What happened in the story ?   作:斬【Zan】

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はい、皆さん、おはこんばんにちは〜。 Zan【斬】です。

いやー、自分で言っておいてなんですが、本当に今夏は地方出張するはめに成るとは・・・。
しかも7月は、まるまる投稿できない事態になってしまい、大変申し訳ありませんでした。

ネタがない&夏バテ、と言う2重苦。ホントエタりそうに成りましたが、何とか復帰できました。
でも、更新スピードが月2回から確実に減りそうで、この先も不定期に成ってしまいます。
本当に申し訳ありませんです。

では、そんなこんなで書き上げた15話です。今回は構成上2話構成です。
うーーん、後話の方なんですが、ぶっ飛んだ内容となりそうで、今から怖い・・・。
それでは、どうぞ〜〜。



Muv-Luv 編 第15話・前編

 

 

 

 

 

2001年12月1日 土曜日 18時44分

アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク市マンハッタン区 国際連合本部ビル

国際連合安全保障理事会 軍事参謀委員会 オルタネイティブ計画本部 緊急対策会議会議場

 

 

 

日本帝国内閣府内務省 国家安全公安部 第九課 部長 荒巻 大輔

(元日本帝国 国防省陸軍情報部 統帥作戦本部副部長 予備役中佐)

 

 

 

 当初予想していた内容から”弾け飛んだ”内容の濃い会議が、先程終わった。

・・・そう言い切って良いのは、未だ中央主要席にて敬礼を行って”最後の申し合わせ”宜しく、死地に

赴く人間を送り出しているからに他ならない。

 我々の”姫将軍”である煌武院 悠陽殿下とて、敬礼して件の中佐を見届ける為に敬礼を行っており、

それ以外誰も言葉にできないでいるからだ。

 

 だが、そうしている人々もそのままで居ることはできない。

ワシが察するに、もう少しでこの会議についての終了宣言が発せられるのは間違いのないことだろう。

だが、そうする義務も義理もある人間にとっては当然の仕草であっても、当事者でないワシを含む

周りの人間は、他所事に思いを馳せたとしても、それは詮無いことだと思う。

 

 

 ・・・振り返ってみれば、時間にして途中で休憩を挟んだものの、総時間は5時間に渡る標準的な

会議だったと言える。 だが、この会議にて齎された内容は、当初の目論見を大きく外れ、ある意味

『意外な』結末を迎える事となった。

 

 ・・・事の善悪は横に置くとして、停滞気味であった状況に変化が訪れることに成ることは確定された

様なものなのだから、一応”歓迎すべき”と評することはできるだろう。

 

 だが、ワシをはじめ、どちらかと言うと大凡オルタネイティブ第四計画を支持する人間にとっては

”歓迎”すべき事だとしても、この会議場にいる大半の人間は反対の第五計画を支持する人間に

とっては、必ずしもそうであるとは言い切れないのは、仕方の無い事かもしれない。

 

 そう思いつつ、私はオブザーバー席から私の周りにいる幾人がつぶやいている言葉や内容に対して、

『読み取る』事を試みた。

この様に騒然とした会議場で形成された適当な勢力を把握し、使役しようとする大国の思惑を

推し量ると言う事を試みているのだ。

 

 ・とあるカン民族を除く、”支那”の海に近い大東亜諸国の政治家と軍人達は・・・

 

 この展開は予想していなかったが、日本帝国の煌武院殿下が、この会議の中央委員に立候補した

事で、今まで帝国に袖にされていた件についても、もっと入り込みやすくなった。

 

 これを機に軍事連携についても、経済援助についても結びつきを深めて、各自自国の立て直しに

助力を仰ぐ事にしたいものだ。

 

「(・・・なるほど。

 確かに、現状の帝国の対外態勢は、国内にBETAハイヴがある性で安定していないので、対外的に

 大きく援助は行えない、と断ってきた。

 

 だが、佐渡ヶ島ハイヴは排除され、今後は国内事情も安定するとなると、東アジアに位置する国家郡は

 我々日本帝国に正面切って援助を申し込んでくるだろう。

 

 まぁ、煌武院殿下であれば、急に対外姿勢を変えると言う事はなさらないだろうが、裏方を担当する

 ワシらとしては、何か対応策として用意する方が良いのだろうか・・・?)」

 

 

 ・カナダはじめ英国や西欧東欧各諸国の政治家と軍人達(ソビエト連邦&中央アジアを除く)・・・

 

 今まではアメリカ中心の作戦、言ってしまえば第五計画派が幅を効かせて来たのだが、

今回の会議で多少はその思惑を外れたことは、その後を追随させられて来た私達にとっては、

心情的に歓迎したい気持ちだ。

 

 だが、常に切羽詰まった状況に於かれている我等最前線国家について、その希望と成る内容を

確認しにきたのに、具体的な内容を決めることができない結果に終わって、ある意味カスの様な

会議だったと評するしか無いのは、大変残念だ。

 

 もっと将来性のある建設的な内容を議決し、その勢いに乗りたいと思うのは人情的には仕方の

ないことだろう。 その意味に於いて、英国の提督であるマクラーレン提督を旗主として、

何よりその発展系として、欧州方面の対BETA戦術計画を最初から計画し直さないといけないだろう。

 

「(東西独国と英国による欧州最前線の侵攻対策や、此処以外にもトルコやインドを中心とした

 中央アジア方面、カンボジアやベトナム等の東支那方面、そして何より、中国・ソビエト連邦などの

 軍力が青息吐息で残っている東ユーラシア方面等、ワシ等を取り巻くBETA大戦は本当に他ごとに

 現(うつつ)を抜かすことができないのは、今も昔も変わらない。

 

 だから、彼等が話している内容は当然の内容であり、予断を許さない状況であるので、焦る気持ち

 からマクラーレン提督を使ってでも何らかの手立てを構築したいと思うのは、当然の流れだろう。

 

 だが、此処でワシが気にしないといけないのは、間違った情報の提供が行えないのは第一定義として、

 第二定義として変に機密情報を入手したいがために、間違った攻略を受けることが無い様に配慮を

 行うべきだろう。

 

 現に、英国のマクラーレン提督の名前がうわさ話として上がっている事を鑑みても、英国を経由して

 帝国に類が及ばないように手立てか防衛線を貼っておく事が必要となるだろう。

 

 流しても良い情報を早急に用意し、早めに情報提供しても良いストックを手配しておこう・・・。

)」

 

 

 ・とあるカン民族を含む、大陸に基盤を置いていたのに、今は海を挟んで”島”に逃げ込んで、

やっとひとつの「中国」に成れた政治家と軍人達・・・

 

 先の会議で出てきた最新技術、【新戦術機構想】と【思考情報処理技術】について、早急に情報を

収集し、何とかアメリカ合衆国よりも習得する必要が出てきた。

 

 先の大戦に於いてはナントカ”戦勝国”扱いとなって、一時アジア圏内の中央にありつこうとしたが、

何時も我々は始動時期が5歩も10歩も遅れてしまう。

 

 甲1号ハイヴについてもそうだ。 あのハイヴが我が共産国圏内に出来たことで、世界中の眼が

我が国に集めることができた。 その時に対異星接触の主導権を握ろうとして奴らを殲滅を図ろうとして、

しかし、反撃に合い今日に至っている。 いつも我々が感じている”我が世の春”は短い。

 

 だが、今回は違う。 今度こそ、主導権を日本帝国からぶん取り、我が共産的国家や道教的国家が

主導権を握るのだっ!!

 

 先の大戦による補償もロクに日本帝国から貰っていない。

日本の領土を分割さしてでも、具体的な形として交渉を行う必要がある。

我々が直接動かずとも、日本国内に避難している韓民族や漢民族の同志に先導させ、先ずは対馬と

長崎辺りの人工島などを租界地として接収する様に指令を出そう・・・。

 

「(・・・何を寝ぼけた事を言っているのだ、このアホどもは?

 

 前半の新技術云々については、その通りだろう。 入手できるのであれば勝手にすれば良い。

 だが、我等の国土や領空・領海に手を出すのであれば、それ相応の報いを受けると思い知る事に

 なるだろう。

 

 そして、中盤から終盤にかけては道理や話しの筋も全くの見当違いであり、お門違いも甚だしいっ!!

 

 大体1951年9月8日のサンフランシスコ講和条約に於いて、我が日本帝国の戦後処理は完全に終決

 したことを棚上げにはさせて成るものかっ!!

 我等日本帝国軍として、全身全霊を掛けてアノ無謀な戦に挑み、その上で敗戦した我等にとって、

 あの条約は辛酸を舐めるよりも屈辱的な内容だったのだっ!

 

 だが、皇帝陛下のご裁可により、独国に投下された核兵器等を我が帝国内に落とされる訳には行かず、

 已む無く講和条項を受け入れたという事情を、良い加減理解しろっ!!

 

 そこを棚上げにしておきながら、自分たちは何も表にも出ないで、グチグチと裏で勝手に条件を付けて、

 それが通って当然、我が帝国と汝等は対等であると言わんばかりの自惚れ様(うぬぼれよう)っ!!

 妄言を吐くのなら自分の殻の中でしろっ!!

 

 ・・・だがしかしっ! ワシが此処で激高していても始まらぬ。 それよりも考えねばならない事の方を

 考慮すべきだな。

 兎に角、コヤツ等、無知蒙昧なる輩を殿下のお側に近寄らせるわけには決していかぬっ!!

 

 ならばどうする?!

 

 ・・・・・・そうだ。 古典的な手だが、小物が近寄れないように、大物を配することで牽制させれば良い。

 だが、その大物も一癖も二癖もあるものばかりだ。

 ワシが考えたようなお人好し的な人材は、そうそう居らぬ・・・。

 

 では、それに対抗できる”壁役”を、もう一枚用意すれば良い・・・、と言うことだな・・・。

 

 ・・・だが、その様に都合の良い人材には、果たして誰を推すべきか・・・?

 )」

 

 その時偶々、ワシの視線の先には、怪しさ満載の今会議の主役らしき、敬礼をしている中佐に視点が

あってしまった。

 

 その時ワシは、誰にするともなく、一人笑みを浮かべていたに違いない。

ワシの横に控えていた少佐は、少し不思議そうな表情をして、懐疑的な視線を寄越してきた。

 

 ・・・さて、方針が決まれば、仕込みと人員の確保に動くべきだ。

 

 ワシは早速、少佐を呼び寄せ、とある提案を合衆国上院議員にコンタクトを取るように指示を出した。

その狙いは、”大物の壁役”である合衆国大統領を引っ張りだすためだ。

その隙にワシは、美味しそうな”油揚げ”がどこの誰かに盗られないように見張らなければ成らないだろう。

 

「(・・・やれやれ。

 老骨に鞭打つのだろうが、しっかりと見張っておかなくてはな。

 

 こうなったら、”トンビ”であろうが”キツネ”であろうが、何人足りとも近づけさせてなるものかっ!!)」

 

 昔取ったなんとやら・・・。

良い意味で静かに闘志を燃やすワシだった・・・。

 

 

 

: Out of Side 荒巻 大輔

 

 

 

2001年12月1日 土曜日 19時24分

アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク市マンハッタン区 マンハッタン・モール

TOYS“Я”US エイデン・ピアース&香月 夕呼

 

 

 

 国連安保理のオルタネイティブ計画本部の緊急総会は幕を下ろした。

 

 俺達は、当初の予定通りに第五計画にダメージを与える事に成功した。

だがそれでも完全に息の根を止めたとは言いがたい。

懸念として残っている事と言えば、G弾による決戦プランの再構築を行う可能性が残っているからだ。

 

 そうならない為にも、第五計画派を復活させないように、第四計画派が主導権を握る必要がある。

 

 それに対して、俺達第四計画は今年内中に”成功”と言う評価を受けて終えるには、それ相応の

成果が必要だろう。

 

 それは言わずもがなな事ながら、『神々の黄昏』作戦の第一段階を成功裏に収める必要が在る事を

意味している。

 

 つまり、作戦の第一段階において、主目標としてのハイヴ・コアを破壊できれば、拠点決戦兵器である

G弾を使った作戦は、余程のことがない限り使用される局面にはならない事が予想されるからだ。

 

 また、『神々の黄昏』作戦の第二段階は、残存するBETAさん達、ユニットのみが残っているので、

これの排除が目標と成るだろう。

 

 ・・・俺はこの第二段階の実施する頃には参加できないだろうがな・・・。

 

 

 今回の渡米に際して、第五計画に大ダメージを与えた事は大きい成果だと言えるだろう。

 

 我々的に言えば、第五計画からの邪魔が入らない事は、作業が予定通りに進めるのだから、

時間的余裕が確保された事を言い表している。

・・・そうは言っても、年内に第四計画も”店じまい”するから、もう横槍が入っても意味がないのだがな。

 

 しかし近い将来に於いて、L1(ラグランジュ1・地球と月の中間宙域)にて建造中の移民船団に

ストップが掛かかる事になる筈だが、これはひょっとしなくても、米国経済にも何からの悪影響が出てくる

かも知れない・・・。

 

 大国の経済が傾くと、世界中の経済にも悪影響が出るのは周知の事実だから、その意味に於いては

備えが必要なのかも知れない。

 

 ここで、この世界の経済事情を解説しておこう。

 

 世界の経済情勢を簡単に言えば、第二次世界大戦以降の東西冷戦構造は形成されたが、

人間同士の争いは続かず、代わりに対BETA大戦へ態勢がそのまま移行した。

 

 それはBETAさん達の侵攻が”凄まじい”の一言で言い表せるほど苛烈を極めたからだ。

そうなると、異星であり異形の怪物と、主義主張の違う人間同士の諍いとを比べれば、当然人間同士で

団結するのは自然な事だと言えた。

 

 甲1号目標が中華人民共和国の新疆ウイグル自治区・喀什に構築されてから、徐々に世界経済にも

陰りが見え始めた。

 オルタネイティブ計画が本格始動し始めて、第三計画が終了を迎えるまでの間にアメリカ合衆国は

密かにその経済力を蓄え、第五計画を提出する頃には、その勢力は世界一を名乗るほどだった。

 

 その理由として、まず第一に上げられることは、やはり実際にBETAによる国土侵略に晒されていない

事は、即ち自国の生産基盤が損なわれていない事と同義であった。

 

 続いて第二に上げられることとして、直接の軍事局面に晒されていない事も大きな要因だと言えるだろう。

最前線は海を超えた隣の大陸や半島や島々であり、南北のアメリカ大陸には研究用を除いたBETAさん

達ユニットは一匹も居ないことが大きな理由となった。

 

 そして第三の理由、これはアメリカ合衆国が多民族国家として形成されている事も大きかったのだろ

うが、自国民管理を確りとしていた事が大きな理由としてあげられる。

 つまり、他国からの移民を受け入れる姿勢が整っており、所謂多国籍からの移民は”グリーンカード”

制度によって、区別されていた。 此処で重要なのは程度の差が在る「区別」であることが重要だ。

 

 移民であっても正規の手続きを行うことで、アメリカ国籍を取得している人間と、同等ではないものの、

国家のシステムを使用できる事が重要だ。

 例えば、自動車免許証の交付、移民申請、移民局管理番号の申請等、社会構成に関する諸手続きに

対応できるシステム構造が構築されていた。

 

 また、とある社会システムに於いては、差別されること無くアメリカ国民と同様の扱いを行った。

それは”アメリカ合衆国軍”に所属することにより、一定の成果を上げることで”グリーンカード”資格を

得ることができるのだ。

 階級が上位であれば、下位に居る合衆国国民出の兵士にも命令が行える。 その点だけで言えば

流石であると言えるだろう。

 

 だが、この裏にはとある評価が隠れている。 ”部下のアメリカ国民をどの位殺してしまったか”と言う

隠れた評価があり、無茶な命令などを行う移民出身の上官は、最前線送りとなる。

 戦術機乗りならば、東アジアは日本帝国などに、欧州であればイギリスや西ドイツの最前線にだ。

戦術機適性がない場合は、機動歩兵などの部隊指揮官として、世界中の最前線に送られた。

 

 この”表の意味”でも”裏の意味”でも、徹底した「区別」を行い、アメリカ合衆国の国家としての基板を

確立させている事で国内情勢は安定していた。

 

 ああ、”表の意味”と”裏の意味”を補足として説明すると、”表の意味”として生活に必要な移民権の

行使が行えた。住居や職種の制限はあるものの、学校や図書館などの公共施設の利用は勿論、人権に

ついては、合衆国憲法に拠って保証されているので、それらを行使することは行えた。

 不正な扱いに対しては、相手がアメリカ国民であっても提訴でき、裁判所などの司法を利用することも

行えた。

 

 また、”裏の意味”として、社会基盤を維持するためにも、犯罪についても合衆国民と同じ扱いを受けた。

『自己防衛の権利』として銃の所持(マシンガンやライフル・自動小銃・大型拳銃以外)は認められたが、

それを犯罪行為に使用した場合、永久的にその権利を剥奪されることになった。社会や国家に違反し、

犯罪を行う目的の者は例外なく取り締まりを受けた。

 

 抗議活動家なども監視されたが、こちらは人権などの正統な権利を主張しているだけなので、それほど

酷く取り締まられることはなかった。

 

 これらの理由により、BETA大戦に突入していても国内情勢が安定している事により、アメリカ合衆国は

現時点において最も治安の良い国家と言え、その為にその経済基盤が盤石なものであると言えた。

 

 つまりこの事が大きく経済に反映される結果となった。

 

 生産基盤が確りとしている北アメリカ大陸に、世界中から資源が集まる構造と成っていた。

また、アメリカ合衆国に続く経済大国として、自給自足が行え資源の輸出が行える国家は、オーストラリア

や一部の南アメリカ大陸の国々くらいしか無かった。

 アフリカ大陸の国家に於いては、資源の輸出は行えても自給自足率が100%を超える国家はほぼ無く、

食料などを米国から輸入している有り様だった。

 

 そして、日本帝国など、BETAさん達に国土を荒らされてしまった国家に至っては、自給自足も無理な

上に資源の輸出もままならない状況にあった。

 国家間の条約により、支援を与えていたとしても二束三文的な内容が殆どであり、それらから利益を

取ることは行えない状況だった。

 

 まぁ反対に言えば、最前線を米国以外の国家が担保している状況なのだから、このまま放置していた

としたら確実に合衆国以外の国家はその殆どが”無くなる”結果と成るだろう。

 それは、この地球は「アメリカ合衆国のモノ」と言える状況に成るのだろうが、果たしてどれだけの米国

国民が地球の支配者になりたいか?と問われれば、恐らくそう答える人間はほとんど居ないだろう。

 

 何故ならば、仮にそうなったとしても、依然BETAさん達は残っているのだから、BETAさん達の相手を

米国軍が直接対峙する訳にも行かない、と言う理由が上げられる。

 

 ぅん? ”地球の支配者”なのだから、”アメリカの軍隊は世界一”? バカ言っちゃいけねぇな。

 

 ソビエト連邦や中華人民共和国でさえ手を焼き、その国が滅ぼされてしまったと言うのに、アメリカ

一国だけで、対応なんか出来るわけがない。 そこまで自惚れるバカはアメリカには居ないと断言できる。 

 

 そうなる前に手を打つように動くだろうが、それでも対応しきれないから、結局は人類はBETAさん達に

殲滅させられる結果に終わるのだろうな・・・。

 

 それは兎も角、アメリカの経済が地球上の経済を支えている基盤であると言え、故に”世界一の経済

力”と名乗りを上げても、それは当然と言えた。

 

 

 

 ・・・と言う様な事を思いつつ、俺はマンハッタンにあるショッピングモールの中のファンシーグッズや

子供向けの玩具を扱う、アメリカでも有数の専門店・『TOYS“Я”US』の中で、縫ぐるみと格闘中だった。

 

「・・・大凡こんな場所に似合わないわねぇ。 アンタって・・・。」

 

 一緒に来ていたユーコさんは、ため息混じりに嘆息した感想を述べた。

 

「・・・放っておいてくれ。 それよりもあの店員が言っていた縫ぐるみって、これで良いのか?」

 

 何でこんな面倒なことをやっているのか? と言うと、霞用のおみやげ・リクエストにあった”抱っこ

される”程大きい「ウサさんの縫ぐるみ」をネット上で検索した所、この店に在庫がある事がわかったので、

それを購入するためにやって来たのだが、肝心の縫ぐるみを保管していた倉庫の鍵を、店員がうっかり

探している『特売用縫ぐるみコーナー』の中で落としてしまったらしく、その店員と一緒に俺が探すことに

なったのだ。

 

 その店員、60歳近いおばあちゃんの店員は、先程ギックリ腰を患って、探索から4分ほどでリタイヤ。

現状探せる人間は俺一人という体たらくだった。 いくら”イノベイター能力”があったとしても、アナログな

鍵の解錠は行えないし、倉庫の鍵も見つけることはできないでいる。

 

 拳銃をぶっ放して、鍵を壊せ? そんな事したらN.Y.P.D. が津波のごとく押し寄せるだろう。

嫌だぞ? 『H.O.T.D.』じゃあるまいし、ショッピングモールで銃撃戦なんて・・・。

 

 ユーコさん? 当然俺の女房である彼女は、こんな面倒事を引き受けるはずもなく、近くの人形の側で

事の成り行きを眺めている(今彼女から”見守っている”の間違いでしょ?! と抗議された)。

 

 

 現在俺とユーコさんは、国連安保理の緊急招集会議を終えて、二人でマンハッタンの街に

繰り出していた。

 

 と言うのも、会議終了直後に各国の様々な人間から接触を図られそうに成ったからだ。

連中、俺達の仕事を増やすため(?)に群がる蟻の様だった。

 

 いくら俺でも、生身であの中に居たいとは思わなかったので、ユーコさんの手を握りしめて、関係書類を

まとめて、怱々(そうそう)に大会議室をエスケープした。

 

 アイドル歌手がファンに追いかけられる、と言うシチュエーションは想像できるが、俺とユーコさんが

実際に味わったソレは、生きている人間に群がる”走るゾンビ”そのものだった。

 

 俺は属性付加を使い、連中が追って来られないように、色々な廊下を経由して国連ビルの外に出た。

 

 だが、俺とユーコさんは国連軍の正規制服を着ていたのだが、逃亡するのにこの格好はマズイ。

制服だからコスプレじゃないけれど、軍服という種類の服飾はそれなりに目立つのだ。

 

 俺は国連ビルを脱出する間際に、いつものWD的な服装(ピアースが初期に着ていた服装)に着替え

る事ができたのだが、手を引っ張られているユーコさんはそう言う能力がない。

 辛うじて、安保理で使用していた大会議場脇のクロークに寄って、ユーコさんのミンクのコートを回収

する事に成功したので、彼女にはコートを羽織ってもらってから、国連ビルを脱出した。

 

 途中、ニューヨークのブッティックなどの店を経由して、ユーコさんには普段着に着替えてもらい、

街中の一般人に紛れた。

 

  ”木を隠すなら森の中”の例え通り、一般人の装いを行って群衆の中に紛れ込めば、余程追跡の達人

でもない限り発見されず、追手達を煙に巻くことができた。

 

 で、俺達はそのまま宿泊先のホテルに逃げることもできたのだが、当然連中も待ち構えていることが

予想された事も有り、適当に時間を潰すことにした。

 

 その為に、近場のマンハッタン・モールへと足を運んで、TOYS“Я”US に立ち寄り、霞に頼まれていた

買い物を行うことにしたのだ。

 

 ここまでの経緯は以上の通りだが、何故か上手く事が進まない。

誰かの陰謀や罠を疑ってしまいそうだ。

 

 ま、俺の下衆な勘ぐりはドブに捨ておくとして、俺の当初の所持金である1万ドル(正確には

$11,111と11セント)から、途中幾らかの買い物をして残金が減ったりはしたが、余裕でおみやげを

購入することができる筈だった。

 

 

 先ほど見つけた縫ぐるみは、ユーコさんによるとハズレと言うことだったので、別の縫ぐるみを探した。

結局この後、30分ほどの時間を要して、目的の縫ぐるみを見つけ、無事に倉庫の鍵を発見する事ができた。

 

 全く、国連軍の中佐がこんな些事にかまけていると白銀君達下っ端の兵士に知れたら、俺の立つ瀬が

危うくなってしまう。

 やっと、目的の買い物を済ませ、TOYS“Я”US を後にした俺とユーコさんは、近場のカフェで休憩を

取ることにした。

 

 

 

「・・・・・・(チョット残高が心もと無いな)」

 

 俺はドーナツを齧りながら、財布の中身について考えていた。

 

 第四計画に拾ってもらい、生活面が安定してからは物欲や金欲に執着する事が少なくなっていた。

だが、この後のおみやげについては、”旦那としての威厳”に関わるので、何としても入手したかった。

残高として言えば約9,000ドルは保有している。 だから予算としては一人あたり4,500ドル内となる。

 

 エンゲージリング。 俺の分は安物でも良い。 それこそナットを削ってリングにした奴でも良いと思う。

 

 でも、ユーコさんとまぁーちゃんには大きめのダイヤの指輪が欲しいと思った。勿論、安物はダメだ。

 

 購入したい店は、ティファニーの本店と決めている。 国連軍の中佐の給与がどれほどかは理解して

いないが、中間管理職を自覚はしている。 つまり、年収600万円は下らないだろう。

 月収換算で50万円、それの三ヶ月分なら150万円。 それが二人分と考えると300万円は予算として

考えなければ・・・。 それが一人頭4,500ドル(1ドル=約120円換算で約54万円)の予算・・・。

 

 うん、全く足りない・・・。 こ・困った・・・。

 

 ・・・いや。 もうこうなったら奥の手を使おう。

金取引できる店を探して、9,000ドル分の金を購入して『何でも無限』を使ってふやしちゃるっ!!

 

 ・・・多分、金相場がこの後変動してしまうだろうから、加減しつつ増やす必要が在るのだが、何とか

1,000万円分くらい確保できるまで売りまくろう・・・。

 

 恐らく俺の巻き添えを食らう人が居ることを気にしつつ、それが苦虫を潰したような表情をしながら

ドーナツをブラック・コーヒーで流し込む作業をしていたら、対面に座ってラテ系のカプチーノを飲んで

いたユーコさんが突っ込みを入れてきた。

 

「・・・アンタってさー。 ・・・良いわよね、楽しそうで・・・。

 何事も思うように進んで満足していそうな表情よね? まったく・・・。」

 

 えっ?! 俺そんな顔をしていたの?

 

 でも、何やらトゲの在る言い方だな・・・? 何か気に触るようなことを言ったっけ?

この手の男女間のトラブルは、大抵野郎側の無神経な発言などで、拗れると相場が決まっている。

 

 いや、しかし、俺にはその心当たりが全くないのだが、一体何に神経を尖らせているんだ?!

 

「・・・えっ?! ほ・ホントにそんな顔していた?! 俺が??」

 

「・・・今更、素ッ惚けても、私には通用しないわよ。

 今度は何を悪巧みしているのかしら?」

 

「うっ、 ・・・うん。 まぁ、明日の買い物について・・・ かな?」

 

「・・・ふーーん。 まりもは喜ぶだろうけど、私の分は要らないから。」

 

「えっ?! い・いや、それは無いよ、ユーコさん。

 俺としては、旦那としての甲斐性だから、ユーコさんにも貰ってもらわないと、俺が困るっ!!

 ・・・と言うか、俺の他に結婚したい男でも居るの?」

 

「・・・そんな男は今の所居ないけど、私のことは放って置いてちょうだい。

 それとついでに言っておくけれど、高々数回寝ただけで、私をアンタの女房扱いするのはヤメてちょうだい。」

 

「・・・分かった。

 でも、前にも言ったけれど、俺の男女間のお付き合いの方針については、変わりはないから。

 

 夕呼さんの心が俺から離れてしまったのなら、それは仕方がないから諦めるけれど、もしも何か含む

 所が在るのなら、正直に正面から言って欲しい。

 俺は手を離すつもりはないけれど、俺の腕(かいな)から離れてしまったら、俺は追いかけないから、

 不満が何か在るのなら、ちゃんと言って欲しいんだ。」

 

「・・・・・・私が今怒っている事は、さっきの会議のことについてよ。

 ・・・聡い貴方のことだから、この大ヒントで原因が分かっちゃったかしら?」

 

「えっ?! いやぁー、エスパーじゃないんだから、それだけじゃ無理っぽいよ、夕呼さん。

 

 まぁ、でも思い当たる事については、理解したよ。

 夕呼さんにとっては、俺から”騙し討ち”にされた心境になったんだよね?」

 

「そうね。 その通りだわ。

 何であのタイミングで、ああ言う事をしちゃうかなぁ・・・。」

 

「・・・でもね、話の流れからいって、俺が止めをさすのが自然な流れだと思ったんだよ。

 そりゃ、夕呼さんは第四計画の主幹委員長だから、オブライエン博士とか第五計画派に息の根を

 止めたかったってのは知っていたけれど、話を仕切りなおしてやり直すなんて、時間の無駄だし

 ナンセンスだと思わないかい?」

 

 と、俺の返事に何やら不信感を持ったように、ユーコさんの表情が変わっていった。

念の為に確かめるように、俺に問い正すようにユーコさんは詰問をしてきた。

 

「・・・・・・ちょっと待ちなさい。

 まさか貴方、私が第五計画派を叩き潰せなかった事に腹を立てているとか、考えている?」

 

「ぅん? 違ったの?」

 

 どうやら俺は、踏んではいけない尻尾を踏んでしまったようだ。

俺からの頓珍漢な答えを聞くや否や、ユーコさんは途端に席を立ち、出口の方に向かおうとした。

俺は慌てて、彼女の手を取り、話し合いの続きを行うことにした。

 

 まだだ。 まだ試合は終わっちゃいないからね、ユーコさん!

 

「・・・離してちょうだい。 もう、精も根も尽き果てたわ!」

 

「いや、待ってっ! 待ってくれっ!!

 何かの間違いだ。 話せば分かる誤解だから!」

 

「何よ、それっ!! 私が何を間違ったっていうのよっ!!

 アンタのその良い加減さには、もう辟易なのよっ!! 基本チートだし、その上、不誠実な男に

 誑かされる程、私は与し易い(くみしやすい)女じゃないわっ!!」

 

「(え〜〜っと、何について怒っているのか、そこが間違っていたんだな。

 で、さっきのヒント? 謎かけで心当たりの在るところとして、第五計画の事じゃ無かったって事だな。

 うん、ここまでは多分合っている、と思う。 で、他の心当たりとしては・・・??

 ・・・あれっ?! アノことの事かな?)

 

 ・・・うん。ちょっと落ち着こうか、夕呼さん。 ほら、他の人の目もあるし、見っとも無いから、

 ちょい落ち着いて、ね?」

 

「何よっ!! 私とアンタの事なんだから、他の人間の目なんて、どうでも良いでしょっ!!

 私は最初っから落ち着いているわよっ!! アンタなんてまりもとイチャ付いていれば満足なんでしょ?!」

 

「いや、絶対夕呼さんが誤解している! それこそ今は まぁーちゃんの事は横に置いておいても良いでしょ!

 今俺の目には、夕呼さんしか入らないんだから。

 

 それに、俺は初めて貴女に会った時から『時間がない』って言っていたよね?

 夕呼さんはその事を忘れていただけだから、俺は貴女を騙してなんかいないからねっ!!」

 

「(私の事騙したくせに、言い訳なんか男の風上にも置けない奴ねっ!!

 情事で私が先に事果てるからって、親友のまりもにまで手を付けること自体、不義理しているんだからねっ!

 最近はそれでも良いとか思わされていたけれど、自堕落に流されていた私自身が許せないんだからっ!!

 

 しかも、それが私の勘違いですって?! 言うに事欠いて屁理屈を言うなんて見下げ果てたわっ!!

 まぁ、確かに『時間がない』って言ってはいたけれど・・・)

 

 ・・・えっ?! 何がどう勘違いなの?!

 話せるものなら、言ってみなさい。 但し、その話に偽りが入っていたら、もう即離縁だからねっ!!」

 

「ああ、分かったよ。 夕呼さん。

 俺は最初から『時間がない』と言っていた。 それは、俺の残生存時間が残り少ない事を指していた。

 

 その上で、俺は夕呼さんと まぁーちゃんの二人を女房にした。

 その事に嘘偽りは入っていないし、後悔もしていない。 だから、常時胸を張って、こう言える。

 

 二人は”俺にとってかけがいのない大切な女房”だ、と。」

 

 その言葉を発するまで、俺はユーコさんの手を離さなかった。

そしてユーコさんは、俺からの言葉を咀嚼し、ゆっくりと飲み干す様に時間を掛け、そして納得行った

らしく力なく元の席に、”ストン”と座った。

 

 どうやら、俺の説得は功を奏したようだ。 まぁ、9割方は本音なのだから、これを蹴っ飛ばされたら

俺の立つ瀬は無かったと言える。 俺はそっと安堵の息を着く事ができた。

 

 そして、俺達二人の間柄を、カフェ店内の人間、 それこそ、客も店員も黙って成り行きを見守っていて

くれた。

 俺達の会話は全て日本語だったので、内容については理解できなくとも、良い年の男女間の、所謂

『痴話喧嘩』が収まってくれたのを間接的に感じ取れて、こちらも安堵の息を付いていた。

 

 皆さん、ごめんなさい。 心配をかけました。 m(_ _)m

 

 この遣り取りの性だろうが、俺はうっかりと彼等の接近を許してしまっていた。

おもむろに彼から、日本語で言葉を掛けられた。

 

「・・・そちらのお二方のお話に決着が着いたようで、良かったですな。

 それにつけても、霞を掴むかのように消息を絶たれるとは、流石は中佐であると評するべきですかな?」

 

 俺もユーコさんも、この珍客について面食らってしまった。何の準備もできていない。

相手は二人。 今声を掛けた老人とかなり年の離れた美女と言う、”老人とその孫”と言われると

納得できそうな二人組だった。 彼等は手にコーヒーとドーナツを載せたトレーを持っていた。

 

 他にも空席はあるのだが、俺とユーコさんの席に相席に来ている風を装っている。

直に危害を加えるような雰囲気はないのだが、しかし、そうすることも出来そうな雰囲気も持っていた。

だから俺は、最悪のケースを考慮する必要に迫られた。

いざとなったらユーコさんの安全は第一に考えないと・・・。

 

 俺が警戒をしているその隙に、しかし、先に相手から名乗られてしまった。

 

「・・・あぁ、申し遅れました。

 私は日本帝国 内閣府 内務省公安部9課、部長の荒巻大輔と申します。

 元日本帝国陸軍情報部に所属しておりました。 今は煌武院殿下のサポート要員として動いております。

 以降、宜しくお願い致します。」

 

 そう言いつつ、荒巻部長はそのまま俺の隣の席に。 そして荒巻部長の部下らしき女性がユーコさんの

隣に腰掛け、俺達は同席することになった。

 名乗られた情報を元に、イノベイター能力を使い該当する部署と人間の情報を検索してみた。

 

 確かに該当する人物は居たが、本当に本人だとすると、厄介な人間に捕まったことに成る。

 

「ホゥ・・・。貴方方が噂の"公安9課"ですか? 帝国内外に渡り、事前に犯罪の芽を探し出し、これを

 除去する攻性の組織。『攻殻機動隊』のお噂は以前から私の耳にまで届いておりましたよ。

 

 初めましてですね。 私は国連軍中佐、エイデン・ピアースです。

 そして彼女は、国連軍横浜基地副司令の香月 夕呼博士です。」

 

「ええ、存じ上げております。

 先ほどの会議にて、私どもの殿下が大変お世話になりました。 御礼を申し上げます。

 

 しかしそれとは別に、中佐にはお願いしたい儀が御座いまして、その為に追跡尾行させて頂きました。

 幾ばくかの無礼をお許し頂きたい。」

 

「はて? 私には何のことを申されておられるのか、サッパリと心当たりが有りませんが・・・?」

 

「ええ、まぁ、この様な場所で話す事で無いことは分かるのですが、何分急を要します。

 

 実は、緊急総会後のレセプションにて、我が帝国に対して、とある方からの交渉について、ピアース

 中佐に”壁役”をお願いしたいのです。」

 

「はぁ・・・。 ”壁役”・・・ですか?」

 

 今ひとつ要領を得ない事柄なので、俺もユーコさんも彼等の話題に乗りきれないでいた。

それを見ていて業を煮やしたのか、付き添いの若い女性が突っ込みを入れてきた。

 

「・・・具体的な言葉を上げるとすると、例の『新戦術機構想』について、詳細事項に辿り着けないように

  ”お茶を濁して”もらいたいのよ。

 このままだと、殿下にそれ関連の話題が集中しちゃうでしょ? そう言う事よ。」

 

 やっと、この二人が雲隠れした俺達を追ってきた理由がわかった。

だが、ことの成り行き上とはいえ、それらの対応は国を預かる摂家衆出身の姫君なら、対応可能だろう。

 

「・・・些か私ごときが口を挟むのは、お門違いではないでしょうか?

 その案件については煌武院殿下であれば、対応できると思うのですが?」

 

 俺はその様に回答をした。 すると”それは誤りである”と言わんばかりに、隣に座る老人は首を

横に振りつつ、俺の認識を正した。

 

「・・・その認識は甘いと言わざるを得ませんな。 ピアース中佐。

 

 その理由として、近々の状況をご説明申し上げるので、よくご理解いただきたい。

 

 まず、先の緊急会議において殿下は、オルタネイティブ計画の主要メンバーとして加入をなされました。

 この事について私どもは不平など微塵も在らず、寧ろ遅すぎたとさえ評している次第です。

 

 ですが、今までの国策と致しましては、特に大東亜勢力圏に於いて、我が日本帝国に対して支援を

 申し込まれる周辺諸国が多かったという事実は、中佐はご存知だろうか?

 

 平時に於いては、少なくとも佐渡ヶ島ハイヴが建設される前であれば、ある程度の支援・援助を

 行っておりましたが、京都襲撃、それに伴う遷都と3,600万人を超える邦人被害が尾を引いて

 それからの支援や援助は満足に行えておりません。

 

 そのため、それらの申し出については、忸怩たる思いでは有りましたが、その類の申し出については、

 アメリカ合衆国に申請を行うように説得することと、円滑に支援が受けれる様に、帝国が申請国と

 合衆国との橋渡し等をおこなっておりました。

 

 この時点で、我が帝国は、ある程度アメリカ合衆国に対しては恩義を感じている訳なのです。

 

 それなのに先のオルタネイティブ計画本部会議にて、計画の主導権が完全に非アメリカで纏まって

 しまいましたので、結果的に日本帝国がアメリカ合衆国の顔を潰した結果になってしまいました。

 そこを第五計画派に感付かれ、彼等は奥の手である切り札を投入して来ました。

 

 本来であれば第四計画派の上院議員達がそれを阻止したのでしょうが、現情勢から第四計画派を

 押し黙らせる事に成功したようです。

 

 その為、急遽現合衆国大統領、ジョナサン・K・ブッシュ氏をレセプションに参加させる動きを見せて

 来ました。」

 

 ここまで一気に話したせいか、荒巻部長は此処で自分のコーヒーを飲み喉を潤した。

そこまでの彼の説明を聞いていた俺は、あの会議の後に、集るかの様に殺到した先ほどの連中を

想いだし、背筋が震えてしまった。

 

 ある程度の状況については理解したが、2つほど腑に落ちない事に気づいたので聞いてみることにした。

 

「・・・なるほど。 しかし、それが日本帝国にとっての悪手となりますか?

 年内に店じまいする第四計画としても、今更合衆国が乗り出してきたとしても、殊更に慌てる意味が

 無い様に思うのですが・・・?」

 

 俺は落ち着いた雰囲気を醸し出し、”それがどうした”と言わんばかりの態度で居る。

しかし、相変わらず荒巻部長は態度を崩さず、慎重に話を進めて来た。

 

「・・・かも知れませんな。 ですが、こう認識を改めて頂けませんでしょうか?

 

 今後の日本帝国の基本方針は、国内安定を行い内需拡大と国力の回復が急務であります。

 先の中佐の手柄に寄って、やっと新潟ハイヴからの悪夢から脱しつつ在る帝国臣民としては、

 これ以上の国家間の取り決めなどにより、国力を削がれるのは本意ではないのです。

 

 状況の打破を行い、余裕が持てる段階にまで回復を行って、初めて日本帝国は世界の一員として

 出遅れた分も奮起して取り戻せるとお思いになりませんか?」

 

「・・・フム。 荒巻部長のご意見については、なるほどと思う部分は認めます。

 しかし、横浜基地改め白陵基地に戻った際に、残った特殊教導部隊 V.O.D.(BETA駆除犬部隊) が

 邪魔であるとおっしゃるのであれば、部隊や施設一切合財を、合衆国に高値で売り渡せば良いだけの

 お話です。 何を迷われることが在るというのですか?」

 

 そこまで俺が面倒を見ないといけないのか? と言わんばかりに俺は答えた。

実際にそうなることは殆ど無いと踏んでいるのだが、それでもこの回答に、隣の老人は憤った態度になった。

 

「なっ?! なんと、その様に無責任に申さないで頂きたいっ!!

 戦術機に乗れない私ですら、アノ情報の重要性は分かるほどです!

 それをムザムザと”米帝”などに渡せと仰られるかっ?!」

 

「・・・荒巻部長。 どうか落ち着いてください。

 それに『アメリカに渡す』云々の部分、私も一介のアメリカ合衆国国民であることを、思い出して頂きたい。

 いくらお立場が在るとは言え、先の発言は了承できません。」

 

 ・・・現状の俺達を傍から見ると、多分さぞかし『変な連中』と見えるのだろうな・・・。

 

 認めたくはないけれど、”サザエさん”的表現をするならば、波平さん役は荒巻部長が。俺は刺し詰め

マスオさん役かな? んで、サザエさん役はユーコさんで、ユーコさんから見て幾分か若そうな女性は

ワカメちゃん役なのかな? 名前知らないけれど・・・。

 

 で、何でこんなことを言い出したのかというと、俺と荒巻部長がいがみ合っている途中で、またもや

珍客がやって来た。 それもご丁寧に散弾銃とマシンガンで武装した四人組だった。

 

 強盗は合衆国では珍しくない。 治安の悪さを誇っているようで不本意だけれど、”よく有ること”

なのは事実だからだ。

 

 だが、押し入られる先が銀行や宝石店なら兎も角、寄りにも拠って街中のカフェに押し入る強盗は

珍しいと思う。 四人いる内の一人が天井に向けて散弾を撃って、店内の人間を黙らせた。

 

「騒ぐなっ! 大人しくしていれば危害は加えねぇっ!!

 おいっ、そこの四人っ!! 俺達と一緒に来やがれっ!!」

 

 ・・・強盗じゃなかった。 ・・・人さらいだった。 うん、こんな犯罪者は合衆国でも珍しいな。

いや、人さらいは結構いたとしても、子供を狙う方が多いのに、成人した人間や老人を誘拐したがる、

或る意味貴重な”珍しい人さらい”だと思った。

 

 その様な事を考えつつ、俺は視線でユーコさんに問いかけた。 ”殺っちゃっても良い?”と。

 するとユーコさんは、”一般人(しろうとさん)が多いんだから、止めときなさい”と、怒った顔で睨んできた。

ぅん、怒った顔もキュートだよ、ユーコさん。

 

 荒巻部長は、何やら思っているらしく、押し黙った。 多分言葉のイントネーションから、犯人の背後

関係を予想してるみたいだった。

 ワカメちゃん役の女性は俺と同じく、隙あらば返り討ちにしてやる、と言うような雰囲気で笑っていた。

 

 この珍客のお陰で、先程の俺と老人の口論は一旦棚上げとなった。 まぁ、もうどうでも良いか・・・。

 

 俺達は周りの人間に迷惑を掛けないように、犯人側の要求を飲むことにした。

連中は俺達を腫れ物に触るかのような感じで、グルリと取り巻き荷物搬送用のトラックに押し込めて

何処かに連れ去ってしまった。

 

 

 

 一応、ニューヨーク州の外れに成るんだろうか・・・。

寂れた荷揚げ用の小さな港の倉庫に連れて来られた。

 

 何故か俺達の両手には手錠が嵌められており、ロクな抵抗は行わなかった。

だからと言う訳だろうか、連中も余分な乱暴は俺達に仕掛けて来なかった。

 

 と言うよりも、この一連の事柄について、連中の頭領から話があるらしく、その時にでも、この不当な

扱いの落とし前を追求する方向に興味が湧いたので、それを聞くまでは大人しくしていたに過ぎないのだ。

 

 それは兎に角、俺達が倉庫内に入って暫くすると、奥の扉から恰幅の良い男が手下を引き連れて

やって来た。 どうやらコイツが人さらいの親玉らしい。

 

 その脂ぎった太った頭領はユーコさんや若い女性を、いやらしい視線で一瞥すると俺に向き直った。

何か・・・、生理的に嫌悪感が募ってきた。 いっその事バラしちゃおうか・・・?

 

「・・・おいっ、ピアースとか言う巫山戯た奴はお前か?!

 ウチの組織のアガリを邪魔しやがって、覚悟はできているんだろうなっ?!」

 

 と何のことか分からない啖呵を切ってきた。 頭悪いんじゃないの? 今の説明か?

 

「・・・確かに、私がエイデン・ピアース国連軍中佐だ。

 そう言うお前は何者だ? 何で私達を誘拐してきた?」

 

 一応、バカでも通じるように、お決まりの文句を垂れてやったら、案の定激高しやがった。

平手打ちをかましてきたが、軍隊で鍛えた体には大したダメージは喰らわなかった。

2・3発殴られてやったが、音は派手だが大したことはなかった。フン、一般人が粋がるんじゃないよ!

 

「 ハァ・・・。 ど・どうだっ!! 思い知ったかっ!!

 イ・イタリア陸軍に行った、親戚からタレコミが有ったんだ!! ウチのネットワークをボロボロにしたのは

 ピアースとか言う中佐の仕業だ、とな。」

 

 この発言を聞いて、俺は心当たりにたどり着いた。

先の会議に於いて、イギリスの代表部の後ろに控えていた、イタリア陸軍の少将の事をだ。

何処かの御曹司とか思っていたが、イタリア系マフィアのバカな小僧の間違いだったか。

 

 あ・の・野郎〜。 曲がりなりにも「オルタネイティブ計画」は人類全体に及ぶ特殊計画なんだぞ。

それを親戚とは言え簡単に情報を漏らしやがって、何処までこの素人さんが情報を知っているのか

分からなくなってきた。 下手すりゃあの少将の家族・親類は皆殺しの目に会うぞ。

 

 俺が物騒なことを考えていると、ユーコさん初め”日本勢”も、犯人に該当する人物を思い出したらしく、

最悪のケースを想像していそうだった。 ・・・なんか茶番に思えてきた。サッサと済ませてしまおう・・・。

 

「・・・おい。 悪いことは言わない。

 今回の件については、すっぱりと忘れて私達を今直ぐ開放しろ。

 

 そうしないと、お前さんの親戚の軍人も、その家族やお前さんを含む親戚一同、良くて軍刑務所に投獄。

 悪ければ銃殺の憂き目に会うぞ。」

 

「ハンッ! それで脅しているつもりかっ!!

 全くお笑い草だなっ!! まぁ良い。 お前はセメント付けにして、そこの波止場の底に沈めてやる。

 お前の女達は、俺が後で可愛がってやるから、有難く思うんだな。」

 

 この言葉に、俺は怒髪天を突き抜けるほどの怒りが湧いた。

俺以外の男が、ユーコさんに手を出すだとっ!! 冗談でも許さんっ!! 獄・爆殺してやるっ!!

 

 手錠をされていた俺は、それでも自由になる右手を使い、指を「パチン」と鳴らした。

 

 通常であれば、音が鳴っただけの行為だが、俺の属性付加を付けることで、この行為は立派に音響

武器となった。 つまり、発生した音に威力を追加で属性を付加したのだった。

 

 効果と成るのは手錠の鍵部分。 この部分が壊れるほどの威力を確保する様に倍増された音響の

波は見事に手錠を破壊してくれた。

 しかも俺の手は、音響に依る影響を受けないようにシールドを貼るなどのサポート付き。

これを認識内変動的攻撃化して、ユーコさんと荒巻部長と部長の部下の女性の手錠を同時に外して

みせた。

 

 続いて、目の前の男の部下達の一掃を行うことにした。

しゃがみこんで、”爆砕点穴 Lev.2”を展開した。 これで狙った所の地面を抉ることができるので、

俺達を取り巻いている誘拐犯達の足元に、3mほどの縦穴を開け、その中に叩き落としてやった。

 

 こうして、一気に形勢は逆転した。 誘拐してきた俺達四人組対恰幅の良い頭領らしき男一人。

すると、やられ役の親玉宜しく、激しく動揺した頭領らしき男は途端に逃げ腰となってしまった。

 

 当然、俺はヤツを逃す程優しくもなく、サクッと決着を着けようとしたら、ユーコさんから待ったが

掛かった。 実質的な被害は受けていないと言う事と、弱い者虐めみたいで気が引けたらしく、

相応の詫びをすれば手打ちにしても良いとの事だった。

 

 俺としては、自分の恋女房に手を出そうと画策したコイツが許せないのだが、その本人から待ったが

かかったので、一連の決着が着くまでは生かしておいてやる事に同意した。

 

 また、意外なことに荒巻部長もユーコさんの意見に賛成らしく、それよりも俺達をサッサと、レセプション

会場に連れて行きたそうに進言してきた。

 まぁ、そう言う事なら、その方針に従うということで、両者の決着が着いたので、俺達はこの寂れた

倉庫を後にすることにした。

 

 

 

 それから1時間後。 一旦定宿にしているハイアットホテルに戻り、レセプション会場に行けるように

ドレスアップすることにした俺達は、一旦解散して現地集合した。

 

 しっかりと俺もユーコさんも、”バッチリと決めた”服装に着替えた。

俺は確りとした軍礼装に。 ユーコさんはイブニング・ドレスを着込み、会場負けしない出で立ちと成った。

 

 堂々とレセプション会場に入場すると、人垣が自然と別れ俺達をその会場の中央までの道を開けてくれた。

 

 俺達に先んじる形と成ったのか、荒巻部長とその部下の女性は既に会場入りしており、煌武院殿下の

近くで要人警護の任を実施していた。

 

 荒巻部長はモーニングに軍事勲章を幾つか身に纏い、女性の方は俺同様、帝国軍正式礼装だった。

荒巻氏は、「元帝国陸軍情報部」と名乗っていたが階級は言っていなかった。

だが、勲章等をよく見てみると、俺と同じ予備役だが中佐であり、第二次大戦中の武功勲章を胸に

飾っていた。 意外に大物だったんだな。

 それと、部下の彼女の礼装から、彼女も階級は少佐であることが分かった。

女性で佐官とは、こちらも相当な武官だったんだな。

 

 肝心の煌武院殿下は、欧州各国の首脳と歓談を行っている様子だった。

殿下は、国家元首ではないが、その代理。

 だから、この中の政治家や軍人と比べると、頭一つ飛び越している階級の存在だ。

 

 彼女に対抗できるとすると、もう大国の国家元首、それこそ合衆国大統領とか連邦書記長等を

連れてくる他になく、その煌武院殿下においそれと要請できるような政治家は、この会場にはいなかった。

 

 まぁ、内容的には、先の会議に関する事柄であることは十分に分かっているので、こちらから”火中の

栗”を拾う真似をしなくても良いと思い、俺とユーコさんは遠巻きに見守ることにした。

 

 だが、宴も闌(たけなわ)、このレセプションも後1時間程しか残されていないタイミングで、

会場の司会者からとある知らせが届いた。

どうやら、荒巻部長が予告していた状況が現実のものと成ったみたいだ。

 

「・・・会場の皆様。 少々こちらに傾注して頂きますようお願い申し上げます。

 

 国際連合 安全保障理事会主催から、皆様に特別ゲストのご紹介を行いたいと思います。

 我がアメリカ合衆国、第四十三代、ジョナサン・K・ブッシュ大統領ですっ!!

 

 どうぞ皆様、拍手でお出迎えくださいっ!!」

 

  ”おおぉ”と言うドヨメキの後、司会者が居る舞台袖に、一斉に会場の視線が集まった。

 

 だが、2拍程置いてから、俺達も入ってくるのに使った会場正面入口の扉が両方開き、そちらの方から

軍人然とした2m近い長身の紳士が入ってきた。

何時もながら、意表をついた登場が好きな合衆国大統領の伝統だった。

 

 ジョナサン・K・ブッシュ現大統領は、”イーグル・ドライバー”と評されるほどの戦術機乗りとしても有名で

あり、政界入りするまでは欧州戦線に参戦していた。

 

 彼の父親と二人の兄は共和党に属していたが、彼自身は意外にも民主党の議員だった。

同じ党の前大統領が女性問題でスキャンダルを起こし、急病に倒れてしまい支持率が失速気味で有った

為、途中での”代役”登板となった。

 

 通常ならば、副大統領がその役割を担うのだが、運悪くその副大統領も政権を維持できない諸事情を

抱えていたため、異例中の異例として一民主党の上院議員であったブッシュ氏が登場することになった。

 

 万全を期した態勢でない状態の”発進”だった政権は、しかし【ブッシュ家】のネームバリューは

流石であり、前政権よりも高い支持率と、共和党の支持層も味方にしたと言う逸話を持つ

やり手の大統領だった。

 

 そんなやり手の大統領は、彼の心情なのだそうだが『スポーツマン・シップ』に則った大統領だった。

球技であるベースボールやフットボール(アメリカン・フットボール)のファンであり、『正々堂々』とか

『真っ向勝負』する事を好む人柄で、一言で言うと”分かりやすい”と国民に好評だった。

 

 しかしその分、”腹芸”は苦手としていて、だからなのか彼のブレーンには”切れ者”と評される人物が

多く集まっていた。

 今回の彼の登場も、原因は第五計画派のお膳立てが有ったのは確かだが、ブレーンの一人や二人は

日本帝国に主導権を握らせたまま国際会議を終わらせるのは業腹である、と唆した可能性は捨てきれない。

 

 そんなエピソードを思い出している最中、会場中央にいる煌武院殿下とブッシュ大統領は歓談を始めていた。だが幾分か、煌武院殿下の方が若干引き気味になっている。

 

 すると、殿下は仕切りにこちらの方に視線を向けてきた。 ユーコさんもその事に気づいたらしく、

俺の肘に手を回してきた。 どうやら、手助けに迎え、と言う意味らしい。

ヤレヤレ。 全く手の掛かることで・・・。

 

 俺とユーコさんは、レセプションという名の戦場に乗り出すことにした。

 




はい、15話 前話でした。

自分でもこんな風に成るとは思っていませんでした。
『もう神々の黄昏作戦を実行している風で良いんじゃね?』という内容にしようかで、迷いましたが、やらないと言っていたレセプション・ネタ? をやらない手はない、とか自分でハードルが勝手に上がってしまい、こんなふうになっちゃいました。

後話を纏めるのが大変ですが、なんとかします。
それこそ、いきなりシーンがぶっ飛ぶ事になりそうで、予告しておきます(言い訳、言い訳)。 で、それが終わってからクリスマスに作戦実行・・・とできれば良いかな、と。
(戦メリ・ネタは古いからしないのが良いのですが、まぁ、話しの流れと言いますか、韻を踏むと言いますか、そんな感じです。)

明日(と言っても、もう今日だが)が8月末日なので、『2ヶ月ぶり』と言い訳しておきます。9月以降もできるだけ早くに後話を更新できるように頑張ります。

亀更新ですが宜しくお願いします。
では。
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