ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜 作:マーベルウルトラ
前話のラスト、ムカデ組織の卑劣な罠によってブリッジから不穏に連れ去られてしまったフィル・コールソン──。
どうぞ最後までお楽しみください!
夕闇を切り裂くような凄まじい爆音と共に、ブリッジから連れ去られたフィル・コールソン特工。彼がヘリで辿り着いたのは、謎のムカデ組織が世界の監視の目をかいくぐって構築した、荒涼とした地下アジトの最深部にある一室であった。
部屋の中央には、かつてシールドが世界の調和を乱すとして封印した、異様な真鍮製の記憶抽出装置が鈍い赤黒い光を放って鎮座している。
シールドの最高機密であるはずの『タヒチ計画』の謎を強引に暴き、世界の裏の主導権を握ろうと、ムカデ組織の冷酷な幹部であるポと、花柄のドレスを纏って不敵な笑みを浮かべたレイナの二人が、拘束されたコールソンを鋭く取り囲んでいた。
「さあ、コールソン。大人しくすべてを話してもらいましょうか。あなたが持っている情報を……。それを拒むというのなら、この装置の電磁ノイズで、あなたの脳を直接こじ開けるまでよ」
ポが冷酷な声を空間に響かせ、拘束用の椅子に座るコールソンへと一歩を踏み出す。
科学者たちがコンソールの出力を最大まで引き上げると、禍々しい電流の過負荷ノイズが室内にパチパチと不穏に弾け飛んだ。
──だが、彼らの薄汚い段取りがコールソンの肉体、あるいはその気高き精神へと物理的に干渉しようとした、まさにその危機の刹那であった。
キィィィン──という、人間の鼓膜を優しく包み込んで震わせるような、神聖で心地よい高周波の音。
それと同時に、コールソンの身体の周囲を、白銀ときらめく金の混ざり合った、圧倒的な質量を持つ『創生光の防壁』がパッと美しく覆ったのである。
「な……っ!? なんだこれは……、この光は一体どこから!?」
装置から放たれたドス黒い干渉波動は、その神聖な光の壁に触れた瞬間に抵抗すら許されず、大いなる調和のエネルギーによって綺麗さっぱり完全にシャットアウトされた。
驚愕したポが強引にコールソンを掴もうと、汚い手を無理やり伸ばす。
しかし、見えない強固な光の質量に弾かれ、衝撃に身を震わせながら無様に数歩後ろへとよろめいた。
アジト内のモニターが一斉に異常なエネルギー波形を検知し、狂ったように赤い警告アラートを鳴らし始める。そのコンソールの数値を凝視したレイナは、あまりの衝撃にその美しい顔を恐怖と驚愕でグニャリと歪め、ガタガタと膝を震わせた。
「嘘……そんなはずはないわ……! ポ、見て、このエネルギーの調和波動……!
まさか、あのニューヨーク決戦でチタウリの軍勢を正面から木っ端微塵に全滅させたあの『光の巨神』……!
そして、あのロンドンのグリニッジを温かく包み込んだ、あの神聖な光と──完全に同じ最高格の波形だというの……!?」
「何だと……!? なぜシールドのいち人間に、そんな超越した規格外の神の力が備わっているんだッ!?」
驚愕とうろたえのパニックに包まれる実験室。
その中心で、コールソンの周囲に展開された光は、数秒ごとにサラサラと星屑のように消えては現れ、現れては消えという神秘的な明滅を繰り返していた。
それは、かつてニューヨークの地で真中優斗の至高の光によって命を助けられ、トニー・スタークたちがスタークラボで解析を進めていた『光』の残響。
コールソンの危機を察し、彼の細胞の奥底から自ら自動で発動した、絶対防御の輝きだったのだ。
囚われの身であるはずのコールソンは、痛みのノイズなど1ミリも存在しない完璧な安全の中、椅子に深く腰掛けたまま、これ以上ないほど穏やかな、大人の余裕あふれる最高のスマイルを浮かべてみせた。
「──どうやら君たちの薄汚い段取りは、彼の温かい光に、随分と嫌われているみたいだ」
どのような暗闇をもハネ返す、圧倒的な王者の風格を漂わせるコールソン。その佇まいは、どちらが捕虜で、どちらが支配者なのか分からないほどの格好良さに満ちていた。
──その瞬間。コールソンを護る光の共鳴(リンク)は、地球の裏側、そして次元を超えた最高峰の存在たちへと一瞬にして優しく伝播していた。
超巨大神話惑星『ヒカリの星』の未知なる開拓地にて。宇宙の最深部の調査をスマートに進めていた真中優斗は、
ふと等身大の優しい青年としての温かい瞳を、遥か彼方の地球の座標へと向けた。彼の横顔に、ぬくもり溢れる最高のスマイルが零れ落ちる。
「──大丈夫。彼には、僕たちの光がちゃんと息づいて、守っているからね。そろそろ僕も地球に行こうか」
時を同じくして、地球の魔術の聖地、カマー・タージの静まり返った奥底。
至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)であるエンシェント・ワンは、空間の細やかな揺らぎを敏感に感じ取り、手にした扇を静かにパッと閉じた。彼女の美しく聡明な顔に、これ以上ないほど深く、穏やかな微笑みがたたえられる。
「……かつて光の巨神が救った魂を、今も大いなる光の因果が護っているのですね。面白い仕込みをするものです」
多次元の守護者たちがコールソンの安全を完璧に確信する中、地下アジトでは劇的な舞台裏の粛清が行われようとしていた。
光の防壁にすべての攻撃を無効化され、コールソンから一切の記憶データを引き出せずに焦り狂うポ。
その時、アジトのセキュア通信コンソールに、最上級の暗号通信がピーと滑らかに入り込んだ。メインモニターの向こう側の闇から響いたのは、【予言者(占い師)】の冷酷な音声だった。
『──これ以上の時間ロスはノイズだ。私の計画を狂わせる、役に立たない人形は、これ以上必要性はない』
「な、何だと!……うわあああ!?」
直後、予言者の命令を影から忠実に実行する、ヒドラの暗殺工作員たちの冷酷な手が暗闇から滑らかに伸びた。
ムカデ組織の操り人形に過ぎなかったポは、バスチームがこの場所に到達するよりも早く、一瞬にしてその首の骨を折られ、哀れに抹殺されたのである。
レイナはその冷酷な手際に息を呑み、恐怖に身を震わせながらも、即座にアジトのさらに奥深くの隠し通路へと、潜白して逃げ延びていった。
──ドゴォォォン!!!
その直後であった。アジトの何十ミリもの厚さを持つ頑強な防壁が、凄まじい衝撃波と共に真っ正面から木っ端微塵に粉砕されたのは。
「そこまでだ、お前ら!! コールソンを返してもらおうか!」
操縦席でメリンダ・メイが凄まじい馬力でホールドする移動司令空母『バス』から射出された、最強の突入班
――グラント・ウォード、スカイ、そして完全安定化した超人パワーをその身に宿したマイク・ピーターソンの三人が、不滅の反撃陣形をスマートに組んで堂々と突入してきたのだ。
「ヒッ……生き残りの超人兵士たちよ、防戦しなさい! 侵入者を全滅させろ!」
アジトの残党工作員たちが悲鳴混じりに叫び、ムカデ組織の強化超人兵士たちが一斉に銃を構えて立ちふさがる。
だが、日夜の対話と地道な訓練によってチームの結束を強固にロックした、今のバスチームの敵ではなかった。彼らの連携は最初から完璧の一言。
「スカイ、マイク、俺のステップに噛み合わせを合わせろ!」
「了解よ、ウォード!」
「任せてください、ウォードさん!」
ウォードが風切り音を置き去りにするような洗練された格闘を繰り出し、敵のガードの数ミリの隙を突いて正面から敵を圧倒。
そこへマイクが、スタークの血清によって「過負荷の暴走ノイズが1ミリもない圧倒的な超力」を真っ正面から敵の胸元へ叩き込む。
ズガァンという凄まじい打撃音の残響と共に、ムカデ組織の超人兵士たちは一撃でアスファルトへと叩き伏せられ、完全制圧されていった。
「ウォード、左の防壁の影からもう一人来るわ!」
「スカイ、訓練の成果を見せてみろ。そのまま確保しろ!」
「うん、任せて!」
スカイも日々ウォードに仕込まれた格闘の成果を遺憾なく発揮し、最新の護身術のフォームとフィッツたちが作った連携ガジェットを駆使して、襲いかかる敵の工作員の腕をガシッと強固にホールド。
流れるような身のこなしでスマートに無力化してみせた。
マイクが最後の一人の超人兵士を豪快に壁へと叩きつけ、コンクリートが木っ端微塵に砕け散った時、アジト内の敵戦力は完全に一網打尽の全滅を迎えていた。
「コールソン!!」
最深部の重厚なドアをウォードが蹴り開け、スカイたちが一斉に駆け寄る。
その瞬間であった。コールソンの周囲にキラキラと美しく漂い、神聖に明滅していた白銀と金の光の粒子が、
まるで仲間たちの到着と最高のチームワークを確認して安堵したかのように、サラサラと心地よい光跡の音を立てながら、コールソンの胸の奥へとスーッと優しく吸い込まれ、綺麗に還っていった。
役目を終えた光の収束。それは、これ以上ないほど美しく神聖な、ぬくもりの残響だった。
拘束をスマートに解かれたコールソンは、何事もなかったかのように立ち上がると、衣服についた僅かな埃を手で払った。
そして、息を切らせて自分を本気で護りに来てくれたマイク、スカイ、ウォードの面々を、これ以上ないほど温かい最高のスマイルで見つめたのである。
「──みんな、最高のチームワークだった。チームの誇りに懸けて、君たちが完璧な段取りで来てくれると信じていた」
「コールソン……! 本当に、傷一つなくてよかった……! 心臓が止まるかと思ったわよ!」
スカイが最高のスマイルを咲かせて涙を拭い、マイクも固く拳を握りしめて安堵の息を漏らす。ウォードは冷徹な仮面をホールドしつつも、余裕の笑みをその表情に宿し、頼もしく銃をスマートにホルダーへと格納した。
「さあ、早く私たちのバスへ帰って、全員で最高の温かいコーヒーでも飲もうか。メイが待っている」
コールソンの穏やかで頼もしい声に、ラボに残るフィッツやシモンズの無線越しのはしゃぎ声も重なり、チーム全員の温かい日常の笑い声が弾けた。
優斗に救われた者は誰しも、少なからずその身の奥底に神聖な光を宿し、それを自分のものに出来るかはその者自身の心による。コールソンはその機会を得たのだ。
組織への一時的な不信感を最高の絆でハネ返し、不滅の光で結ばれた移動司令空母『バス』は、日常へと、滑らかに大空へと帰還していくのだった。
第70話をお読みいただき、ありがとうございました!
優斗様の光の加護によってすべての干渉を綺麗さっぱり完全消去し、ウォードの無双体術、マイクの超人パワー、スカイの訓練の成果が完璧にシンクロした怒涛の大反撃によってムカデ組織を一網打尽の全滅へと追い込むお話でした。
どうぞこれからも色々とお楽しみにお待ちいただければ幸いです!