勇者王ガオガイガー外伝-銀の闇-   作:わったさん

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パリ郊外に位置する対バイオネット特殊警察「シャッセール」。かつて所属していたが敢え無く殉職した前任者エリック・フォーラーの穴を埋めるため、極秘防衛機関「CODE」から新たな要員が派遣される。別名CODE-No.4。その正体は?


1.白銀の追撃者

■シャッセール本部

パリ郊外に位置する対バイオネット特殊警察「シャッセール」の地下本部。殉職した前任者エリック・フォーラーの穴を埋めるため、極秘防衛機関「CODE」から新たな要員が派遣される日、司令室には独特の緊張感が漂っていた。

 

※極秘防衛機関「CODE」

正式名称は「Confidential Organized Defensive Establishment」(そのまま極秘防衛機関の意味合いになる)。シャッセール以上に過激な組織であり自ら進んでテロ討伐に乗り出す防衛機関。戦闘機・特殊部隊等の大規模な戦力、軍事力を保有している。司令官であるNo.0を除いてナンバーを与えられたエージェントは(No.1~No6)までの少数であり、全員が何かしらの人間離れした力を持つ。エージェントは基本単独行動が基本。才能さえあれば老若男女一切問わない超実力主義組織。同じ職種であるためシャッセールとCODEは便宜上は協力関係にある。危険な任務に当たるが故に報酬も莫大である。

 

ビークルロボ姉妹である光竜・闇竜もどんな人物かドキドキしていた。

 

光竜「どんな人だろうね?」

闇竜「分かりませんが、エリック様に匹敵する要員である以上は実力者に違いありません。」

ルネ「誰でもいいさ……こっちの邪魔さえしなけりゃね。」

 

腕を組み相変わらず勝ち気でぶっきらぼうな態度を取るルネ。自動ドアが滑らかに開き、足音がひとつ響く。入ってきたのは、銀髪に澄んだ青い瞳を持つ、どう見ても7歳ほどの小さな少年だった。足元は頑丈なブーツ、身には動きやすそうな紺色のジャケットを羽織っている。

 

【挿絵表示】

 

レン「CODEから派遣されましたCODE-No.4、不動レンです。本日からよろしくお願いいたします。」

 

ぺこりと深くお辞儀をする少年。そのあまりにも無垢で真面目な挨拶に、室内の一瞬の静寂が破られた。そしてルネはパピヨンに命令する。

 

【挿絵表示】

 

ルネ「…………パピヨン、CODEに連絡してすぐに間違いを伝えな。シャッセール本部に乳飲み子が来たってな。」

パピヨン「ルネ。CODEからの公式IDとデータは本物よ。」

ルネ「はあ?ジョークのつもりかい?CODEの連中は、こんなガキを後方支援兼実闘部隊の補充として送ってきただって?ッチ!!冗談じゃないよ!」

 

舌打ちをしながら苛立ちを隠さずに吐き捨てるルネ。サイボーグとしての激しい気性が怒気となって空間を圧迫する。オペレーター席のパピヨンは、いつもの穏やかな笑みを崩さずにターミナルを操作していた。だが、画面に表示されたレンの個人プロフィール——生い立ち、過去の討伐実績、そして「死者の数」を目にした瞬間、彼女の表情から僅かに血の気が引いた。

 

【挿絵表示】

 

パピヨン「(……嘘……これが、この子の経歴だというの……?5歳でバイオネットのテロリストを数百人……「銀の闇」……噂には聞いていたけれど……)……ルネ、彼が噂の銀の闇よ。」

ルネ「……何だって?」

 

※銀の闇(アルジャン・ノワール)

フランス政府ではバイオネット配下のテロリストを容赦なく何度も惨殺する謎の銀の閃光の噂が流れていた。テロリストが慌てふためく中、銀が煌めく瞬間に全ての戦いが終わり血の惨劇として終わる。あまりにも早く一方的な戦いから、いつの間にか闇に煌めく銀をなぞらえて銀の闇(アルジャン・ノワール)この噂はシャッセールにも響いていた。

 

ルネ「…噂には聞いてたが…まさかこんなガキがか…!」

レン「恐縮です。」

 

パピヨンは無表象を装いながらも、内心では信じられないといった面持ちで、モニターと眼前の少年の顔を交互に見比べずにはいられなかった。パピヨンを無視して光竜と闇竜がレンの元にやってくる。

 

光竜「わあっ! かわいい! ルネお姉ちゃん、あたしたちにおとうとが出来たの!?」

闇竜「光竜、お待ちなさい! 彼は挨拶の仕方も立ち振る舞いも洗練されています。ただの子供ではありません。……ですが、この小ささで戦場に立つというのですか……?」

 

無邪気にはしゃぐ光竜と、警戒と気遣いを交えて少視する闇竜。ルネは腕を組み、冷ややかな視線をレンへと向けた。

 

【挿絵表示】

 

ルネ「……ウチに帰んな。ここは子供の遊び場じゃないんだよ。」

レン「疑うのは当然です。ですので、僕の腕を見てから判断して頂けないでしょうか?」

ルネ「へっ、言うじゃないか。CODEが誇る「銀の闇」がまさかこんな乳臭いガキだとはね。悪いが、アタシは戦場で足手まといのお守りをする気はないんだよ。腕前を証明してみせな!」

レン「……はい。パピヨンさん。訓練場をお借りしてもよろしいでしょうか。」

パピヨン「えぇ、こっちよ。」

 

レンは怒るでもおびえるでもなく、淡々と、しかし真面目に対応した。

 

【シャッセール・地下戦闘訓練場】

ガラス越しの見学室からルネ、パピヨン、光竜、闇竜が見守る中、広い訓練場の中央にポツリと立つレン。訓練プログラムが起動し、周囲から一斉にバイオネットが操るバイオボーグを模したダミー標的15体が飛び出した。次の瞬間、ルネたちの目の前で「世界」が変貌した。

 

【挿絵表示】

 

パンッ! パンパンパンッ!

 

レンの腰から抜かれた特注の二丁拳銃が爆音を上げる。反動を完璧に殺した無駄のない射撃が、寸分違わずダミーのコア(弱点)を正確に撃ち抜いていく。弾倉が空になる直前、空中で一瞬にしてリロードを完了。詰めてきた近接用ダミーに対しては、瞬時に抜き放った二振りのコマンドナイフが閃光のように閃いた。

 

ザシュッ! ガギィン!

 

弱点関節を的確に切断し、装甲の隙間へナイフを突き刺す。その動きは舞踊のように美しく、そして何より——徹底的に効率化された「殺戮の技術」そのものだった。

 

ビー!!!

 

ブザー音が鳴り響くとアナウンスが鳴り響く

 

『ターゲット、全機沈黙。経過時間——19.8秒。』

 

光竜「すごーい! 一瞬で終わっちゃった!」

闇竜「なんという無駄のない動き……! プロの軍人でもあれほどの精密動作は不可能です……!」

ルネ「(あたしでもあのシミュレーションレベルを終えるのに25.7秒かかるってのに……)…………チッ。気に入らないね。あの幼さでどれだけの修羅場をくぐればあんな動きができるってんだ……。」

 

【挿絵表示】

 

ルネは苦々しげに呟きつつも、その圧倒的な実力を認めざるを得なかった。訓練を終えたレンは、息ひとつ乱さずに銃とナイフをホルダーへ収めると、見学室へ向かって再び小さく一礼した。

 

レン「デモンストレーションを終了します。ご協力ありがとうございました。」

 

ガラスの向こうのルネ達には見えない。彼が銃を握り締めるとき、その瞳の奥に「二度と自分のような悲劇を生み出さないためにテロを根絶する」という激しい憎悪と、それでも人を傷つけたくないという相反する痛切な優しさが隠されていることを。歪んだ世界に染まり、戦うことしか教えられなかった少年。「銀の闇」と呼ばれたその心は、今も変わらず白銀のように清らかなまま、シャッセールの戦いへと身を投じていくのだった。




いつもつっけんどんで一匹狼じみたルネ。CODEのエージェント達と関わる事で人間的に大きな変化を遂げます。
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