ウルトラマンエターナル 〜神聖時間軸の守護神〜 作:マーベルウルトラ
組織の地下アジトからコールソンを無傷で奪還し、不滅の連携で大勝利を収めたコールソンチーム──
どうぞ最後までお楽しみください!
移動司令空母『バス』が次なる目的地として優雅に舞い降りたのは、シールドの最高頭脳たちが集う科学技術アカデミーの、緑豊かで広大な敷地であった。
今回の目的は、アカデミーの敷地内で突如として発生した「巨大プールが一瞬にして完全に凍りつく」という、不気味な異常氷結現象の調査である。
この地球の物理法則を無視した不可解を解決するため、シールドが誇る若き最高の天才科学者コンビ、レオ・フィッツとジェマ・シモンズの二人が、栄光の母校へと送り込まれたのだ。
「待って、本当にフィッツ先輩とシモンズ先輩が調査に来てくれたの!?」
「世界最高のアカデミーを主席で卒業して、今は世界を支え続けている、あのサイエンス・コンビが僕たちの目の前にいるなんて……!」
凍りついたプールサイドの現場を前に、詰めかけた多くの後輩候補生たちから、地鳴りのような大歓声と割れんばかりの拍手が巻き起こった。
フィッツとシモンズは、これ以上ないほど誇らしげで輝かしい「最高の先輩スマイル」を浮かべ、スマートにホログラムの調査コンソールを空間に大展開する。
「やあみんな! 怖がらなくて大丈夫だよ。僕たちが『バス』の最前線で日夜培ってきた実践的なエネルギー調和の理論があれば、こんな現象の原因特定なんて朝飯前さ!」
「ええ、科学の力で日常の不穏なノイズは綺麗さっぱり消去してみせるわ。後輩たちの良い模範にならなくちゃね!」
二人が笑顔でハイトーンな声を弾ませながら、圧倒的なプロフェッショナルとしての段取りを進めていくと、周囲の空気は一気に彼らへの憧れと熱気で満たされていった。
その詳細なデータ解析の過程で、二人は周囲から孤立しながらも、底知れない設計の才能を秘めた一人の若き候補生、ドニーギルと出会う。実は一連の氷結現象は、ドニーが自作していた大気制御(氷結)装置の出力暴走が原因だったのだ。
ドニーは核となるエネルギー変換の噛み合わせ理論に行き詰まり、孤独に深く苦悩していた。
その科学への熱意に共感したフィッツとシモンズは、等身大の優しい先輩として、彼の肩をポンと優しく叩いた。
「なるほど、素晴らしい着眼点だ。だけど、この回路のバイパスを少しだけ僕たちの『調和波動』の理論に書き換えれば、もう二度とエネルギーのズレで周囲を困らせることはなくなるよ」
「そうね、これでエネルギーの安定度は100%だわ。ほら、一緒に正しい形でこの子を完成させましょう!」
二人のスマートで温かいアドバイスが噛み合い、ドニーの装置は完璧な調和をホールドして完成を見る。ドニーの瞳には、かつてないほどの喜びと、偉大な先輩たちへの最深の信頼のスマイルが弾けていた。
──その頃。コールソンとメイのベテランコンビは、別動隊としてメキシコの砂埃舞ううらぶれた街へと飛んでいた。
目的は、かつて赤ん坊だったスカイを命がけで保護し、その後シールドの表舞台から行方をくらましていた伝説の元エージェント、リチャードラムレイの捜索である。コールソンは持ち前のスマートな対話術をもって、彼の警戒を解くことに成功していた。
「……あの時、あの子(0-8-4)の周囲にいた人間は、謎の組織の奴らによって次々と消された。
私はあの子を世界から護るために、シールドのデータベースに偽装コードを流して、世界からあの子の存在を完全に隠すしかなかったんだ」
ラムレイが語った、スカイの出生に纏わる重すぎる悲劇の真相。
帰路の車中、夕暮れの赤い残響がフロントガラスに美しく差し込む中、コールソンはハンドルを握りながら、大人の男としての深い優しさから、
少しだけ眉をひそめていた。この残酷な真実を、今すぐスカイに話すべきなのか。あの子の心を深く傷つけはしないか──。
その躊躇いを敏感に察したように、助手席のメリンダ・メイが、これ以上ないほど温かいぬくもりをその瞳に宿して、静かに、しかし凛とした声で語りかけた。
「──コールソン。バスへ戻ったら、スカイに全てを話しなさい。……今のスカイなら、もうどんな真実が来ても大丈夫よ。だって、あなたや、私たちがついているんだから」
包容力に満ちたメイの言葉。コールソンは一瞬だけ驚いたように目を見張ったが、すぐに深く安心したような、頼もしい最高のスマイルを浮かべた。
「……そうだね、メイ。あの子はもう、一人じゃない。私たちがついている」
二人の大人としての確かな絆が、車中でより深く結ばれた瞬間であった。
しかしその頃、アカデミーの美しい庭園では、最悪の暴走ノイズが牙を剥こうとしていた。
実はドニーの裏には、かつてマルタ島の前線で作戦のためにウォードが「あえて泳がせて逃がした」大富豪、イアン・クインが暗躍していたのである。クインからの秘密裏の資金支援と大きな期待に応えるため、ドニーは完成したばかりの氷結装置を独断で起動させてしまったのだ。
だが、装置はドニーの制御を完全に超えて大暴走を起こしてしまったのである!
パキパキパキパキッ! と、大気を切り裂くような凄まじい音を立てて周囲の空間が凍りつき、巨大な氷柱が校舎を破壊しながら、猛烈な吹雪の嵐がアカデミー全体を冷酷に包み込んでいく。
悲鳴を上げて避難する生徒たちの中、バスの前線コンビ――グラント・ウォードとスカイの二人が、即座に不滅の陣形を組んで現場へと突入した!
「スカイ、俺の背中から1ミリも離れるな! フィッツ、シャットダウンの消去コードはまだか!?」
ウォードの洗練された戦術格闘の構えが、吹き荒れる氷の突風を真っ正面から切り裂いていく。
その強固な背中に完璧に守られながら、スカイはこれまでの特訓の成果を遺憾なく発揮し、一切の恐怖ノイズを排した真っ直ぐな瞳でコンソールを叩き続けた。
「ウォード、今フィッツから通信が入ったわ! バイパスの構造的な弱点を特定したって! ──私があの暴走の核を直接止める!」
「よし、行け! 前はすべて俺が守る!」
ウォードが不敵で最高のスマイルを浮かべ、寸勁の打撃で迫り来る氷柱を木っ端微塵に粉砕して道を切り開く。スカイは一歩も引くことなく猛吹雪の中を流麗に肉薄し、装置のコアへとスマートにシャットダウン・コードを叩き込んだ。
大暴走を起こしていた巨大な氷の装置は完全にその機能を全消去され、荒れ狂っていた吹雪は一瞬にして美しく霧散していったのである。
事態は誰一人として傷つくことなく、完璧な大団円で解決した。だが、その混乱の最中、シールド上層部の横槍――クインの手下たちが偽装したシールドの搬送部隊によって、ドニーの身柄と装置の残骸は慌ただしくバスの手から連れ去られてしまう。
走り去っていき、夕闇の彼方へと消える黒塗りの搬送車。その様子を、ウォードとスカイは次なる巨悪の段取りを見据える、鋭く頼もしい瞳で見送っていた。
──だが、誰も気づいていない。その搬送車の後部ガラス窓の奥。
装置の凄まじいエネルギーを至近距離で浴びたドニーの肉体に呼応するように、誰も触れていないはずのガラスの内側に、パキパキパキ……と異質で、不気味に美しい「霜の結晶(凍気)」が静かに湧き上がって広がっていく。
それはのちに彼が超人類(ブリザード)へと覚醒していくための、【不気味な因子】の確かな点火であった。
──夕闇が美しくバスの窓を橙色に染める頃。
リビングへと集まったメンバーの前で、コールソンとメイは、スカイに向けてラムレイから聞き出した「0-8-4」としてのすべての真相を真っ直ぐに打ち明けた。
世界の脅威から自分を護るために、多くの大人が命をかけて偽装コードを流し、自分を隠してくれたという愛に満ちた真実。
それを聞いたスカイの大きな瞳から、大粒の涙がポロポロと溢れ落ち、その美しい頬を伝っていった。
しかし、その涙は決して悲しみや絶望ではない。魂の最深部が救われた、最最深の感動の涙だった。
「私……世界に拒絶されて捨てられたわけじゃなくて、みんなに命がけで護られていたんだ……
それに、今はこんなに素敵な、本物の仲間がそばにいてくれる」
スカイは涙を拭うと、これ以上ないほど晴れやかで美しい、最高のスマイルを咲かせてみせた。
スカイはもう、過去の暗闇に怯える孤独なハッカーではない。チームの愛を背負い、精神的な成長を完璧に遂げた戦士であった。
この瞬間、移動司令空母『バス』の人間関係は、完全に「家族(ファミリー)」として美しく成熟し、強固にロックされた。
スカイは、自分を底知れない大きな愛でホールドしてくれたコールソンを心から信頼し、まるで「本当の父親」のように深く、温かく慕うようになった。
フィッツやシモンズ、メイら全員との不滅の信頼も、今や何があっても切れない最高格の絆となっている。
そして──自分の背中を常に命がけで護り、戦い方のすべてを教えてくれた教育係のグラント・ウォードの背中を、スカイは静かに見つめた。
彼を最高の「師」であり、誰よりも頼れる「兄」のように想いながらも……その胸の奥底で、どこかそれだけでは割り切ることのできない、言葉にはできない別の特別な感情を、静かに、そして熱く宿し始めるのだった。
ウォードはスカイの視線に気づくと、いつも通りの不器用で格好良いスマイルをふっと浮かべてみせる。それを見たスカイの胸が、優しくトクンと高鳴った。
全員の温かい日常の笑い声が弾ける中、移動司令空母『バス』は、次なる反撃の日常へ向けて、滑らかに大空へと滑り出していくのだった。
第71話をお読みいただき、ありがとうございました!
後輩候補生ドニー・ギルに寄り添い、暴走した氷結装置の核をウォードの絶対防衛とスカイの訓練の成果によって1ミリの犠牲も出さずに完璧に解決するお話でした。
どうぞこれからも色々とお楽しみにお待ちいただければ幸いです!