私が指示すると咲夜は能力を使って部屋を出ていった。
「はぁ〜。緊張した~」
そう誰にも聞こえないような小さな声で言った。私は普段紅魔館からあまり出ない。といっても、週に数回は出る。けれど、知らない人間と話すのは久しぶりだった。特に、外から来た人なんて初めてだ。
私が紅魔館に彼を向かい入れたのには理由がある、というのは間違いだ。あのかわいいかわいい咲夜はきっと理由があると思っているのだろう。しかし、特にない。私は運命を操る程度の能力を持っているけれど、それで未来が見えているわけでもない。ただの好奇心だ。好奇心に理由をつけるとするなら、霊夢がわざわざ外から来た人を紅魔館に連れてくるなんて気になる。あと、外から来た人は普通幻想郷に来てから二、三日で帰ってくる。ただ、昨日早苗のところに行ったところ、早苗が「私と同じく外から来た人にあったんですよ。大体五日前でしたね?」と言っていた。つまり、一週間ぐらいは幻想郷にいるということだ。
「まあ明日に彼には私の部屋に来てもらいましょうかね」た
また、誰にも聞こえないような声量でつぶやいた。
「レミィ(パチュリーが私に使う愛称)、入っていいかしら」
この館を管理しているパチュリー・ノーレッジがやってきた。ノックも三回していた。
「いいわよ」
そういうとパチェ(私が使うパチュリーの愛称)が入って来た。
なんで私がいる場所が分かったのだろうか。後で聞いてみることにしよう。
「座って」
そういうとパチェは先ほど鈴原優希が座っていた椅子に座った。
「それで、よくここがわかったわね」
「ああ。紅魔館に誰がどこにいるかは魔法で把握しているのよ」
そういえばそのような魔法を取り付けていた。ただ、十年ほど前の話だったはずだし、それまで活用しているところをあまり見ないから一瞬だけ記憶から消えていた。
「便利ね。それで、用があるんでしょう?」
「そうね。明日、鈴原優希を大図書館に連れてきてもらえないかしら?」
パチェも私と同じく好奇心があるのだろうか。
「いいわ。だけど、一応理由を聞きたいのだけど」
「大した理由はないわ。外から来た人なんて久しぶりに見たわ。せっかくだし、魔法を教えたいのよ。幻想郷で魔法を使ってる人なんて少ないしね」
なるほど。確かに幻想郷で魔法を使える人なんてパチェ含め三人ぐらいしか知らない。
「そう。まあいいわ。ただ、一度私の部屋に連れてくる。そのあとでいいわね?」
「それで構わないわ。よろしくレミィ」