ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜 作:マーベルウルトラ
地球のロンドンへ行った優斗たち。
その曇り空を切り裂き、宿敵マレキスの漆黒の巨大宇宙船が姿を現します。
大切な人々を護るため、それぞれの神が不退転の決意を胸に、今、正面から激突します。とうぞお楽しみください!
──バリバリバリバリッ!!!
ロンドン中の大気が悲鳴を上げるような凄まじい電子バグノイズとともに、グリニッジの曇り空がメリメリと激しく引き裂かれた !
空間透過を完全に解除し、黒い雲を真っ二つに割りながら、ロンドンの街を見下ろすように威圧的な大降臨を果たしたのは、十字型の形状をした、あのマレキスの漆黒の巨大宇宙船の本隊であった 。
奴らがコンバージェンスの次元の裂け目の真上へと現れた、まさにその時。
泥のついた農作業服の上から漆黒の戦闘ジャケットをカチッと纏い、ジッパーを上まで滑らせて全能の力を完璧に隠蔽した出で立ちの真中優斗が 、長靴の足元で鋭くロンドンの大地を蹴って跳躍した !
サークルアームズを最大出力で構えた優斗が、無限のぬくもりを宿した白金色の創生グリッター粒子とフル・ムーンエタニティの大濁流を一気に解き放つ!
空間そのものを固定するような創生の烈光が、突入してこようとする巨大宇宙船の凄まじい質量を真っ向から受け止め、きしませながらマレキス本隊の動きを完璧にその場へと停滞させたのだ 。
「ロキ、今だっ!!」
優斗が最高のタイミングで戦場のバトンを繋ぐ 。
優斗の力によって完璧に生み出されたその隙のなかに、魔術の神──ロキが「一匹たりとも生きて宇宙へ逃がす気はない」と流麗に髪を払い、両手を天へと全開に掲げた 。
ロキが生まれ持った氷の巨人としての冷たく澄み切った青い光の芯のなかに、オーディンから受け継いだ誇り高き王家の黄金の烈光、そして母フリッガから優しく手解きを受けた慈愛の緑とオレンジのぬくもり色彩が、まるで極上のマーブル模様の如く美しく溶け合い、大共鳴を起こしながらロンドンの曇り空をドーム状に完璧に覆い尽くしていった !
それはマレキスの撒き散らそうとした赤黒い暗黒物質ごと、マレキス軍の宇宙船本隊をグリニッジの決戦場ごと完全に包み込んで外に出させないようにする、清らかな四色の大結界であった 。
その美しく温かい神聖な光の盾にふんわりと包まれ、凄まじい衝撃波や降り注ぐ瓦礫の恐怖から完璧に護られた一般の地球人──ロンドン市民たちは、スマホのカメラを向けながら、瞳に安どの涙を浮かべて大喜びした 。
「おい、見ろ! あの綺麗で温かい光の盾はなんだ……っ!? あの人は、雷の髪の仲間か……っ!?」
しかし、感謝の視線が集中するなか、長い指先で気恥ずかしそうに髪を払いながら、ロキがフッ……とこちらを振り返ったその刹那であった 。
その端正な横顔が露わになった瞬間、ロンドン市民たちは感動の涙を一瞬で引っ込め、顎が外れるほどに目を丸くして大絶叫を起こした !
「──って、うそだろ!? 彼奴は一昨年のニューヨークを襲ったあの中継で見た悪党のロキじゃないか……っ!?」
「いや、だけど纏っている雰囲気が一昨年のニューヨークの時と全然違うぞ……っ!? なぜあんな悪魔の如き嘘つきが、こんなに温かくて清らかな最高の笑顔で私たちを護ってくれているんだ……っ!?」
かつての恐怖の侵略者が、今度は自分たちを命がけで護る気高き守護者として現れた現実に、地球の民衆が困惑していた。
「──フン、相変わらず騒がしい野蛮人たちだね。言われずとも、私は出来ることをするだけだ」
ロキは民衆の驚愕を背に受けながら、心の中で「頼んだぞ兄上」と静かに呟き、足元に精密な魔術のぬくもりを完璧に敷き詰めた、まさにその刹那である 。
ロキの紡いだ美しい四色マーブルの結界のぬくもりを感じて深く感心したウォーリアーズ・スリーと女戦士シフの精鋭たちが、一斉に武器を掲げてダーク・エルフの軍勢へと突撃を敢行した!
巨大宇宙船から結界の内側を食い破ろうと無数に吐き出されるダーク・エルフの戦闘艇や獰猛な兵士たちの残党 !
「がははは! ロキ様、見事な足場だ! もう一度見せてもらったぞ!」
「これほど温かく強固な結界を張るとはな!本当に変わったのだな」
移動直前の約束通り、ロキの精密な魔術を使ったのを見てヴォルスタッグが、巨大な大斧を豪快に振り回してダーク・エルフの重装兵たちをまとめてコマ切れの如く粉砕してブチ飛ばしていく 。
さらにファンドラルとシフが流麗な剣技のコンビネーションを炸裂させ、鋭利な戦闘艇の装甲をバリバリと両断した 。
スマホを構えて応援するロンドン市民たちを前に、「ミッドガルドの民よ、安心しろ! 真中優斗が護ってくれたアスガルドの借りは、今度は俺たちがこのミッドガルドの地で完璧に返す!」と、頼もしい咆哮を響かせながら、彼らは最前線を大無双で死守していくのだった 。
兵士達を仲間に任せ、その戦場の中心── 。
マレキス本隊の巨大宇宙船を見上げる優斗の胸の奥に、この地球に生きる、自分がずっとから愛してきた人々の愛おしい日常を、マレキスの怨念で1ミリでも傷つけさせはしないという、どこまでも優しいぬくもりが大爆発した 。
数々の邪神たちを暗黒次元でねじ伏せてきたあの本物の戦神としての底知れない静かな威圧感を瞳の奥に鋭く走らせ、世界を守るため絶対的な安心感を以て、人のために戦う神の気高き風格をその全身にみなぎらせる 。
その優斗の人のために戦う強い意志と、ロキの紡いだ結界のぬくもりを野生の直感で誰よりも敏感に感じ取ったソーの魂が、熱く震える !
まだ未覚醒だが「今だけは使える身体から出る雷」をムジョルニアの雷と合わせギチギチと軋ませながら、ソーが優斗の横へと並び立ち、同時に大空へと跳躍した !
「行くぞ、優斗!」
「うん、いこう、ソー!」
固く誓い合った最高の掛け合いとともに、ソーがムジョルニアと左手から迸る爆発的な雷を一本の大極太雷光へと大集束させ、宇宙船の主砲バリアへと真っ正面から激突させて無力化した。
そこへ間髪入れず、優斗がサークルアームズにフル・ムーンエタニティと白金色の創生グリッター粒子を流れるような残像を伴って大集束させ、ソーの放った雷撃の軌道をなぞるように白金色の光の刃で空間ごと鮮烈に一閃した !
光と雷が大共鳴を起こした攻撃が、マレキス本隊の巨大な主砲の砲塔がドカンと音を立てて消し去った。
「おのれ……! エーテルはどこだ!? 何故この地にあの娘(ジェーン)がおらんのだ……っ!?」
自慢の巨大宇宙船の主砲を一瞬で融かし消去され、船体をメリメリと両断されかけながら、錯乱したマレキスが目を血走らせて絶叫した 。
この地球のコンバージェンスの中心へ来ればジェーンからエーテルを強奪できると信じて這う這うの体でこの地へ来たというのに
優斗の完璧な先回りの深謀遠慮によって、ジェーンはアスガルドの最高医療室で厳重に護られており、このロンドンの地にはエーテルがないという事にマレキスは絶望した。
優斗は不敵に、けれど最高に頼もしい笑顔で告げた 。
「ジェーンさんならアスガルドでゆっくり休んでもらっているよ。マレキス、君をここで倒してから、安全に取り出す約束をしたんだ」
エーテルを奪還して世界を暗黒に還すという数千年の悲願が、優斗によって最初から完璧に邪魔されていたと知ったその刹那、マレキスの脳内で最後の理性の糸がプツン……と切れた !
優斗(ウルトラマン)への植え付けられた絶対的な敗北のトラウマが、逃げ場のない怒りと狂気へと反転し、マレキスはガタガタと全身の細胞を激しく震わせながら絶叫した。
「勝てぬ……あのウルトラマンには、今のままで絶対に勝てぬ……っ! ならばエーテルなぞ無くとも、我が命、我が軍勢の器のすべてを燃料としてこの世界を焼き尽くし、貴様をこの多次元の裂け目ごと、完全なる闇へ道連れにしてくれよう……っ!!」
マレキスは船内に保管されていた、残りのカースをすべてを掴み取ると、自らの胸の奥へと力ずくで直接突き立てた!
さらに、周囲を固めていたダーク・エルフの兵たちの胸の奥へも、カースを一斉に入れさせたのだった !
皮膚を透過して赤黒い不気味な暗黒物質の血管が全身へと蔓延り、カースを埋め込んだマレキスと兵士たちは、理性と身体がジュウジュウと音を立てて強制的に焼き尽くされ、全員の肉体を赤黒い溶岩のようにドロドロと床へ融かし崩しながら、何倍もの巨体へと膨れ上がっていく !
マレキス本人までもがアルグリム以上の破壊の怪力と即座超修復能力を宿した最悪の生体兵器へと進化を遂げ、数千のカースの化物軍勢となって、理性を完全に喪失したおぞましい自動殺戮兵器として牙を剥き、優斗たちの前へと姿を現した !
理性を失った数千のカースの化物たちが、大地を爆砕しながら咆哮を上げて襲いかかってくる、その未曾有の地獄を前にして── 。
優斗は長靴の足元で静かにロンドンの大地を踏み締めながら、サークルアームズを天へと掲げた 。
「……自分の命すらもをすべて溶かして、何倍もの力を出してきたね。──よし、みんな、これ以上地球が傷つく前に、僕たちの力で、マレキスたちを倒そう!」
その瞬間、優斗の頭上にピキィィン……と澄み切った『創生回路』が何重にも大爆発を起こし、セーブを司る不滅の戦闘ジャケットを【カチッと纏ったまま】、あの5000年前に人間体の姿でマレキス軍を蹂躙・壊滅させた時と同じ等身大の姿のまま、ジャケットの白銀の刺繍と全身の創生回路へ、白金色の創生烈光とフル・ムーンエタニティの全能パワーを美しく大覚醒させた !
その優斗の圧倒的な覚醒の創生光に呼応するように、横に並び立つソーの金色の双眸がバチィィィンッ!と青白い神の稲妻で完全に染まり上がる !
ソーは「ロキ、父上、母上……俺を支えてくれる家族の愛がある限り、俺の肉体がこの雷に焼き切れなどするものかぁぁぁっ!!」と咆哮し、アスガルドでの優しきセーブの枷すらも、弟を誇りに思う兄の力で力ずくで完璧に制御・内包したままリミッターを完全ブチ破った !
一瞬の制限を完全に超越した半覚醒を遂げ、右手の戦鎚ムジョルニアから迸る天を裂く雷撃の嵐とは別に、何も持っていない『左手の拳』からも、ロンドン全体の空間そのものをメリメリと激しく歪ませる爆発的な神の雷をバリバリと無限に迸らせて実体化したのだ !
白金色の刺繍が眩しく輝く戦神の出力を等身大のまま全開放した優斗と 、左右の両腕から空間を歪ませる程の雷を出すソーの二人が 、数千のカース化物軍勢を見据えて不敵に、けれど笑顔で横へと並び立つ 。
「これで最後だ行くぞ、優斗!」
「うん、決着をつけにいこう、ソー!」
お互いを呼び捨てで呼び合う光と雷の神の最大出力を抑えるようにロキの結界がさらに色を強めロンドンの大空を包み込み、マルチバースの歴史のすべてを塗り替える幕開け── 。
第22話をお読みいただき、本当にありがとうございました!
作戦通りにマレキスを迎え撃つ優斗とソー、そしてロキの四色大結界への驚愕を描かせていただきました。
追い詰められたマレキスが引き抜いた最悪の選択。
それに対する優斗とソーの並び立ちに、どうぞこれからの余韻と緊迫感を色々と想像しながら、お待ちいただければ幸いです!