透明な配達人   作:ながずぼん

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#24

 鬼怒川橋のライブカメラを回避するため国道4号線を外れる。

 岡本小入口の信号を左折したら道なりに進み、歩道橋のある信号を右折し県道73号線を進む。この道の先にもNシステム。

 セブンイレブンの先の坂を下ったところの四つ角で右折して田んぼの中の道へ。

 最初の四つ角はやり過ごしその次の四つ角で左に曲がる。田んぼばかりで目印がないが地図の通りに進んでいるので間違いはないだろう。

 グリーンパークの白看板の下を左折し、道なりにまた田んぼか畑に囲まれた道を進むと右手に二本の送電線の鉄塔が見える。それを通過してすぐの四つ角を右折。

 ルートに間違いはないようで、長い橋で鬼怒川《きぬがわ》を渡ることができた。

 上阿久津《かみあくつ》の信号で左折し、しばらく道なりに進むと国道4号線に復帰できた。

 

 少し先の新荒川橋南《しんあらかわばしみなみ》の信号で左折し、ファミマの交差点で右折、高架橋の信号で手前の側道へ右折して坂を上って県道30号線に入る。東乙畑《ひがしおつはた》の信号で4号線に復帰。

 高架のバイパスは交差点も信号も少なく快適なはずだが、迂回の必要がある場合は、路面の交差点を逃せば詰むし復帰地点も限られる。4号線を走っているつもりだが、半分ぐらいは迂回路を走っているような気がする。

―――だいぶ車が減ってるからいいけど、これ混雑してたら嫌だな。

 

 平べったくて真っ直ぐな矢板《やいた》市の市街地を抜け、中北《なかきた》という信号で斜め右方向の県道52号線へ入る。4号線のまま進んだ先の橋の手前にライブカメラがある。

―――橋に仕掛けるのが好きすぎるだろ栃木県。

 道なりに進むと下りカーブで左に大きく曲がり始め、下りきると一面の田んぼ。

 細い川を渡った先の田んぼの間を通る道へ左折し真っ直ぐ進む。この時間に対向車は来ないだろうが、路肩を使ってすれ違おうとすると側溝に脱輪しそう。

 気持ち急ぎつつ進んで四つ角を右に曲がる。曲がったよな?と思うほど景色は田んぼで見た目的には変わらない。

 やがて民家のある道へ突き当り、右に曲がってずっと進み、学校のような建物を通過した先のY字路は直進方向へ。新幹線の高架をくぐった先の丁字路を左折する。

 真っ直ぐ行って、かさね橋で箒川《ほうきがわ》を渡る。田んぼ道はNシステムの迂回路。

 

 道の駅を出て約2時間が経過。昼から食べてないので腹になにか入れたくて休憩することにして、信号のところのローソンに入る。

 手作り弁当を一旦手に取るも、棚に戻しサンドイッチを2つ持ってレジへ。

 

「ポンタカードはありますか?」

 

「そういうの持ってないです」

 

「揚げたてのからあげクンはいかがでしょうか?」

 

「ホットコーヒーのLを一つ」

 

 男はからあげ君の話など聞こえなかったかのように珈琲をオーダーする。

 わざわざトレイに乗せて運ばれて来た珈琲を受け取ると男は店を出て車に乗り込む。

 センターコンソールに珈琲のカップを差し込み、サンドイッチを一つ開け、もう一つは助手席へ。

 もぐつきながら車を動かし、来た道からみて左折方向へ向かって駐車場を出る。

 

 陽菜の地図によると、この道は国道4号線までひたすら直線だったので、田んぼと住宅が混在する道を男はのんびり流しながらサンドイッチを2つ胃袋に収めた。

 そして窓を開け食後の一服。那須高原《なすこうげん》にほど近いからか風は冷たかった。

 やがて二区の交差点で4号線に戻り、左折して那須塩原方面へ。

 割とすぐに左手の中古車販売店と右手のセブンイレブンが印の交差点に差し掛かり、左折して県道55号線まで田んぼと民家の道を進む。蛇尾川《じゃびがわ》を渡る那須野橋の手前にカメラがあるための迂回。―――本当に橋で待ち伏せするの好きだよな栃木県。

 

 県道55号は中央分離帯があり二車線もある立派な道だったが景色は相変わらずの田んぼだらけ。遅沢橋《おそざわはし》で蛇尾川を渡ったら最初の信号を右折して4号線へ。

 那須塩原の市街地を通過する際、男はどことなく風景が松本《まつもと》に似ていると思った。山の中の平地だからだろうか。尤も夜で暗くはっきりとは見えなかったのだが。

 那珂川《なかがわ》を渡ると、なかなかの勾配の上り坂になる。とはいえ、大なり小なりのカーブが連続するような坂道ではなく、真っ直ぐ空に伸びるような坂道だ。

―――やっぱり松本とは全然違うな。滑り台とボルダリングぐらい違う。

 

 そしてスズキの販売店が目印の弓落《ゆみおとし》の信号の先の丁字路を右折して坂を降りていく。

 道なりに進み右カーブの付け根から生える細い道に入る。木が生い茂って本当に真っ暗なかなり狭い道を慎重に進み、抜け出た先の丁字路を左に行き、少し広い道に出たらそこも左に行くと、青看板に国道4号線のマークが見える。桜久保《さくらくぼ》の信号を右折してここのカメラの回避は果たせた。

 

 そしてまたすぐに迂回。漆塚南《うるしづかみなみ》の信号の少し先にカメラがあり、信号で右折し、折り返すように左の脇道へ180度ターン。対向車がいなかったので反対車線を目いっぱい使ってどうにか一発で曲がることができた。

―――こういう場面でワゴン車は不利だな。車がいなくて助かった。

 脇道は国道のカーブより大きい弧を描いて膨らみカーブの先で戻るような形になっていて、カメラを避けるためにあるのでは?と思ってしまう程に便利だった。

 

 坂を登り切ったあたりから幹線道路というより生活道路という感じになり、対向車に大型車はたまに見かけるものの、北へ向かうトラックはほぼいない。坂道区間の登坂車線でほとんどを追い抜いてしまったからかもしれない。

 

 那須高原サービスエリア付近に差し掛かり、この先の監視カメラとNシステムのいくつかをまとめて迂回するため、スマートインター入り口の「迯室《にがしむろ》」という読めない名前の交差点を左折する。―――これ彼女は読めたのか?コピペだよな。

 東京方面への入り口を通過し真っ直ぐ行って、緑看板の福島《ふくしま》方面の表示に沿って交差点を右折し、高速のボックスをくぐる。そのまま進み、福島方面への入り口も通過。

 しばらく道なりに進んで最初の四つ角を右折。藪の中の細い道を進み、再びセンターラインのある道である県道305号線に出たら左折。

 さらに高速から離れるように、すっかり葉を落とした木々が不穏に見える並木道をずっと走っていく。途中から明らかに上り坂になる。

 林を抜け出ると空が急に開けて広がり、ふっと強張っていた肩の力が抜けるような気分になる。

 坂を下った先の大谷《おおたに》の信号を右折し、県道68号線那須グリーンラインへ。

 

 解放感あふれるスカイラインなのかと思いきや、少し行った先でホラー風味の裸木の林道になり、道幅も狭くなってきつめのカーブが連続し始める。

―――やっぱり山道は山道なのか。土木技術のせいじゃなかった。

 

 峠のホラーロード区間は然程長くなく、坂を下りたら山に囲まれた田んぼの中の長閑な道になる。ただし民家のない場所は街灯もなく辺りは真っ暗。

 やがて道は緩やかな下り坂になる。視界に映るのは真っ黒な夜空、刈り取られて地面が見えている田んぼ、ところどころに繁る森、ぽつりぽつり点在する住宅。

 すっかり坂を降りて道が平らになったが同じ景色なのでぼんやり走っていると、不意に要注意ポイントに差し掛かる。

 この道と国道4号線が交差する部分にNシステムがあるため見落とし厳禁である。

 

 平面の地図では説明しきれなかったのかコマ図に「緑の運転席のトラック」とメモ書きが添えられた運送会社をうっかり通り過ぎようとしていた。

 ぐーっとブレーキペダルを踏み込んで停まり、他に車もいないため100m程バックで戻り、田んぼの畦道のような細い道へ入って並走する隣の道へ移動する。

 そちらから国道4号線との丁字路に出て、無事にNシステムに姿を捉えられることなく北へ向かうことができた。

―――危ないところだった。いまの細い道わかりにくすぎる。

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