公安委員会・機密文書
対象者:神代 祈
個性:ジキルとハイド
記録区分:医療経過観察および個性発現状況報告
閲覧制限:特級
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一、身体状態について
死穢八斎會事案において、対象者は個性「ジキルとハイド」を行使。
戦闘終了後、対象者は医療機関へ搬送された。
外傷については一定の修復が確認されており、生命維持に関わる急性症状も、現時点では改善傾向にある。
しかし、身体機能の完全な回復には至っていない。
特に、個性発動後の体力消耗が著しく、従来と同等の出力制御が可能であるかについては、引き続き経過観察を要する。
なお、外傷の修復状況と対象者の全身状態には、必ずしも一致しない部分が認められる。
◆外見上の回復をもって、対象者が正常な状態に復帰したと判断することは危険である。
二、個性「ハイド」の発現状況について
本事案において、対象者の個性「ハイド」に関する異常な発現が確認された。
従来の記録と照合した結果、今回の現象は、対象者が通常行使している「ジキル」による治癒・再構成とは明確に区別して取り扱う必要がある。
現段階では、発現条件、持続時間、対象者の意識との相関について、十分な情報が得られていない。
また、対象者自身が当該現象をどこまで認識しているかについても、判断材料が不足している。
特筆すべき点として、対象者の身体状態が改善傾向にある一方で、ハイドの存在が意識下において強まりつつある可能性が示唆されている。
これが個性の過剰行使による一時的な変化なのか、あるいは長期間抑制されてきた個性の側面が表面化し始めているのかは、現時点では断定できない。
三、今後の対応について
対象者の身体的負荷を考慮し、回復が確認されるまでは、個性の積極的な行使を避けること。
ハイドの発現に関しては、強制的な誘発を行わず、自然発生時の状況および対象者の意識状態を記録する。
また、対象者に装着されている制御装置の作動履歴について、今回の事案前後の記録を再照合すること。
なお、対象者の過去の研究記録との関連性についても、再検討を要する。
付記:
対象者は長年にわたり、自身の身体的負荷を顧みず、他者の生命維持を優先する傾向を示している。
本人の申告のみをもって、個性の使用が可能であると判断してはならない。
対象者が「問題ない」と述べた場合であっても、客観的な身体所見および個性発現状況を優先すること。
神代 祈
個性:ジキルとハイド
年齢:不明(推定オールマイトより二十は上)
銀髪と青い瞳を持つ女性。外見年齢は二十代程度。
身長168cm。
白、黒の修道服を好んで着用。顔の上半分を覆う白いレースのヴェールを身につけている。普段は物腰が柔らかく、誰に対しても丁寧な言葉遣いを崩さない。
子どもや傷ついた人々に対して特に優しく、他者の苦痛を見過ごすことができない性格。その一方で、自身の身体的・精神的な負担を軽視しがちであり、誰かを救うためなら自分が傷つくことを厭わない。誰かの為の自分、誰かの身代わりとして上手く使って欲しいと思っている。
公安の管理下に置かれており、過去には個性の特異性を理由とした研究や実験を受けている。その経験は、現在の彼女の個性制御技術に影響を与えているが、同時に彼女自身の心身にも深い影を落としている。
穏やかな言動の裏には、本人さえ十分に把握できていない過去と、複雑な感情が隠されている。
死穢八斎會事案において、壊理を救うために個性を行使。戦闘終了後、病院へ搬送された。
現在は外傷の修復が進んでいるものの、体力の低下と個性制御の不安定さが残っており、引き続き入院・経過観察中である。
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個性「ジキルとハイド」
円環のついた杖とロザリオを触媒とする。
生と死、相反する二つの側面を内包する特異な個性。
その性質は大きく分けて「ジキル」と「ハイド」の二つに分類される。
ジキル
生と再生を司る側面。
祈の肉体に常に作用しており、小さな怪我は自動修復される。二十代の姿で固定されているのもこのおかげ。
主に治癒や生命活動の補助に関わり、対象の身体を修復・安定させるために用いられる。祈が普段、他者を救う際に使用するのはこちらの側面である。
ただし、治癒能力には身体的な負荷が伴う。対象を回復させることができても、祈自身が無傷でいられるとは限らない。
また、損傷の程度や個性の使用状況によっては、通常以上の負荷が発生する。
臓器などの再構成には祈自身にも同程度の負荷がかかる。
相手の神経細胞を強引に蘇生させ、痛覚を100、1000倍にして直接脳に叩き込む攻撃手段。分かりやすく言うと『過去に負った傷による痛みを脳内で再現する』こと。
外傷が一切ないため、相手の戦意喪失を狙う際に使用。
出力を自分の肉体に回し、視覚情報が網膜に入った瞬間脳に反映させ神経と筋肉を直列に繋ぎ自動で攻撃に対応できるようにしている。寝ている時は役に立たない。
ハイド
死を司る側面。
生命の終わりに干渉する性質を持ち、死を与えることだけでなく、死に抗うことにも関わる。また、条件によっては個性や進行中の病などを終わらせることも可能とされる。
その能力の詳細には未解明の部分が多く、ジキルとは異なる危険性を持つ。
祈は過去の経験からハイドを強く抑制しており、通常はその力を表に出そうとしない。
しかし、死穢八斎會事案以降、祈の意識下でハイドの存在が強まりつつある可能性が指摘されている。これが個性の過剰行使による一時的な変化なのか、あるいは別の要因によるものなのかは、現時点では判明していない。
過去の「神の秒針事件」「六年前のオールマイト入院」ではジキルよりも強く作用している。
個性制御と代償
祈の強みは、単純な出力の大きさではない。
個性の出力、発動のタイミング、作用させる範囲や配分を細かく調整する技術に長けている。長年の経験と訓練、そして公安による管理下で身につけた制御技術によって、本来なら扱いの難しい能力を精密に運用している。
一方、個性の行使には相応の代償が伴う。
過剰な使用による激しい疲労、痛み、出血、意識状態の悪化、記憶への影響などが確認されている。身体の損傷が修復されたとしても、体力や個性制御が直ちに回復するわけではない。
そのため、外見上は回復しているように見えても、実際には個性を使用できる状態にない場合がある。
ジキルとハイドは万能の個性ではない。
生と死に干渉できるからこそ、その行使には厳密な制御が求められ、使用者自身にも大きな危険が伴う。
そして何より、個性の全容は、いまだ明らかになっていない。
個性の初期化
個性因子を精密に切り分け、「花」と「種」として扱う技。 個性を無から生み出すのではなく、すでに存在する個性因子を保存し、必要に応じて再統合するための能力。
花 — 現在、持ち主が使っている個性。
個性として成長し、本人が通常どおり使用している部分。種を切り分けても、花として育った個性は従来どおり使用できる。
種 — 保存・再統合のために切り分けた個性因子。
個性の可能性を残すためのもの。切り離した種は、原則として元の持ち主だけが使用できる。祈はこれを保存し、後に再統合できる可能性を残す。
林間学校編でラグドールがヴィラン連合に拉致された際、祈がラグドールに行った。
公安に保護されていない場合はヴィランに取り込まれる予定でした。