ヤクザの息子と医者の娘、和菓子屋の娘同士がそれぞれ出会いまして   作:九店直下

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今度は小野寺さんと穂乃果ちゃん、プラスアルファです。
海未ちゃんとことりちゃんにも出演頂きました。
因みに私はニセコイ原作の結末には納得してるしあの結末も踏まえてニセコイが大好き派です

それを踏まえてもやっぱり楽こさが書きたい、そう思う今日この頃です


和菓子屋の娘同士と、ぷらすあるふぁ

「あ、いらっしゃいませー! って、おぉっ!! 小咲(こさき)ちゃーん!! 来てくれたんだっ!」

「あ、穂乃果(ほのか)ちゃん。今日は店番なんだね、偉いなぁ。お疲れ様」

 

 休日、図書館で親友と受験勉強に勤しんだ帰り道。

 私こと小野寺小咲(おのでらこさき)はふと思いたって、昔から家族ぐるみで親交のあるとある和菓子屋に、母や妹の手土産を買うついでに立ち寄った。

 

 和菓子屋、穂むら。

 穂むらのまんじゅう、略して穂むまんが看板商品であり、これがまた絶品なのである。

 そう。お母さんが嫉妬しちゃって、「我が店もなにか主力商品となるものを……!」なんて息巻いちゃうくらいにはおいしい。

 

 その店頭でにこやかに出迎えてくれたのは、よく知る女の子。

 

 高坂穂乃果(こうさかほのか)さん。私より1つ歳上の、高校1年生だ。

 

 歳的には彼女の方が先輩に当たるけれど、長い付き合いという事もあるからか、「私と小咲ちゃんの仲だし、かしこまらなくてもいいよ!」って彼女の方から許しをもらっている。

 そんなお言葉に甘える形で、私もフランクに接させてもらってる。

 

「えへへ〜。ありがと! いやぁ相変わらず可愛くて優しいなー小咲ちゃんは。雪穂もこれくらい優しかったらいいのに〜」

「ふぇ!? いやいや私なんてそんな……。その、穂乃果ちゃんや雪穂ちゃんの方がよっぽど」

 

 突然の彼女の言葉に、少し驚いてしまってしどろもどろになるけど。

 そういえば穂乃果ちゃんって昔からそうだ。素直に思った事をストレートに相手に伝えられるというか、そんな印象がある。そこは、私としては少し羨ましいところではある。

 

 だから、きっと私のことも、本当に可愛いって思ってくれてるんだろうな。そう思うと少し嬉しくなる。

 

「むふふー。そんなシャイなところも可愛いんだからー……あ、そーだ! そんな小咲ちゃんには穂むまんをプレゼント! はいこれ! 春ちゃんにもよろしく言っといてね」

「えぇ!? 悪いよそんな、まけてもらうなんて……。一応定価で買えるくらいの持ち前はあるからさ」

「いーのいーの! むしろ小咲ちゃんにサービスしなかったら私がお父さんお母さんに怒られちゃうよ。私を立てると思ってさ、ほら、もらってってよ!」

 

 そう言うと彼女は穂むまんを手早く袋に包み、私に手渡す。

 そう言われてしまうと……ちょっと弱っちゃうなぁ。こうなると天真爛漫な彼女の笑顔が少しずるい、と感じてしまう。

 でも、不思議と悪い気はしないんだけどね。

 

「ふふっ。そしたらお言葉に甘えて貰っちゃおうかな。ありがとうね」

「ぜーんぜんっ! あ、どうせなら私の部屋で少しお話しようよ。海未ちゃんとことりちゃんも来てるからさ!」

「うーん、そうだね。そうしようか。海未さんとことりさんが良ければ勉強の方も聞きたいことがあるし……」

「じゃあ決まりだねっ。店番終わるまで2人と一緒に私の部屋で待っててね!」

「わかった。ありがとう」

 

 何回も穂乃果ちゃんの部屋にはお邪魔してるから、場所はわかっている。穂乃果ちゃんは店番にもどる傍ら、私は彼女の家にお邪魔し、2階の彼女の部屋に向かう。

 扉を開くと、既に2人、先客があった。

 

「あ、小咲ちゃんだぁ。来てたんだねっ」

「あら、小咲。受験勉強の帰り……とかですよね。お疲れ様です」

 

 園田海未(そのだうみ)さんと、南(みなみ)ことりさん。どちらも穂乃果ちゃんの幼なじみ。

 数年前、穂乃果ちゃんから紹介される形で知り合って、以降仲良くさせてもらってる人たちだ。

 

「うん、海未ちゃんもことりちゃんも、お疲れ様」

 

 そして、この2人もまた穂乃果ちゃんと同じく、音ノ木坂学院に通う高校1年生。

 穂乃果ちゃんと、海未ちゃんと、ことりちゃん。

 3人とも私にとって頼れる先輩であり。良き友人だ。

 

 ◆◇◆

 

「……驚きました。前に会った時に比べて随分解けるようになってるじゃないですか。数学なんて特に——————」

「えへへ、るりちゃ……頭のいい親友がいるものでして。スパルタだけどおかげさまで前に比べれば少しは」

「いえ、小咲の努力もあってですよ……。全く、穂乃果も少しは見習ってほしいものです」

 

 穂乃果ちゃんが店番を終えるまで私は、海未ちゃんとことりちゃんに来る凡矢理高校の受験に向けて、簡単な学力テストをして貰っていた。

 結果は……海未ちゃんを驚かせられるくらいには成長できていたようで。

 

 るりちゃんのスパルタ指導はしっかり実を結んでいたみたいだ。苦労が無駄ではなかったことがわかって安堵すると共に、少し嬉しい気持ちも込み上げてくる。

 

「まぁまぁ海未ちゃん。でも……、本当に頑張ったよねぇ小咲ちゃん。これなら凡高は十分射程距離じゃないかな?」

「えぇ、まだ油断はできませんが、この調子で気を緩めずいけば合格は十分狙えるでしょう。これからも鍛錬は欠かさないようにしてくださいね?」

「あはは、頑張ります……」

 

 ことりちゃんの優しい言葉に少し気が緩む……けど、その気持ちを海未ちゃんのストイックな言葉で少し引き締め直す。

 そうだ。元々凡矢理高校は私の学力じゃ合格は少し難しい部類の高校。

 

 一条君と同じ高校に行きたいなら、油断せずもっと頑張らないといけないのかもしれないな。

 そんな事をふと、思った瞬間。

 

「おっまたせー!! 店番終わったよ!」

 

 そんな元気な声とともに、穂乃果ちゃんが部屋に入ってきた。

 割烹着から……、部屋着だろうか。ラフな服装に切り替わっている。

 

「穂乃果。お仕事お疲れ様です」

「いやーそれほどでもぉ……って、小咲ちゃんはやっぱり勉強みてもらってたんだ。頑張るねぇ。すごいや……」

「全くです。小咲、かなりできるようになってましたよ。あなたの模範にしたいくらいですっ」

「受験……海未ちゃん……、うぅ、悪代官が目の前にいた地獄の日々が頭をぉ……」

「なっ……誰のためだっだと思っているのですか! あの時このままだと合格できないから勉強を教えてくれと泣きついてきたのは貴女でしょう!」

「あはは……穂乃果ちゃんも音ノ木坂受ける時大変だったもんねぇ」

 

 受験、という言葉にあまりいい思い出がないのか、穂乃果ちゃんは頭を抱えてのたうち回る。

 まぁ海未ちゃんの言葉はごもっとも……だけど、穂乃果ちゃんと同じく勉強がいまいちな私は、穂乃果ちゃんの方にもある程度共感ができてしまうのも事実だ。

 

「うぅ……、小咲ちゃんも大変かもしれないけど、絶対に合格してねっ。聞く話によると絶対に凡矢理に行きたいんでしょ?」

「……うん。そうだよ。理由は不純かもしれないけど……」

「そういえばずっと気になってたんだけど、小咲ちゃんはなんで凡矢理に行きたいのかなぁ? あそこ、基本的に普通の高校って聞くし、絶対に行きたい! ってなる理由が見つからないんだけどぉ……」

「あ、それは——————」

 

 うぅ、痛いところを突かれてしまった。

 だって凡矢理を目指してる理由なんて「好きな人が凡矢理を受けるから」だし。

 こんなの、ちょっと動機が不純なような気もして、言い出しづらいところが——————

 

「ふっふっふ。それがですねことりちゃん。なんと小咲ちゃんが凡矢理を受けるのは——————好きな人が凡矢理に行くから、だよね?」

「ふぇえ!? 穂乃果ちゃんそれは……!」

 

 私がしどろもどろになっているのを見かねてか、穂乃果ちゃんが私の背中を押すようにポン、と肩に手を乗っけてそうにこやかに話す。

 突然のカミングアウトに少し動転する。恥ずかしい。不純だと思われないかな? そんな考えが頭を巡る。

 けど、

 

「やぁ〜んなにそれロマンチック〜♡ いいなぁ憧れちゃうなぁ〜」

「でしょでしょ!? だから穂乃果も小咲ちゃんには絶対に受験頑張って欲しくて! ずーっと応援してるんだ!」

「うんうん! それで小咲ちゃんっ。その好きな人はどんな人なのかな? イケメンさんなのかなぁ? 好きな人を追いかけて同じ高校に行くために勉強を頑張るなんて……甘酸っぱくて可愛くてぇ……。青春って感じで私も応援したくなっちゃうなぁ」

 

 穂乃果ちゃんとことりちゃん、2人とも純粋な目で、笑顔でこちらを見てくれている。

 不純だ、なんて思ってない。心から応援してくれている。そんな気持ちが伝わってくるようだ。

 

「——————もしかして、動機が不純だ、なんて思ってた?」

「え、それは……」

「そんなことないよっ。だって、小咲ちゃんが自分で決めて、1歩踏み出して、勉強をこーんなに頑張るくらいだもん。だからそれは、充分立派な動機だよ」

 

 そう言うと彼女は快活な笑顔でニコッ、と笑う。

 やっぱり凄いな。彼女の笑顔と言葉は。どこか引っ張ってくれるような、後押ししてくれるような力がある気がする。

 

「だから、もっと自信を持って頑張ろうよ。穂乃果たちもできる限り力になるから。ね、ことりちゃん?」

「うんっ! そのためにはまずぅ……、そのお相手さんの話を色々して欲しいなぁ♡ どんな感じで出会ったのかとかぁ最近の出来事とかぁ……!」

 

 まずい、ことりちゃんのスイッチが入っちゃったみたい……だけど、2人とも純粋に応援して、後押ししてくれてる。

 

 それは、純粋に凄く嬉しいかな。

 

「あはは。ありがと穂乃果ちゃん。じゃあ私ももっと、穂乃果ちゃんたちに甘えつつ頑張ろうかな……ってそんな事よりもことりちゃん、さっきから私海未ちゃんが何も言わないのが気になってるんだけどっ……!」

 

 ことりちゃんの話題を逸らすために、さっきから何も言わない海未ちゃんに話題を振る……けど。

 海未ちゃんの様子がおかしい。肩をふるふる震わせてるけど……何かあったのかな?

 

「は、は、は」

「え、どうしたの海未ちゃん。何か——————」

「破廉恥ですっ!!!」

「ふぇ!!?」

 

 急に叫び出した海未ちゃんに、私は少し動転する。

 え、破廉恥って……どゆこと!?

 

「あ、ごめん小咲ちゃん。言うの忘れてたけど、海未ちゃんこの手の話耐性なくて……」

「あ、そういう事……?」

「男性と、女性が、一緒に……。うぅ、考えただけでも……!」

「う、海未ちゃーん? ちょっと話が飛躍しすぎてるような気も」

 

 穂乃果ちゃんがそう声を掛けるも。

 その声は届いていないのか、そのままの勢いで私に————

 

「ダメですっ! 小咲は渡しませんっ!!」

「う、えぇ!? ちょっと海未ちゃ……!?」

 

 抱きついてきた。

 まずい海未ちゃん……というか穂乃果ちゃんもことりちゃんも、すごく「可愛い」部類の女の子だ。急にそんなことされたら同性の私でもドキドキしてくる。

 

「何処の馬の骨ですか小咲を誑かす不届きは!? 許せません!!」

「あ、いや、一条君はそんな人じゃな————」

「イチジョウ、と言うのですね……! それならいっそその男を弓で——————!」

「わーっ!! 海未ちゃんが暴走したぁ!! 止めるよことりちゃんっ!」

「わ、あわわ……! 海未ちゃん落ち着いてぇ〜!」

 

 わいわい、きゃあきゃあと賑やかになる穂乃果ちゃんの部屋。まぁ、ちょっと大変かなぁ、なんて思うけど。

 でも、るりちゃん以外にも、これだけ応援してくれる人が沢山いるのなら、きっと。

 

 一条君との関係も前に進めていけるかな。なんて、らしくないことを考えた。

 

 

 

 

 ちなみにこの後長居しすぎて帰るのが遅くなり、お母さんにちょっと怒られたのは、また別の話だ。

 




小野寺やことほのうみの口調とかそういったところに変なところがないか。
それだけが不安(震)
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