あれから数日、俺は何時も通り人のいない時間帯に街を周り呪霊を狩っていた。
「おっと危ない」
死角から飛んでくる呪霊の攻撃を首を傾げて躱しマグナムシューターにより狙撃する。
『ガァッ!!?』
「じゃあな」
MAGNUM_STRIKE
俺の蹴りによって呪霊は跡形もなく消滅した。
「ふぅ…だいぶ様になってきたんじゃないか?」
初めての頃よりも格段に戦闘における立ち回りを理解してきた感覚がある。このまま成長を続けたいな。
……しかし、あれから高専側からの接触は無かった。恐らく俺がここに居るという事は伝わっているだろうし、様子を見ているのか?
それから、あの後ブーストバックルが飛んでいくと思っていたんだが、どうやら俺の手に入れたブーストバックルは使い切りではないらしく、何度でも使用できた。……これ結構ズルじゃね?
「今日の呪霊狩りはこんなもんかな、帰るか」
そうして俺は変身を解除しようとドライバーに手を伸ばす、その時。
「……!!」
MAGNUM SHOOTER 40X
背後から等級の高いであろう呪霊が5匹、襲ってきた。咄嗟に俺はマグナムシューターを出現させ、その内2匹を撃ち抜いたが、残り3匹に押し切られてしまった。
吹き飛ばされて壁に打ち付けられた俺を睨みながらその呪霊の背後にいる人物が話を始める。
「悟、コイツかい?君を欺いた術師は…」
「ああ、気をつけろよ…俺は平気だが、正直無下限によるバリアが無い状態で攻撃を食らったらお陀仏だ」
見るからに臨戦態勢をとっている五条悟と夏油傑がそこにはいた。
アイエエエ!?ゲトウスグル!?ゲトウスグルナンデ!?
「おいおい、随分なご挨拶じゃないか…」
俺は軽口を叩いて余裕を見せるようにする。内心はバックバクだ。
「ははっ、貴方が大人しく着いてきていただければ、此方も手荒な真似はしませんよ」
「そーだそーだ!!」
そう言う2人…だが…
「いや、この前攻撃をけしかけて来たのはそっちのヤツだぞ?」
「え…?」
想定していなかったという様相で首を軋ませながら五条の方を見る夏油。
夏油の目線を受けた五条はヘッタクソな口笛を吹いていた。
おい、そういうとこやぞ。
ーーーーー
「本当に…!!申し訳ありません…!!」
「いいって、気にすんなよ。それにオマエが謝る事でもないだろ」
「そうだって!傑!!こんなヤツに謝らなくても!!」
「悟は黙ってなよ」
「ヒドイ!私以上にアナタを思ってる人なんていないのに!!」
「めんどくさい彼女かな?」
そんなやり取りを見ながら、俺は考える。
ここで大人しく着いて行って、果たして正解か?
……だが正直、高専とのコネクションを繋ぐ方法がコレ以外に見つからない…ならば
「なぁ、夏油君…だっけ?」
「はい!えぇと貴方は…?」
「俺か?俺はギーツ、仮面ライダーギーツだ、以後よろしく」
右手でキツネを作ってそう言う。
「まぁた偽名かよ…」
「煩いよ悟。よろしくお願いします、ギーツさん」
「ああ、それでな、君達に着いていこうと思うんだ」
「えっ!?本当ですか!?」
あら、お目々キラキラ。
「ああ、正直今まで呪霊を一人で祓ってきたが…プロの術師とのコネクションが欲しくてな、君達の言う高専に連れて行ってくれないか?」
「分かりました、では手配しますので少々お待ちくださいね」
「ああ、助かる」
夏油君…!!なんていい子なんだ…!!こんないい子は闇堕ちなんて絶対にさせないぞ!!
「なんで傑はそんな好意的なんだよ……ボソボソ…」
一方こっち側では何故だか知らんが対抗心を燃やして一人いじけている最強(予定)がいた。
なんか地面に描いてる…ナニソレ…蠅頭!?上手っ!?…やっぱり呪術師やってると呪霊的な絵が上手くなるのかな?いや単純に五条が才能マンなだけか…
すると夏油君が走って向かってくる。恐らく報告が終わったのだろう。
「お待たせしました!手配した車で向かいますので、どうぞ乗ってください」
「ああ、サンキューな」
そう言って俺は変身を解除する。
「うおっ!?オマエそれ今どうやって脱いだ!?」
「凄いな…一瞬で装甲が無くなった…」
なんか言ってるが、そんな事は気にしないに限る。
「じゃあ行こうか」
ーーーーー
「君が…ギーツ君だね?」
そう俺の目の前で問いかけるのは、五条と夏油の担任を務め、未来では学長になるであろう男、『夜蛾正道』。
「ああ、俺がギーツ、仮面ライダーギーツだ。よろしく」
「…君は何故、呪霊を狩っていたんだい?」
その問いに俺は答える。答えに迷う余地はない。
「結局は私利私欲のためさ、俺自身この力を身に着けたのは最近でね、戦闘経験が欲しかったんだ。まぁ結果として人を助けることにも繋がるなら…万々歳だろ?」
「そうか、まぁ…それはいい。問題は」
「コレ…だろ?」
俺はそう言ってデザイアドライバーを見せつける。
「ああ、その外部ツールによって一級を軽々とあしらえる力を得ることができると聞いて、呪術界上層部は取り上げろと煩くてな…」
そう言って眉間を揉む夜蛾先生、かなり疲れてるみたいだ…無理はしないでね…
「俺はコレを渡す気はないぞ?」
そう、コレを渡す事は出来ない。そもそもコアIDが俺専用だ、渡した所で何にもならない。
「ああ、わかっている…そこで提案だ」
「聞こうか」
「君を我が校に迎え入れ、正当な呪術師として指導する。そうすれば結果として…」
「俺のこの力は呪術界のものとなり、上層部も黙る…ってわけか」
「そうなる…すまないが、確定事項だ」
なるほどね、俺も16歳だ。学校にも行ってなかったし正直丁度いいな。
「分かった、その話を受けよう」
すると怪訝そうな顔で夜蛾先生は俺を見つめる。
「いいのか…?正直、承諾するとは思っていなかった」
「いや、俺としても高校は出ときたいしな…それに呪術の使い方もプロから教えてもらえるってんだ、有難いことこの上ないね。それにこれ以上ゴネても夜蛾さんの胃が痛むだけだろ?」
「ギーツ君…!!すまない!!ありがとう!!」
そう言って目尻に涙を浮かべた夜蛾先生は頭を下げる。かなり参ってたんだな……カワイソ
こうして俺は、東京都立呪術高等専門学校の2年に編入することとなった。
ーーーーー
「と、言う訳で本日から君達の同級生になる運びとなった。編入生の『
「よろしく」
俺は右手を上げて挨拶する。
「よろしく、詠須君」
爽やかな顔でそう挨拶してくれるのは好青年夏油傑君。やっぱり君が心の清涼剤だよ…
「うげぇ…同い年かよ…」
今にもゲロを吐きそうな顔して顔を顰めているのは、何故だか俺を敵対視している五条家のボンボン、五条悟君。
学校でアイス食べないの!!てかソレコンビニとかで売ってるパフェ型のアイスじゃん!!度胸凄いな!?
「へぇ…結構イケメンじゃん。後でメアド交換しよ」
肩肘をついて此方を見つめる女の子、家入硝子ちゃん。あら〜^^;カワイイカワイイネ
「面白いクラスになりそうだな」
「問題だけは起こさないでくれよ…」
やっぱり夜蛾先生は何時も胃が痛いみたいだ。
胃薬いりますか?
ーーーーー
「で?俺のテストって?」
今現在、俺はグラウンドに呼び出されていた。
お相手は五条君と夏油君…何故だか五条君に『オマエ表出ろよ…』なんてヤンキーの様な事を言われて半ば無理矢理集められたが…
「オマエの戦闘力の把握だよ、実際同じ任務に就くときにどれだけ戦えるかは把握しとかないとだろ?」
「悟がマトモな事を言ってる…!?」
「五条大丈夫か!?反転いるか!?」
「お前らバカにしすぎだ!!」
「ハハッ!!」
あまりに慣れた一連の会話に、思わず笑ってしまった。お前ら仲良すぎ。
「いい顔すんじゃん」
「確かに、詠須君も笑うんだね」
「野郎の笑い顔とかなんにも嬉しくないね!」
三者三様の言葉を投げかけてくる。五条君は変わらんな…
「とりあえず、テストをするんだろ?誰が相手をしてくれるんだ?」
「俺は一度オマエと戦ってるし、硝子は非戦闘要員だ、必然的に…」
その言葉を聞いて前に出てくる夏油君。
「私だね」
「そうか、よろしくな夏油君」
「私も本気で行くからね」
「フッ…上等だ」
ーーーーー
「とりあえず変身するか」
その言葉を聞いて目を光らせたのは夏油君。
「あの姿になるんだね!?」
「うぉっ!?食いつきが凄いな…?どした?」
「そうだぜ傑?なんでそんな興奮して…」
「悟も見ただろう!?あのカッコいい姿を!!まるで私が幼いころ憧れていた特撮のヒーローの様だ!!素晴らしいよ!!」
なるほど…夏油君はヒーローっぽい俺の見た目に惹かれたから対応が柔らかかったのか。
「じゃあ…見せてやるよ」
そう言って俺はマグナムバックルをセットする…がコレだけではない。
「特別大サービスだぜ?」
そう言って俺はブーストバックルもセットする。
SET
「げ!オマエそれ俺に使ったバカ火力のヤツじゃねぇか!?」
俺は五条君の言葉を無視して腕を回しフィンガースナップをする。
「変身!」
バックルを操作する。
DUAL ON
GET READY FOR BOOST & MAGNUM
READY FIGHT
「さぁ…開幕から、ハイライトだ!」
俺は夏油君に向けて駆け出す。
「行け!!」
夏油君も僧侶の見た目をした呪霊とカエルの見た目をした呪霊を数匹出してけしかける。
「はっ!とぉっ!」
俺はカエル呪霊を足場にしながら僧侶呪霊に背中から組み付き、夏油君の方へ投げ飛ばす。
「おっと、やるね!」
夏油君は飛んできた呪霊を軽々と躱しながら俺に向かってくる。
「やっぱ夏油君も仕掛けてくるよな!」
「格闘戦は得意でねっ!!」
俺と夏油君は互いに拳と蹴りを交わしながら隙を伺う。その時俺の背後からカエル呪霊が舌を伸ばして腕に巻き付けてきた。
「…!!」
「隙ありってね!!」
ボゴンッ!と夏油君の拳が深く俺の腹部に突きさる。
その衝撃で俺は数メートル、引き摺られるように後退した。
「良いパンチだな」
「硬すぎでしょ…詠須君…」
正直、衝撃はそこそこの物だったが、仮面ライダーとしての装甲が硬すぎるせいかダメージはほとんど無い。
MAGNUM SHOOTER 40X
俺はマグナムシューターを召喚する。
「…!やっぱり詠須君!虚空から武器を召喚してるね!!それが術式かい!?」
拳を突き出しながら問いかけてくる夏油君。
「いや?正直俺自身、術式は分からん!!」
俺は拳を捌きながら答える。一度後方へ下がる夏油君。
「こっちも切り札を出させてもらうよ!!」
何が来る…?特級呪霊とかもういるのか…?
「はぁぁっ!!虹龍!!!」
そう言って夏油君が顕現させた呪霊はかなりのサイズがある、白色で光を纏う龍であった。
虹龍か!!確かとてつもなく硬かったハズ…!!
虹龍の背中に乗ってイカのような呪霊を無数に飛ばしてくる夏油君。
「流石に遠いな……制空権を握られたか、なら…!!」
俺はマグナムシューターを変形させる。
RIFLE
「ライフル!?変形するのか!!」
驚く夏油君に標準を定めて、引き金を引く。
「クッ!!さっきよりも威力が高いな!!」
そう言いながらも夏油君はイカ呪霊を引き伸ばして銃弾を受け止めながら虹龍と共に此方へ突っ込んでくる。
「おっと?」
ドゴォォン!!という派手な音と共に俺を吹き飛ばした夏油君は此方を見据える。
「どうだい?今の威力ならいくら君とはいえ無事では…」
BOOST TIME
場に壮大な音楽が鳴り響く。
「傑!!今すぐ虹龍を引っ込めて出来るだけ沢山の呪霊でガードしろ!!!じゃないと虹龍が破壊されるぞ!!!」
「…!!」
五条君のその言葉を聞いて夏油君は即座に虹龍を仕舞い、巨体の呪霊数十匹を肉壁として設置した。
MAGNUM BOOST GRAND VICTORY
俺は土煙の中から飛び上がったブーストライカーから飛び降り、蹴りをかます。
「ハァァァァッ!!!」
途轍もない轟音と爆発により、夏油君が顕現させた呪霊達は全て消滅し、夏油君を蹴りで吹き飛ばした。
「はぁっ…!!凄い…威力だね…!!」
よろよろと立ち上がる夏油君を見て、俺は変身を解除した。
「…!!どうして変身を解除したんだい!?まだ私はやれ…」
「強がるなよ、夏油君のその右足…明らかに曲がっちゃいけない方向に曲がってる。早く家入さんに治してもらいな」
「……そうだね、すまない。今回は私の負けだ…でも次はそうは行かないよ」
不敵に笑う夏油君に思わず俺も笑ってしまった。
「ああ、次も楽しみにしてるぜ」
そう言って俺達は握手をした。
「なんかこれがゆーじょー?ってやつぅ?」
不機嫌な顔をして近づいてくる五条君を横から押しのけて家入さんが飛び出してくる。
「はい、夏油」
そう言って夏油君を治療する家入さん。
「コレで、大体俺の力量は把握できたか?」
「……ん、まぁ…オマエが強い事は認めるよ、正直俺も、無下限がなかったら勝てるか怪しいし…」
「悟が潔く認めた……だと…!?」
「五条大丈夫か!?反転いるか!?」
「だからお前らバカにしすぎだっつーの!!」
なかなか賑やかなクラスになりそうで、少し楽しみだな。
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