ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜 作:マーベルウルトラ
一足先に飛び立った優斗の留守中に紡がれる、王宮での穏やかで賑やかな数日間の物語をどうぞお楽しみください !
主神オーディンと真中優斗
──二人の絶対神が静まり返った部屋で、未来の奇跡のための極秘のバトンをガッシリと交わし合い、次なる多次元宇宙の因果へ向けて誓いあった翌日のことである。
ジェーンの体内に残るエーテルによる負荷を完璧に治療するため、優斗の友のいる星へと出発を数日後に控えた王宮の大広場には、アスガルドの精鋭たちが総出で集まっていた。
優斗の真横には、ソー、ロキ、そして最前線での死線を共に潜り抜けたウォーリアーズ・スリーや女戦士シフ、さらにはすべてを見通す番人ヘイムダルまでもが厳かに並び立ち、最高の笑顔で見送っていた。
優斗はサークルアームズを優しく構え、全員へ向けて最高の笑顔を浮かべた。
「それじゃあ、僕はみんなより一足先に、僕の星に行って一通り終わったら友人達を連れてくるね! みんなを乗せるための、大きな宇宙船で戻ってくるからさ!」
次の瞬間、優斗の身体がまばゆい白金色の光の霧となり、アスガルドの曇り空の彼方へ向かってシュパッと頼もしく空をブチ抜いて飛び立っていった。そのあまりにも爽快で圧倒的な等身大の巨神の旅立ちを、アスガルドの全員が誇らしげな最高の笑顔で見送るのだった。
──お気に入りである優斗が一足先に宇宙へと飛び立ったため、周囲はヘラがさっさと自身の領地である冥界へと引きこもるのだろうと思っていた。
──だが、ヘラは違った。
ミッドガルドの科学者であるジェーンを大層気に入った様子のヘラは、優斗が留守にしているこの数日間、ずっとアスガルドの王宮に残り、テラスや庭園でジェーンに付き従いながら、和やかに、楽しそうにお喋りを楽しんでいたのだ。
広大なテラスの食卓の上で、優しい母フリッガが美味しそうなご飯を作るその真横で、ヘラはおもむろに優斗の残していったご飯をパッとつまみ食いしながら、隣に座るジェーンへとその黒い双眸を向けた。
「いいかジェーン、あの手加減を知らない愚弟はな、昔の玩具を欲しがって、オーディンの前で大泣きした挙句に雷を暴発させて王宮の庭を真っ黒に焦がしたのだ。ロキもロキで、昔はその焦げ跡に幻影を隠して私を驚かそうとして、まとめて奈落へ放り込んだが」
ヘラは気高くもどこか過保護な姉としての表情を浮かべながら、ソーやロキの幼い頃の可愛い黒歴史やあれこれを次々と楽しそうに暴露していく。
それを聞いたジェーンは「ふふ、ソーにもそんな可愛い頃があったのね」とクスッと笑い声を漏らしていた。
ジェーンとヘラが楽しそうに昔話に花を咲かせるのをフリッガは嬉しそうに見ていた。
そして静かな夜。
優斗がオーディンへ手渡していった、この二年で様々な星で友人や知り合いに様々な力や魔術を掛けてもらった【白銀の魔術衣】とブルース・バナーへと渡すための【無色の魔術衣】を囲み、主神オーディン、王妃フリッガ、ヘラ、ロキ、そして一人だけ仲間外れで凹まないように完璧な役割を与えられたソーの王家全員が、家族同然となったジェーンを真ん中にして、まさにこれから力を込めようとしたその直前のことである。
衣服にそっと触れ、オーディンたちに頼む『前』の段階で、すでに優斗の友人たち──至高の魔術師エンシェント・ワンをはじめとする仲間たちが服の中に入っていたあまりにも凄まじすぎる精密な魔術と力を直に目の当たりにした瞬間、ソーとロキの二人が、激しく双眸を見開き、顎が外れるほど目を丸くして度肝を抜かれた!
ソーが「な……何だこの服に宿っている異常な力は!? 我らアスガルドの神の加護を授ける前だというのに、一着で九つの世界の軍勢と戦えるほどの力がすでに宿っているではないか! 優斗、お前は一体どんな凄まじい友人に頼んできたのだ!?」
と大声をあげて絶叫し、ロキも「フン……兄上、魔術師たちの精密なルーンや幾何学が完璧に調和して宿っているのだからね。
……まだ父上たちの力を入れる前だというのに、本当にあり得ないほどの完成度だ……」と、驚愕していた。
その二人の大きな大騒ぎを前に、ヘラ姉上はいつも通りみたいなツンとした気高きすました顔で澄ましており、それを見つめる主神オーディンと王妃フリッガは「ふふ、彼らは相変わらずね」とお互い目を細めて最高の笑顔で見守る。
いよいよ静かに、優しく、ジェーンを真ん中に添えたオーディン家族全員による、アスガルドとしての最深の加護の儀式が始まった。
衣服を囲む5人の真ん中にジェーンを優しく添え、主神オーディンの全能の神威の金色光、フリッガとロキの神聖なる精密ルーン回路の緑光、ヘラ姉上の気高き生気の黒銀光、そして1人だけすることが無く凹まなかったソーの満足げな最高の笑顔と共に放たれる半覚醒の鋭く澄み切った青白い雷が、ジェーンの地球の民としてのどこまでも清らかな温かい祈りと共に優しく衣服へと吸い込まれていく。
それらの異なる強大な神々の力が、優斗の光をを触媒にしてパシィィィン……と極彩色のまばゆい絶対防衛オーラとなってで上書きされていった。
「これで優斗が戻ってきたら、腰を抜かすほど目を丸くして驚くぞ」
一人だけ何もないと凹みかねなかったソーも、最高の役割を全うして大満足の最高の笑顔を浮かべ、全員で笑い合いながら優斗の宇宙船での凱旋帰還を待ち望んでいた。
儀式を終え、星々が美しく瞬く夜のテラス。
ソーは隣に並び立つ愛しいジェーンの肩をそっと抱き寄せ、これからの輝かしい旅路を見据えて、お腹の底から頼もしく、どこまでも優しい愛の声を響かせた。
「明日だな、ジェーン」
「ええそうね」
そのソーの言葉に、ジェーンもまた、すっかり健康になった最高の笑顔をソーへと向けて、深く、愛おしそうに頷き返すのだった。
第29話をお読みいただき、本当にありがとうございました!
ソーたちの驚愕と王宮総出の加護の上書き儀式を描かせていただきました 。
テラスで見つめ合い、旅立ちの夜にジェーンと言葉を交わしたソー
優斗が連れてくる大きな宇宙船の凱旋、どうぞこれからの余韻とともに色々と想像しながら、お楽しみにお待ちいただければ幸いです !