ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜   作:マーベルウルトラ

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第34話を開いていただき、ありがとうございます!
訓練場での大乱闘を後にし、一人静かに宇宙船停留所(ポート)へと戻ってきた優斗 。
そこで待ち受けていた、肌が真っ青なラヴェジャーズの総大将「ヨンドゥ」との、悪友としての対談を描かせていただきます 。
どうぞ最後までお楽しみください!


第34話不器用な親父

訓練場から響くソーやロケット、エリックたちのワイワイとした賑やかな大乱闘の爆音を背に聞きながら、真中優斗は一人で静かに広大な宇宙船停留所(ポート)へと戻ってきていた 。

 

ポートの広場に優斗がスッと姿を現したその瞬間、停留所のなかにいた『ザンダリアン』をはじめとする、ありとあらゆる多様な宇宙の異星人種族たちが一斉に動きを止め、優斗を見つめ、感謝と最深の敬意を込めて次々と道を開けながら深く深く頭を下げていくのだった !

 

優斗は等身大の優しい笑顔を浮かべ、「みんな、ただいま! そんなに畏まらなくていいのに」と気軽に手を振り返しながら街の人々へと返していった 。

 

やがてポートの最奥に鎮座するとある一つの大きな宇宙船の真前でピタッと足を止めると、船の影、星々の光を背に受けてそこに立っていた肌が真っ青な男へと最高の笑顔を向けた 。

 

頭部に赤いフィンを戴き、不敵な笑みを浮かべたラヴェジャーズの総大将、ヨンドゥ・ウドンタであった 。

 

「──ヨンドゥ。少し、話があるんだ」

 

その優斗の言葉に、ヨンドゥは口元を不敵に歪めてニヤリと笑うと、いつもの口笛で操る矢をベルトに収め、親愛と深い信頼を込めて肩をすくめた 。

 

「──へっ、宇宙で一番お節介の神様じゃねえか。お前に若き昔にうっかり襲いかかっちまって、完璧に返り討ちにされたあの日から、俺様の最高の悪友の因果は繋がってんだよ。

 

……で、その悪友様がわざわざ一人で俺のところへ頼みに来る話ってのは何だよ」

 

優斗が「アスガルドの親友のソー君が世界を学ぶ旅に出るから、最高の船と安全な航路の仕込みを頼みたくてさ」とお願いを告げると、ヨンドゥは不敵なフィンを光らせてニヤリと笑った。

 

「──へっ。お前が連れてきたあのアスガルドの連中だが宇宙船を降りた時、物煙からじっくり見させてもらったぜ。

 

隣にゃいい女もついてたじゃねえか。……あ、あのアスガルドの金髪の神は強いな。

 

タラップを降りてくる時のあの佇まい、今のままでも大概化け物だが、あいつの目は本物だ。

 

……『あいつは、もっと強くなる』。己の限界って奴をブチ破って、化ける最高の器をしてやがるぜ」

 

ヨンドゥはソーの王としての絶対的なオーラを百戦錬磨の眼識で見抜いた上で、ふっと優しく目を細めて優斗の顔を真っ正面から見つめた 。

「おいそれと優斗、お前はいつまで一人でいる気だ? お前が宇宙の彼方に自分だけの星を持つって話は聞いてるし、物理的には一人じゃなくなるかもしれねえが……心の中はどうなんだ、あぁ?」

 

その悪友のどこまでも真っ直ぐな言葉に対し、優斗はいつもの最高の笑顔をふんわりと浮かべながら、けれどどこか遠くを見つめるように切なく首を横に振った

 

「あはは……。ヨンドゥ、前にも言ったとおりだよ。僕は、いつまでこの世界にいられるか分からないし、何より、僕とこの世界の人たちの寿命は全然違うからね。

 

──僕は、この先も数万から数百万年……もしかしたら、それ以上生きる。

 

この広いマルチバースのなかで、僕と同じくらいかそれ以上に生きられるのなんて、世界の概念的な存在か、あのクトーン達エルダー・ゴッドや、セレスティアルズ達くらいだからね」

 

気の遠くなるような永遠を語り、優斗はどこか寂しげに肩をすくめて苦笑いを浮かべた 。

 

「それにね、その連中からも、僕は神の如き力を持っているのに、その力を抑えて脆弱で弱い人々の為にばかり力を使う“軟弱者”だって、すごく嫌われてるしさ。

 

……それに、僕は元々この世界に迷い込んだだけの『異物』だからね。いつ世界から追い出されてもおかしくないんだよ」

 

ウルトラマンエターナルとしての宿命、 世界からの拒絶を静かに零した、まさにその瞬間のことであった 。

 

ヨンドゥは胸元へと優しく手をやると、まだ幼い頃にピーターからプレゼントしてもらった、不格好で愛おしい手作りのネックレスへとそっと触れ、口角を上げて不敵に、けれどお腹の底からの最深のぬくもりを込めて魂から叫んだのだった !

 

「──優斗、てめえは異物なんかじゃねえッ! 宇宙の天上で踏んぞり返ってる、あの傲慢で腐った神々なんかより、弱い奴らのために戦ってるお前のほうが、何倍も頼りになるんだよッ!!」

 

そのヨンドゥのあまりにも熱い言葉に、優斗は少し驚いて丸く大きな瞳をパチクリとさせたあと、胸元に優しく手を当てて、どこまでも愛おしそうにふんわりと満たされた最高の笑顔を浮かべた 。

 

「──うん! ありがとう、ヨンドゥ。……でもね、もう僕は一人じゃないんだ。

 

僕のせいでウルトラ化させてしまったライラたちが、これから先もずっと、僕と一緒にいてくれるって言ってくれたんだよ。……だから、僕にはもう、それで十分なんだ」

優斗のその満たされた笑顔を真っ正面から受け止め、ヨンドゥは口角を上げてニヤリと笑った 。

 

「──へっ、そうかい。……良かったじゃねえか、優斗」

 

ヨンドゥはネックレスから手を離すと、カチッとラヴェジャーズ総大将の顔に戻り、不敵にフィンを光らせて言葉を重ねた 。

 

「──で、船の要望は何だ? 早く段取りしてやるよ。お前の頼みなら断ることはねえが……俺たちはラヴェジャーズだ。その対価は必要だろ? 俺様に何をくれるんだ、神様よぉ?」

 

優斗はふんわりと優しい笑顔を浮かべた 。

 

「あはは、そうだね。それじゃあ対価は何がいいかな ──あれ、そういえば、今はピーターはここに居ないのかい?」

 

我が子の名前を聞かされたヨンドゥの表情が、一瞬にして、少しだけ寂しそうに、だけど目元には隠しきれないほどの愛おしさがこれでもかと溢れかえった父親の顔へと優しく崩れた 。

 

「──ああ。あいつなら、少し前から自分の船を持って独り立ちをし始めやがったのさ……。

 

そうだな、対価は……あのバカがもし宇宙のどこかで困ってたら、助けてやってくれ。お前がひょっこり現れたら、ピーターの奴もきっと喜ぶだろ。……フン、それでいい」

 

「うん、約束するよ、ヨンドゥ! ──それとね、はい。いいものを見つけたよ」

 

優斗が最高のスマイルを浮かべて手渡した、ピーターの近況が書かれた一枚の紙。

 

それを受け取ったヨンドゥは目元を熱く潤ませながら、それを誰にも見られぬように自分の机の引き出しへと大切にそっとしまったのだった 。

 

背を向けたまま、照れくささを隠すようにぶっきらぼうに呟くヨンドゥ 。

 

「……フン。一人でやれてるじゃねえか、クソガキ」

 

そのヨンドゥの言葉を静かに受け止めていた優斗は神としての最深の眼光を宿して静かに問いかけた 。

 

「──そっか。……でもヨンドゥ。ピーターが君の手元から離れたことにより、あの『エゴ』にピーターが狙われる心配があるけれど……本当に、それでいいのかい?」

その過保護な懸念に対し、ヨンドゥは不敵に笑い飛ばしてみせた 。

 

「──がははは! お前が心配してやる必要はねえよ、優斗。……あんなクソ親父の野望なんかに、俺様が育てたピーターが天地がひっくり返っても負けるかよ。

 

……あいつはどんな冷酷な運命にだって絶対に打ち勝つ、俺の『息子』だぞッ!!舐めんじゃねえ」

 

ヨンドゥは引き出しを閉めて真っ正面から向き直ると、優斗の船のオファーへと耳を傾けた 。

 

「うん、ありがとうヨンドゥ! ──船の要望なんだけど、急ぎで悪くて申し訳ないんだけど……ソーたちがこれから世界を学ぶ旅の間も、船内で戦闘訓練ができて、みんなでのご飯やパノラマを楽しめる施設がある、僕の船みたいに多機能な最高の宇宙船にしてほしいんだ。できるかい、ヨンドゥ?」

 

それを聞いたヨンドゥが不敵にフィンを光らせてニヤリと笑いアンサーを叩き込む !

 

「──がははは! お前さんのその過保護っぷりには呆れさせられるが、そんな要望、俺様たちにやり遂げられねえわけがねえだろ!

 

丁度、この前の『裏の人助け仕事』の最高の礼として、ノヴァの奴からザンダー星特製の最新鋭の最高の船を丸ごと一隻貰ったところだったんだ。

 

あいつらの堅苦しい装甲の船を、今から俺たちラヴェジャーズの天才的な手で、訓練場もラウンジも完璧に完備した『特製の最高宇宙船』に大改造してやるよ! あのアスガルドの神たちにも、せいぜい楽しみに待っとけと言っておけッ!」

 

ザンダー星最高峰の最新鋭特製船を、ヨンドゥたちが誇り高きラヴェジャーズ仕様のフルカスタム船へと一気に仕込み、安全な秘密の大宇宙航路データもメイン回路に格納することを約束する 。

 

そして、ヨンドゥは踵を返し、宇宙船のハッチへと向かって歩き出しながら、不敵に笑って最後の言葉を言った。

 

「──最後に、俺はあいつのところへ、お前から貰ったこの紙を持って行くからよ。船が出来たらお前に言えばいいな。……じゃあな、優斗」

 

その広大な父親の背中を見つめながら、優斗がどこまでも優しい最高のスマイルを浮かべて大きく手を振り返す 。

「うん! 船が出来たら僕に教えてね。──頼んだよ、ヨンドゥ!」

ピーターの紙を持ちとある女性の元へ向かうヨンドゥを見送る優斗であった。




第34話をお読みいただき、本当にありがとうございました!

次話から動き出すソーとジェーンの、ザンダー星の多種族パノラマあふれる「街デート」を、どうぞこれからの余韻とともに色々と想像しながらお楽しみにお待ちいただければ幸いです!
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