ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜 作:マーベルウルトラ
アイアンマン3開幕です。原作とはこの話も異なっております。
どうぞお楽しみください !
第40話偽装の光跡
これは優斗が地球のスターク・ラボへと現れる、数日前の出来事であった──
過酷なテロ組織との激しい戦いの火蓋が切って落とされ、緊迫した空気に包まれていた、夕暮れ時のマリブのスターク私邸
ブルース・バナー博士は肌身離さず持っていた優斗の特製お守りの加護のおかげで、ハルクの怒りに呑まれることなくナターシャと共に駆けつけた。
だが、ラボの大型モニターをジャックしたテロ組織『マンダリン』の無慈悲な爆破テロのライブ映像
──家族であり親友であるハッピー・ホーガンが血を流して重傷を負わされたテレビ中継を目にした瞬間、トニー・スタークの『圧倒的な余裕』は一時的に激しい怒りへと塗り替えられたのだった 。
「──ハッピーを、私の大切な仲間をあんな目に遭わせた奴らを、私は絶対に許さない……っ!」
ラボの機材を殴りつけんばかりに激昂し、全身を怒りで震わせるトニー
トニーは怒りに瞳を血走らせながら、「私の自宅の住所はマリブの〜だ。いつでもかかってこい」と世界に向けて私邸の住所を大公開したのだった 。
カメラが切れた後も、怒りの収まらないトニーの群を、ペッパー・ポッツは涙をこらえながら背中から優しく、包み込むようにがっしりと抱きしめて必死に宥めたのだった 。
「落ち着いてトニー、お願いだから独りで暴走しないで……! ハッピーを助けるんでしょ……っ!」
さらにその隣では、かつて誰よりも『制御不能な怒りの恐怖』に苦しみ、優斗に救われたバナー博士が、胸元の特製お守りをそっと握りしめながら
トニーの前に歩み寄り、その手をがっしりと掴んで宥めたのだった 。
「トニー、君のハッピーを想う激しい怒りも、大切な人を傷つけられたその気持ちも、僕には痛いほどよく分かるよ。
……だからこそ、どうか独りで抱え込まないでくれ。君にはペッパーも、そしてアベンジャーズの僕たちが側に並んでいるんだから」
人の温かいぬくもりに触れ、トニーは深く息を吐き出すと、ようやくいつもの天才としての不敵で余裕あふれる顔を高級ソファーの上でゆったりと取り戻したのだった 。
トニーは少し照れくさそうに苦笑いを浮かべながら、隣のシートに座るバナーとナターシャへ向けて、軽い口調でお茶目な感じで言った。
「……手厳しいな。──ところで、前々から気になっていたんだがね。いつから君達は名前で呼び合うようになったんだい?」
バナーは少し顔を赤らめながら言い返したのだった 。
「……ニューヨークの戦いから、色々あってね」
そこへ、別室から戻ってきたナターシャが、クスッと愛おしそうな最高の笑顔を浮かべてブルースの姿を見つめた 。
「ええ、ブルースがいてくれて助かったわ。シールドの任務でも、彼には何度も救われているの」
「ちょっと待ってくれ、君達、仲良くするのは勝手だが場所は考えてくれ。此処は僕の家だ」
トニーは楽しそうに笑ってみせながら、空中ホログラムを、数日前にロンドンで起きていたあの大異変を捉えた【テレビ中継】のライブ映像をピッと映し出したのだった 。
トニーは画面を指差しながら、不敵な余裕を崩さずに言葉を重ねた 。
「それにしても、数日前にあのテレビ中継で見たが……ニュース画面のド真ん中で、あの『光の巨神』の真中と、ソーの奴、相変わらず派手にやっていたじゃないか。
……僕たちも大変だが彼らも大変だな。
……それと、あのニュース映像に一瞬だけ映り込んでいたのは……まさか、あのロキか? あいつはアスガルドの牢獄に捕まってるんじゃなかったのかい?」
それを聞いたバナーが、温かい笑顔を浮かべて応じたのだった 。
「──ああ、僕もそうだと思うよ。最初にあのライブ中継を見た時は本当に驚いたよ。
アスガルドの人たちが、彼を何故あの牢屋から出したのかは僕たちには分からないけれど……でも、あの二人がついているのなら何の心配も無いだろうね」
共に死線を巡り抜けた、『光の巨神』としての優斗への、アベンジャーズの絶対的な信頼であった 。
そこへナターシャが満面の最高のスマイルを浮かべながら、トニーの肩をパッと叩いて現実へと引き戻したのだった 。
「そうね。でもスターク、あっちの心配は要らないみたいだけど──こっちは今『考えなきゃいけないこと』が、目の前にあるみたい」
ナターシャの視線の先には、トニーが自ら世界に向けて公開したばかりの、マリブ私邸の住所コンソール画面が赤く点滅していた !
ナターシャの言葉に応えるように、マリブの私邸の上空へとテロ組織の武装ヘリ部隊が突如として現れ、ミサイルの大雨を私邸へと一斉に撃ち込んできたのだった !
バリィィィンッと窓ガラスが吹き飛び、崩れ落ちる天井、爆風に包まれるなかで、トニーが「ペッパーを護れ!」と叫びながら最新のマーク42を装着しようとしたまさにその刹那、バナー博士が胸元のお守りをがっしりと握りしめたのだった !
「──スターク、ここは僕たちに任せてくれ! ナターシャ、行こう!」
優斗の特製お守りの加護のおかげでハルクの怒りは完全に鎮められており、理性を失って暴走することなどなかった 。
バナーがエメラルドグリーンの光を放ち、理性を保ったまま、ハルクの強靭な剛腕と圧倒的な質量を完璧に制御して部分解放したのだった !
バナー博士はその凄まじい剛腕を振るい、頭上から崩落してくる何トンもの瓦礫をペッパーやトニーの盾となるようにバシィィィンッと豪快に弾き飛ばしたのだった 。
上空でホバリングしながらなおもミサイルを撃ち込んでくるテロ組織の武装ヘリ部隊に対し、ナターシャもシールド特製のワイヤーガジェットを駆使して大空へと滑らかに舞い上がる 。
二人は息の合った阿吽の呼吸で、空中を縦横無尽に跳び回りながら、ヘリの装甲を真っ正面からボコボコに圧倒して次々と撃墜していったのだった 。
だが、最新の『マーク42』を装着し終えたトニー・スタークは、敵のヘリ部隊を残りわずか数機まで追い詰めて完全に壊滅させるまさにその寸前
不敵で余裕あふれる最高の最高のスマイルを浮かべ、インカムを通じて二人に戦略を告げたのだった 。
「──よし、バナー、ロマノフ、そこまでだ!
壊滅させる寸前で、わざと負けるぞ! 敵の真の黒幕を炙り出すために、私という存在がここでマリブの自宅と共に消えた(海に沈んだ)ようにカモフラージュするのさ。
ナターシャ、私の最新の通信機器を君に渡しておく。ペッパーの安全と、シールド側での保護は君に頼んだぞ
──いいか、私たちは今から『派手に負けた』というお芝居を打つんだ、それを忘れるなよ」
トニーはナターシャへと通信機器を素早く手渡すと、マーク42のブースターを全開にして、最後のヘリのミサイルをわざと浴びる形で大空へと飛び上がったのだった 。
「私は少し離れたところに行く。頼むぞバナー、ロマノフ──!」
トニーはそう格好言い消えていくとと、激しい爆炎のダミーを纏いながら、マリブの海へと一度激しい水飛沫をあげる偽装墜落をカモフラージュしたのだった 。
テロ組織の目を完璧に欺いたその直後、トニーはマーク42の全リパルサー・ブースターを全出力で開放して去っていったのだった 。
トニーは出来るだけ遠くに全速力で飛んでいき、やがて冷たい風が吹き荒ぶ雪深いその小さな町に辿り着いたのだった 。
一方、トニーの意図を完璧に理解したナターシャは、去っていったスタークのほうを見てペッパーを保護しながら不敵な最高の笑顔を浮かべたのだった 。
「彼女のことは任せて、スターク。でも、シールドのところへは行かない。少し思うところがあるの。私たちのセーフティハウスに連れて行くわ」
お守りの力を全開放してハルクの完全体へと滑らかに変身を遂げていたバナー博士も、ナターシャのそのスマートな機転に深く深く納得して温かく笑い返したのだった 。
「僕もそれがいいと思う。あの家を知っているのは、ニック・フューリーやコールソンを含め数人だからね」
迫り来る凄まじいミサイルの爆風と崩れ落ちるマリブ私邸の瓦礫の雨のなか、ハルクとなったバナー博士はその強靭な両腕でナターシャとペッパーの二人を優しく抱きかかえたのだった 。
そして、ヘリ部隊のレーダーやカメラの死角となるラボの崩落のド真ん中へと超跳躍で飛び込み
敵に『トニー・スタークも、ハルクも、全員が私邸の完全崩壊に巻き込まれて跡形もなく消え去った』と完璧に大勘違いさせるお芝居を打ちながら、煙の中にその姿を消し、安全な隠れ家へと隠密退避していったのだった 。
テロ組織が「スタークたちを全員まとめてマリブの海に沈めて壊滅させたぞ!」と完全に踊らされ、世界がトニーの死亡説に騒然となる。
テネシー州へと無事に到着を果たしたトニーは、マーク42の機能低下に備えるための予備の修理道具や精密ガジェットを大切に抱えながら、静かに歩みを進めた 。トニーが向かった先──そこは、雪の中にひっそりと佇む、ガレージであった 。
ポテトガンを構えて震えながら立っている、地球の未来ある少年と、トニーは出会うのだった。
第40話をお読みいただき、ありがとうございました!
次回あの少年が出ますこの世界では彼の立ち位置も変わってくると思います。
お楽しみにお待ちいただければ幸いです!