ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜   作:マーベルウルトラ

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第3話を開いていただき、本当にありがとうございます!穏やかな対話から一転、ヘリキャリアを最悪の事態が襲います。100分の1にリミットされた生身の優斗が、大切な人たちを守るためにどのような選択をするのか――。それではどうぞ!


第3話牙を剥く宇宙の法則

その温かい雰囲気や言葉を受け、作戦室のメンバーたちの間に流れていた張り詰めた空気が、ようやく静かに解きほぐされていく。キャプテンがゆっくりと盾を脇へ下ろし、トニーもまた、不気味なほど高いエネルギーを放ち続ける少年を見つめながらリパルサーの輝きを収めた。

 

「味方、か。バナー博士を癒しフューリーが銃を降ろし信頼するなら一度信じよう。僕はスティーブ・ロジャースだ。よろしく頼む」

 

キャプテンが自らの名を名乗り、優しく右手を差し出す。優斗はその手を両手でそっと握り返した。

 

「真中優斗です。スティーブさん、よろしくお願いしますね」

 

「トニー・スタークだ。億万長者で天才、プレイボーイのアイアンマン。まあ、君のスキャンデータを見てると、私の頭脳でも処理しきれない謎が山積みだがね」

 

トニーがいつものように肩をすくめると、優斗はクスクスと嬉しそうに笑った。

 

「トニーさん、お会いできて嬉しいです」

 

「俺はアスガルドのソーだ。衣服のことは追々聞かせてほしい、真中優斗」

 

ソーが力強く頷くと、優斗も

 

「はい、ソーさん。いつかゆっくりお話ししますね」と返した。

 

バナー博士も、未だかつてない心の平穏に涙を拭いながら、恐る恐る手を伸ばした。

 

「ブルース・バナーです。さっきは、取り乱してしまってすみません。……僕を助けてくれて、本当にありがとう、真中くん」

 

「いいえ、ブルースさん。少しでもお力になれたなら良かったです」

 

――アベンジャーズのメンバーそれぞれと、穏やかに名前を交わし合う丁寧な自己紹介。

 

これから地球の未来を共に守るための温かい絆が、この作戦室に和やかに結ばれた、まさにその瞬間だった。

 

ドォォォォン!!!作戦室の床が激しく突き上げられ、巨大な空中空母の巨体が悲鳴を上げて大きく傾いだ。

 

ロキの放った襲撃兵たちによって、ヘリキャリアの第3エンジンが爆破されたのだ。室内の照明が一瞬で真っ赤な緊急電源へと切り替わり、けたたましいサイレンが室内に鳴り響く。

 

「エンジンがやられた! スターク、ロジャース、急いでくれ!」

 

フューリーの怒号が響く中、優斗のすぐ目の前で、ブルース・バナーが再び苦しげに頭を抱えて通路にうずくまった。 

 

エンジンの爆破による凄まじい衝撃と降下パニック、そしてロキの杖(セプター)が放つ禍々しい狂気の波動が、優斗が先ほど施した癒やしの静寂を、無理やり内側から食い破ったのだ。

 

「う、うわあぁぁぁっ!!」

 

バナーの皮膚がみるみる緑色へと膨れ上がり、苦悶に顔を歪めていく。それを見た優斗は咄嗟に駆け寄り、もう一度彼に向けてそっと生身の手をかざした。

 

「バナー博士、心を落ち着けてください……っ!

 

『フルムーン・エタニティ』!」優斗の手のひらから、先ほどバナーを癒したコスモス直伝の絶対浄化の光が暖かく放たれる。――だが。

 

パキィィィン……ッ!優斗の放った癒やしの光流は、バナーの体を包み込む直前、ロキの杖の核であるインフィニティ・ストーン――テッセラクト(四次元キューブ)の冷徹な精神操作の術式に阻まれ、火花を散らして虚しくも無効化(弾かれて)されてしまったのだ。

 

ガッツスパークレンスによって出力を『100分の1』に安全にリミットされた生身の優斗の光では、ストーンが植え付けた底知れぬ狂気と宇宙の絶対的な法則を破ることはできなかった。

 

「……ダメ、ですか……っ!」

 

優斗の調和の光を完全に弾き飛ばし、衣服を引き裂いて激怒の巨獣――ハルクがその咆哮を作戦室の通路に轟かせた。完全に理性を失ったハルクは、目の前にいたソーへと怒りの拳を叩きつける。

 

神々の力を持つソーがそれを受け止め、ヘリキャリアの通路をへし折りながら、巨躯と巨躯がぶつかり合う凄まじい大乱闘が始まった。

 

「バナー、ダメだ! 目を覚ましてくれ!」

 

ソーが叫ぶが、ハルクの拳は容赦なくヘリキャリアの鋼鉄の隔壁を粉砕していく。このままではチタウリが地球に来る前に、この空中空母自体がハルクの怪力で空中分解してしまう。

 

(無闇に変身して3分間を使い切るわけにはいかない……冷却期間(インターバル)は、これから来る本当の危機の時のために残さなきゃいけないんだ。

 

 

――だったら、光が効かないなら、生身のまま僕にできる『力』を爆発させるだけだ!)

 

優斗は奥歯を噛み締め、不滅のブーツで地を蹴った。額の奥の光がキラーンと閃光を放ち、人間の姿のままウルトラ念力飛行で狭い通路を滑空。凄まじい速度でソーとハルクの乱闘の真ん中へと、命懸けで割り込む。

 

「ハルク! ソー! 離れてください!」

 

優斗は生身の両手を左右に大きく広げ、ウルトラマンリブットから授かった絶対防御波――『ストロング・リブットバリア』のいなしの波動を, 二人の巨力の激突の間に滑り込ませた。

 

ドゴォォォン!!!と空間が歪むほどの衝撃が優斗の白銀の細胞を打つが、ウルトラマンゼット直伝の絶対に膝をつかない熱血根性で耐え凌ぎ、バリアの硬度をミリ単位でいなし、コントロールすることで、二人の怪力を相殺してヘリキャリアの自壊を泥臭く、しかし完璧に食い止めてみせた。

 

「なんて力だ……!」ソーが戦慄する中、ハルクは優斗の放つ眩い光の障壁に一瞬怯み、そのままヘリキャリアの壁を突き破って遥か下方の地上へと落下していった。

 

だが、混乱はそれだけでは終わらなかった。ピピッ――ガガッ――優斗の耳の奥に、ガッツスパークレンスが感知した強烈な「未来の危機信号(エラー)」が飛び込んできた。

 

ヘリキャリアの最下層、ロキが幽閉されていた檻のエリアからだ。

 

「大変だ……優しい心の波長が、今、狙われてる……!」優斗はすぐさま方向転換し、念力飛行の最高速度で最下層への通路を駆け抜けた。

 

その頃、最下層の特殊牢獄。ガラスの檻から脱出したロキは、手にした槍型のセプターを構え、シールドの捜査官フィル・コールソンの背後に音もなく忍び寄っていた。

 

コールソンがロキの「幻術の残像」に気を取られ、大型の試作銃を構えたまま虚空を睨みつけているその隙に、その背中を背後からセプターの凶刃で刺し貫こうとした――まさにその時。

 

キィィィィン!!!空間を割るような甲高い風切り音と共に、マゼンタピンクの残光を纏った漆黒の戦闘服の男。

 

優斗が念力飛行で滑り込み、ロキが不敵な笑みを浮かべて振り下ろしたセプターの鋭い刃を、生身の右手のひらだけでガシィィィッ!と真っ向から完璧に受け止めたのだ。刃が擦れ合い、生々しい火花が優斗の顔を照らす。

 

「なに……っ!?」

 

ロキが驚愕に目を見張る。刺される直前で救われたコールソンも、背後の凄まじい衝撃音に驚いて振り返り、信じられないものを見る目で息を呑んだ。

 

ロキは即座に後ろへ飛び退き、自らの得意とするアスガルド最高峰の魔術――『幻術(身代わりの残像)』を発動させた。

 

彼の姿が陽炎のように何重にもブレ、作戦室の通路の四方八方から、無数のロキの幻影が冷酷な笑みを浮かべて優斗を取り囲む。

 

死角から影のように優斗を仕留めようとするロキの狡猾な罠。……だが。優斗は姿の見えない虚空に向けて、父親譲りのどこまでも穏やかで優しいスマイルを浮かべ、静かに語りかけた。

 

「無駄ですよ。僕には、君の幻術は効きません。それに……フリッガさんから、君の魔術の癖はたくさん聞いていましたからね」

 

優斗は一歩も動かぬまま、母親のカルミラから受け継いだ空間統御の因果を呼び覚まし、左手で空間をそっと優しく薙いだ。

 

その湾曲波動に触れた瞬間、通路を埋め尽くしていたロキの絶対の隠蔽魔術がガラスのようにパリンと音を立てて砕け散り、驚愕の表情で冷や汗を流しているロキの本体が、完全に白日の下に晒されたのだ。

 

「ば、馬鹿な……っ!? なぜ私の幻術をこうも容易く見破った……!? それに、今、何と言った……? なぜ地球人にすぎないお前が、何故私の母上の名を知っている……!?」

 

ロキの脳内は、未だかつてない凄まじい混乱と恐怖で完全にパニックを起こしていた。目の前の少年が何者か気づいていない。

 

だが、サノスを遥かに凌駕するレベルの絶対的強者の気配を放ちながら、アスガルドの「母上」しか知り得ないはずの、自分が人知れず磨き上げてきた魔術の癖を完璧に見抜いてみせた正体不明の青年に、ロキは底知れぬ戦慄を覚え、冷や汗を流して激しく逆上した。

 

「おのれ……何者だか知らんが、舐めるなぁぁぁっ!!」

 

狂乱したロキはセプターを優斗へ突き出し、その核に宿るインフィニティ・ストーン――テッセラクト(四次元キューブ)の冷徹な宇宙の純粋エネルギーを一斉に解放した。

 

凄まじい咆哮と共に、空間自体を爆砕するほどの苛烈な蒼い破壊光線が、至近距離から優斗の生身へと放たれる。

 

優斗は咄嗟に両手を前にかざし、コスモス直伝の『フルムーン・エタニティ』の美しい慈愛の光流を展開してそれを包み込もうとした。キィィィィン……ッ!と調和の波紋が奔る。――だが。

 

「……っ、流石に、宇宙のストーンの破壊力は……強すぎ、ますね……!」

 

ガッツスパークレンスによって出力を『100分の1』に安全にリミットされた生身の優斗の光では、テッセラクトが放つ宇宙の絶対的な破壊法則を完全に相殺しきることはできなかった。

 

ゴールドピンクの優しい癒やしの光は、テッセラクトの圧倒的な質量に力ずくでベキベキと押し破られ、眩い爆炎と共に弾け飛んでしまったのだ。

 

「くっ……!」

 

優斗はゼット直伝の熱血根性で踏みとどまり、神々と友人たちの力が籠った漆黒のジャケットの防御力で爆風を泥臭くいなしてコールソンを庇ったが、その強烈な爆煙の目眩ましに乗じて、ロキは這うのコソでヘリキャリアの脱出艇へと飛び乗り、そのまま逃亡していってしまった。

 

「コールソンさん、怪我はありませんか? ……少しだけ、僕に捕まっていてくださいね」

 

「あ、ああ……助かった、ありがとう、真中優斗……」

 

優斗は無傷のコールソンをそっと抱き上げると、人間の姿のままウルトラ念力飛行を大起動。一瞬で通路を逆走し、作戦室で指揮を執っているフューリー長官の元へと彼を優しく送り届けた。

 

「フューリー長官、コールソンさんをお連れしました。怪我はありません」

 

「な……コールソン!? 無事だったか……!」

 

無傷でピンピンしている部下の姿を見て、あの冷徹なフューリーが一瞬だけ呆然と腰を抜かしそうになる。

 

だがフューリーはすぐにその鋭い隻眼を光らせ、アベンジャーズを一致団結させるための“死んだフリの狂言”として、コールソンのこの生存を裏で極秘裏に隠蔽する作戦のパズルを瞬時に組み立て始めた。

 

「長官、僕はこれから、さっき外に落ちていってしまったソーさんとバナー博士(ハルク)の元へ行ってきます! 二人を助けなきゃいけませんから!」

 

優斗はそう告げると、フューリーやトニーたちの目の前で、ヘリキャリアの破壊された隔壁の隙間から、大西洋の上空へと勢いよくダイブした。

 

激しい暴風が吹き荒れる高度数千メートルの空中。優斗は神々と友人たちの力が込められた戦闘服と不滅のブーツを纏い、生身の最高速度のウルトラ念力飛行で、下方の地上へと真っ逆さまに落下していくソーとハルクの軌道を追って、神速で急行するのだった。




第3話をお読みいただき、本当にありがとうございました!宇宙の絶対的な破壊法則たるストーンの前にフルムーンが弾かれながらも、生身の『力』と不滅の服で泥臭く立ち向かう優斗の姿、そしてラストの空中ダイブを描かせていただきました。もしかしたら、今日中にもう一話投稿するかもしれません。どうぞお楽しみに!
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