「ち、違うんだよ!!? おじさん牢屋敷の外には何があるのかなって探検してただけでね? 盗み聞きしてたわけじゃなくて、実際何も聞いてなくて……だからマイちゃん達が何をしようとしてるとかは全然分からなくて……!! ほ、ほら、何かしようとしてるなら、ここでおじさんを殺しちゃったりするのはものすごく都合が悪いんじゃないかな!? ここはいっそのことお互い何も見なかったことにして、まる〜くおさめるのがいいと思うんだけど……?」
「そういう訳にはいかないわ、佐伯ミリア」
大焦りで目が合った3人に長文をまくし立てるミリアの主張をナノカはあっさりと棄却し、入り口の彼女の方へ歩いていく。
よりにもよって直球の凶器である銃の持ち主であるナノカが来てしまったからか、大慌てで逃げ出そうとするミリアだったが腰を抜かしてその場で派手に転んでしまう。
それでも彼女は必死に後退りしながら3人に助けを求めていた。
「いや、絶対おじさんのこと殺さない方がいいと思うんだ!? ここがどんな場所かもよく分かってないし、今はみんなで協力するべきだと思うんだけど……!!」
「ええ、そうするつもりよ」
「そうでしょ!? そうだよね!!? なら……、……へ?」
「私達は皆で揃って牢屋敷を出るつもりよ。今はそのための作戦会議をしていたの。もちろん盗み聞きは想定していないけれど、聞かれて困るような話はしていないわ」
「牢屋敷を出る……」
「はい。今は二階堂さんと蓮見さんに協力を取り付けました。彼女達に任せれば、全員がまとまるのも時間の問題だと思います」
「え、ええっと……それなら最初からみんなにそう言えばよかったんじゃ……?」
「それはできないのよ。だって【黒幕】にバレちゃったら元も子もないもの。こうやって私とマイちゃんとナノカちゃんが何か企んでいたら、今のミリアちゃんみたいに怪しんじゃうでしょう?」
「それは……確かに、そうかも……待って、今【黒幕】って……!」
「ええ、確かにそう言ったわ。ナノカちゃん曰く、誰かは分からないけど間違いなくこの島の中にはいるそうよ。それに対抗するためにも私達は力を合わせないといけないの。ウフフッ、歯が浮いちゃいそう♡」
「……つまり、3人はみんなを助けるための計画を立ててるわけだね? よ〜し、そういうことならおじさんも協力しちゃうぞ〜!」
腰と誤解はもう大丈夫らしく、念のため近くの棚に捕まりながらもすっと立ち上がってぐっと力こぶを作ってみせるミリア。
それからマイは彼女にお約束として写しを渡し、その晩はもうお開きということで解散になった。
◇◇◇
「早速二人連れてきたよー!」
「……うわ、マジで倉庫あるじゃん! なんか撮影に使えるやつないかな?」
『わがはいは疲れた。休む場所がほしい』
「……ねえ、マイちゃん」
「はい。大丈夫ですよ。理解しています、言いたいことは」
「あまり戦力にはならなそうね」
「黒部さん」
全員集合、30分前のことである。