着崩している。
また、これ以降は軍曹ではなく少佐としての話となる事を断ってから行った。
神宮司少佐にはそのつもりを心得た上で説明を行った。
この思考情報処理による戦術機操作が、第五世代以降の操縦方法として確立させる必要がある為、
その教導に神宮司少佐率いる横浜基地司令部付き特務教導101中隊、通称『BETA駆除犬・
Vermin Extermination Dogs(V.E.D)』の行うべき任務について、その内容の詳細を詰める事を
行った。
因みにエンブレムは、某宮藤軍曹のトレードマークのような子犬が誇らしげにお座りしている。
また、その首には蝶々結びのリボンがあり、正面右側に星が1から3並ぶ構図となる。
(星1は教導部隊員、星2は教導部隊副長、星3は教導部隊長を示す。星無しは教導部隊見習い)
当初の神宮司少佐の思惑としては、少佐の古巣である帝国軍・富士教導隊と同じスタンスを取るつもり
だったようだが、第五世代と言う最新技術が絡む為、通常の教導とは異なる部分を今回のテストを
通じて感じ取ってもらえた。
その部分を強化して教導任務とする旨を伝え、基礎となる教導員としての部分を、現状の伊隅大尉から
スケジュール調整表と合わせて修正する必要を説明した。
あと、ついでに午前中に伊隅大尉に説明した教導員心得についても合わせて説明したので、近日中に
それらの事で相談が入る旨を伝えた。
「・・・・・・お話は、大体理解出来ました。
確かに、私が思っていた以上に厄介な問題が山積みですね。 最新技術・新旧教導方式の差分など、
これらを教え込むのはそうそう簡単に行えるものではないでしょう。
中佐のスケジュールとしては、どのくらいのスパンをお考えですか?」
「・・・うん。 少佐の言い分はよく分かる。
第五世代戦術機の試作品として、撃震モドキがある状態だし、簡易式や正規の機体は、まだ製造に
すら上がっていない。 これらを急ピッチで行うとしても、年内に一定数をロールアウトするのは
至難の極みだろう。
・・・・・・これは少佐だから言うのだが、他言無用にしてもらいたい。
実は、俺達は今年度中に大きな作戦を一つ予定している。
コイツには第九世代機を当てるつもりだが、何とかこれの準備が間に合うかどうかの瀬戸際なんだ。
一応、ロールアウトは来月中に行う予定だ。 それが終わってから、第五世代機の準備となるので、
そちらの教導に使ってもらえるのは、来年以降となるだろう。」
「えっ?! ちゅ・中佐っ!! ほ・本気ですか?!
今年中に一つの大規模作戦って、間に合うんですか?
それと、第九世代機なんて、今ですらやっと第五世代機の構想に入ったのに、どうやって5つも世代が
飛ぶんです?」
「ぅんーー・・・・・・、まぁ、良いか・・・・・・。 ある意味少佐は俺達の身内同然だから、話しておこう。
少佐の言う通り、5つも世代が飛ぶのは、第五と第七世代機は主に地上戦に使う戦術機だ。
それで、第六と第八世代機は空間機動戦・つまり宇宙戦闘向けと言う事さ。
勿論、第五世代機以降は思考情報処理技術を導入している括りだ。 ここまでは良いか?」
静かに頷く神宮司少佐を見て、俺は説明を続けた。
「それで、第五と第七の決定的に異なる点は、第五はグレイ6のみ使っている技術に対して、第七はグレイ
6と9の両方を使っているという点だ。 ハッキリ言ってエンジン・コアと電磁伸縮炭素帯にグレイ9を
流用することで、保有する電気量が跳ね上げているんだ。
第五世代機を一般兵向けとしたら、第七世代機は指し詰め隊長機とか移動拠点扱いと言う事だろう。
第七世代機がいれば、そこから第五世代機に電気的エネルギー供給が行えるので、長時間軍事行動
が可能となる。 ま、大風呂敷を広げたが、今はまだ構想途中だから、仕様の変更はこの後起こるだろう
がね。
で、だ。 肝心の第九世代機についてで言うと、グレイ6と9と11の3つを同時に使用しているという点が
異なる部分だ。」
「・・・ま・まさか・・・第九世代機のエンジン・コアって・・・・・・。」
「・・・ああ。 察しの通り第九世代機のエンジン・コアにはグレイ11が使用されている。
辛うじて現状では電気の供給にしか使われていないが、本気で調整すれば、あらゆる事象に対して
様々な使い方が出来るだろう。 だが残念なことに、今はその時間がないと言う事と、暴走したら
G弾と同等かそれ以上の被害が出るのが予想される。
安全に止めると言う手もあるのだろうが、どのようにして稼働できたのかすら分かっていない部分が
ある。 折角動いているので、今の所様々なデータ収集にあてているが、これをそのままで使わない
手はないと考えている。
作戦に必要とされるのは耐宇宙戦闘に向けての機構を取り入れれば準備が整うので、来月中には
準備が出来ると踏んでいるんだ。」
「で・ですが、中佐! 余りにも危険です!!
ここは第九世代機は温存しておいて、研究に費やすほうが宜しいのでは?」
「・・・まぁ、少佐ならそう言うと思っていたよ。 俺だって、本当はそうしたいんだが、前に言ったように
俺達の第四計画は来月1日に”店じまい”する。 この後の第五計画とかに吸収されたら、それこそ
業腹なのさ。 だから、無理を通して使いきるのさ。」
俺が何を言っても聞き入れないと悟った神宮司少佐は、憔悴しきった風な表情をした。
その表情から、彼女がとても残念がっているのを感じ取れた俺は、静かに彼女の肩を叩いて、それを
慰めた。
「・・・まぁ、そんなに気に病まないでくれ。 例によって、その作戦に参加するのは俺一人だけだ。
他には誰も消耗させないから、最悪俺だけの被害で済む。
現状の使い方以外にもやり様は色々あるから、急にエンジン・コアが暴走とかはしないから、心配するな。」
と言っても、少佐の表情は暗い。両目には若干涙を溜めていたので、そっと優しく引き寄せてハグして
慰めたら、俺の胸の中で静かに泣いていたので、気が落ちつくまでそのままにしていた。
その様をちょっと離れた所から見ていた香月博士からの視線を感じて、そちらを見ると博士が悪顔で
笑っていた。 ヤレヤレ、後で何か言われるな、こりゃ・・・。
暫くして、少佐の気分が落ち着いたのを見計らって、俺は言葉を掛けることにした。
「・・・少佐も気分が落ち着いた所で、少佐が今着ているノーマルスーツについての感想と手順書考案
改善レポートを近日中に提出してほしい。 恐らくその仕様でノーマルスーツを作成することになるし、
装着の手順書の雛形になるだろうから、詳細情報も添付しておいてくれ。
特に女性向けの考案改善策として、髪の毛の長い衛士には、ヘルメット装着が一悶着あるだろうから、
その点は重点的にレポートを頼む。 必要なら、ヘルメットの仕様を変更するから。
頼まれてくれるか、神宮司少佐?」
「・・・・・・了解しました。 微力を尽くします。」
「ああ。 ありがとう、神宮司少佐。」
最後に少佐が敬礼をして来たので、それを答礼で返した俺は、彼女と別れ博士の所に向かった。
神宮司少佐がノーマルスーツを脱ぐためにコックピット・ブロック内で着替えている間に香月博士と霞の
所に合流した俺は、早速博士から冷やかしを受けた。
「・・・あらあら、こんな所でまりもを口説くなんて、アンタって節操と言う言葉を知らないのかしらね?
流石、アメリカ産のタネ犬ね?」
「・・・何だその”タネ犬”って? ”種馬”をいじっているらしいが、全く合っていないと思うぞ。
それと、節操と言う言葉は知っているし、やましい事はしていないから、全くの言いがかりだと言って
おく。」
「よくもまぁ、抜け抜けと・・・・・・。
言っておくけれど、くっついた後にまりもを”泣かす”ような事をしたら、アンタでも私は許さないからね。」
「あのなぁ・・・。 貴女は軍曹の母親か姉か?
まぁ、どちらにせよ、貴女と軍曹の2人が欲しいのであって、どちらか一人のみを娶るつもりは無いから、
今の段階では貴女達を泣かせる事はないと言い切れるだろう。
故に、その様な心配はしなくても良いぞ。」
「何でそこで私も員数に入っているのよ? ひょっとして、それを言い訳にしているつもりなの?
私は誰ともくっつくつもりはないし、そう言う男女の関係は考えられないわ。」
「ふーーん、いや、それは全くどうでも良いけどな。
でも確か、貴女の恋愛対象は年下はNGだったと聞いたが、それ以外にも条件があったんだな?
それは初耳だ。
ま、それは置いておくとして、博士に頼みたい仕事として、先ほどの思考情報処理形式の論文化を
頼みたい。
凡そのイメージは軍曹がノーマルスーツを着込んで操作したのを見て理解してもらえたと思うから、
戦術機の開発と合わせてグレイ物質を使った研究開発向け論文の初段階の雛形・レポートだけでも
良いので、それの作成を頼む。
俺の方の作業として、思考情報処理に則ったCAD技術導入と第五世代戦術機用の設計図を残す。
それと、来月1日の国連総会向け資料の作成も合わせて手配を行う予定だ。」
「・・・論文の話は分かったわ。 最低でも雛形となるレポートを幾つか用意しましょう。
戦術機関連のデータ、特にCADを使っての詳細設計図の作成はアンタの方でお願い、としか
私からは言えないわ。
それと、国連総会用のデータって、何?」
「ああ。 例の”諸刃の刃”だよ。 月と火星とハーバード星系の例の星の電波望遠鏡を用いたデータ
解析して、BETAの勢力範囲にあるかどうかの資料を手元に持っておかないと、第五計画の阻止に
使えるかも知れないと言う、アレの事さ。」
「ああ、アレね。 本気だったのね? まぁ、そちらもお任せするわ。
じゃぁ、当面私は執務室で論文の準備を行うから、ここでの作業は今日でおしまいで構わない?」
「ぅんーー・・・、良いとは思うが、この後思考情報処理室みたいなものを作ろうかと考えているが、
それはできてからでも良いか?」
「・・・? 何、その情報処理室って?」
「・・・要するに、軍曹が行ったように、思考情報のみで計算とかさせるための作業室を作ろうかと
思っているんだよ。 戦術機の制御を行う部分・デーモンプログラムを情報処理に専念させて
思っている思考を情報として残し、そこから派生した事柄をグレイ物質を使って具現化させたりする
実験・作業室を併設させれば、記録と作成が同時に行えるので、”なんちゃって”で作ったものでも、
一から再検討しなくても済むから、便利ではないかと。
ついでに外部からの”覗き見干渉”を阻害する措置も組み込むつもりだから、甲22号ハイヴ・コアに
情報が漏洩する恐れもないから、作業効率が高くなるかなと思っている。
まぁ、名付けて『Large Kettle of Witch(魔女の大釜)』ってヤツさ。」
「・・・・・・あのねぇ・・・。 ”撃震モドキ”でも大概”なんちゃって”で辟易しているのに、それ以上の
何かを作るって、アンタって懲りていないわねぇ。
アンタって、反省とかの意味分かってないでしょ?」
「失礼な。 反省とかの意味くらい知っているぞ!
だが、敢えてそれはしないのさ。 何故ならば、それが俺の持ち味だからさ。
まぁ簡単にだが、今思っている仕様はこうさ。」
俺は手元に合ったノートを手にとって、撃震モドキのコックピットの様な材質を用いて、ちょっと大きめの
会議室のようなものと、それと同じか、ちょっと小さめの実験作業室のレイアウトを書いた。
会議室の方は全体的に六角形となっており、中央円を六方で取り囲むように座席を配置する。
座席のレイアウトは撃震モドキに設置してある物と類似しており、作業者は此処に座って作業を行う。
また、実験・作業室を作成し、その中で会議室で作成したプログラムに則ったグレイ物質を使った実験を
行うことで、”なんちゃって”ネタを実用に向けて工作を行うようにする構図を書いて見せた。
「・・・・・・とまぁ、こんな所の物になるかな?
こうすれば、処理形式も進むと思うのだが、出来るとは思わないか?」
「・・・此処で私が無理と言った所で、アンタ作る気満々じゃない。
はぁ、ホント”なんちゃって”仕様は勘弁してよね、全くもうっ!!」
「ま、今のままならそうだけれど、会議室のフレームとかなら作れると思うぞ。
何より、戦術機のように機体動作は無くて、思考情報のみ収集できれば良いから、ノーマルスーツとか
装着しなくても扱えるだろうし、要はインターフェースがちょっと特殊なデッカイパソコンだと思えば・・・。」
「ハイハイ。 分かったわよ。
作れる所まで作りなさいよ。 それで、できたら呼んで頂戴。 それで良いでしょ?!」
そう言うと、香月博士は踵を返して回れ右、宜しく90番格納庫を後にする。
ちょうど撃震モドキ内で着替えを終えた神宮司軍曹が出てきたので、彼女と一緒に退散するらしい。
「・・・・・・霞はどうする?」
俺の傍らで残っていて、何もアクションを取っていない霞に聞いてみた。
「・・・・・・私は暫く残ろうと思います。
急ぎの用事もないですし、何より”お目付け役”として残った方が良さそうなので・・・。」
「・・・そっか。 じゃ、宜しく頼むよ、霞。」
通称『魔女の大釜』作成にあたっての指針を建てることにした。
所詮、いわゆる会議室や実験室を作るのだが、そのどちらにもグレイ6を使った環境となるため、
骨組みにはグレイ6を用いることが考えられる。
また、戦術機に組み込むわけではないので、強度的にはそれ程しっかりした物でなくても良いので、
既存の簡易プレハブ等の建材にグレイ6を組み込む形にしようと思っていた。
だがここで、霞から基本的な質問が飛んできた。
「・・・あの、グレイ6の流用については理解出来ましたが、その思考の方向性の様なものは、
どの様な基準で定めているんでしょうか?」
「・・・・・・あーー。 ・・・そう言われれば、それは何も考えていなかったな。
思考の方向性・・・か。 確かに、グレイ6の基準を定めないとフレームとかに組み込もうとしても
ダメだな。
撃震モドキについては、俺の能力、属性付加によって、その方向性を”なんちゃって”規格で勝手に
決めちゃったから、その検証は行っていなかったな・・・。」
その為、一旦撃震モドキのコックピット内に場所を移し、グレイ6を使った実験を行うことにした。
検証として、平面上の一定のフィールドを確保し、そのフィールド上にグレイ6の粉を散らして、
思考波を用いて任意の形を形成すると言う現象を引き起こし、イノベーター能力や解析眼を用いて、
状況を観察することにした。
すると、フィールド上のグレイ6の粉は、思惑通りに思考波に則って、一定の形、三角とか四角を形作り
平面フィールド上に図形を表した。
その様を解析眼で観察していると、面白いことに気がついた。
「・・・・・・なるほど。
グレイ6の展開場所については、領域などの直接の接触は無くても、飛び地の様に離れている所でも、
情報として思考波が届けば、その情報は伝達するみたいだな。
・・・と言う事は、段差のある所でも思考波の伝達があれば、情報は伝達できる、と言う事か・・・?
グレイ6が持つ通信範囲というものの距離はどのくらいが有効なのかな?」
俺は此処で、地下22階にある90番格納庫を中心として、半径100km以内のグレイ6反応の有無に
ついて認識範囲内の探査を行った。
地下33階リフレクタールームは、地上から約350〜60mにあり、それは同時に甲22号ハイヴ・コアと
言うことなのだが、そのコアの周りに若干が残っているらしく、それ以外はハイヴ壁材は綺麗に取り除かれ
ていた。それ以外のグレイ6の反応を調べると、かつて通路だったのか隠し通路なのか、東西南北に幾つ
かの手付かずの通路が幾らか点在していて、また、休眠中のBETAさんユニットも幾らか残っている事が
分かった。
俺は念の為、それらの隠し通路やBETAさんユニットの種類・数をノートに記録し、後で迎撃しようと思った。
「(どうするか。 BETAさんユニットの迎撃は兎も角、グレイ6の通信範囲を特定しておく必要が
あるな。 恐らく中心である情報発信地点から遠くなるほどその信号は弱くなるだろう。問題は直通
回線での信号の弱さや、飛び地をリレーでつないでの信号の強弱を調べる事も必要だろう。)」
最初に、グレイ物質の情報伝達の性質を確かめるために、段差による情報の伝達を調べた。
絶えず三角や星形といったような特定の形を思考波として飛ばし、それを受信出来るかを調査したところ、
その信号の届く範囲として半径10mであり、床に置いた物と段差としての高さを比べると、中心とした
原点から約30度の仰角がある事が分かった。
ついでに、形作る図形として、立方体をイメージしたが平面上では立方体は形成されなかった。
「・・・立方体は形成されない・・・か。 では、映像にあったような特定領域の指定はどの様に・・・??」
思考波による特定領域の指定には、もう少し検証が必要らしい。
兎に角、仰角30度と言う範囲が分かっただけでも、かなり前進したと言って良い。
原点から見て平面上の120度角の範囲が有効範囲らしいので、この範囲を囲むようにフレームを
配置すればよいだろう。
「・・・・・・フム。 大体こんな所か?
では次に、肝心のグレイ6を使った思考波を伝達するための部品の作成に取り掛かろう・・・。」
前回の撃震モドキのコックピット周りには、既存の撃震のコックピットに使用されている鋼材を使い、
それを球形に形成し直して、そのフレームの内側にグレイ6の塗料みたいな液体と属性付加とで仕上げ
それを以って思考情報での処理に使っていた。
だがそれだと如何にも”なんちゃって”なので、今回はそれはしない方向で、グレイ6自体を別の方向で
加工する様に思案した。 一番良いのはハイヴ・コアの様にグレイ9の結晶化を作成し、それを埋め込む
事になるのだが、功績などの物質を結晶化する技術については不明部分が多い。
何より不純物との分離等の加工技術については全く経験がないので、その点を最初に考慮する必要が
ある。
最悪の場合、グレイ6を液状にして仕上げ材として吹き付けるようにすることも考えれるが、もっと確実な
方法を構築したほうが良い気がしている。
「・・・なぁ、霞。
核燃料棒等に使われているウランとかプルトニウムとかの核物質って、燃料棒に入れる時に
どの様な加工をされているものなのかな?」
「・・・・・・そうですね。 核燃料棒の加工では、一般的には『ペレット』と呼ばれるセラミック材に放射性
物質の数%を含ませて、セラミック加工、つまり瀬戸物と同じく焼き固めてあるみたいですね。」
「なるほど。 と言う事は、ひょっとするとグレイ6も、似たような感じでペレット化するのが良いのかな?」
「それは何とも言えないと思います。
核燃料棒の様に、核物質を分裂させるために加工されているものとは、利用されるプロセスが異なる
ので、一般的にペレットで良いとも言えないと思います。
それと、撃震モドキのフレームに吹きつけられているグレイ6の様に、吹き付けるほうが安定している
のであれば、それが奇しくも正解だったのではないでしょうか?
本物のハイヴ壁材として使用されている場合の利用方法についての情報を選査しなければ、
どの様に使うのが正解とは言えないと思います。」
「・・・ふむ、なるほど。 ありがとう、霞。 とても参考になったよ。
とは言え、そう簡単にハイヴの壁材なんて入手できないしなぁ・・・。 何処かに落ちているとか、
隠し通路跡とかから持ってこないといけないか・・・な。」
そうなってくると、先ほど検出した隠し通路に待機しているBETAさんユニットで、近場のやつを1つか
2つほど、血祭りにあげて壁材を回収してこよう。
・・・・・・そうだ、ついでにBETAさん達ユニットの方も、ちょっと調べてみるか。
ユニット達のグレイ物質の含有量って、どのくらいだろう?
ひょっとすると、ハイヴ内部の”貯蔵庫”にある物質だと思われているが、ユニット自体にもグレイ物質が
含まれているとしたら、やっつけた残骸もひょっとすると貴重な”資源”と成りうる可能性があるな。
・・・・・・確か横浜基地が作られる前に、BETAさん達ユニットの残骸置き場があった気がする・・・。
生きているBETAさんユニットもいるかもだが、一応全部調べてみよう。
そこからグレイ物質が回収されたら、貴重な資源回収だからな。
「・・・と言う事で、色々と準備が必要なのと、腹が減ったので夕飯にでも行くか・・・。
霞もどうだ? 一緒に、夕飯。」
「・・・えっ?! 今から晩御飯ですか? まだ16時回ったところですよ?
少し早くないですか?」
「ふーーん。 そうか、まだそんな時間か。 地下に居るから時間の感覚が良く分からないんだよな。
じゃ、今日の後片付けとか明日の準備とか、お風呂とかしていたら18時くらいにはなるだろう。
夕飯、18時だと頃合いだよな?」
「・・・まぁ、そうですね。 でも、夜早くに眠りますよ? 9時とか10時に寝ると、翌日は5時6時起きに
なります。 そんなに寝ていて良いんでしょうか?」
「まぁ、今の時期、予定が空いているならそれでも構わないんじゃないかな?
と言うよりも、何時も霞は何時に就寝しているんだ?」
「えっと・・・、 その時々です。
作業のすすみ具合にもよりますし、何より香月博士の作業に左右される時も有りますので・・・・・・。」
「うーーん、それは問題発言だなぁ・・・。
被保護者扱いなのだから、霞の場合は22時就寝でも遅いんじゃないのかな?
よしっ! 今日は早寝しよう。 たまには良いだろう。 それで、しっかり食べてしっかり休んで、
明日も元気に過ごそう。 うんっ、決定っ!!」
そう言いつつ、俺と霞は撃震モドキの実験の片付けに入った。
それから90番格納庫を後にし、地下19階の博士の執務室に戻って、作業記録などを整理した後、
俺達は早めに夕食を取って、シャワーなどを浴びてゆっくりとし、21時半には霞は就寝した。
俺? 俺は明日の準備のために、ノーマルスーツモドキの自分用を開発したぞ。
男性用下着(アンダーウェア)と自分サイズのノーマルスーツを用意し、着心地を確かめた所、
特に問題となる部分もなかったので、そのまま明日に備えることにした。
明日は、隠し通路にいるBETAさんユニットのお掃除だ。
それでもって、ユニットの解体とグレイ物質の含有量の確認。6と9の回収。
隠し通路のグレイ6の使われ方の研究と、『魔女の大釜』作成に向けての、フレーム作成・・・。
なんだ、やる事一杯だな。作業メモを作って、計画通りに進むように頑張ろう。
暇があったら、BETAユニットの解体に白銀君達を呼んで来て、生BETAを見せて馴れさせる必要も
あるかもだな。 特に白銀君は、生BETAでトラウマがあるかもだから、ヘタするとPTSDが出てくるかも
知れないし、そうなったら早めの措置が必要となるから、今から備えておこう。
じゃ、そう言う事で、お休みなさーーい。
リザルト報告:
繰越経験値ポイント & SPポイント
経験値ポイント : 0ポイント(繰越分無し)
SPポイント : 2,615,350SP
経験値取得
内訳
開発中
第9世代戦術機(プロトタイプ・『撃震モドキ(仮)』→『心神(仮)』)
仮組立中 達成率50%前後
OS部分達成率50%
(アウター5導入済み+空間戦闘機動用モジュール未開発)
戦術機本体部分達成率30%
(側だけ開発済。本体駆動部など未開発部分多数)
思考情報処理システム付き実験室(通称「魔女の大釜」)
仮組立中 達成率10%未満
フレーム開発 グレイ6の組み込み前
全体的なフォルムは釜の部分と大鍋の部分とに別れるが、大鍋の完成が
成らないと釜が作成できない。
総合計 2,615,350SP
最近ですね、YouTube で「こんごうぱーく」なるモノを視聴したんですが、アレ楽しいですね(笑)。15分バージョンはエンドレス。終始ニヤニヤが止まりません。
「Fire!」「Fire!」「Fire!」「Fire!」「Fire!」って5回繰り返す所が可愛くて、可笑しくて。
ついつい指が妄想方向に流れる流れる。18禁パターンに行ったり戻したり、削ったり足したりの修正が酷かった。 恐るべし、金剛型一番艦!! 帰国子女はダテじゃ無かった。
お陰で、本筋から流れて、『大釜』作る羽目になってしまったり、余計な部分と言うか、足りない補足が出てくる出てくる状態で、収集が増えとるとですよ。
ええ、もうホントに大変です。プロット修正でも追いつかねぇ。どうなってやがりますか。
なので、次のお話もプロット修正しつつ進めます。12月1日の国連総会が遠いこと。
早い段階で仕切りなおしが必要だな。
それと最近一話あたりの尺の長さの調整も行う予定です。今回も1000行でリリースしていますが、徐々にこれを800行位にして、投稿更新を早めたいと思います。
次も恐らくドン亀更新になると思いますが、宜しくお願いします。
それではこの辺で。
では。