ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜 作:マーベルウルトラ
もう一つの重要なピースが動き出します。!こちらのシリーズも原作とは違う部分がところどころ出てきます。
どうぞ最後までお楽しみください!
第60話:新生『バス』チーム始動
「コールソン。シールドとは別の特殊チームをお前に任せたい」
国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.(シールド)の長官、ニック・フューリーからその特命を告げられてから、少しの時が経っていた。
ニューヨークのスタークタワーが、ヒーローたちの同盟――アベンジャーズの誕生による温かい光の残響に包まれていた頃。
ワシントンD.C.のシールド本部からほど近い、一般の地図には決して載らない隠密滑走路には、巨体を鈍く輝かせる一機の特殊航空機が静かに佇んでいた。
シールドが誇る最高格の移動司令空母、通称『バス(CXD 232)』。
その重厚な全自動スライドドアが流麗な音を立てて開き、タラップを上がってきたのは、光の巨神の加護によって完璧に生存を果たした男、フィル・コールソン特工であった。
彼の手に握られているのは、シールドの先端技術部が極秘に開発し、さらに現場の扱いに合わせて特殊な魔術的アプローチをも内包するように大改造を施した最新鋭の多機能コンソールデバイスであった。
「──さて、ここからが私たちの新しい最高の段取りだ」
コールソンはこれ以上ないほど温かい、いつもの最高のスマイルを浮かべ、広々とした機内の開発ラボを見渡した。
今回の任務は、シールド内部の全貌を最初から全て看破しているフューリー長官や、擬態を解いたスクラル人のリーダー・タロスたち最高幹部からの直々の特命である。
しかし、この『バス』にこれから集められる若きエージェントたち自身は、まだ世界の裏に潜む真の脅威も、お互いの秘めたる資質も何一つ知らない状態であった。
最初から完璧に連携の取れたチームなど、世界中のどこを探しても存在しない。
だからこそ、ここから日夜、衝突と信頼を重ねながら不滅のチームへと成長していくこと。それこそがフューリーたちの目指した最高の仕込みであった。
まず、最初にこの『バス』へと足を踏み入れたのは、シールド最高の隠密戦闘工作員、グラント・ウォードであった。
冷徹な眼光の中に強靭なプライドを宿したウォードは、長年、単独での最前線ホールドに明け暮れてきた孤高の男であった。
しかし、彼のその類まれなる戦闘技能と、どこか不器用な内面を見抜いていたタロスが
裏で「……彼には色々と複雑な背景があるが、まあいいだろう。彼なら君たちの最高の盾となる」とコールソンへ直々に紹介したことで、このチームへの配属が決定したのである。
ウォードの実力は、あのブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフと正面から互角にやり合え、頑張ればキャプテン・アメリカやバッキー・バーンズとも、勝てはしないまでも負けはしないという、常人として最高格の領域に到達した規格外の戦士であった。
その絶対的な身体能力の謎と、背後にある深い因果を今は世界の暗闇に完全に隠したまま、ウォードは不敵な余裕を崩さずにコールソンの前に立った。
「コールソン。タロスからの推薦でここへ来たが……正直に言って、俺はチームでの行動には慣れていない。単独任務の方が圧倒的に成果を出せる。
…コールソン、お前に言われたから仕方がないが」
ウォードが不敵に肩をすくめて言い放つと、コールソンはニヤリと余裕のスマイルを崩さずに応じた。
「歓迎するよ、ウォード。君のその無骨な技術が、これからの最高の日常を護るために必要とされるのさ。さあ、次のメンバーを紹介しよう」
ガシャリと自動ドアが開き、続いてリビングへと現れたのは、若い二人の天才科学者、レオ・フィッツとジェマ・シモンズの『サイエンス・コンビ』であった。
二人はシールドのアカデミーを首席で卒業した最高格の頭脳を持っていたが、現場での実戦経験は一ミリも存在しなかった。そのため、重厚な機材を前にして目を爛々と輝かせながら、大はしゃぎで早口の議論を交わしていた。
「フィッツ! 見て、このシールド製のコンソール大改造デバイス! パラジウムの安定化回路が信じられないほど流麗に組まれているわ!」
「本当だ、シモンズ! だが、この兵器の噛み合わせの数ミリのズレが惜しいな。僕の技術なら一瞬で世界一安全な仕様に改造できるぞ!」
二人が声を張り上げてはしゃぐ姿を、ウォードは
「本当にこの子供たちが最最前線のバックアップなのか」と、ヤバいなと言わんばかりの表情で見つめ、来るところを間違えたかと自分のあの時の判断をほんの少し悔やんでいた。
さらにそこへ、コールソンが「君の操縦技術と経験がなければこの船は発進できない」と三拝九拝の筋を通して呼び戻した伝説の戦士、メリンダ・メイが、一寸の曇りもない真っ直ぐな、しかし静かなる威圧感を纏って席に着いた。
「私はただの運転手。それ以外はしないわ」
彼女の冷徹な佇まいに、百戦錬磨のウォードすらも思わず固いツバを呑んで背筋を正すほどの緊張感がラボを満たしていく。
こうして、まだバラバラの個性を抱えた、不完全なシールド精鋭チームがここに誕生した。
「よし、挨拶はここまでだ。最高のドライブを始めよう。──メイ、バスを発進させてくれ。
ロサンゼルスで、ある不思議な未確認因子の反応が出た。最近世間を騒がせている爆弾事件に似ている」
「了解」
メイの短く頼もしいオペレーションと共に、巨大な特殊航空機『バス』が凄まじい馬力の残響を響かせながら、夕暮れの光の中にスマートに大空へ発進していった。
その頃、ロサンゼルスのストリートでは、ある心優しい父親、マイク・ピーターソンが、自分の腕に埋め込まれた謎のウイルス(エクストリミスを内包するムカデ計画の因子)から発生するドス黒い不穏な発熱に怯え、
息子のエースを抱きしめながら絶望のパニックに身を震わせ。
彼が自らの意志で手に入れてしまったその強大すぎる力は、周囲の電力を激しく乱し、シールドの改造デバイスすらもバチパチと不穏に狂わせるほどの残響を放っていた。
そんなマイクの前に、バンの中から一台のノートパソコンを抱えた一人の美しい少女――謎のハッカー組織『ライジング・タイド』のスカイが、その瞳を爛々と輝かせながらひょっこりと現れる。
「──ねえ、あなたのその力、このままじゃ本当に危ないわ。あなたの身体が木っ端微塵に爆発しちゃう。私と一緒に、これからをどうするか決めましょう」
スカイがこれ以上ないほど温かくマイクへと先回り接触を試みた、まさにその危機の刹那。空を切り裂いて大降下してきたコールソンたちの『バス』から、ウォードとメイ、そしてコールソンがストリートへと姿を現した。
しかし、初めての実戦に機内でホログラムを見つめるフィッツとシモンズは慌てふためき、
地上ではウォードが「民間人のハッカーまで巻き込まれている、連携が取れない!」と激しい苛立ちの残響を隠せずにいた。
「ウォード、彼らを、全員を無傷で護るのが私たちの仕事だ! 行くぞ!」
コールソンの熱い叫びが響き渡ると同時に、マイクを狙ってストリートの周囲の車が一斉に動き出した。
それはマイクが暴走して力を制御できなくなるのを待っていたかのように、じっと影に潜んでいた謎の襲撃者たち(ムカデ計画の回収部隊)であった。
「民間人は下がっていろ!」
ウォードが鋭く叫びながら、路地を塞ぐように迫り来る不穏な追跡者たちの前に仁王立ちした。その圧倒的な戦闘技能が瞬時に爆発する。
襲いかかる男が放った強烈な一撃を、ウォードは超一流の体術で紙一重でかわすと、一瞬の隙も与えずに相手の懐へと滑らかに潜り込んだ。
それはシールドの教科書にある格闘術とは一線を画す、まるで流れる水のように滑らかで、それでいて確実に相手の芯を砕く「洗練された古武術」の歩法であった。
「邪魔な奴が多すぎる!」
ギチリと拳を握りしめ、強烈な一発を放って一人目を正面から木っ端微塵に吹き飛ばす。
その破壊力は、キャプテン・アメリカやバッキー・バーンズの放つ重撃にも決して引けを取らない。さらに、背後から襲いかかった二人の動きを、シールド製の大改造非殺傷デバイスで瞬時に無効化させると、まるで敵の動きが最初から見えていたかのように完璧にその連携を粉砕していった。
その冷徹な立ち回りの奥にある彼の瞳には、奴すらも知らない、忠誠の光が鈍く揺れている。
その真横では、メリンダ・メイが静かななる怒りを纏いながら流麗に大立ち回りを演じていた。
鋭いハイキックで襲撃者の顎を完璧に捉えて飛ばしていき、悪あがきをしようとした残党の首根っこをガシッと掴み、そのまま豪快にアスファルトへと叩き伏せて完璧に仕留めた。
「私もまだ錆びついちゃいないわ」
しかし、実験因子の負荷に耐えきれなくなったマイクの身体が、凄まじい光跡を放ちながら暴走を始めてしまう。周囲の空間がマイクの発する熱量で歪み、恐怖がストリートを支配しようとしたその時。
「フィッツ、シモンズ! 安定化を急げ!」
コールソンの無線がラボに響いた。
機内では、フィッツが目を爛々と輝かせながら「数ミリのズレもない完璧な制御剤だ!」と叫び、シモンズと共にシールド製の大改造安定化コードをストリートのコールソンへと全自動で転送した。
コールソンはそのデータをデバイスからピーと軽快に鳴らして解放し、マイクの身体を優しく包み込むぬくもりのエネルギーへと変換したのである。
これこそ、ニック・フューリーがトニー・スタークやブルース・バナーに頼み込み、スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)の肉体を解析して作らせていた特製の血清中和剤であった。
「が、あぁぁ……っ、身体が、温かい……!」
マイクの暴走ノイズは一瞬にして完全に消去され、彼はエースを抱きしめたまま、最最深の安堵の涙を流して最高の笑顔を浮かべた。マイクを脅かす影は1ミリの抵抗もできず完全全滅を迎え、ストリートに完璧な静けさが戻った。
ウォードは、混乱の中で市民の避難を手伝っていたハッカーの少女、スカイの動きをその冷徹な目で見届けていた。
その夕暮れ。コールソンはバンの中でパソコンを片付けようとしていたスカイの前へと、穏やかな最高のスマイルを浮かべて歩み寄った。
「私はシールドのフィル・コールソンだ。見事なハッキングだったよ。君のその真っ直ぐな瞳と類まれなる頭脳は、世界を安定させるために必要な力だ」
「シールドのフィル・コールソン……。でも、私はシールドのルールなんて知らないし、勝手に動いちゃうわよ?」
スカイが可愛い小首をかしげてお茶目に言葉を返すと、コールソンはニヤリと不敵な余裕の笑みを浮かべ、これ以上ないほど温かい最高の勧誘の言葉を告げた。
「──それなら、私たちの『バス』に乗って、一緒に最高のチームとして成長していけばいい。この世界を護る最高のチームになれる。私たちのところでその翼を広げてみないか?」
「……っ!」
不意を突かれたようにスカイは一瞬だけ言葉を失った。彼女の胸の奥には、自身が追う出生の秘密という「裏の目的」と「躊躇い」が確かにあった。
しかし、目の前の男が放つ温かさに嘘はない。彼女は一寸の曇りもない純粋な顔で即答した。
「私、絶対に最高のチームの一員になるわ。あなたたちのところへ行くわ! 絶対に行く!」
スカイという新たなメンバーを引き入れたコールソンは、ウォードやメイ、引いては機内で大はしゃぎするフィッツたちと最高の笑みを交わし合い、不敵にロサンゼルスのストリートを後にした。
まだ出会ったばかりで、最初から完璧に連携の取れたチームではない。
しかし、ここからお互いの個性を磨き合い、不滅の絆で結ばれていく新しい成長が、これ以上ないほど美しくスマートに回り始めていた。
第60話をお読みいただき、ありがとうございました!
新生『バス』チームがここに誕生!
最初から完璧に連携の取れたチームではないからこそ、ここから不滅の絆へと向かっていく新しい成長へと回り始めます。
ドラマシリーズはドラマの様に1話ごとに投稿します。Season4まで投稿する予定なので今のところエージェントオブシールド編は全88話になる予定です。
どうぞこれからも色々とお楽しみにお待ちいただければ幸いです!