超かぐや姫!〜百合に挟まりそうな転生者を添えて〜 作:癒しを求めるもの
先ずは、こんな書き方と物語にしますよ〜と、久しぶりに文章書くので練習です。
テンプレが好きなので、安心して読めるかなー?と思っております(*´∀`)ノ
───今は昔…と、ナレーションが入る十数年前のこと
とある地方の、すこーしだけ栄えている町に、男の子が産まれました。
呼吸が整わず、産まれた赤ん坊の姿を見ることなく、緊急手術室へと運ばれた女性。真夜中、いつもは静かさを保つ病院内が、この時は荒々しい声が響き渡っていた。
しかし、男の子はいまだに産声を上げることはなく。女性への心配もあるが、助産師は産まれたばかりの命の危機に覚悟を決めた。
呼吸が聞こえない時間が、続く…このまま放置していても望みは薄い。赤子の身体を傷つけないように、慎重に、寝かせた。
新生児蘇生として、人工呼吸を行うために、胸骨圧迫を試みた助産師は言った────
「───かたっ!?」
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「──で、俺が産まれたってわけ」
「へぇ〜」
───とまぁ、過去の話は置いておき、ちょっと先の現代に戻ると。
若干の歴史を感じさせるような、簡単に言うと狭いボロアパートの一階で、一人逆立ちで腕立てを行っている者がいた。まぁ、俺のことだけど。
トイレやお風呂は完備されているものの、その内装は玄関を開ければ中全体を見渡せてしまうほどの広さしか確保できていない部屋だ。バランスを崩し、倒れてしまうと壁に衝突しかねない。ましてや、その衝撃で一階とはいえど、アパート全体にまで音を響かせることになるだろう。
そんな危険が予想されるなかでも、ぴたりと動きを崩すことなく、僅かな汗のみで身体を鍛える男───
「聞いといて興味ねぇのな」
「だって嘘っぽいじゃーん。赤ちゃんの頃からガチムチだったなんて、そんなの作り話でしょ〜」
「鏡みておいで宇宙人」
自分は嘘ついてないもーん!と、棚に上げる奴は置いといて、俺は動作を続ける。
ちょっとした身体レベルの確認をしていた矢先に、暇だからとやって来た少女は、遂にぺたぺたと服が捲れたことで覗く腹筋を触り始めた。
この娘の紹介はまた今度。先ずは俺の紹介から始めよう。
名前は藤原 陽珂瑠。みんなからヒカル呼びされている高校2年生だ。元々は九州で育てられたが、親から預けられた資金でやりくりしながら上京を果たし、今は呑気に都会暮らしを満喫している。
この話を聞いただけでは、ただの実家が太い高校生であるが、3つだけ、明らかに他の学生、いや、人達と違うことがある。
1つ目は、俺が【転生者】であること。
この世界に産声をあげた瞬間から、前世の記憶を持っていたのだ。
故に、室内を、朧げな視力で見渡し、俺がよく知る現代日本の病院であることを理解できたとき、軽く絶望してしまった。
『やば、転生特典、使えないじゃん』
神様?とやらに会ったかどうかは覚えていないが、頭の中には転生特典として、所謂チート能力なるものを授かることだけは覚えていた。よって、対モンスター、対異世界最強を意識していた俺の計画は破綻したことになると、生後5分で理解してしまった。
2つ目が、その転生特典である【超身体】。力が強く、丈夫で、回復が早く、圧倒的な戦闘技術を扱うための才を秘めているのだ。尚、異世界向けにカスタマイズされた特別仕様だ。
産まれながらに身体はおかしな強度になっていたらしい。やわこい赤ん坊に見えたのに、触るとがっちがちすぎて正気を疑ったと聞いている。彼奴は嘘だ〜と全く信じなかったが、実話である。
他にも、幼稚園児ごろの年齢のとき、保護者の目を盗んで全力で走ると、小さい身体ながら軽く成人男性のスピードは超えていた。脚の損傷もなく、なんなら世界を狙える気がしてならなかった。狙わなかったけど。
幸いなことに、いくら握力ゴリラ越えでも、何故か見た目はちょっと筋肉質な一般学生。部活動には参加していないが、運動部から羨ましがられる見事な筋肉量のバランスらしい。当然、海に行っても恥ずかしくなく上半身を見せられる。
3つ目は、これは一度も試していない、否、試すことができない力である異世界向けの───コンコンコンっ───
「おっと、彼氏が迎えに来たぞ」
「彼氏じゃありませんっ。そもそも性別違うでしょ」
「やほ〜彩葉も来たんだ!」
時間帯を気にしてか、オンボロアパートの軋む扉を気にしてか。控えめなノックだが部屋全体に届く。
物音立てずに逆立ちから戻った俺が玄関の鍵を開けると、バイト返りで少々髪が乱れた少女が半目で此方を見ていた。
「私の部屋の電気ついてないと思ったら…カグヤ、藤原に迷惑かけてないでしょうね?」
そういえば、【転生者】である俺は、もう1つみんなと違うことがある。
それは、この世界が『超かぐや姫!』の世界であると知っている───つまり、ちょっと先の未来を知っているということだ。
ただ、残念なことに、俺は『超かぐや姫!』の世界であることを知っているだけであり、ちょっと先の未来も断片的にしか知らない。CV.はや〇んがいることや、百合百合していること、ネタバレOK!と作品を知る友人から聞いたことしか知らない中途半端な存在なのである。
よって、俺は此方に一人暮らしをするまで、世界のことを誤解していた。ただの日本だと。
『超かぐや姫!』の世界だとわかった理由として、この作品の主人公たちと出会ったからだ。
「迷惑だなんて、そんな〜」
「大人しくしてたぞ。ただ、相変わらず余計な荷物付きできたけど」
「むぅ〜!余計な物じゃないもんっ!ぜーんぶ配信で使うやつ!」
「だったら酒寄さんの部屋に置いたままにしてくれ」
「私の部屋にもいらない」
「彩葉の所、もの置けないもん!」
「あんたが増やすからでしょうが!」
他人の家で言い争いを始めないで欲しい。
なんだかんだ言いながら、この2人は相性いいし、お互い大好きフリスキーだし、放っておいても問題はないのだが。
俺はふと思う。
───がっつり原作に関わってよかったのだろうか
当初は、少し遠くから作品を眺めようと思っていた矢先。なんやかんや巻き込まれ、こうして百合の間に挟まれる男になってしまった感が否めない。
どこで予定が狂ってしまったのか。
ずっと見ていた景色のように感じるが、これはまだ始まったばかりの物語。
【語り人】として、数ヶ月前を思い出そう。
次回から原作に沿って書いていきます。
目標、完結!