ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜 作:マーベルウルトラ
次なる新章へと繋がる水面下の段取りをどうぞ最後までお楽しみください!
第44話胎動する影
衣服を大切に抱えてスタークタワーの最先端ラボへと現れた優斗、最高のスマイルを遺して、温かい光の残響と共に宇宙の次なる開拓へと颯爽に去っていった優斗──
その直後の時の出来事であった。
清らかな光の結晶粒子が空気中にほんのりと名残を遺し、作業机の上に広げられたカマータージ特製の魔術衣が、静かに波打つような不思議な質感を放っている 。
トニー・スタークは近代的な機材に囲まれた作業机の前に立ち、ふと顎に手を当てて「あ、しまった」という顔を浮かべながらバナーに言った。
「──しまったな。真中の奴に、タロスの言っていた『星の事』を聞くのをすっかり忘れていたな。衣服に夢中になりすぎた」
天才メカニックとして、衣服の魔術回路のハックやハーレーへの子ども用スーツの仕様仕込みに没入するあまり、優斗の星のことを聞き忘れてしまっていたのだった 。
それを聞いたブルース・バナー博士が、作業機材から顔を上げてトニーへと温かい言葉を重ねたのだった 。
「──そうだね。でもスターク、敵のことも彼が宇宙の裏側で熱心に調べてくれているのなら安心だ。僕たちは僕たちのやり方で、地球を護るために進めようじゃないか。星野こともまた聞けばいいし」
共に死線を潜り抜けた『光の巨神』としての優斗への、肯定の絶対的な信頼であった 。
トニーも「それもそうだな。あの真中がやってくれているなら、私たちが焦る必要は1ミリも無いさ」と不敵な余裕の笑みを浮かべ、再びハーレーのための『小さな子ども用スーツ』の最終仕上げに熱中したのだった。
細かな精密配線を流麗な手付きで繋ぎ、最後のネジをカチャンッと完璧に締め直したトニーが、満面のスマイルを浮かべて格好良くを言った。
「──よし、もう少しで完成だ」
設計図のホログラムからパチパチとまばゆい結晶光が弾けるのを見つめ、バナー博士がお守りのぬくもりを胸に宿しながら、ナターシャたちとの次なる情報戦
──悲劇を完璧に粉砕するための先回りデータベース追跡へ向けて、頼もしい最高のスマイルで言葉を重ねたのだった 。
「──そうだね。これが終わったら、僕はナターシャ達と少し調べてくるよ」
「ああ、頼んだぞ」と応じようとしたトニーは、ふと作業机を叩く手を一度止めると、ブルースの目を真っ正面から見つめたのだった 。
トニーは一人の誠実な大人の男としての親愛を込め、その格好良い口調の中に確固たるぬくもりを宿して静かに言い放ったのだった 。
「──ブルース。君には随分と世話になったな。これからは、友として頼むよ」
「……っ」
かつて『ハルク』によって、その制御不能なハルクの力の恐怖から世界中から恐れられて孤独だったブルースは、トニーから真っ直ぐに名前で『友』と呼ばれたことに、少し驚いた様子でパチクリと目を丸くしたのだった 。
だが直後、彼の胸の奥にある優斗の特製お守りが清らかな残響を放つのと同調するように、ブルースの顔にはこれ以上ないほど温かい、満面の笑みが咲き誇ったのだった 。
「君がそんな事言うなんて──少し驚いたよ。でも、君と一緒に発明をしている時は本当に楽しいし……それに、彼女と話している時のナターシャは、いつもよりずっと楽しそうだからね。こちらこそよろしく、トニー」
ニューヨークのこのスタークタワーの光の中で完璧に結実を迎えたのだった 。
二人の天才科学者コンビ(サイエンス・ブラザーズ)が不滅の男の友情をお互いに交わし合うのだった 。
──その時であった。真中優斗が訪れたことにより消えていた因子が呼び戻されるかのように、先ほどはラボの奥底へと静かに溶け消えていたはずの【不気味な因子】が、空間をモゾモゾと不穏に揺らしながら再びこの作業机の周りへと這い出てきたのだった !
その異質な因子は、冷徹な気配を纏ってアジトの影に溶け込むと、名前を呼び合って固い友情を結んだトニーとブルースの二人の姿を、暗闇の奥からじっと『静かに監視している』のだった。
まるで獲物の隙を窺うかのように冷酷に息を潜め、不気味な気配の残響のまま、静かにラボの影を満たしていくのだった── 。
そしてその時またしてもジャービスの回路に一瞬変化が訪れていた。
一方で、その頃のこと── 。
トニー・スタークとブルース・バナーがスタークタワーの最先端ラボで「友」として固い握手を交わし、再び奥底から這い出てきた不気味な因子に静かに監視されていたのとは別の場所で、ナターシャ・ロマノフはシールドの隠密任務を終えたキャプテン・アメリカ──
スティーブ・ロジャースの元へと、訪れていたのだった。
シールドの近代的な一室に、窓から差し込む夕暮れの茜色の光が長く伸びている 。
ナターシャは不敵な余裕の最高の笑顔を浮かべながら、スティーブへと軽い口調で問いかけたのだった。
「──任務の方はどう、キャップ?」
シールドの頑強な星星の盾を愛おしそうに磨き、汗を拭いながら佇んでいたスティーブは、ナターシャの姿を見つめると、これ以上ないほど誠実で頼もしい最高のスマイルを浮かべて、穏やかに応じたのだった 。
「──ああ、順調だと思う。君たちも、随分と大変だったみたいだな」
トニーたちがテロ組織AIMの拠点を完膚なきまでに全滅させていた凄まじい戦況を、スティーブもアベンジャーズの戦いをコールソンを通して知っていたのだった 。
ナターシャはニヤリと唇の端を吊り上げて言葉を重ねたのだった。
「ええ、でもスタークの企みのおかげで、面白い仲間と一緒に奴らを一網打尽に出来たわ。
──それよりキャップ、ブルースやタロスにも手伝ってもらってシールドのデータベースをハッキングしていたのだけれど、少しデータの中で気になる不穏な段取り──『ヒドラの影』を見つけたの。まだ確定じゃないけど」
ナターシャが周囲の空気すらも張り詰めさせるような極小の声で告げたその衝撃の言葉に、
正義のヒーローであるスティーブは少し驚いた様子で目を丸くしたものの、直後に鋭い真剣な眼光を宿し、割り込むように問いかけたのだった!
「──ヒドラの影だと? ……それは、フューリーは知っているのか?
ナターシャはスティーブの真正面へとさらに一歩歩み寄ると、これ以上ないほど絶対的な安心感にあふれた不敵な笑みを浮かべて即答したのだった !
「──ええ、フューリーやコールソン、それにヒルは知ってる。
クリントもタロスたちと探ってくれてるみたいだし、あの男たちのことだから、逆にヒドラの残党を完璧にハメて最初から一網打尽にするために、裏で熱心に『次の反撃の段取り』を確認している最中よ。
私たちはタロスたちがもう少し詳しく調べてくれてるみたいだから、それが終わったら作戦を始めるけど、キャプテンはどうする?」
スティーブが力強く頷こうとしたその瞬間、ナターシャはさらに不敵な笑みを深くして、戦線に今現在で最も心強い味方の名前を告げたのだった 。
「それとブルースも来てくれる。戦闘ではこれ以上ないほど心強いでしょ?」
「──そうだな、彼がいるのなら心強い」
かつてニューヨークの地で共に並び立ち、圧倒的な破壊力で道を切り開いてくれた理性を保ったハルクの姿を脳髄の奥で思い出しながら、スティーブは深く深く納得した、拳をがっしりしながら。
「──当たり前じゃないか。世界を護るのが僕たちの仕事だ。
それに……相手が『ヒドラ』なら、僕も手伝う。その時は教えてくれ。タロスたちの情報が揃い次第、僕も最前線で盾を振るわせてもらうさ」
スティーブは不屈の青き闘志をその双眸に宿した濁りのない真っ端な瞳を浮かべ、ナターシャと共に不敵に前を見据えたのだった 。
アベンジャーズの頭脳とシールドの最高幹部たちが裏で最初から繋がり、ハルクの圧倒的な力、クリントやタロスたちの超絶的な隠密情報網によって敵の裏を完全にあぶり出し
次なる『敵』を真っ正面から粉砕してヒドラの包囲網を全滅させるためにそれぞれが各場所で動いていたのだった。
第44話をお読みいただき、ありがとうございました!
次の話はこの作品独自の話になります。どうぞこれからの展開もお楽しみにお待ちいただければ幸いです!